現役メディカルスタッフが語る!!健康な身体と心を手に入れる極意

循環器専門病院に勤務するメディカルスタッフ(健康オタク)が、最強の身体と心を手に入れるための方法を伝授します!巷のうわさ話ではない、科学的根拠(Evidence)に基づいた健康法を医療専門家の視点から徹底的に語ります。

大腸がんの予防には〇〇を変えることが超効果的!!

皆さん、こんにちは!

 今回は、日本人で増加傾向にある「大腸がん」についてお話していこうと思います。

 現在、日本では大腸がんの死亡率は肺がんに次いで2位、罹患率胃がんに次いで2番目に高く、特に女性ではがん死亡率のトップになっています。また、日本の高齢化率は25%を超え世界で最も高いのですが、同様に高齢化率が20%超であるドイツ、イタリア、フランスなどでは、がんの死亡率は増えていないのです。なので、「日本人は高齢化が進んでいるから“がん”も増えている…」という理屈は通用しないのです。

 そして、本来、大腸がんは数あるがんの中でも最も管理しやすいものの1つであるのに、日本では死亡率を減少させることができていないのです。

 もともと大腸がんの死亡数が多かった米国は、国家的な対策により大腸がんの死亡数を減少させることに成功しています。一方で日本は、増加の一途をたどっています。後で触れますが、日本の検査技術や治療技術は国際的にレベルが低くはありません。それゆえに、特に消化管の治療を専門とする日本の医師たちの多くは、「大腸がんで命を落とすのはもったいない」「大腸がんで命を落としてほしくない」と、日々感じているそうです。

 大腸がんが増えているのは、食生活の欧米化が原因と考えられています。また、近年の研究により、肥満とアルコールのとり過ぎが、大腸がんを引き起こしやすい原因であることが明らかになってきました。ほかにも、運動不足や喫煙なども大腸がんの発症に関わっている可能性が高いとされています。また、高齢になると発症しやすく、遺伝性の場合もあります。

 そうなのです!!大腸がんは生活習慣に気を配れば防げる病気なのです。

 

食事が大腸がんの発症リスクに影響を及ぼすことが確認された!!

研究とメタ解析のアンブレラレビュー複数のメタ分析やシステマティック・レビューのデータを統合的に分析して、その結果をまとめたもの)により、「食物繊維、食物性カルシウム、ヨーグルトの摂取量の増加、また飲酒量や赤身肉摂取量の減少が、大腸がんリスクの低下に関連するという説得力ある科学的根拠」が示されたのです。

ただし、大腸がんと乳製品、全粒穀物、加工肉、具体的食習慣など、ほかの食事との関連性に言及するには、さらなる研究が必要であると著者らは結論しています。

巷では、食物繊維やヨーグルトなど乳酸菌や発酵食品をたくさん摂取すると大腸がん予防につながるよ~。なんて言われていましたが、この推論が科学的に裏付けられた。と考える事が出来ますね。

 

それでは、「食事習慣と大腸がんのアンブレラレビュー」について、簡単にお伝えしますね。

Confirmed: Diet Influences Colorectal Cancer Risk(食事が大腸がんリスクに影響する)

jamanetwork.com

 
45件のメタ解析のレビューから関連を探る
  • 45件のメタ解析のアンブレラレビューにより、109の関連が見出されました。全体として、109の関連のうち35(32.1%)が統計学的に有意であり、変量効果メタ解析モデルに基づき判定されたと研究者らは説明している。
  • 赤身肉摂取量が多い場合(少ない場合と比較)、またアルコール摂取量が多い場合(1日4杯以上の飲酒と定義し、非飲酒か機会飲酒と比較)において、大腸がんリスクが高まることを示す説得力のあるエビデンスが見いだされた。
  • さらに、3つの逆相関、すなわち食物繊維、カルシウム、ヨーグルトの総摂取量の増加(vs.減少)が大腸がんリスクの低下(vs.増大)に関連することを示す有力なエビデンスも見つかった。

 

 

今回のレビューの研究者たちは、「食事と大腸がん発生率との高い関連を示すもう1つの科学的根拠があった」とも語っています。

  • 乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど)の総摂取量が多いと、摂取量が少ない場合と比べリスクが大幅に減少した。
  • 中程度の飲酒(1日1~3杯、4杯以下)は、非飲酒または機会飲酒と比べ発生率の増加と関連していた。

レビューにより、地中海式食事、健康的食事、ペスコベジタリアンまたはセミベジタリアン食事、また全粒穀物、非発酵乳、補給カルシウムの摂取の順守など、いくつかの生活習慣行動がリスク低下に関連することが示唆されました。

 

media-naranja.hatenablog.com

media-naranja.hatenablog.com

 

やはり巷で言われているように、欧米型に代表される赤身肉や加工肉の摂取が大腸がんリスクの増加と関連していたと示唆される結果でした。

 

米国がん研究協会が進める予防食事ガイドライン

従来の米国がん研究協会(AICR)のこがん予防食事ガイドラインでも、本レビューと同じようなことを推奨しています。AICRの報告は下記の通りです。

  1. 全粒穀物、食物繊維含有食品、乳製品、および補給カルシウムが大腸がんのリスクを低下させるという強力なエビデンスを明らかにした。
  2. 具体的には、1日あたり90g、毎食時に全粒穀物を食べると大腸がんのリスクが17%減少するということだ」。
  3. さらに、赤身肉や加工肉の大量摂取、過度の飲酒、および過体重は、大腸がんのリスクを高めるという強力なエビデンスも示している。

まとめ

これまでの多くの研究が、食事と大腸がんリスクとの関連を示唆していました。最近のある研究では、全てのがんのうち、大腸がんが食事関連症例の割合が最も高い(38.3%)ことが示されています。次に多いのは、口腔、咽頭喉頭がんで、症例の約26%が食事に関連し、子宮内膜がん、閉経後乳がん、そして腎臓、胃、肝臓、膵臓食道がんがそれに続く。

従来から、過体重や喫煙、運動不足を含むほかの生活習慣因子も、がんのリスクに影響を及ぼすことは証明されていましたが、本レビューは、食事のみに焦点を合わせ、「食事が大腸がん発症リスクに影響する」という、非常に説得力のある科学的根拠を説明したわけですね。

考えてみれば、「野菜をいっぱい摂りましょう!」「お肉より魚中心の食事にしましょう!」って、病院や栄養士さんから食事指導を受けますよね。

まぁ、最近では糖質制限食の知名度増大によって、いわゆる低糖質と分類される赤身肉や加工肉の摂取を勧めて、炭水化物を含む根菜類(根菜類は糖質も含むが食物繊維も多量に含んでいる)や全粒粉の摂取は控えるように…。」という指導を受けているかたもいらっしゃると思いますが。

要は、自分の身体をどうしたいか?身体にどうなってほしいか?です。

境界型糖尿病や糖尿病の方は多量の炭水化物摂取は控えたほうが良いですし、大腸がん発症リスクを減らしたいなら赤身肉の多量摂取は控えたほうがよいですし。

 

大切なのは、やはりバランスですね~。

食事だけではなく、人間の精神もバランスが必要だ。。。

 

 

参照

Medscape Medical News © 2021

Medscapeオリジナル記事はこちら

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2776517

 

 

顔のたるみの原因は、実は〇〇の減少だった!!

皆さん、こんにちは!

最近、やたらとテレビのコマーシャル(CM)で美容整形手術(プチ整形とも言うのか??)を見かける事が多いな~。と思いながら、顔のたるみが、痛い手術しなくても取れたら、、、なんて、意味のない妄想をしていたマイケルですが。

 

あったんです!!

老け顔の原因!

皮膚のたるみの原因にフォーカスをあてた論文が!!!

老け顔の原因は、皮膚のたるみだけが原因ではない。

ウィスコンシン医科大学のAaron Morgan氏らは、

「老け顔の原因は、皮膚のたるみが原因であるだけではなく、顔の脂肪の減少も関係している」と「Plastic and Reconstructive Surgery」2月号に掲載された論文で明らかにしました。

 従来、顔の老化の原因はたるみであると考えられてきました。たるみとは、加齢に伴い、顔面軟部組織が重力に負けて下がってくる状態のことをいいます。また、顔の中央部で皮膚や脂肪を支えている靭帯(じんたい)の劣化により軟部組織の下垂(かすい)が起こるという説もあります。しかし、最近の研究では、顔の老化の真の原因は、皮膚表面近くにある脂肪(皮下脂肪)と深部にある脂肪の喪失であることが指摘されているのです。

 

研究方法
  • 対象者は30〜65歳の男女19人(女性14人、男性5人)。
  • 顔面中央部の皮下脂肪量と深部の脂肪量、およびバッカルファット(頬の内側の深部にある脂肪)の量を、10年以上の期間をあけてCTスキャンで2回撮影して調べた。
  • 参加者の平均年齢は、1回目のスキャン時点で45.9歳、2回目のスキャン時で57.3歳だった。
研究結果
  1. 顔面中央部の平均脂肪総量は、1回目のCTスキャン時は46.47cc、2回目のCTスキャン時は40.81ccであり、1回目から2回目の検査の間に平均で12.1%(5.66cc)減少したことが明らかになった。
  2. 脂肪量の減少の程度は部位により異なっており、皮下脂肪量は平均11.3%の減少であったのに対して、深部の脂肪量では平均18.4%、バッカルファットでは平均7%の減少であった。

バッカルファットとは、口横の膨らんで見える、年齢により前方へ突出してくるタイプの脂肪のことを言います。一般的に加齢とともに体の脂肪は下方へと下垂してくるものです。例えばお尻やバストが垂れてくるのをイメージするとその変化がわかりやすいと思います。しかしバッカルファットは、目の下の眼窩脂肪の突出と同じく、下ではなく前方へ移動する、加齢で変化するタイプの脂肪です。

 

 

この研究により得られた知見は、「顔のたるみ=脂肪減少」説を裏付けるエビデンスである可能性があります。

法令線が深くなる原因は、顔面深部の脂肪量が減少することで、その上を覆う脂肪を支えることができなくなることが原因です。

脂肪が減少すると、① 頬がこけてくる、②あごの周りたるみ、③目の周りのくぼみなどの老化現象が起きます。

この研究を指揮したMorgan氏は、

「顔面上部はもともと脂肪が少ないため、脂肪の減少がより目立つ。それに対して、バッカルファットは減少量が比較的少ない。このため、顔面中央分の他の部分が変化すると、頬のあたりが張っているように見える」と説明しています。

 

そういえば、むっちりしている男女の方が、頬がぷっくりしていて健康的で若々しく見えますよね。
“痩せたい、痩せたい!”と、日ごろから呪文のように唱えているマイケルですが、顔がたるむのは絶対回避したいですね。お腹と太ももはスルッと、頬っぺはふっくら・・・が理想なのですが、現実はきびしーーー。

 

 

[2021年2月1日/HealthDayNews]Copyright (c) 2021 HealthDay. All rights reserved.

 

原著論文はこちら

Boehm LM, et al. Plast Reconstr Surg. 2021; 147: 319-327

美しくなりたい女性必見!! 科学的根拠のある、美肌効果サプリメントが判明した!

皆さん、こんにちは。健康と美の伝道師、マイケルゆみこです!

 

今回お届けするブログは、女性の方必見!!!

美肌を手に入れるための食事について、しかも科学的根拠を元にしてお話していこうと思っております。

皆さん、カロテノイドの一種であるルテインゼアキサンチンという栄養素、耳にしたことないですか?

実はこの、ルテインとゼアキサンチンが美肌にとって欠かせない栄養素なんです!

 

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ルテイン

ルテインとは、食物に多く含まれる黄斑色素を構成するカロテノイドで、ブロッコリーやホウレン草などの緑黄色野菜に多く含まれる成分です。ルテインおよびゼアキサンチンというカロチノイド系ファイトケミカル(植物由来の抗酸化栄養素)は、目の網膜を保護し、老化に伴う目の病気を防ぐ成分である。という事は医学界でも周知されています。網膜の病気である黄斑変性症を防ぎ、白内障にも効果があると言われています。
黄色色素は網膜に有害な青色光を吸収し、活性酸素を除去すること(抗酸化作用)で網膜の細胞を守っています。
ルテインやゼアキサンチンは加齢や喫煙、紫外線を浴びることにより減少しますが、体内で作ることができず、食事からの摂取が必要です。しかし食事だけで充分な量を毎
日摂取するのは大変ということでサプリメントで補う必要があります。

 

 

ゼアキサンチン

ゼアキサンチンとはカロテノイドの一種で、橙色から黄色を示す脂溶性の色素成分です。ゼアキサンチンは、パプリカやう連想 などの緑黄色野菜や、うもろこし、パパイヤ、乾燥したピル里奈 などに豊富に含まれています。
ゼアキサンチンは人間の体内において、目の黄斑部や水晶体などにルテインとともに存在しており、600種類以上存在するカロテノイドの内、網膜の黄斑部に存在しているカロテノイドは、ゼアキサンチンとルテインだけだといわれています。

またゼアキサンチンは、強力な抗酸化作用を持つ成分であり、人間の体内においてはルテインとともに黄斑部に存在することで、目の健康維持に深く関与しています。
黄斑部とは、網膜の中心部であり、直径2mm、厚さ0.2mmほどの非常に小さな部位です。
目をカメラで例えると、黄斑部はフィルムの役割を担っている部分であり、外界から入射してきた光が角膜と水晶体を通して屈折した後、像を結ぶ場所となっています。
黄斑部は眼球で最も光が集まる部分であり、視力を支えている非常に重要な部位です。
ゼアキサンチンの持つ抗酸化作用は、黄斑部を光のダメージから守る働きがあります。
光には、紫外線を含む日光や蛍光灯、パソコン、テレビなどから発せられる青色の光(ブルーライト)があり、それらは活性酸素[※3]を発生させる一因となります。
特に青色の光(ブルーライト)は、光の波長が短く、力の強い光であるといわれており、目に与えるダメージも強大であるため、光の集まりやすい黄斑部は、活性酸素が増加しやすい部分であるといえます。

 

このように、ルテインやゼアキサンチンを構成するカロテノイドは、パソコンなどから発せられる高エネルギーの青色の光(ブルーライト)をカットし、皮膚を保護する作用を有すしています。また、メラニンの生成を阻止し、サイトカインを減少させ、抗酸化物質を増加させる可能性もあると言われています。

今回は、ルテインとゼアキサンチンを含有するサプリメントの投与によって美白効果を調査した研究についてご紹介していきますね(Clinical, Cosmetic and Investigational Dermatology誌9月号の掲載の報告。

 

pmc.carenet.com

 

ルテインとゼアキサンチンの摂取で美白になる~!!
 

研究内容
  • 対象者:50人の軽度~中程度の乾燥肌を有する健康成人(男女ともに年齢は18~45歳)が集められ、そのうちの46人が試験完了に至った。
  • 被験者には、ルテイン10mgおよびゼアキサンチン2mgを含有する経口サプリメント、もしくはプラセボのいずれかを12週間連日投与した(無作為化二重盲検プラセボ対照試験)。
  • 被験者の皮膚タイプは、フィッツパトリック(Fitzpatrick)スケール(スキンタイプII-IV)に基づき分類した。
  • 最小紅斑量と美白度は、色彩色差計(Chromameter)を用いて計測した。皮膚の色や色素沈着の程度はIndividual Typological Angle(ITA)を用いて算出した。また、被験者による自己評価アンケートも行った。

研究結果
  1. 全体的な肌トーンは、プラセボ群と比較して、サプリメント投与群において有意に改善し(p<0.0237)、肌の美白も有意な上昇を示した。
  2. 平均最小紅斑量は12週後、サプリメント投与群において増加が認められた。
  3. サプリメント投与群ではITAが有意に増加した。


 以上の結果から、ルテインとゼアキサンチンを含有するサプリメントの摂取により美白効果が認められ、皮膚状態を改善することが示されたのです!!

  

まとめ

な、、、なんと!

私は、”サプリメントの美肌効果なんて眉唾もんだ~。”と疑っていたのですが、どうやら科学的な実証をもとに『ルテインとゼアキサンチンで美肌になる』可能性が示唆されたようです。

ネット通販をのぞいてみても、ルテインやゼアキサンチンのサプリが多く取り扱われてるみたいです。

女性の美に対する願望は貪欲です!ガラスの天井どころか鉄壁の天井すらないのです。

 

【注意事項】

通常の食材に由来する成分であり、特に問題となる健康被害や副作用の報告や、過剰症なども知られておりません。なお、高脂血症の薬や抗肥満薬の中には、ルテインやゼアキサンチンの吸収効率を低下させるものがあります。したがって、サプリメントは、これらの医薬品やサプリメントと一緒に摂るのではなく、30分から1時間ほどあけて摂取するとよいとされています。
 なお、ルテインやゼアキサンチンのサプリメントが、医薬品の吸収や効能を阻害することはありません。

 

 

 

 

DHC ルテイン 光対策 30日分 [機能性表示食品]

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  • メディア: ヘルスケア&ケア用品
 

 

 

 

 

原著論文はコチラ↓↓↓

http://Juturu V, et al. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2016; 9: 325-332.

 

参考
ケアネット 

 

適度な運動が死亡リスクを低下させる!~でも、適度な運動って??~

みなさん、こんにちは!

「運動したほうがいいよ!」「筋トレした方がいいよ!」と頻繁に聞きますが、

ダイエット以外にどんな効果があるの?

って、思った事ありませんか?

 

この疑問を解決してくれる論文を見つけましたので、今回ご報告しますね。

その内容は、有酸素運動や筋トレをすると死亡リスクが低下するという、大きなメッセージを含んでいます。

 

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米国では、「米国人の身体活動ガイドライン2018年版(2018 Physical Activity Guidelines for Americans)」で推奨されている水準で、余暇に有酸素運動や筋力強化運動を行っている成人は、これを順守していない集団に比べ、全死因および原因別の死亡リスクが大幅に低いことが、中国・山東大学のMin Zhao氏らの調査で明らかとなったのです(BMJ誌2020年7月1日号)。
本研究の開始前に、身体活動ガイドラインの推奨を達成することと、全死因死亡や心血管疾患、がんとの関連を評価した研究は4件のみで、その結果は一致していなかった。また、身体活動ガイドラインと他の原因別の死亡(アルツハイマー病や糖尿病などによる死亡)との関連を検討した研究はそれまでなかったそうです。

推奨順守で4群に分け、全死因と原因別の死亡を評価

 研究グループは、米国の成人を代表するサンプルを用いて、米国人の身体活動ガイドラインの2018年版で推奨されている身体活動と、全死因死亡および原因別死亡の関連を評価する目的で、地域住民ベースのコホート研究を行った(責任著者は山東大学から研究支援を受けた)。

 国民健康聞き取り調査(National Health Interview Survey)の1997~2014年のデータと、国民死亡記録(National Death Index)の2015年12月31日までのデータを関連付けた。成人(年齢18歳以上)47万9,856人が解析に含まれた。

 調査参加者の自己申告に基づき、1週間の余暇時間のうち有酸素運動および筋力強化運動に費やした時間を集計し、身体活動ガイドラインに従って、4つの群(運動不足、有酸素運動のみ、筋力強化運動のみ、有酸素運動+筋力強化運動)に分類した。

 主要アウトカムは、国民死亡記録から得た全死因死亡と原因別死亡とした。原因別死亡には、8つの疾患(心血管疾患、がん、慢性下気道疾患、事故/負傷、アルツハイマー病、糖尿病、インフルエンザ/肺炎、腎炎/ネフローゼ症候群/ネフローゼ)が含まれた。

 

有酸素+筋力強化運動で、死亡リスク40%減

  • 7万6,384人(15.9%)が有酸素運動+筋力強化運動群
  • 11万3,851人(23.7%)が有酸素運動
  • 2万1,428人(4.5%)が筋力強化運動群
  • 26万8,193人(55.9%)は運動不足群

に分類された。


 ガイドライン2018年版の推奨を完全に満たした成人の割合は、男女とも年齢が上がるに従って低下した。ベースラインの背景因子のすべてで、4つの群に有意な差が認められた。ガイドラインの推奨を満たさなかった運動不足群に比べ、これを満たした3群の参加者は、年齢が若く、男性や白人、未婚者、非喫煙者、少量~中等量の飲酒者が多く、学歴が高く、正常体重者が多く、慢性疾患を有する者が少なかった。

研究結果を簡単にまとめると、、、
  • 追跡期間中に、5万9,819人が死亡。このうち、1万3,509人が心血管疾患、1万4,375人ががん、3,188人が慢性下気道疾患、2,477人が事故/負傷、1,470人がアルツハイマー病、1,803人が糖尿病、1,135人がインフルエンザ/肺炎、1,129人が腎炎/ネフローゼ症候群/ネフローゼで死亡した。
  • 全死因死亡のリスクは、ガイドラインの推奨を満たさなかった運動不足群と比較して、筋力強化運動群が11%、有酸素運動群が29%低く、有酸素運動+筋力強化運動群では、さらに大きな生存に関する利益が認められ、リスクは40%減少していた。

 

以上の研究結果から、米国のガイドラインで推奨されている身体活動の水準を遵守すれば、慢性的な病気を予防し長生きできるという根拠が示されたのです。

では、一体どんな身体活動が、私たちの健康に有益性をもたらし生存上の利益を導いてくれるのでしょうか?

 

成人にとって理想的な運動量と運動強度

  • 週に150分~300分の適度な強度の有酸素運動を推奨。
  • 適度な強度の有酸素運動とは、活発な速足ウォーキング、社交ダンスなど。

ここで重要なのは、楽なウォーキングでなく速足ウォーキングが有酸素運動には効果的であるという内容。

また、息を荒くして行うような辛いランニングは推奨されていません。

健康上有益なランニングは、おしゃべりしながら楽しく走れる程度なら問題ないと思います。

  • 自重トレーニングや腕立て伏せなどを週に2日間以上の筋力活動も必要です。

自重トレーニングについては、下記のブログをご参照下さい。

 

 

media-naranja.hatenablog.com

 

 

media-naranja.hatenablog.com

 

 

長時間座っているのは要注意!!

一番見直して頂きたい生活習慣は、“長時間座らないこと”です。椅子に座っている時間が長い人ほど、高血圧のリスク、全死因死亡のリスクが高いと分かっています。
電車に乗ったら椅子に座るより立っていることを意識したり、自宅にいる間の座っている時間を少しでも短くすることを心掛けるのはどうでしょうか?

 

media-naranja.hatenablog.com

media-naranja.hatenablog.com

 

 

あらゆる身体活動が多くの健康上の利益をもたらすことは、科学的に実証されているのです。適度な身体活動は、不安を低減させたり、高血圧を要望してくれます。また、睡眠の質を高め、インスリン感受性を改善するので糖尿病を予防する事も可能です。

 

  • 若者の場合、身体活動は認知力の上昇、骨粗しょう症の予防、新機能の改善に役立ちます。

  • 成人の場合では、ガン(膀胱、乳房、結腸、子宮内膜、食道、腎臓、胃、および肺)の予防に役立ちます。また、認知症アルツハイマー症を含む)、全死因死亡、心臓病、脳卒中、高血圧、2型糖尿病うつ病のリスクを軽減します。

  • 高齢者の場合、転倒や転倒による怪我のリスクを低下します。

  • 妊婦の場合、身体活動産後うつ病のリスクを減らします。

 

全ての年代で、適度な身体活動は体重増加のリスクを減らし、人々が健康的な体重を維持するのに役立っているのです。

健康面の利益を考えた場合、わざわざお金を投資してジムに通うわなくても、普段から早歩き、電車では座らず立っている、駅構内ではエレベーターより階段を使う、自宅で椅子に座っている時間を短くする、などの生活習慣における改善を心掛けるだけで、慢性的な病気のリスクを減らし、長期的に健康的な生活を全うすることが可能になるのです。

よっし!!!

私も座りながら、このブログ書くのをやめて、スタンティングデスクで立ちながら書いてみようかな!!

 
 

原著論文はこちら

Zhao M, et al. BMJ. 2020;370:m2031.

 

参考

ケアネット

グリセミック・インデックス(GI値)!? 血糖値で気を付けなければいけないホントのトコロ。

読者のみなさま、こんにちは~!!

私の職場の近くを流れる川沿いには、きれいな桜並木があります。仕事の合間にその桜を見ながら、『日本人だな~、幸せだな~』としみじみ浸っております。

しかし!そんな余韻に浸ってる暇、実は私にはありません。今回も健康や病気についてのブログ、ご紹介していきますね。

 先日、グリセミック・インデックスの投稿をしたのですが、皆さん覚えていらっしゃいますか?

media-naranja.hatenablog.com

 

実は、このグリセミック・インデックスGI値)は、糖尿病予防だけでなく、心血管疾患や死亡のリスクの増大にも関与していたのです。

 

そんな論文を発表したのは、カナダ・トロント大学のDavid J.A. Jenkins氏ら(NEJM誌オンライン版2021年2月24日号掲載)です。

さぁ~、GI値が死亡リスクにまで関連しているとは!?非常に興味深い論文ですね。
ちょっとずつ、その内容を紐解いていきましょう。

 

研究背景・対象
  • この研究の目的はグリセミック・インデックスGI値)と心血管疾患および全死因死亡との関連について評価すること。
  • PURE研究から高所得国4ヵ国(カナダ、スウェーデンサウジアラビアアラブ首長国連邦)、中所得国11ヵ国(アルゼンチン、ブラジル、チリ、中国、コロンビア、イラン、マレーシア、パレスチナ領土、ポーランド南アフリカ共和国、トルコ)、および低所得国5ヵ国(バングラデシュ、インド、パキスタンタンザニアジンバブエ)のデータを分析評価した。
  • 解析には、35~70歳の13万7,851人が含まれた。追跡期間の中央値は9.5年。
  • 各国で検証済みの食物摂取頻度調査票を用いて食事摂取量を算出し、7つに分類された炭水化物食品(豆類、でんぷん質食品、野菜、果物、果実飲料、乳製品、砂糖入り飲料)の摂取量に基づいて、GI値およびグリセミック負荷(GL)を推定した。
  • 主要評価項目は、主要心血管イベント(心血管死、非致死的心筋梗塞脳卒中心不全)または全死因死亡の複合エンドポイントで、GIおよびGLとの関連について多変量Cox frailtyモデルを用いてハザード比(HR)を算出し評価した。

 

心血管疾患の既往にかかわらず、高GIで心血管イベント/死亡リスクが増大

研究結果
  1. 主要評価項目の解析対象は11万9,572人で。このうち、死亡が8,780人(心血管死3,229人、非心血管死5,551人)で、8,252人に1つ以上の主要心血管疾患の発生が認められた。
  2. GIが最も高い群(Q5:中央値91、IQR:90~91)は、最も低い群(Q1:中央値76、IQR:74~78)と比較して、心血管疾患の既往の有無にかかわらず、心血管疾患発症や高GIは、心血管死のリスク増大とも関連していた。

 

よく私たちが耳にするのは、「糖質量の多い食品は気をつけましょう!」という言葉。でも、今回取り上げたGI値に関する論文は、食後の血糖値を急上昇させるような食品は死亡リスクや心血管疾患発症のリスクを高めるので注意しましょう。という内容でした。

普段、食品に添付されている食品表示を見て、糖質量のチェックをしたりすますが、GIについて明記されてある食品表示は見たことがないですよね!。

健康で長生きするためには、このGI値に注意しながら食事を摂取するのもポイントになります。

それでは、このGI値グリセミック・インデックス)について、詳しくお話していきますね。
  

グリセミック・インデックスとは!?

グリセミック・インデックスとは、GI値とも略され、食後血糖値の上昇度を示す指数のことです。つまりこのGI値が高い食材を食べると血糖値が急上昇し、反対にGI値が低い食材を食べると血糖値は緩やかに上昇します。

 

急激な血統の上昇が糖尿病・肥満を招く

血糖値が上がると、インスリンという血糖を下げるホルモンが分泌されます。このインスリンの分泌が追い付かなくなると、食後しばらく経っても血糖値が下がらず高血糖が続きます。このような血液中の糖濃度が慢性的に高い状態を「糖尿病」と言います。

GI値の高い食品を食べて急激に血糖値が上昇すると、膵臓からインスリンというホルモンが多く分泌されますが、このインスリンは"血糖値を下げる"という働きの他に"脂肪を作る・脂肪の分解を抑制する"という働きがあります。つまり、高GI食品を摂取し、インスリンが多く分泌されると、糖尿病だけでなく、肥満の原因にもなるのです。

 

ダイエットや糖尿病予防には、食材を選ぶことが重要

血糖値を上げにくい食品(低GI食)には、「肉・魚などのタンパク質」「乳製品」「デンプン質以外の野菜」などが挙げられます。逆に高GIな食品の代表はというと「炭水化物」。ご飯やパン、麺類などの主食と呼ばれる食べ物です。

ただし、炭水化物のなかでも、全粒粉や玄米などは高GI食に含まれませんので、糖質をとる場合には、小麦粉や白米などのように精製されてない食品を摂取することをお勧めします。

 

GI値の分類

GI値は低・中・高と3つに構成され数値で分類されています。低GI食品とは、一般的にGI値が55以下の食品を指します。

GI値:55以下 GI値:56~69 高GI:70以上

食品GI値分類表

  低GI(55以下) 中GI(56~69) 高GI(70以上)
穀類 そば スパゲッティ
 押し麦 春雨
玄米 
コーンフレーク
白米 パン 餅 煎餅 粥 
赤飯 バターライス
果物 りんご イチゴ メロン
グレープフルーツ みかん
パイナップル
 柿 ぶどう
果物ジャム
 缶詰
野菜 葉物野菜 ブロッコリー 
ピーマン きのこ類
さつまいも じゃがいも 里いも 
長いも 人参
乳製品 牛乳 チーズ 
ヨーグルト バター
アイスクリーム 練乳

GI値を上げない工夫

GI値の低い食事を摂りましょう」と言われても、そんな簡単なものではありません。世の中の“美味しいもの”とは、だいたいGT値が高いんです。

でも、こんな食事の工夫をすれば、高いGIの食事を食べてもGI値を爆上げしなくて済むんです。

GI値を緩やかに挙げるポイントは食事の食べる順番に注意する

食物繊維(野菜、海藻など)➡ タンパク質(豆腐、肉類など)➡ 糖質(炭水化物)


食物繊維を含む食品と一緒に食べることで、他の食品のGI値を下げる効果が期待できます。特に、海藻やきのこ類などに多く含まれる水溶性食物繊維は糖を包み込み、吸収しにくくすることで、血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。食べる順番も野菜などの食物繊維が豊富なものから食べるように心掛けましょう!

 

www.otsuka.co.jp

 

さぁ、みんさんも今日からこのGIに着目して食品を選んでみてください。糖質の中でも、高GI値と低GI値があり、精製米、小麦粉(パン)などはGIが高いですね。一方、果物や全粒粉、玄米といった糖質だけでなく繊維質も多く含んでいる食材は血糖値の上昇を穏やかにしてくれるというのがポイントですよ!

 

参考:ケアネット

原著論文はコチラ

「野菜をそのまま丸ごと食べるより、野菜ジュースを飲んだ方が効率的なのか!?」を検証してみた。

みなさん、こんにちは!

野菜や果物を食べる代わりに、自家製野菜ジュースを飲んでる方、手を挙げて下さーい!

おやおや、、、ちらほろ見うけられますね…。

ちょっと待ってくださいよー。コンビニやスーパーで売っている野菜ジュース、あれは、『自家製野菜ジュース』ではないですよ。

市販されている野菜ジュースは、万人が飲みやすいように加糖されていて糖質量が多いので、注意が必要です。

 

media-naranja.hatenablog.com

 

今回私がお話したい内容は、ご自宅や健康志向のカフェなどで、その場でジューサーやミキサーなどを使用して作る、『自家製生野菜ジュース』についてです。

この『自家製生野菜ジュース』に関しては、色々疑問を持っていたんです。

  1. 例えば、ミキサーとジューサー、どっちを使用してジュースを作ったらいいのか?ミキサーとジューサに違いはあるのか?

    panasonic.jp

  2.  野菜を丸ごと食べるより、自家製ジュースにした方が効果的に効率よく野菜の栄養素や繊維質をとることが出来るのではないか??

 
実際のところ、どうなんだろう??

と思って論文を探していたら、こんな研究論文を見つけたので、ご報告しますね。

 

生野菜ジュースの作り方の違いで抗酸化物質などの濃度に違いが認められた!

ミキサーやジューサーなどを使った異なる3通りの作り方で比較した結果、野菜ジュースの抗酸化物質や植物性化合物の濃度に差が認められたという研究で、米テキサスA&M大学のBhimanagouda Patil氏らの研究で発表されました(「ACS Food Science & Technology」に12月18日掲載)

自家製野菜ジュース作りのための調理器具にはいくつかあり、それぞれ特徴があります。

  • ミキサー:野菜を回転ブレードで粉砕し、作られたジュースは食物繊維が豊富で濃厚。
  • 高速遠心分離式ジューサー:野菜を素早く粉砕して食物繊維を分離する器具で、薄めのジュースになります。
  • 低速ジューサー:回転が低速であるために、これらの方法の中で最も熱産生が少ないことが特徴。ジュースを作る時に発生する熱は、生野菜が持っている植物性化合物などの含有量を変えてしまう可能性があるので、高速ジューサーに比べ、低速ジューサーは高い栄養価が維持したままジュースを作ることができると言われています。

ミキサーが優れていた点

  • αアミラーゼ阻害作用のある化合物の含有量が多かった。αアミラーゼを阻害することは、食後の血糖値の急な上昇の抑制につながる。

ジューサーが優れていた点

  • 抗酸化物質とフェノール類の含有量はミキサーよりもジューサーで作られた野菜ジュースの方が優れていた。特に、低速ジューサーで作られたジュースは含有量のレベルが高かった。

こちらの研究を指示したPatil氏らは、これら3種類の調理器具を用いて、ケールやビーツ、ニンジン、カリフラワーなど19種類の野菜ジュースを作り栄養価を分析しました。その結果、どの調理器具を使っても全ての栄養素をまんべんなく多く含む野菜ジュースを作ることはできず、総合的に最も優れている調理法は特定されなかった。というのです。


ミキサーやジューサーを使用して野菜をそのまま丸ごと、ジュースにする飲み方には一長一短があるようです。

野菜の栄養価を逃がさず、摂取する方法として最もよいのは、『ジュースにしないでそのまま食べる』と言うのが、一番効果的だそうです。
栄養価だけでなく、その方が腸の善玉菌を増やす食物繊維をより多く摂取できるのだそうです。

結局、野菜をジュースにするよりも、野菜を丸ごと食べる方を強くススメます!と言う研究結果でした。

でも、野菜が苦手で丸ごと食べることが出来ない、、、という人の場合には、ジュースにして野菜を摂りやすくすることをおススメします。しかも、砂糖入りのジュースを飲むよりは、自家製の野菜ジュースを飲む方が健康にとってはいいこと、間違いなしです。

参考

ケアネット

 

 

加工食品を摂りすぎると、死亡リスクが増大する!

みなさん、こんにちは(^^)

私の悪い習慣、、、それは、お菓子をやめられないところです。
食べちゃいけない、、、と思っていても、チョコレートを目にすると、お口の中に頬張ってしまいます・・・。

これが、太る元。ってことは分かっちゃいるんですが、辞められない。

皆さんは、日々の食事のうちでどの位の加工食品を摂っていますか?よっぽど気を配った食生活をしていないと、加工食品は毎日のように摂取しているのではないかと思います。食品を腐らないように長持ちさせる目的や、食品に彩りを持たせるため、味にパンチを出す目的、、、などなど様々な理由から多くの食品には添加物が入っています。

ダイエット飲料に代表される、甘いのに “カロリーゼロ” という製品にも甘味料が添加されているのです。

つまり、食品添加物が多く含まれている代表格のような、 カップラーメン、ソーセージ、スナック菓子、ファストフード以外にも、私たちの生活とは切っても切れないほど、加工食品は蔓延しているのです。

 

ここで問題なのは、加工食品を摂りすぎると何が問題なのか!?

という事ではないかと思います。実は、超加工食品を摂りすぎると、糖尿病や肥満、心血管疾患、がん、認知症を発症しやすいと専門家から指摘されていました。

今回のブログでは、この超加工食品の摂りすぎがもたらす健康被害についてお伝えしたいと思います。

 

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超加工食品の高摂取は死亡率を大幅に増加させる

超加工食品を1日4サービング以上摂取すると、死亡のハザードが相対的に62%増加し、1日1サービング増えるごとに死亡リスクが18%増加することが、スペイン・ナバラ大学のAnais Rico-Campa氏らの調査で示されました。*1成人を対象とした前向きコホート研究により、超加工食品の摂取は、がん、過敏性腸症候群、肥満、高血圧のハザードの上昇と関連することが知られている。

 

約2万例を2年ごとに観察 
研究グループは、超加工食品の摂取と全死因死亡の関連を評価する目的で、前向きコホート研究を行った(Instituto de Salud Carlos IIIなどの助成による)。

 解析には、スペインの大学卒業生が登録されたSeguimiento Universidad de Navarra(SUN)の1999~2018年のデータを用いた。1999~2014年の期間に、20~91歳の1万9,899例を2年ごとにフォローアップした。食品と飲料の摂取状況を、NOVA分類による加工の程度で分類し、妥当性が確認された136項目の食品頻度質問票を用いて評価した。

 主要アウトカムは、4段階の超加工食品の1日摂取量(低[<2サービング/日]、低~中[2~<3サービング/日]、中~高[3~≦4サービング/日]、高[>4サービング/日])で調整したエネルギー消費量と全死因死亡の関連とし、多変量Cox比例ハザードモデルを用いて解析した。

 

 

超加工食品とは・・・?

  • 超加工食品の多くは、脂肪、飽和脂肪酸、砂糖、塩を多く含み、食物繊維とビタミンの含有量は少ない上に、加熱により発がん性物質が生成される成分も含んでいること
  • 食品に直接触れる包装材料にも発がん性のある物質や内分泌かく乱物質などが含まれている場合があること
  • 実験動物や細胞モデルを用いた研究で発がん性が示されているために、ヒトに対する安全性が現在も議論されている添加物を含む食品も存在すること

 

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO29160820Z00C18A4000000/

 
1サービングとは

SV(=サービング)とは食事の提供量の単位の略です。料理の分量を1つ(SV)という統一した単位で数え、料理区分ごとに1日にとりたい数を示しています。

通常、食品の量の目安には、1カップ、小さじ1杯、100g、などの単位を使う方多いと思います。一方サービングとは、1つ、2つという単位の事をいいます。ですので、食品や食事によって1サービングの目安量(〇〇g、〇〇g)は異なります。

例えば、おにぎり1個=主食:1サービング、バナナ1本=果物:1サービング、親子丼=主食:2サービング、副菜:1サービング、主菜:2サービング、ビーフステーキ=主菜:5サービング、ブリの照り焼き=主菜:2サービング・・・といった感じです。

 

www.maff.go.jp

 

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摂取した加工食品の内容は、加工肉と砂糖入り飲料が最も多い

  • 1万9,899例のうち、女性が1万2,113例、男性は7,786例で、ベースラインの全体の平均年齢は37.6(SD 12.3)歳、フォローアップ期間中央値は10.4年であった。
    観察人年20万432人年に、335例が死亡した(がん死164例、心血管死71例)。
  • 超加工食品の平均1日摂取量は、低摂取群(4,975例)が1.4サービング低~中摂取群(4,975例)が2.7サービング中~高摂取群(4,975例)が3.5サービング高摂取群(4,974例)は5.3サービングであった。
  • 高摂取群は平均BMI(23.8)が高かった。

  • 高摂取群は低摂取群と比較して、現喫煙者が多かった。

  • 高摂取群は低摂取群と比較して、大学教育レベルが高かった(大学院、博士号取得者が多い)。

  • 高摂取群は低摂取群と比較して、心血管疾患・がん・糖尿病・高血圧・高コレステロール血症・うつ病の家族歴を持つ者が多かった。

  • 高摂取群は低摂取群に比べ、間食や1日3時間以上のテレビ視聴の割合が高く、1日のコンピュータ使用時間や昼寝の時間が長かった。

  • 高摂取群は低摂取群に比べ、総脂肪摂取が多く、タンパク質や炭水化物の摂取は少なかった。

  • 高摂取群は他の群に比し、ファストフード、揚げ物、加工肉、砂糖入り飲料の摂取量が多く、野菜、果物、オリーブ油、アルコール飲料、総食物繊維の摂取量が少なかった。

  • 超加工食品のうち、最も多かったのは加工肉(15%、ハム、ソーセージ、チョリソ、サラミ、モルタデッラ、ハンバーガーを含む)と砂糖入り飲料(15%)で、次いで乳製品(12%、カスタード、アイスクリーム、ミルクシェイク、プチスイスを含む)、フレンチフライ(11%)、ペストリー(10%、マフィン、ドーナツ、クロワッサンや他の非手作りペストリー、菓子類を含む)、クッキー(8%、ビスケット、チョコレートクッキーを含む)の順であった。

  • 超加工食品の高摂取群は低摂取群に比べ、全死因死亡のリスクがが62%高く、有意な用量反応関係が認められた。

  • がん死(1.22、0.70~2.12、p=0.42)および心血管死(2.16、0.92~5.06、p=0.11)には有意差はなかった。また、超加工食品が1サービング増えるごとに、全死因死亡が相対的に18%有意に増加した。

 

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超加工食品の摂取を控えるのが、健康への近道!

超加工食品の摂取が増えると、死亡リスクが高まることが分かりました。以外にがんの発生率や心血管の罹患率には有意な差は出なかったのですね!
このご時世、“超加工食品の接種を摂るのを完全に止めろ!” というのは、極めて困難でしょう。だって、コンビニのパック詰め野菜や果物ですら、酸化防止剤という加工食品が添加されているのです。
一日にうちで、家事、仕事、育児など…現代人がやらなければいけない仕事はたくさんあります。忙しい生活を送っていると、どうしても加工食品に頼ってしまう事は避けられようもない事実だと感じます。また、個人の努力や意志力で  “加工食品は摂らない!”という 行動を起こそうと思っても、加工食品が蔓延している世の中で、それは至難の業です。
しかし、現在、欧米諸国では公衆衛生の改善において、加工食品を控えようとする働きがけがなされるようになってきています。製品の売買制限を設けたり、食品成分表に加工食品の具体的な記載が義務付ける。などといった試みです。
『超加工食品の摂取が死亡リスクを増大させる』という事だけ知っておくのも、日々の生活習慣を整える、イイきっかけになるかもしれませんね!
 
 

原著論文はこちら↓↓↓

Rico-Campa A, et al. BMJ. 2019;365:l1949.

 

参考:医学ライター 菅野 守 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:BMJ誌2019年5月29日号に掲載