睡眠の質が悪いと、女性は太る!?
睡眠不足が不健康な食生活の引き金となる!
今回の報告は、米コロンビア大学のBrooke Aggarwal先生の研究結果です。*1。
研究内容
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対象は20歳~76歳の女性、495人。睡眠習慣と食生活との関連を検討。
背景
- 平均年齢37±16歳、BMI25.9±5.7、睡眠時間6.76±1.24時間。
- 全体の39%は睡眠の質が悪いと判定された。
- 摂取エネルギー量は平均1,433±862kcalだった。
検討の結果、過去の研究と同様に、睡眠の質が悪い(ピッツバーグ睡眠指数が高い)人ほど、肥満や2型糖尿病リスクにつながる糖の摂取量が多く、また食事全体の量も多く、その割に不飽和脂肪酸の摂取量は少ないことが明らかになった。また、寝つくのに60分以上かかる人は15分以内に眠れる人に比べ、食事摂取量と摂取エネルギー量が多く、全粒穀物の摂取量は少なかった。さらに、不眠症症状の重症度が強いほど摂取エネルギー量が多く、不飽和脂肪酸の摂取量は少ないという関連が見られた。
ピッツバーグ睡眠指数って??
「睡眠の質」と言う言葉をよく聞くと思いますが、この‟質”をどのように計測すればよいか、その尺度と言うのは非常に個体差があり主観的です。
例えば、「今日は、睡眠中一度も起きなかった!」とか、「今日は全く夢を見なかった」とか、「ぐっすり眠れた気がする…」とか。
人によって睡眠の質の感じ方は様々です。
そこで、この睡眠の質を客観的に数値化したものが、ピッツバーグ睡眠指数です。合計数値が高いほど、睡眠の質が低いと言えます。皆さんも一度、tryしてみた下さい(^^)
睡眠にまつわるこんな記事もありますのでご参照下さい(^^)
とかく女性は、睡眠障害に陥りやすいそうです。その理由は、20代~40代は子供や家族の世話を行い、子供が育ち手が離れたころには閉経期のホルモン分泌の変化が起こるからだそうです。女性の人生は睡眠障害との戦いなんですよ!!
睡眠の質が悪いと不健康な食生活に傾きやすい原因のひとつに、
「睡眠の質が悪いと、空腹シグナルが刺激される一方で、満腹シグナルが抑制さるれ食物の過剰摂取につながる」と考えられます。
「睡眠の質が悪い女性は食べ過ぎていて、より不健康な食品を食べる傾向がある」と考察しています。同氏によると女性は、若いうちは子どもや家族の世話のため、その後の人生では閉経期のホルモン分泌の変動のために、睡眠障害になりやすいという。
さらに、過食により胃腸の不快感が引き起こされて、その後眠りにつくのに時間がかかったり、深い眠りが妨げられる可能性もります。
いずれにせよ、
不健康な食生活と過食は肥満につながります。従来の研究結果からも、肥満が心疾患のリスク因子であることは間違いないので、睡眠の質をいかに向上させるか。医療で介入できれば、肥満を防ぎ、引いては心疾患のリスクを減らすことも期待できます。
原著論文
Zuraikat FM, et al. J Am Heart Assoc. 2020 Feb 17
参照
ケアネット
提供元
HealthDay News
*1:「Journal of the American Heart Association」2月17日オンライン版