現役メディカルスタッフが語る!!健康な身体と心を手に入れる極意

循環器専門病院に勤務するメディカルスタッフ(健康オタク)が、最強の身体と心を手に入れるための方法を伝授します!巷のうわさ話ではない、科学的根拠(Evidence)に基づいた健康法を医療専門家の視点から徹底的に語ります。

便秘は万病のもとの理由 ~便秘は心疾患発症リスクを上昇させる!?~

 便秘は若年層から高齢者の方まで、多くの方が一度は経験した症状かもしれません。

この便秘に関してですが、日本消化器病学会関連研究会において『慢性便秘症診療ガイドライン』が発刊されており、『便秘症』に関しては医療界でも注目が集まっている話題のひとつなのです。

 実はこの便秘症、アテローム動脈硬化症の発症と関連している(腸内微生物叢の変化による可能性)という事が、科学的根拠を基にしたデータから明らかになりました。

 

é¢é£ç»å

 

 便秘が全死亡・心血管疾患の発症リスクと関連!!

今回、米国退役軍人コホートにおける研究から、便秘である事と、便秘薬の使用が、それぞれ独立して、全死因死亡、冠動脈疾患発症、虚血性脳卒中発症のリスクと関連していたことを、米国テネシー大学/虎の門病院の住田 圭一氏らが報告より分かりました。

*1

 

研究背景・研究内容

2004年10月1日~2006年9月30日(ベースライン期間)に、推算糸球体濾過量(eGFR)が60mL/分/1.73m2以上(つまり、腎臓が悪くない人)であった米国退役軍人335万9,653例において、2013年まで追跡し、便秘の有無(診断コードと便秘薬の使用により定義)・便秘薬の使用(なし、1種類、2種類以上)と、全死因死亡率・冠動脈疾患(CHD)発症・虚血性脳卒中発症との関連を検討した。

研究結果

335万9,653例のうち、23万7,855例(7.1%)が便秘と同定。
人口統計、一般的な併存症、薬物治療、社会経済的地位に関する多変量調整後、便秘の患者は、便秘ではない患者と比べて全死因死亡率が12%高く(ハザード比[HR]:1.12、95%CI:1.11~1.13)、冠動脈疾患発症率が11%(HR:1.11、95%CI:1.08~1.14)、虚血性脳卒中発症率が19%高かった(HR:1.19、95%CI:1.15~1.22)。
便秘薬使用なしの患者に比べ、1種類および2種類以上の便秘薬使用患者のHR(95%CI)はそれぞれ、全死因死亡率で1.15(1.13~1.16)および1.14(1.12~1.15)、冠動脈疾患発症率で1.11(1.07~1.15)および1.10(1.05~1.15)、虚血性脳卒中発症率で1.19(1.14~1.23)および1.21(1.16~1.26)であった。

*2

 

また、大阪大学の久保田 康彦氏らの研究チームは、2015年に日本人を対象とした大規模コホート研究であるJACC(Japan Collaborative Cohort)Studyを用いて検討した結果、便秘症と心血管リスクの関連性を示唆する報告をしています

*3

 

研究背景・内容


本研究では、1988~1990年に心血管疾患やがんお既往のない7万2,014人(40~79歳、男性2万9,668人、女性4万2,346人)について、排便頻度(毎日・2~3日に1回・4日以上に1回)と下剤使用(はい・いいえ)に関する情報を含むライフスタイルのアンケートを開始時に実施し、2009年まで追跡。

研究結果


116万5,569人年のフォローアップの間に死亡した参加者は、冠動脈疾患が977人(男性561人、女性416人)、脳卒中全体が2,024人(男性1,028人、女性996人)、虚血性脳卒中が1,127人(男性606人、女性521人)、出血性脳卒中が828人(男性388人、女性440人)であった。

 

CVDの危険因子(糖尿病、ストレス、うつ病、運動不足など)の保有率は、下剤使用者と排便頻度の低い人で高かった。
多変量解析による下剤使用者のハザード比(95%CI)は以下のとおり。
 冠動脈疾患:1.56(1.21~2.03)
 脳卒中全体:1.27(1.08~1.49)
 男性における虚血性脳卒中:1.37(1.07~1.76)
 女性における虚血性脳卒中:1.45(1.17~1.79)
・追跡期間初期の死亡を除外しても同様の結果が認められた。
・排便頻度とCVDによる死亡の間に有意な関連は認められなかった。

 

ã便ç§ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

 便秘は立派な病気です!

便秘自身、排便回数の低下や、それに伴うQOL低下を自覚するものの、便秘が医師の治療や処方を必要な疾患であると認識している人はどれほどいるのだろうか? 

その証拠に、便秘症に関するセルフメディケア商品の市場規模が300億円超とも言われています。

まず、本人が便秘症であるという事を自覚し、「医師と患者の双方が、まずは便秘を『病気』として認識するとともに、適切な初療により慢性化させないことが重要であると思います。

 

 

便秘の定義(本邦ガイドライン) 

排便習慣(排便回数、残便感、膨満感など)には個人差が大きく、患者が「便秘」という言葉で意味する内容も様々です。

本邦にある便秘症に関するガイドラインでは、「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状況」を便秘と定義。

また、便秘症については、「便秘による症状が現れ、検査や治療を必要とする場合であり、その症状として排便回数減少によるもの(腹痛、腹部膨満感など)、硬便によるもの(排便困難、過度の怒責など)と便排出障害によるもの(軟便でも排便困難、過度の怒責、残便感とそのための頻回便など)がある」としている。

 

便秘症でないものは以下のものです。
 ・何らかの理由で経口摂取量が不十分なことによる、排便回数の減少

 ・過度な残便感による訴え、排便に対する脅迫観念が由来のもの

 

便秘を放っておくと、狭心症脳卒中動脈硬化になってしまうかも。

便秘であること自体が、心血管リスク(冠動脈疾患、脳卒中の発症)を上昇させるという事実、本当に意外な事実だと感じます。便秘と心血管疾患には、腸内フローラ(腸内細菌)が関係しているのではないか!?との意見もあるようですが、今のところ、科学的な根拠のある見解ではありません。

 

便秘で心血管疾患になるなんて・・・そ「便秘になんてなりたくない!!」

と、誰しも考えるはず。

 

具体的に同のようにしたら便秘を防ぐことが出来るのか!?

次回は、医学的観点から便秘症の対策について考えていきたいと思います。

 

 

原著論文はこちら

Sumida K, et al. Atherosclerosis.2018 Dec 23;281;114-120. [Epub ahead of print]

 

 

 

*1:Atherosclerosis誌オンライン版2018年12月23日号に掲載。

*2:Journal of epidemiology誌オンライン版2015年12月26日号に掲載

*3:JACC(Japan Collaborative Cohort)Study

本当は怖い、市販の風邪薬

今シーズンのインフルエンザは、日本だけでなく欧米でも猛威をふるっており、風邪も蔓延しているそうです。

読者の皆さんも、体調の変化にはくれぐれも、お気をつけ下さいね。

 

皆さんは、風邪を引いたら、病院に行く前にドラッグストアーで市販の風邪薬を購入するこはありませんか?

 

もしかしたらこの行動、狭心症心筋梗塞を発症する原因になっているかも、、、

しれません・・・。

 

 

鼻炎薬に含まれる、プソイドエフェドリン、フェニレフリンや、ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:エヌセイドと読む)は、多くの風邪薬に含まれていますが、高血圧ガイドイドラインでは、いずれも血圧を上昇させる可能性のある薬剤としてリストに掲載しています。

 

é¢é£ç»å


 

鼻炎薬の特徴

鼻炎薬に含まれるプソイドエフェドリンやフェニレフリンといった成分には血管収縮作用があり、鼻粘膜の腫れを抑えて鼻づまりの症状を緩和します。

しかし高血圧や心疾患を有する人では、これらの作用で血管が収縮すると病状が悪化する可能性があるとも言われています。

 

ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

NSAIDsについては、健康な人でもリスクがある可能性が報告されています。

代表的な薬物

 

ã風éªè¬ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

NSAIDsを7日間服用すると、心筋梗塞を発症リスクが上昇

研究結果によると、7日間の服用で、心筋梗塞の発症リスクが発現し、高容量を30日間服用することで、心筋梗塞のリスクが最も高くなることが分かりました。

 

英国・オックスフォード大学のColin Baigent氏らのよる、Coxib and traditional NSAID Trialists’(CNT)共同研究グループによるメタ解析結果

すべての用量のNSAIDで、1週、1ヵ月、1ヵ月以上の投与のいずれにおいても、心筋梗塞のリスクが上昇しました。また、1~7日の投与による心筋梗塞リスクの増加の確率(心筋梗塞の補正オッズ比[OR]が>1.0となる可能性)は、セレコキシブが92%、イブプロフェンが97%、ジクロフェナク、ナプロキセン、rofecoxibは99%であり、補正ORはそれぞれ1.24(95%信用区間:0.91~1.82)、1.48(1.00~2.26)、1.50(1.06~2.04)、1.53(1.07~2.33)、1.58(1.07~2.17)であった。心筋梗塞のリスクは、NSAIDの用量が増加するに従って上昇しました。リスクは投与開始1週目には発現した。また、8~30日間の高用量毎日投与(セレコキシブ>200mg、イブプロフェン>1,200mg、ジクロフェナク>100g、ナプロキセン>750mg)のリスクが最も高く、30日以降のさらなるリスク上昇は明確ではなかった。

 

 

 高血圧ガイドラインによるアドバイス

  1. 鼻炎薬はできる限り短期間の使用とする
  2. 鼻洗浄用生理食塩水や抗ヒスタミン薬などの代替薬の使用
  3. 医師や薬剤師と相談なく、鼻炎薬を7日間服用しないこと
  4. 既に、重度の高血圧、心不全、心血管リスクのある患者さんは、出来る限りNSAIDsの使用は避けるようにした方がよい。
  5. NSAIDsの代用薬として、NSAIDsの外用薬やアセトアミノフェンの使用を推奨

 

本当は怖い、風邪薬


単に風邪やインフルエンザに罹るだけでも、心血管系に負担は掛かり、細菌やウイルスに身体が抵抗することで心拍が上がり、身体に炎症が生じます。

さらに、心不全や高血圧をお持ちの患者さんでは、NSAIDを使用すると尿中へのナトリウム排出量が減り、体液貯留が増加して血圧が上昇するなどの問題が生じる可能性があります。

実は、NSAIDの添付文書には、心筋梗塞脳卒中リスクの上昇に関する警告表示がなされているんですよ!

また、NSAIDsや風邪薬による合併症や副作用として、

などの報告もあります。

アナフィラキシーショックは、発疹や掻痒感(痒み)といった初期症状から始まり、重篤な例では、気道閉塞による呼吸困難、血圧低下による心原性ショックを引き起こしますので、身体のチョットした変化にも注意が必要です。

 

medicalnote.jp

 

市販薬の薬を数日間しようしても体調が回復しない場合は、病院を受診しましょう!

 

市販薬の風邪薬を服用すしてはダメ!と言っている訳ではありません。

現代社会では、どうしても病院を受診する事が難しい場合もあります。

しかも、ちょっとした風邪で病院を受診してしまうと、

レントゲン、心電図、採血、、、などなど、

余計に費用が掛かってしまう事もあります。

ちょっと喉が痛い、咳が出る、鼻水が出る、熱が出た・・・。

といった感冒症状が出た場合は、薬局の薬剤師さんと相談して市販薬のお薬で様子を見るのは問題ないと思います。

 

しかし、

  • 市販薬を数日間服用しても、全く症状が改善しない。
  • 元々腎障害の患者さん(慢性腎臓病、維持透析中)の患者さん
  • 心不全の既往のある患者さん

は、病院に行って、主治医の先生に相談した方が良いかもしません。

 

まだまだ、寒い日は続きます。

皆さん、寒さ対策は万全にして体調管理にはお気をつけ下さいね。

それと、、、スギ花粉の本格的な飛散が確認されたらしいです。

辛い、花粉症シーズンの始まりです。。。

今年は、スギ、ヒノキともに飛散量が例年よりも多いと報告されています。

風邪と思っていたら、実は花粉症だったーーーーー!!

なんて事も考えられますので、身体の変化にはご注意下さいね(^^)

 

それでは、また次回お会いしましょう~♩

 

 

原著論文はこちら

 

[2019年1月18日/American Heart Association] Copyright is owned or held by the American Heart Association, Inc., and all rights are reserved. Not all views expressed in this story reflect the official position of the American Heart Association. If you have questions or comments about this story, please email editor@heart.org.

 

揚げ物の摂取頻度が、死亡リスクに関係する!?

今回は、揚げ物の摂取が、健康や病気とどのような関係があるかという内容について、お話しようと思っております。

 

揚げ物の頻回摂取は全死因死亡、および心血管死亡のリスクを高める

『揚げ物、とくにフライドチキン、豚カツ、魚介類のフライの摂取量が多くなると、全死因死亡、心血管死亡の危険性が高くなる』というデータが示されました。

北米成人の約25~36%が。毎日ファストフード店で揚げ物(ハンバーガー、フライドポテト、フライドチキン、フライドフィッシュなど)を食べているそうです。

実際、揚げ物が身体に悪い・・とは何となく以前から言われていた事ですが、死亡への影響については、科学的エビデンスが乏しく議論の的になっていた所でした。

 

é¢é£ç»å

 

 
研究背景・方法

米国・アイオア大学のYangbo Sun氏らの閉経後女性を対象とした大規模前向きコホート研究「omen's Health Initiative(WHI)研究」のデータ解析の結果示されました。

研究グループは、1993年9月~1998年9月に米国の40施設で行われたWHI研究に登録された、登録時50~79歳の閉経後女性、約10万7000人を、2017年2月まで追跡調査した。

自己記入式食事摂取頻度調査により、揚げ物の摂取頻度と1人前の分量について評価。揚げ物は、フライドチキン、魚介類(魚、エビ、カキ)のフライ、その他の揚げ物に分類した。

主要評価項目は、全死因死亡、心血管死亡、がん死亡とし、Cox比例ハザードモデルを用いて、揚げ物の摂取との関連を解析した。

 

研究結果

フライドチキンを1週間に1人前以上摂取している分は、非摂取群と比較して全死因死亡リスクは1.13倍、心血管死亡リスクは1.12倍であった。同様に魚介類のフライの摂取に関する危険率は全死因死亡 1.07倍、心血管死亡 1.13倍であった。

BMJ誌2019年1月23日号掲載

 

 揚げ物の摂取量とガン死亡との関連性は認められなかった

今回の研究の結果から、揚げ物の総摂取量および、種類別摂取量とガン死亡との一般的な関連は認められなかった。

 

 

本研究の懸念点

この研究結果から、揚げ物の摂取量が与える影響は、全死因死亡リスクを高める、心血管死亡リスクを高める。ということが示されました。

一方、揚げ物の摂取量とガンによる死亡との関連性は認められなかったとしています。

 

ただ、この研究には若干の懸念点が挙げられま。

揚げ物の揚げ方や、調理用油に関する情報が限られているという点です。つまり、揚げるために使用する油を、キャノーラ油やサンフラワー油にするのか、それともオリーブオイルにするのか。といったような、揚げ油に関する情報はありません。

また、食物そのものの影響と、揚げることによる影響を分ける事が出来ない点が、この研究の限界であると考えられます。

 

ãæãç©ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

アクリルアミドの発がん性について

食材の成分は、揚げる、焼く、焙るなど熱を加えることで化学変化が起こり、色や風味、食感などが良くなります。

しかし、穀類、芋類、野菜など炭水化物を多く含む原材料は加熱調理の過程で、化学物質であるアクリルアミドを産生します。

この、アクリルアミドの発がん性は、2002年スウェーデンの動物研究で報告され、ヒトについては、2007年のオランダのコホート研究でER陽性乳がんなどの発症リスク増加が報告されました。

しかし、否定的なデータもあり、米国国立がん研究所は、アクリルアミドについて、『発がん性は懸念されるが、ヒトに対する十分なエビデンスはない』としています。

また、本邦の農林水産省も、同様の見解を示しています。

 

 

揚げ物の3つの問題

  1. 揚げ物に使われる油のオメガ6
    多くの調理用油で使用されるベジタブルオイルはオメガ6が多いため、食べれば食べるほど、体内の炎症が増えて老化が進んでしまうという状況を招きます。

    揚げ物に使用して問題ない油として、ラード、ギー、バター、牛脂、ココナッツオイル、オリーブオイル等が挙げられます。

  2. 唐揚げやてんぷらの衣に使われる小麦
    小麦に含まれるグルテンが問題視されています。これは、科学的エビデンスは証明されておりませんが、消化器系に悪い影響を与える可能性があるとも言われています。

  3. 高温の調理で生まれるAGEs
    AGEsとは、終末糖化産物の略称で、高温による調理で生成される成分です。非常に強い毒性があり、老化や糖尿病を引き起こすといわれています。

             ***AGEsについては、近いうちに別の記事でご報告したいと思います***

 

f:id:media_naranja:20190210170457p:plain

揚げ物摂取のガイドラインを作るとすれば・・・

  1. 揚げ物は、月に1~2回くらいまで。

  2. 料理用油には、オリーブオイル、ギー、ラードを使う(キャノーラ油、サンフラワー油は厳禁)。

  3. 小麦粉の代用として、ポテトスターチやアーモンドパウダーを衣として使用してみるのも良い。

 

揚げ物を過度に怖がる必要はないと思いますが、気になる方は上記のような摂取方法を試してみても良いかと思います。ただやはり、毎日のように揚げ物を摂取するのは、身体に良くない、、、といった所が本音だと思います。

 

原著論文はこちら

 

 

歯磨きしないと、心血管疾患リスクが高くなる!!

 

ババンババンバンバン歯みがけよ!

ババンババンバンバン宿題やれよ!

ババンババンバンバン風邪ひくなよ!

ババンババンバンバンまた来週!

 

by 加藤茶

 

そうなんです!!

歯磨きは大事なんです!!!

 

 

お口の環境が悪いと、心血管疾患(狭心症心筋梗塞など)を発症するリスクが増える!

特に歯周病と全身疾患の関連が指摘され始めてから20年ほど経過しますが、テレビなどのメディアにも多く取り上げられ、現在ではその理解が一般にも広く浸透してきています。 

以前から、歯周病と関連する主な全身疾患としては、糖尿病、心血管疾患、早期低体重児出産、骨粗鬆症など様々な全身疾患が挙げられています。

 

 

ã歯磨ããã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

 

 

研究背景・内容

口腔内の衛生状態と心血管疾患に関する研究結果が、イギリスUniversity College London疫学・公衆衛生学科のCesar de Oliveira氏らによるScottish Health Surveyの研究チームより報告されました(BMJ誌2010年6月26日号:オンライン版2010年5月27日号)。

歯磨きの回数と心血管イベントのリスクの関連を以下のように評価しました。

研究グループは、自己申告による歯磨きの状況と心血管疾患との関連、および炎症マーカー(血液検査で得られるCRPの数値:C反応性蛋白)、凝固能(血液検査から得られる血液の塊やすさ:フィブリノゲン)との関連について検討した。

スコットランドに居住する一般家庭を対象としたScottish Health Surveyに登録された平均年齢50歳の1万1,869人について解析を行った。

口腔衛生状態は自己申告による歯磨きの回数で評価した。調査は病院の臨床記録とプロスペクティブに連動させ、Cox比例ハザードモデルを用いて口腔衛生状態に応じた心血管疾患イベントや死亡のリスクを推定した。口腔衛生と炎症、凝固との関連は4,830人において評価した。

 

é¢é£ç»å

 

口腔衛生が劣悪だと心血管疾患イベントのリスクが1.7倍に!!

口腔衛生が悪い集団(歯を磨かない、又な磨くことは稀)では、心血管疾患イベントのリスクが有意に増大していた(口腔環境の良い集団と比べて心疾患リスクは1.7倍)。

また、口腔環境が悪い集団では、炎症マーカーであるCRPや、血栓の作られ易さを示す指標であるフィブリノゲンの濃度も上昇していた。

つまり、全身の炎症が蔓延しており、血栓が作られやすい環境にあるという事です。これは、心臓の冠動脈という血管や、脳血管が細くなる危険性にもつながります。

実際、循環器疾患患者、約1.000例を対象として歯周病検査を行ったところ、心筋梗塞狭心症、あるいは末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)を有する人では喪失歯数が多く、歯周病原最近に対する抗体の値が上昇していることが分かっています。

 

 

歯周病原細菌は血流に乗って全身を旅する

平成23年歯科疾患実態調査によると、国民の多数に歯周組織での症状が認められ、成人では約8割もの人が歯周病に罹患していると言われています。

歯周病患者では、一般的に歯周ポケットからの出血を容易に認めます。この出血は歯周ポケットに存在した潰瘍が破裂し、歯周病原性細菌が口腔内へ暴露したことを意味します。

つまり、この歯周病原性細菌が体内に侵入し、気管支、肺、その他臓器へと、血流に乗って全身へと巡っていくのです。歯周病の状態どは全身疾患の前駆症状と言えるのかもしれません。

 
ãæ­¯å¨çãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

心血管疾患に罹らない様に、口腔内を清潔に保つように心掛けましょう!

 

歯周病と心血管疾患の関連は重要であるものの、因果関係はいまだ不明な点が多い。
しかし、歯周病患者では心血管病に罹りやすいことは分かっていることから、特に循環器疾患リスクを有する患者さんは、歯磨きの方法や口腔衛生の改善を目指したほうが良いと言われています。
歯科医院で定期的な口腔内チェックをして貰うのも、心血管疾患を防ぐ方法であると思います。
 

 

2型糖尿病患者にとって、最的な食事とは!?

 糖尿病の患者さんが、「何を食べたら、病気が進行せず、健康的な生活が過ごせるか!?」これは、栄養学の観点からも注目を集めている課題のひとつです。

 

糖尿病とは、その名の如く「尿中に糖が排泄される病気」ですが、血液中に過剰な糖が存在することで、血液中の糖の値(血糖値)が上昇します。高血糖を維持し続けると、全身の慢性的炎症により、引いては、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経症を引き起こします。

最近の研究では、糖尿病患者さんは、そうでない患者さんと比較してガンの発症率(膵臓ガン、肝臓ガン、大腸ガン)が高く、また急性心筋梗塞の発症リスクも3倍高くなるといわれています。

さらに、維持透析を導入する患者さんの割合は、4割が糖尿病患者さんであると言われています。

ãè¡ç³å¤ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

今回は、その中でも食事療法に焦点をあててお話していきたいと思います。

11月11日~13日に行われた、第22回日本病態栄養学会において、新潟大学大学院血液・内分泌・代謝内科教授の曽根博仁先生が、本邦における2型糖尿病を対象とした2件の調査を紹介し、そこから見えてきた2型糖尿病患者さんの食事内容の問題点と食事療法についてお話して下さいました。

 

肥満でなく代謝異常が心筋梗塞発症のリスク因子

この20年間で、日本人の肥満傾向は増大している(BMIが20年間で22.9⇒26.2に増加)。しかし、肥満は必ずしも糖尿病の予後を決定づけるものではないという事が分かりました。

あるビッグデータを用いた結果から、肥満と代謝異常の有無別に心筋梗塞発症リスクを検討した結果、肥満の有無で発症リスクに差はなかったが、代謝異常(高血圧、中性脂肪高値(高TG)、善玉コレステロール低値(低HDL))のある患者の方が、代謝異常のない患者に比べて有意に発症リスクが高かった。

*1

 

このことから、「糖尿病コントロールにおいて、肥満の有無よりむしろ高血圧や脂質異常症の有無に注意を払うべきなのであると考えられる。

 

研究背景・研究結果

いずれも日本人を対象とし、1996年に登録が行われたコホート研究であるJDCSの結果と、その約20年後に、糖尿病データマネジメント研究会(JDDM)が行った多施設共同の2型糖尿病患者を対象に実施された食事調査研究(以下、JDDM)の知見を中心に紹介した。JDCSは全国の糖尿病専門59施設の外来における2型糖尿病患者のコホート研究。一方のJDDMは全国の糖尿病専門クリニックにおけるコホート研究で、この2件は実施年代が異なるものの、栄養調査はほぼ同じフォーマットが用いられている。

 2件の患者背景を比較すると、平均年齢はJDCSが58.7歳、JDDMが61.9歳、HbA1cはJDCS(7.9%)に比べてJDDM(7.2%)で良好なコントロールが得られていたが、BMIはJDCSの22.9に比べてJDDMでは26.2と大幅に増加。この20年間にわが国でも肥満型の2型糖尿病患者が増加していることが示唆された。  

 しかし、肥満は必ずしも糖尿病の予後を決定付けるわけではない。同氏らがわが国の診療報酬請求と特定健診ビッグデータを用いて、耐糖能ごと(正常耐糖能群、境界型群、糖尿病群)に分けて肥満と代謝異常の有無別に心筋梗塞発症リスクを検討した結果、同じ耐糖能グループ内ではいずれも、肥満の有無別で発症リスクに差はなかったが、代謝異常(高血圧、高トリグリセライド血症、低HDL血症)の有無別で見ると、代謝異常がない患者群に比べて代謝異常がある患者群で発症リスクは有意に高かった。

 

 

食事療法と運動療法の両立

日本人の2型糖尿病患者が肥満になる要因として、

  1. 摂取エネルギー量が、成人男性:2000kcal、成人女性:1800kcalを上回る
  2. 身体活動が、成人男性:10MET/h、成人女性:8METs/hを下回る(1時間の普通速度の歩行は3METs/hに相当)

の二つが挙げられます。また、食事か運動のどちらか一方を頑張っても肥満を回避することは出来ず、運動・食事療法を継続的に維持していくことが大切である。また、早食いの自認は肥満を助長するとも考えられています。

 

炭水化物の摂取割合は全カロリーの45~65%がbetter

 よく議論される話題として、糖尿病の進行を防には糖質制限食が善か悪か?の問題がある。

あるメタ解析の結果でも、高炭水化物群(炭水化物58%/脂質24%)と低炭水化物群(炭水化物40%/脂質40%)では、血糖値には両群で大差がなかったという報告がある。*2

 また、炭水化物摂取割合(45~65%)と合併症発症リスクとの関連が前向きに検討され、炭水化物摂取割合は腎症、網膜症、大血管症の発症率に有意な影響を与えていなかった。

 

以上の結果から、炭水化物のエネルギー比について「現在の基準である50~60%からもう少し幅を広げて、45~65%程度にしてもよいかもしれない」としている。

f:id:media_naranja:20190202201147p:plain

 

この20年で野菜や果物、魚介類の摂取量が減少

 この20年間で、カロリー摂取量に大きな差はなかったが、食事内容については、大きな変化があったそうです。それは野菜や肉、魚介類の摂取量である。20年前は年齢にかかわらず肉の摂取量は少なく野菜、魚介類の摂取量が多かったが、最近になり、肉の摂取量が増えた一方、野菜や魚介類の摂取量は大きく減少しており、特に60歳未満ではその傾向が顕著であるそうです。

野菜や果物の摂取量が少なく、肉が多い食生活を送っているとどうなるのか?
  • 野菜や果物の摂取量が多いと、脳卒中のリスクは65%低下する
  • 野菜や果物の摂取量が多いと、網膜症発症リスクが低下
  • 肉の摂取量が多いと(20g以上/日)、冠動脈疾患の発症リスクが3倍上昇
  • 塩分の摂取量が多いと、心血管リスクが上昇

研究結果

JDCSでは、食物摂取量と合併症との関連を調査している。野菜や果物の摂取量で四分位に分け脳卒中発症リスクを調査した結果、野菜や果物を最も多く摂取していた群では、最も摂取していなかった群に比べてリスクは65%も低下していた。また、果物摂取量で四分位別に網膜症発症リスクを調査したところ、発症率は最も多く摂取していた群で最も低かった。さらに、肉の摂取量が1日20g以上の患者群では、20g未満の群と比べて冠動脈疾患の発症リスクが3倍に上ることが示され、食塩摂取量が多いと心血管疾患リスクも上昇した。

 ãèãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

2糖尿病患者さんにとっての最適な食事療法とは!?

  1. 目標BMIは死亡率や大血管症リスクから判断しても、5~25.0の比較的広い範囲内で個別に設定する
  2. カロリー摂取量も、画一的な計算式で決定するより、現在の食事摂取や血糖コントロールの状況と目標BMIを参考に医療スタッフと柔軟に個別化してもよい。
  3. 肥満予防については、身体活動量や早食いなどの食習慣にも留意た必要。
  4. 炭水化物のカロリー比については、合併症リスクを考えても、現代の患者の平均的な食事範囲内(45%~65%)であれば、現在のガイドライン推奨(50~60%)より、もう少し幅を広げても良いかもしれない。
  5. 糖尿病の合併症の予防を目的に、野菜・果物、食物繊維の摂取量を増やし、肉類や塩分の摂取は抑えたほうが良い。

食事療法に関して言えば、糖尿患者さん全てにおいて、画一的な食事療法はいと思う。血糖コントロールの状態(食後血糖値、HbA1cなどの血液データ)を観察しながら医療スタッフの指導のもと、患者さんは実践する必要がある。

また、患者さんの身体状態に合わせた運動療法も組み合わせると、さらに良好な血糖コントロールが行えるかもしれない。

短絡的に、肥満であるか否かという見た目の問題ではなく、血圧、代謝異常の有無(中性脂肪値、善玉コレステロール値、悪玉コレステロール値)などの血液データも観察しながら、各々の患者さんにあった生活習慣改善へ向けた試みが必要であると思う。

*1: Diabetes Metab 2017; 43: 543-546

*2:Diabetes Care 2009; 32: 959-965

地中海式食事法が女性の心疾患、脳卒中のリスクを低減させる!?

皆さん、こんにちは(^^)

今回は女性の病気に焦点を当てたお話をしたいと思います。

 

50代から急増する心筋梗塞脳卒中

女性の場合、40~50代で女性ホルモンが急激に減少し、閉経を過ぎた、いわゆる更年期頃から、生命に関わる重大な病気を発症しやすくなります。

特に、更年期を過ぎたあたりから、女性の死亡原因として、心筋梗塞脳卒中が、第一位、第二位を占めるようになります。

原因は、閉経による女性ホルモン・エストロゲンの減少です。

エストロゲンにはさまざまな働きがあり、動脈硬化を予防する善玉コレステロールを増やし、動脈硬化を促進する悪玉コレステロールの増加を抑えることもそのひとつです。

閉経によりエストロゲンが産生されなくなることで、血液中の善玉コレステロールが減少し、悪玉コレステロール中性脂肪が急上昇し、動脈硬化が進んだり、脂質異常症を発症したりします。

さらにエストロゲンは、血管の柔軟性を維持する働きも持っていますが、それがなくなるために血管が脆くなり虚血性心疾患や脳血管疾患を起こしやすくなるのです。

 

そういえば、女優の天海祐希さんが心筋梗塞を発症されたのも、ちょうど45歳の頃だったようです…。

é¢é£ç»å

 

今回、更年期の女性にとって、大変朗報となる論文を見つけたので、ご報告しますね!

 

果物や野菜、魚、オリーブ油、ナッツ、全粒穀物などが豊富な地中海食が女性の心疾患予防に有用とする新たな報告が、「JAMA Network Open」12月7日オンライン版に掲載されました。

この報告によると、地中海食に近い食事を取り続けた女性では、そうでない女性に比べて心疾患リスクが25%低く、こうした地中海食の心疾患予防効果には、炎症や糖代謝、肥満度といった従来の心血管リスク因子が影響していることも明らかになったそうです。

 

ãå°ä¸­æµ·é£ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

地中海式食事法とは?

医学会等で以前より注目を集めているのが「地中海式食事法」です。地中海沿岸地域の食生活のことで、その食べ物や食べ方に特徴があります。

下図は「ギリシャの食品ピラミッド(Greek food pyramid)」と呼ばれるもので、ギリシャの食事ガイドラインの根幹となっています。「地中海式食事法」では、このピラミッドの下から上に上がるにつれて、摂る頻度を減らしていくのです。

 

ãå°ä¸­æµ·é£ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

         日清製粉の記事より抜粋

 
地中海式食事法フードピラミッド

上に行くほど量を減らしていく。下から毎日食べるべきもの(全粒穀物・野菜・果物・オリーブオイル・乳製品)、週単位で食べるべきもの(魚、鶏肉、オリーブ・ナッツ・豆類、じゃがいも、卵、お菓子)、月単位で食べるべきもの(豚肉や牛肉)。

 

食べる頻度 食品
月に数回 牛肉や豚肉、お菓子やケーキなどのデザート
週に数回 鶏肉、卵、チーズ、ヨーグルト
毎週少なくとも2回 魚、シーフード
毎日の毎回の食事 野菜、果物、全粒粉、オリーブオイル、豆、ナッツ類、マメ科植物および種子、ハーブやスパイス
毎日 運動、誰かと一緒に食事をする
適度に飲む ワイン
毎日飲む
 OLDWAYS"MEDITERRANEAN DIET" OLDWAYS
 
たくさん食べるべきもの

「地中海式食事法」で毎日たくさん摂るべきものは、フードピラミッドの下部に示されている、全粒穀物・野菜・果物・オリーブオイル・乳製品です。

全粒穀物は、精白などの処理を行わず、糠となる種皮や胚といった部位を除去していない穀物であり、その製品としては、具体的には玄米、全麦パン、オートミールなどが挙げられます。次に多く摂取するべきものは野菜と果物です。

そして何より特徴的なのは、オリーブオイルをたくさん摂取することです。その量は1日当たり大さじ1~2杯(15~30ml)が理想的です。

オイルと聞くと脂肪が多いと思いがちですが、オリーブオイルは不飽和脂肪酸をたくさん含み、血中の中性脂肪コレステロール値を下げる役割を果たしています。オリーブオイルは、地中海式食事法の効果を実現する中心的な働きをしていると考えられていて、これにより動脈硬化の進展予防や高血圧、心疾患、脳梗塞のリスクを減らすことができるとされているのです。

 é¢é£ç»å

食べる量の調整が必要なもの

逆に、食べる量の調整が必要なものはタンパク質です。タンパク質として一番摂取が推奨されているものはチーズやヨーグルトといった乳製品であり、これから順に

魚→鳥→オリーブやナッツ類→卵→赤肉 の順に推奨摂取量が少なくなります。

注意するべき点は、ジャガイモはこの図では野菜に分類されず、たくさん摂ることは推奨されていないこと。また、塩分は極力控え、ハーブなどで代替するように心掛けると良いでしょう。

 WHOの健康度調整平均寿命報告(健康度調整平均寿命:一般的に健康寿命とも言われる。病気や怪我により日常生活に支障を来す期間を平均寿命から除き、健康的な生活をどれくらい出来るかということの推計値)を見てみると、上位10カ国の内4か国(イタリア、スペイン、フランス、イスラエル)の地中海沿岸国が上位にランクインしています。


 研究方法と結果

米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のShafqat Ahmad氏らは、米国のWomen's Health Study(WHS)に参加した健康な女性2万5,994人(平均年齢54.7歳)を対象に、地中海食の遵守度で3つのグループに分けて、最長で12年間追跡した。

 その結果、地中海食の遵守度が最も低い群に比べ、遵守度が中程度だった群では心疾患リスクが23%低く、遵守度が最も高い群では28%低いことが分かった。また、地中海食の遵守度が中程度の群と最も高い群を合わせると、最も低い群に比べて心疾患リスクは25%低かった。

 

この食事法の優位性に、地中海沿岸地域に住む人たちの人種による個体差が影響しているのではないかと考えた研究者たちは、非ヨーロッパに住む人たちを「地中海式食事法を実践するグループ」と「いつもの食事を行うグループ」に分けて比較しました。米国で行われた研究結果によると、地中海式食事法をしたグループでは2年間安定して収縮期血圧が平均6.4mmHg下がり、体重が1年間で平均3.1kg減少したという結果が報告されています。これらの研究から現在のところ、地中海式食事は個体差による効果の違いはないと考えられているのです。

 

é¢é£ç»å

地中海食が何故いいのか!?


 地中海食に近い食事を取り続けた女性にみられた心疾患リスクの低減度は、コレステロール値を低下させるお薬の一種である、スタチンや他の心疾患予防薬を服用した場合と同程度だとしているのです。これは、本当に衝撃的な事実です! 

 高脂血症のお薬(コレステロール値を下げる作用)と言えば、クレストール、リバロ、リピトールなど。これらのお薬を飲んでいらっしゃる読者の方もいらっしゃると思います。つまり、このお薬と地中海食の効果が同等である可能性がある。という事なのです。



 地中海食による心疾患リスクの低減効果は、これまでにも報告されていますが、その理由は明らかになっていませんでした。この研究グループは今回、その理由についても検討しています。すなわち、地中海食摂取による、炎症の低減、糖代謝及びインスリン抵抗性の改善、肥満度の減少、血圧・コレステロール値の変化などにも関連していると述べています。

 

 以上の結果から、『炎症や糖代謝インスリン抵抗性のほか、血圧と脂質といった従来の心血管リスク因子が、長期にわたる地中海食による心血管疾患の予防効果と関与していることが分かった』ということが考えられます。

その上で、研究グループは「この結果は、公衆衛生分野に強力なインパクトを与えるもので、いずれは心血管疾患の一次予防に重要な結果をもたらす可能性がある」と付け加えています。

 また、地中海食には女性の脳卒中乳がんのリスクを低減させる可能性も示唆されており、この地中海食が女性の病気を撃退してくれる最高の食事療法かもしれませんね!

 

 

【参考文献】
・WHO. Statistical Information System (WHOSIS), 2002.
・Keys A et al. Harvard University Press (1980)
・Market report to April 30, 2013, from Spanish Olive Oil Agency
・Keyserling et al. BMC Public Health (2016)
・Djuric Z et al. Nutr Rev. (2011)
・Jacka et al. BMC Medicine (2017)
・Food and Agriculture Organization of the United States

・Katherine E. Paterson, et al. Stroke. 2018 Sep 20. 

本当に健康的な食事法が分かった!!

皆さん、こんにちは(^^)

先日のブログで、減量効果において、低糖質食と低脂肪食はドロー!という結果をご報告しました。

じゃあ、どんな食事法が健康的で、ダイエットに効果があるの??って思いますよね?

今回は、健康になる食事法について、科学的根拠を基にして解説していこうと思います。

 

ãDASHé£ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

健康のカギ、それはDASH食にあり!!

U.S.ニューズ・アンド・ワールドリポート誌(U.S. News & World Report)は恒例の2018年食事ランキングを発表し、昨年第2位の「地中海食」と第1位の「DASH食(高血圧予防のための食事療法アプローチ)」がともに総合第1位にランク付けされました。なお、DASH食は8年連続で総合第1位を獲得しました。

 同誌の編集局次長を務めるAngela Haupt氏は、地中海食について「おいしく、実用的かつ栄養に富んでおり、心疾患や糖尿病などの慢性疾患の予防や管理にも有用性が高いことが研究で示されている」とコメントしているそうです。

 


糖質制限食は最下位にランキング!
 

 一方で、ランキングでは厳しい制限を必要とする食事療法は避けるべきとされ、最近話題の極端な糖質制限ダイエット(ケトン体ダイエット;Keto Diet)は最下位に位置づけられています。Haupt氏は「専門家によれば、炭水化物の摂取を極端に制限する必要はなく、厳しい制限は長続きしないと評価された」と述べています。

 このランキングは、米国でもトップクラスの栄養士や食生活コンサルタント、糖尿病・心臓病・減量の専門医などで構成される専門家パネルが、減量効果や心疾患、糖尿病に対する有効性などの9つのカテゴリー別に40種類を超える食事療法の定着度や有用性などをランク付けしたもので、とても根拠のあるランキングなのです。

 

é¢é£ç»å

 

DASH食とは

DASHとは、Dietary Approaches to Stop Hypertensionの頭文字からとられているように、元々は「高血圧」対策のための食事療法です。DASH食の中身は、果物、野菜、ナッツ・豆類、低脂肪乳製品、全粒穀類を多く摂取し、塩分、砂糖などで甘くした飲料、赤身や加工肉の摂取を抑えた食事で、とくにレシピの指定はなく、食材を選択することが勧められています。

 

DASH食、具体的な食品とは?

DASH食のコンセプトは、カルシウム、食物繊維、タンパク質、マグネシウムカリウムを中心に積極的に摂取するという考えです。

積極的にとりたい食品の筆頭は野菜。特に、小松菜やホウレンソウ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜からは、ミネラルと食物繊維が同時にとれます。またワカメなどの海藻類はミネラルや食物繊維が豊富です。

果物はキウイフルーツやリンゴ、ナシ、カキなどがおすすめ。一方、バナナは食べやすいですく、カリウムが豊富ですが、繊維が少なくショ糖が多いため、血糖値が上がりやすいといったデメリットがあります。

アーモンドなどの種実類には、マグネシウムが多く含まれています。マグネシウムはカルシウムと作用して血圧を整える働きを持します。市販されているミックスナッツ、特に塩分や砂糖の含まれていないものがおススメです。

低脂肪の乳製品では特に、カルシウムやたんぱく質を多く含むギリシャヨーグルトがおススメですね!

 

DASH食の効用

  1. 高血圧予防:血圧(収縮期・拡張期血圧)を下げる。*1

  2. 痛風予防:高尿酸血症患者の尿酸値を低下。*2

  3. 糖尿病対策:Hba1cのを低下させる(1~2か月間における血糖値の変動を抑制)。*3

  4. 妊娠糖尿病患者の出産に有益:妊娠糖尿病を併発した女性の帝王切開のリスクや低体重児出産のリスクを軽減させた。*4

  5. 心血管疾患を減少:心筋梗塞脳梗塞などのリスクを低下させた。

 

 

米国・マサチューセッツ総合病院のSharan K. Rai氏らは、2017年5月9日号のBMJ誌に掲載した論文で、DASHダイエットが、高血圧のみならず、痛風高尿酸血症の抑制にも効果があることを報告しています。健康な生活を送る秘訣は、食生活にあった。という事ですね!

 

 ãDASHé£ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

何故、DASH食がこんなにも推奨されるのか!?

DASH食は糖質制限ダイエットとは異なり、デンプンの排除は重要視していません。糖質制限で何が問題であるかというと、長期的に糖質を摂らない生活を持続できないという点です。ダイエットで重要なのは、その食生活が持続可能であるかどうか、という点です。

DASH食で制限されるのは、加工食品、過剰な脂質・砂糖・ナトリウムの摂取だけ。率直に言うと、加工食品をやめれば、脂肪・砂糖・ナトリウムの問題は解決したようなもの。

BMJジャーナルに掲載された文献によれば、平均的なアメリカ人が1日で摂取するカロリーの58%と、添加糖の90%は超加工食品から来るもの。そして、ナトリウム (米疾病対策センターいわく推奨摂取量の1.5倍) の75%は加工食品から来るものであることをハーバード大学の研究グループが明らかにしています。

 

皆さんが思っているように、特別な食事制限をするのでなく、加工食品の摂取や、ポテトチップ、ファーストフードなどを控えるだけでも、健康的な肉体への改造に近づく一歩なのかもしれませんね!