健康になりたきゃ、良い人間関係を築きましょう!
愛があれば、何でもできる!
あっ、愛じゃなくて、
「元気があれば、何でもできる」by アントニオ猪木
元気があったら何でもできるのか!?という、本質的なことは後にして、、、
愛があったら、健康になれるのか・・・?
「愛なんて、どーでもいー。大切なのは金!」と言う声も聞こえてきそうですが、
しかし興味深いことに、精神や肉体を支えあう相手がいること、特に結婚が健康にとって有益であることはこれまで数々の研究で報告されてきたのは事実なんです。
安定した人間関係が幸福と健康をもたらす
2017年に「Journal of the American Heart Association」に発表された研究では、未婚の心疾患患者は既婚の心疾患患者に比べ、約4年後に心筋梗塞を起こすか、心血管疾患により死亡する率が52%高いことが示された。
国立健康統計センター(NCHS)によると、既婚者の死亡率は、結婚経験のない人、離婚した人、配偶者と死別した人に比べて低いという。そのほか、恋人の写真を見るだけで、気分や痛みの制御に関わる脳の領域が活性化することや、パートナーのことを考えることが血糖値にプラスの影響を及ぼし、活力の上昇をもたらすことを報告。
ハーバード成人発達研究は、1938年から2つのグループの男性を追跡している。この研究を率いるRobert Waldinger氏が、研究成果に関して行ったTED講演「What makes a good life?(人生を幸せにするものは何?)」は、数千万回以上再生されている。この研究で明らかになったことの中で特に興味深いのは、中年期の安定した人間関係は、30年後の健康と幸福を予測する因子としては、コレステロール値よりも強力である。
人間関係がよいと、なぜ健康でいられるのか?
このような研究結果において、『良好な人間関係が健康に有益である』というのは、まぎれもない事実のようです。しかし、なぜ人間関係の良し悪しが健康に有益性をもたらすのでしょうか?
ある報告にによると、良好な人間関係が、恐怖や怒りを感じたときに生じる闘争・逃走反応を和らげてくれるという仮説があります。嫌なことがあった日でも、家に帰ってその事を話せる相手がいれば、気持ちも楽になりますし、ストレスを抱えて悶々としなくてもよいという事なのでしょう…。
人間は生きていくうえで、そして集団生活をするうえで、様々なストレスを抱えてしまう生き物です。しかし、手を握ったり、ハグしたり、抱きしめたりする行為がストレスホルモンを低減させることが、研究で明らかにされているのだそうです。
支えとなるパートナーの存在はストレスを緩和してくれる以上の働きがある
米ブリガム・ヤング大学心理学・神経科学教授のJulianne Holt-Lunstad氏は、支えとなるパートナーがいることで、運動やより良い食生活を心がけ、必要なときは医者に行くといった具合に、健康的な生活が促されている可能性がある。
と指摘しています。また別の研究では、
結婚の効果はその質によって左右されることが分かりました。幸せな結婚生活を送っている人は、未婚者に比べ血圧が低かったが、結婚生活がうまくいっていない人は独身者よりも血圧が高いという結果が得られたからだ。
結婚であれ恋愛関係であれ、良好な人間関係を作るうえで大切な基礎は、信頼と安心で成り立っていると考えられます。それには、独りよがりではいけませんよね?両者が互いのニーズにこたえる必要もあります。
結婚という枠でなくても、つらい時、苦しい時に支えてくれる相手がいることが重要
自分を支えてくれる相手・・・。これは必ずしも結婚という概念に拘る必要はないのかもしれません。自分が困っている時、必要な時に支えて、手を差し伸べてくれる存在がいると自覚していることが重要だそうです。
結婚していても、言い争いや喧嘩がたえないパートナーの場合は信頼や安心感は得られないかもしれません。
いい健康を得る近道は、相思相愛のパートナーを見つける事が最も重要かも
規則正しい食事、定期的な運動、禁煙・・・。健康になりたいと願う多くの人は、まず生活習慣の改善に努めようとします。しかし、愛するパートナーの存在が身体の健康、特に心臓に大きな好影響をもたらすと理解する必要がありそうですね。
良好な人間関係を構築することは容易いものではありません。しかし、信頼でき安心できるパートナーの存在が、自分の人生をより良いものにしてくれるのは間違いないようです。
ここまで、パートナーの大切さを説いてきましたが、パートナーがいてもお互いの信頼関係や愛情が冷めていれば、ストレス軽減どころか、ストレスを溜め込むことに繋がり、健康の恩恵に預かることが出来なくなります。
んんん~~、パートナーシップって、難しい…。(マイケル心の叫び)
参照記事
2020年2月5日/American Heart Association] Copyright is owned or held by the American Heart Association, Inc., and all rights are reserved. If you have questions or comments about this story, please email editor@heart.org.
参考
ケアネット
菜食主義が健康になるとは限らない!? ~大切なのは摂取する菜食の質!!~
皆さま、こんにちは(^^)
秋も深まってまいりましたね~。
金木犀の香りに包まれながら、秋の気配を感じている今日この頃でございます。
ところで皆さん、健康になるためにお肉を食べないで、菜食主義者(ベジタリアン)に切り替えよう~!
なんて思っている方、いらっしゃいませんか??
この行動、実は健康にはマイナスかもしれません…。
今回ご紹介する論文は、『菜食生活に切り替えたとて、全てが健康になるとは限らないよ~』という内容で、ハロコピオ大学(ギリシャ)のMatina Kouvari氏らが、欧州心臓病学会(ESC)のバーチャルミーティング(ESC Congress 2020、8月29日~9月1日)で発表されました。
菜食主義がすべていいとは限らない!摂取する菜食の質が問題!!
Kouvari氏らは、ギリシャで行われている疫学研究「ATTICA研究」の参加者を対象に、植物性食品の量や質の違いと心疾患との関連を検討する追跡研究を行いました。
研究概要
ATTICA研究には、アテネ在住の心血管疾患やその他の慢性疾患のない一般成人が登録されており、その中から、肥満でありながら、血圧、血清脂質、血糖値が基準値内にある146人を無作為に抽出。調査前年の食習慣に関するアンケートを基に、ギリシャで一般的に摂取されている156種類の食品と飲料の種類と量を調査した。この調査に際しては、食品の写真リストを用いて正確性を確保した。
研究結果
約10年の追跡期間中に、参加者のほぼ半数が高血圧、脂質異常症、高血糖を発症しています。参加者の半数って、けっこう多いと思いませんか?
実はこれらの検査値異常の組み合わせは、心疾患ハイリスク状態と考えられます。
しかし、基準値内の検査値を維持している人にはある特徴的な植物製品を摂取している傾向があったのです。
その健康的な植物性食品とは、
全粒穀物、果物、野菜、ナッツ、オリーブオイル、コーヒーなど。そして、これらの植物性食品に一致して言えることは、未加工食品が多く含まれていた。ということです。
一方、検査値異常値の大半の人が食べていた植物性食品というのは、
果汁飲料、加糖飲料、精製穀物(白パンやパスタなど)、ジャガイモなど。また、あらゆるタイプのお菓子の摂取も検査値異常と関連していた。
また、性別で検討すると、男性よりも女性において、より明確な関連が認められた。
つまり、女性では特に、『どんな種類の菜食をとっているのか?』て、健康を左右すると考えられます。
これまでは、植物性食品をより多く摂取するほうが健康的だという食事研究が出ていましたが、大事なのは植物性食品よりも、その植物性食品の質、素材が健康を左右しているのではないでしょうか?
つまり、一口に「動物絵師食品は控えて、植物性食品を多くとる!」と言いっても、フルーツジュースやパン(精製穀物)、お米(精製穀物)、お菓子などばかり食べていては健康的な体を得ることはできないと結論付けられます。
精製された米、パン、パスタを多く摂取することは、心疾患リスクや糖尿病の発症リスクを高める可能性がある!
肉類を減らす、または避けることで、どうしても高度に加工された炭水化物(精製米、精製パン、パスタ)などの摂取量が増えることにつながります。
高度に加工された炭水化物を多く摂取すると、心血管疾患の発症リスクや糖尿病などの発症リスクを高めることで知られています。
今まで発表されている従来の研究では、野菜、果物、ナッツ、全粒穀物、精製穀物を一派ひとからげに「植物性食品ベースの食事スタイル」と定義していましたが、今回の研究結果では、全てを同質の植物性食品とみなすには幅がありすぎ、栄養の質の違いが浮き彫りになったと言えると思います。
マイケルのブログでも口酸っぱくいっておりますが、偏った食事は危険もあります。タンパク質を摂取する事も大切で、それは赤身肉でなく卵、豆乳、魚介類でも十分補うことが出来ます。
明日は友達と焼き肉食べに行くぞーーー!!
もちろん、野菜サラダやキムチ、ナムルも注文しますよ~♪
でも、、、白飯は控えておこうかな…(;'∀')
参照
HealthDay News
ケアネット[2020年8月27日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved
中年期女性必見!! 緑茶やコーヒーを飲むと、体脂肪Iが減少して血管年齢が若くなる!?
皆さん、こんにちは(^^)
ダイエット、、、幾つになっても興味ありますよね!
私なんて、年がら年中ダイエットしてますよ…。
ちっとも、痩せませんが。。。
お腹の脂肪減らしたい!
ビキニ着てビーチを駆け回りたい・・・!
そんな、野望丸出しの私から、中年期女性の皆さんに朗報です。
皆さんは、緑茶やコーヒーはお好きですか?
コーヒーは苦手と言う方でも、緑茶なら毎日飲んでいる!
という方も多いのではないかと思います。
今回取り上げる論文は、コーヒーや緑茶の摂取量によってBMIや体脂肪がどう変化するか?に着眼した内容で、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科茨城県地域産科婦人科学講座の寺内公一氏らが研究を行い、「Nutrients」5月11日オンライン版に掲載されました。
コーヒーや緑茶の摂取量が多い中年期の女性は、BMIや体脂肪が低い!?しかも、血管年齢も若くなる!!
コーヒーや緑茶の摂取量が多いと、心血管疾患のリスクが低くなるということは、既に報告されています。また巷では「カテキン成分が脂肪の蓄積を抑える」と言われており、CMや広告などでもこぞってアピールしていますよね?
でも、本当のところ、、、どうなんだろう…。
科学的根拠はあるのか??と疑問に思われた方も多いはず。
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科茨城県地域産科婦人科学講座の寺内公一氏らは、緑茶やコーヒー摂取量と、体脂肪、BMI、血管年齢は逆相関しているという事を科学的に証明したらしいのです。
研究背景・内容
- 対象者は:40~65歳の更年期症状のある女性232人(平均年齢51.6±5.0歳)。コーヒーや緑茶の摂取量はアンケートから把握し、全体を以下の4群に分類した。
- 対象群:コーヒーおよび緑茶の摂取量がいずれも1日1杯未満(16.8%)
- コーヒー群:コーヒーは1日1杯以上で緑茶は1杯未満(20.3%)
- 緑茶群:コーヒーは1日1杯未満で緑茶は1日1杯以上(32.8%)
- コーヒー+緑茶群:コーヒーと緑茶ともに1日1杯以上(30.2%)
- 動脈硬化の進行レベルは、血管の柔軟性の指標の一つである「CAVI」(数値が大きいほど血管柔軟性が低い)で評価した。
研究結果
- 年齢、月経の有無(閉経前/閉経期/閉経後)、喫煙・飲酒・運動習慣、エネルギー摂取量で調整の上、対照群を基準として各群のBMI25以上の割合を比較すると、コーヒー群はオッズ比(OR)0.14(95%信頼区間0.05~0.46)、コーヒー+緑茶群はOR0.15(0.05~0.50)であり、有意な負の相関が認められた。緑茶群はOR0.38(0.12~1.18)で、有意でなかった。
- 体脂肪率30%以上の割合は、コーヒー群はOR0.33(0.14~0.82)、緑茶群はOR0.36(0.14~0.96)、コーヒー+緑茶群はOR0.30(0.12~0.74)であり、いずれも有意な負の相関が認められた。
- CAVI8.0以上の割合は、同順にOR0.37(0.05~2.53)、0.11(0.01~2.27)、0.05(0.003~0.743)であり、コーヒー+緑茶群のみ有意な負の相関が認められた。
まとめ
今回の研究結果をまとめると、閉経前後の日本人女性では、毎日のコーヒーや緑茶の摂取量とBMIおよび体脂肪が逆相関していることが分かりました。
つまり、コーヒーや緑茶を多く飲む人ほど、BMIや体脂肪が低いというわけです。
さらに、コーヒーや緑茶の摂取は体型維持だけでなく、血管年齢も若くなるということが分かりました。女性の健康維持や動脈硬化予防にも役立つ可能性があるということを示唆しています。
ただしコーヒーも緑茶も飲みすぎには注意です!!
緑茶やコーヒーは、飲みすぎると健康被害を引き起こすことも知られています。
コーヒーの場合、カフェインの摂りすぎによる睡眠障害、クロロゲン(コーヒーポリフェノール)が胃粘膜を荒らすともいわれているんですよ。
また、緑茶の飲みすぎは、コーヒーと同様カフェインの摂取過多による睡眠障害、タンニン摂取過多による貧血、シュウ酸の摂取過多による腎結石・尿管結石の危険性もあると言われています。
健康に良いからといって、コーヒーや緑茶を1日20杯も飲むのはかえって、健康を害するリスクもあるので注意してくださいね。
1日に摂取する目安は、コーヒーなら1日3杯程度(コーヒーカップ)、緑茶なら一日10杯(湯呑)がいいそうですよ。
揚げ物の摂取頻度が高いと、死亡リスクが上がる!?
皆さん、こんにちは(^^)
油であげた天ぷら、唐揚げ、コロッケ、アジフライ、フライドポテト、、、
どれをとっても、おいしいですよね~!
油と塩の饗宴って、本当に美味!!!!!
なんですが、、、
やっぱり揚げ物って、身体によくないらしいんですよ。
そんな揚げ物が体に及ぼす影響について書かれた論文を見つけたので、ご紹介しますね。
揚げ物の頻回摂取は全死因死亡、および心血管死亡のリスクを高める
『揚げ物、とくにフライドチキン、豚カツ、魚介類のフライの摂取量が多くなると、全死因死亡、心血管死亡の危険性が高くなる』というデータが示されました。
北米成人の約25~36%が。毎日ファストフード店で揚げ物(ハンバーガー、フライドポテト、フライドチキン、フライドフィッシュなど)を食べているそうです。
実際、揚げ物が身体に悪い・・とは何となく以前から言われていた事ですが、死亡への影響については、科学的エビデンスが乏しく議論の的になっていた所でした。
研究背景・方法
米国・アイオア大学のYangbo Sun氏らの閉経後女性を対象とした大規模前向きコホート研究「omen's Health Initiative(WHI)研究」のデータ解析の結果示されました。
研究グループは、1993年9月~1998年9月に米国の40施設で行われたWHI研究に登録された、登録時50~79歳の閉経後女性、約10万7000人を、2017年2月まで追跡調査した。
自己記入式食事摂取頻度調査により、揚げ物の摂取頻度と1人前の分量について評価。揚げ物は、フライドチキン、魚介類(魚、エビ、カキ)のフライ、その他の揚げ物に分類した。
主要評価項目は、全死因死亡、心血管死亡、がん死亡とし、Cox比例ハザードモデルを用いて、揚げ物の摂取との関連を解析した。
研究結果
フライドチキンを1週間に1人前以上摂取している分は、非摂取群と比較して全死因死亡リスクは1.13倍、心血管死亡リスクは1.12倍であった。同様に魚介類のフライの摂取に関する危険率は全死因死亡 1.07倍、心血管死亡 1.13倍であった。
BMJ誌2019年1月23日号掲載
揚げ物の摂取量とガン死亡との関連性は認められなかった
今回の研究の結果から、揚げ物の総摂取量および、種類別摂取量とガン死亡との一般的な関連は認められなかった。
本研究の懸念点
この研究結果から、揚げ物の摂取量が与える影響は、全死因死亡リスクを高める、心血管死亡リスクを高める。ということが示されました。
一方、揚げ物の摂取量とガンによる死亡との関連性は認められなかったとしています。
ただ、この研究には若干の懸念点が挙げられま。
揚げ物の揚げ方や、調理用油に関する情報が限られているという点です。つまり、揚げるために使用する油を、キャノーラ油やサンフラワー油にするのか、それともオリーブオイルにするのか。といったような、揚げ油に関する情報はありません。
また、食物そのものの影響と、揚げることによる影響を分ける事が出来ない点が、この研究の限界であると考えられます。
アクリルアミドの発がん性について
食材の成分は、揚げる、焼く、焙るなど熱を加えることで化学変化が起こり、色や風味、食感などが良くなります。
しかし、穀類、芋類、野菜など炭水化物を多く含む原材料は加熱調理の過程で、化学物質であるアクリルアミドを産生します。
この、アクリルアミドの発がん性は、2002年スウェーデンの動物研究で報告され、ヒトについては、2007年のオランダのコホート研究でER陽性乳がんなどの発症リスク増加が報告されました。
しかし、否定的なデータもあり、米国国立がん研究所は、アクリルアミドについて、『発がん性は懸念されるが、ヒトに対する十分なエビデンスはない』としています。
また、本邦の農林水産省も、同様の見解を示しています。
揚げ物の3つの問題
- 揚げ物に使われる油のオメガ6
多くの調理用油で使用されるベジタブルオイルはオメガ6が多いため、食べれば食べるほど、体内の炎症が増えて老化が進んでしまうという状況を招きます。
揚げ物に使用して問題ない油として、ラード、ギー、バター、牛脂、ココナッツオイル、オリーブオイル等が挙げられます。 - 唐揚げやてんぷらの衣に使われる小麦
小麦に含まれるグルテンが問題視されています。これは、科学的エビデンスは証明されておりませんが、消化器系に悪い影響を与える可能性があるとも言われています。 - 高温の調理で生まれるAGEs
AGEsとは、終末糖化産物の略称で、高温による調理で生成される成分です。非常に強い毒性があり、老化や糖尿病を引き起こすといわれています。
***AGEsについては、近いうちに別の記事でご報告したいと思います***
揚げ物摂取のガイドラインを作るとすれば・・・
- 揚げ物は、月に1~2回くらいまで。
- 料理用油には、オリーブオイル、ギー、ラードを使う(キャノーラ油、サンフラワー油は厳禁)。
- 小麦粉の代用として、ポテトスターチやアーモンドパウダーを衣として使用してみるのも良い。
揚げ物を過度に怖がる必要はないと思いますが、気になる方は上記のような摂取方法を試してみても良いかと思います。ただやはり、毎日のように揚げ物を摂取するのは、身体に良くない、、、といった所が本音だと思います。
原著論文はこちら
Sun Y, et al. BMJ. 2019;364:k5420.
睡眠の質が悪いと、女性は太る!?
睡眠不足が不健康な食生活の引き金となる!
今回の報告は、米コロンビア大学のBrooke Aggarwal先生の研究結果です。*1。
研究内容
-
対象は20歳~76歳の女性、495人。睡眠習慣と食生活との関連を検討。
背景
- 平均年齢37±16歳、BMI25.9±5.7、睡眠時間6.76±1.24時間。
- 全体の39%は睡眠の質が悪いと判定された。
- 摂取エネルギー量は平均1,433±862kcalだった。
検討の結果、過去の研究と同様に、睡眠の質が悪い(ピッツバーグ睡眠指数が高い)人ほど、肥満や2型糖尿病リスクにつながる糖の摂取量が多く、また食事全体の量も多く、その割に不飽和脂肪酸の摂取量は少ないことが明らかになった。また、寝つくのに60分以上かかる人は15分以内に眠れる人に比べ、食事摂取量と摂取エネルギー量が多く、全粒穀物の摂取量は少なかった。さらに、不眠症症状の重症度が強いほど摂取エネルギー量が多く、不飽和脂肪酸の摂取量は少ないという関連が見られた。
ピッツバーグ睡眠指数って??
「睡眠の質」と言う言葉をよく聞くと思いますが、この‟質”をどのように計測すればよいか、その尺度と言うのは非常に個体差があり主観的です。
例えば、「今日は、睡眠中一度も起きなかった!」とか、「今日は全く夢を見なかった」とか、「ぐっすり眠れた気がする…」とか。
人によって睡眠の質の感じ方は様々です。
そこで、この睡眠の質を客観的に数値化したものが、ピッツバーグ睡眠指数です。合計数値が高いほど、睡眠の質が低いと言えます。皆さんも一度、tryしてみた下さい(^^)
睡眠にまつわるこんな記事もありますのでご参照下さい(^^)
とかく女性は、睡眠障害に陥りやすいそうです。その理由は、20代~40代は子供や家族の世話を行い、子供が育ち手が離れたころには閉経期のホルモン分泌の変化が起こるからだそうです。女性の人生は睡眠障害との戦いなんですよ!!
睡眠の質が悪いと不健康な食生活に傾きやすい原因のひとつに、
「睡眠の質が悪いと、空腹シグナルが刺激される一方で、満腹シグナルが抑制さるれ食物の過剰摂取につながる」と考えられます。
「睡眠の質が悪い女性は食べ過ぎていて、より不健康な食品を食べる傾向がある」と考察しています。同氏によると女性は、若いうちは子どもや家族の世話のため、その後の人生では閉経期のホルモン分泌の変動のために、睡眠障害になりやすいという。
さらに、過食により胃腸の不快感が引き起こされて、その後眠りにつくのに時間がかかったり、深い眠りが妨げられる可能性もります。
いずれにせよ、
不健康な食生活と過食は肥満につながります。従来の研究結果からも、肥満が心疾患のリスク因子であることは間違いないので、睡眠の質をいかに向上させるか。医療で介入できれば、肥満を防ぎ、引いては心疾患のリスクを減らすことも期待できます。
原著論文
Zuraikat FM, et al. J Am Heart Assoc. 2020 Feb 17
参照
ケアネット
提供元
HealthDay News
*1:「Journal of the American Heart Association」2月17日オンライン版
魚油サプリメント(フィッシュオイル)の摂取で死亡率や心血管死亡リスクが低下する!?
今回取り上げる論文はコチラです。
魚油の代表はDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)
ちょっとその前に、、、魚油の油ついてお勉強をしましょう。
魚の油は脂肪酸の一種です。脂肪を構成している要素である脂肪酸は、分子の構造的な違いから飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されます。
飽和脂肪酸は肉や乳製品に含まれる脂であり、動脈硬化や心血管疾患の発症リスクを高めると言われています。一方、不飽和脂肪酸とは植物油や魚の油などに含まれていて、身体にとって有益な作用がある脂肪酸であると言われています。
魚の油には、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)が含まれており、オメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)に分類されます。これらは動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を下げるほか、LDLコレステロールを減らすなど、さまざまな作用を持っています。
ただし、熱や光、空気で酸化しやすく、過酸化脂質になるので注意が必要です。
高温で調理すると大気中の酸素と反応し過酸化脂質となるので、食物として摂る場合、揚げ物や炒め物よりドレッシングなどに向いています。
DHAやEPAは血液中の中性脂肪を減らすとも言われていますが、血液中にオメガ3脂肪酸が多い人は心血管疾患を発症しにくいという論文がいくつか出ています。しかし、不思議な話ですよね、、、DHAやEPAを摂取しただけで血液中の脂肪が減って、その脂肪はどこに行くのだろう…。明確なメカニズムは明らかになっていませんが、オメガ3脂肪酸には血管をしなやかにして拡張させる働きがあると分かっています。
魚油サプリの摂取によって、全死因死亡率と心血管疾患死リスクを低下させる
研究内容
- 2006~10年にUK Biobankに登録された参加者のうち、心血管疾患、悪性腫瘍(がん)を有していない40~69歳の男女42万7,678例
- 2018年末まで追跡調査を行い、全参加者は、魚油を含むサプリメントの常用に関する質問票に回答した。
- 主要評価項目は全死因死亡、心血管疾患死亡、心血管疾患イベントとし、Cox比例ハザードモデルを用いて解析した。
研究結果
- ベースラインで42万7,678例中13万3,438例(31.2%)が魚油サプリメントを常用していた。
- 非常用者に対する常用者の多変量補正ハザード比(HR)は、全死因死亡が0.87(95%信頼区間[CI]:0.83~0.90)、心血管疾患死亡が0.84(95%CI:0.78~0.91)、心血管イベントが0.93(95%CI:0.90~0.96)であった。
- 心血管イベントに関しては、高血圧症を有する参加者においてこの関連性はより強い傾向があった(交互作用p=0.005)。
魚油サプリメントの摂取によって、全死因脂肪・心血管死亡が低下する
しかし、今回の研究では魚油サプリメントの摂取によって、全死亡、心血管死亡が低下するという結果が証明されたのです。
ただ、注意しなければいけない問題点も、この研究結果にはあります。
この研究では、魚油サプリメントの容量、服用回数、形状、服用期間などが明らかになっていません。この点はもう少し考察を踏まえる必要がありそうです。
読者の皆さんで、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞の既往、脳卒中などの心血管疾患を罹患している方は、魚油サプリメントを服用する前に、病院の主治医の先生に摂取していいかどうか一度お伺いしてくださいね!
心筋梗塞の再発リスクの原因はお腹周りの脂肪!?第二弾 ~重要なのは内臓脂肪型か皮下脂肪型かを判別すること~
病院の先生や看護師さんが口を揃えていう事、、、
「腹部肥満を減らすには運動と食生活改善が一番!」
まぁ、分かりますよ。言われなくても知っています。
でも、続かないんです、、、そう簡単に重い腰はあがりません。
わざわざジムに行って大金を払っても、続きませんよね。
かといって、自宅で筋トレしようと思っても筋トレの仕方が分からない。
有酸素運動って、どっからが有酸素なんだ!!!
皆さんの小言が聞こえてきます。
でも、そんな方たちにこそ聞いてほしい!
腹部脂肪が内臓脂肪なのか?皮下脂肪なのかを特定するのが重要
肥満は皮下脂肪型と内臓脂肪型に分けられます。
内臓脂肪型肥満は、腹腔内の腸間膜などに脂肪が過剰に蓄積しているタイプの肥満で、下半身よりもウェストまわりが大きくなるその体型から「リンゴ型肥満」とも呼ばれます。男性に多く見られるのも特徴です。またBMIが25未満で、肥満ではないものの内臓脂肪が蓄積している場合もあり、俗に「隠れ肥満症」と呼ばれることがあります。
皆さん、ちょっと考えてみてください。
例えば、身長160cm、体重77kgだと、BMI30.08で、肥満と分類されますが、
もし、体重77kgのうちの筋肉量が40kgだったら、肥満だと思いますか?
逆に、体重77kgのうちの脂肪量が50kgだったら、肥満だと思いますか?
ポイントはそこなんです!!
体重だけで肥満とは推察できないし、内臓脂肪が多いともいえないのです。
一方で、痩せている人(痩せていると思っている人)、BMIが標準以下の人であっても、体脂肪率や内臓脂肪が多いと健康的とは言えない。
という事になるのです。
重要視すべきは、BMIでも皮下脂肪でもない。内臓脂肪である!
腹部肥満は、喫煙、糖尿病、高血圧、コレステロール、BMIといった他のリスク因子とかかわりなく、心筋梗塞や脳卒中と独立して関連することが明らかになった。
内臓脂肪も皮下脂肪も腹部肥満に属します。お腹の脂肪が内蔵脂肪か、または皮下脂肪かを調べるには、お腹の輪切りにして撮影する検査法を用いるのが一番です。
皆さんも、耳にしたことがあるかもしれませんが、いわゆるCT検査がこれにあたります。多くの医療機関では、CT装置が設置されており動脈硬化を疑うような症状や疾患があれば保険範囲内でCT検査ができます。
また、動脈硬化を疑うような基礎疾患がない場合は、専門病院で心臓ドックを受けることも可能です。
CTとは、Computed Tomographyの略で、X線を使って身体の断層像を撮影する検査装置のことをいいます。体の周囲を360度方向から連続的に エックス線を当てるようにし身体を "輪切り"にした断面像を構成します。脳、大動脈、心臓、気管支、肺、肝臓、腎臓など、様々な臓器の描出に優れています
脂肪ってなんだろう??
‟脂肪”って、ただ身体の容積を大きくして肥満に繋がる物質。という観点以上に、最近では動脈硬化を引き起こすそもそもの根源であるとも言われているんです。
脂肪と腹部脂肪について、「みなみ野循環医病院 診療放射線技師の望月純二先生」はこのように説明されています。
動脈硬化は、血管壁における慢性炎症が病態の背景にあるとされ、近年その慢性炎症に関与しているのが脂肪であることが注目されている。脂肪は余剰エネルギーを中性脂肪として貯蔵する代謝臓器であるだけでなく
、ホルモン(アディポサイトカイン)を生産し分泌する内分泌臓器としての機能も有する。そのため、脂肪の過剰な蓄積により、アディポサイトカインの生産異常が生じ耐糖能異常、脂質異常、高血圧に関与し動脈硬化を引き起こすことが考えられる。つまり、脂肪量を計測することが動脈硬化の評価に重要であると考えられる。
腹部脂肪について
虚血性心疾患の増加には肥満の関与が指摘されている。腹部脂肪において特に重要となるのが内臓脂肪である。内臓脂肪が過剰に蓄積されると脂肪組織に炎症を引き起こし、その影響は脂肪組織内に留まらず、遠隔臓
器にも及ぶことが示唆されている。これにより全身の動脈硬化が進行すると考えられている。腹部肥満は男性の場合ウエストサイズ85cm以上、女性で90cm以上とされているが、これはあくまで内臓脂肪の過剰な蓄積を疑う指標に過ぎない。特に女性においては皮下脂肪が多く、ウエスト径だけで内臓脂肪量を推測することは困難である。よって、正確な状態を知るためにはCTによる評価が必要になる。
日本肥満学会では内臓脂肪型肥満を、BMI25以上を必要条件とし、臍断面で内臓脂肪が100㎠以上の場合と定義されており、みなみ野循環器病院では内臓脂肪100㎠以上を虚血性心疾患の高リスク群と評価している。撮影は臍の部分1cm程度しか行わないため、被ばくも最小限で検査することが可能である。
簡単にまとめると、
ここまでの計測なら、自宅で測定可能ですよね?
重要なのは、ここから。。。
腹部肥満の原因が内臓脂肪型であるかどうかを判定する検査が必要となります。この内臓脂肪の描出・計測に優れているのがCT装置であり、簡便で精度の高い検査を行う事が可能なのです。
BMI25以上で、且つCT検査によって内臓脂肪が100㎠以上の場合、心血管疾患のリスクが高いと判定されます。
内臓脂肪が100㎠以上あると、動脈硬化や心筋梗塞、狭心症、脳卒中などを発症する危険性が高いということですね。
病気にならないために食事を気を付けるとか、運動習慣を身につけるとか、色々手段はあると思いますが、私たちが健康維持のためにまずやるべきことは、お腹の脂肪が皮下脂肪型か内臓脂肪型かを特定することです。
CTスキャンは短時間で簡単に検査することが出来ます(閉所恐怖症の人は大変かも…)。基礎疾患や症状によって保険が適応されるか決まりますが、一度心臓ドックを受けてみるのが、ご自身の健康状態を客観的にチェックする良い方法だと思います。
ただ、CT撮影は”被爆”というリスクもあるので、専門病院の先生と相談して検査を受けられることをお勧めいたします。