現役メディカルスタッフが語る!!健康な身体と心を手に入れる極意

循環器専門病院に勤務するメディカルスタッフ(健康オタク)が、最強の身体と心を手に入れるための方法を伝授します!巷のうわさ話ではない、科学的根拠(Evidence)に基づいた健康法を医療専門家の視点から徹底的に語ります。

運動は70歳から始めても遅くない!!

皆さん、こんにちはーーー(^^)

毎日、運動ってしてますか?

ラジオ体操とか、ウォーキングとか、筋トレとか、、、あと、幡院長も大好きなランニング。「運動が身体に良い」ということは分かっていても、

「わしゃ~、年だから運動したって無理やけ~」

なんて、思ってませんか??

この考え、大きな誤解なんです。運動は、幾つから初めても健康に寄与してくれるんですよ!

そんな論文を発見したので、ご報告しますね。

 

高齢になってから運動を始めても、健康に有益である

 

高齢になってから運動を始めても、健康に大きな恩恵をもたらすことが分かった。運動をしていない70~80歳代の高齢男性でも、運動を始めると、運動経験が豊富な熟練アスリートと同程度に筋肉量を増やせることが、英バーミンガム大学運動生理学・代謝学のLeigh Breen氏らの研究で明らかになった。*1

 

Breen氏らのチームは、年齢をマッチさせた運動経験のない高齢者8人と熟練アスリート7人を対象に、エクササイズマシンを使ったレジスタンス運動を1回行ってもらい、運動前48時間の安静時と運動後に筋生検サンプルを採取。筋肉のタンパク質を構成する「筋原線維タンパク質」の合成率を調べた。また、アイソトープトレーサーを用いた検査を行い、筋肉内でタンパクがどのように合成されているのか、その過程を追跡した。なお、対象者の平均年齢は、運動経験のない高齢者は73.5歳、アスリートは68.9歳だった。

 

レジスタンス運動とは

スクワットや腕立て伏せ、ダンベルを用いた、筋肉に負荷をかけて行う運動のこと

 

www.tyojyu.or.jp



 Breen氏らは、運動経験のない高齢男性よりも熟練アスリートの方が、運動後には筋肉量がより増えるものと予想していた。しかし、結果は予想に反して、いずれの群においても、筋原線維タンパク質の合成率は、運動前に比べて運動後には同程度に増加したことが分かった。

つまり、今回の研究結果から、「運動習慣があるorないに関わらず、何歳になってからでも運動を始めれば健康にとって有益である」という可能性が考えられるわけです。

Breen氏らは、全身の健康を長く保つためには、健全な食習慣と運動を長期にわたり維持していくことが最善の方法であると言っています。しかし、高齢になってから運動を始めても、加齢や心身の衰えや筋力の低下を遅らせるのに役立つだろうとも付け加えています。


特段、ジムやスイミングスクールに行って運動を行わなくても、

ラジオ体操をする、エレベーターより階段を使う、ガーデニングなど、普段の日常生活の活動を通して筋力を増やすことも出来るかもしれません。

運動をすることが、どんな病気の予防に繋がり、どんな病気のリスクを減らすのか。という具体的な内容まで検討されてはいませんが、運動が健康寿命を延ばすひとつのツールであることは確かです。

 

運動を始めるのに、早い遅いもありません!

運動をすることは健康に有益である。運動は高齢になってから初めても健康に有益である。というデータが出ています。

思い立ったが吉日。今日から運動(日常生活での活動強化)を初めてみてはどうですか??

 

 

参考

2019年8月30日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay. All rights

*1:Frontiers in Physiology」8月30日オンライン版