現役メディカルスタッフが語る!!健康な身体と心を手に入れる極意

循環器専門病院に勤務するメディカルスタッフ(健康オタク)が、最強の身体と心を手に入れるための方法を伝授します!巷のうわさ話ではない、科学的根拠(Evidence)に基づいた健康法を医療専門家の視点から徹底的に語ります。

1日500ml以上の炭酸飲料を飲むと、死亡リスクが上昇する!?

炭酸飲料を飲んだだけで、死亡リスクが高くなる!?まさか~~~。。。

それって、砂糖を使った甘い炭酸飲料だけでしょ?って思いますよね。

実は、人工甘味料で甘くした炭酸飲料を1日当たりコップ2杯以上(500mlほど)飲むのも、健康には良くないらしいです。

 

砂糖や人工甘味料で甘くした炭酸飲料を1日当たりコップ2杯(約500mL)以上摂取する人は、1カ月に1杯未満しか摂取しない人と比べて死亡リスクが高くなることが、国際がん研究機関(フランス)のNeil Murphy氏らが実施した大規模研究で示されました。*1


 Murphy氏らは、欧州10カ国の男女45万1,000人超を対象に集団ベースのコホート研究を実施。炭酸飲料の摂取と全死亡リスクおよび死因別死亡リスクとの関連を調べた。対象者の平均年齢は51歳で、追跡期間は平均16年だった。

 

1日コップ2杯以上の炭酸飲料を飲むと、死亡リスクが上昇するだけでなく、健康を害する危険性が高い!


 研究の結果、1日コップ2杯以上(約500ml以上)の炭酸飲料の摂取で全死亡リスクが上昇することに加え、炭酸飲料の摂取量が多いと、さまざまな疾患による死亡リスクが増大することが示された。
 これは、カロリーや砂糖、人工甘味料が添加されていない、いわゆる “炭酸水” は除外されています。

 各炭酸飲料の摂取症が1カ月にコップ1杯未満の人と比較して

  1. 砂糖または人工甘味料が添加された炭酸飲料の摂取量が1日に1杯以上の人では大腸がんやパーキンソン病による死亡リスクが高かった。

  2. 砂糖入り炭酸飲料の摂取量が1日に1杯以上の人では消化器疾患による死亡リスクが高かった。

  3. 人工甘味料入りの炭酸飲料の摂取量が1日に1杯以上の人では心疾患などの循環器疾患による死亡リスクが高かった。

 

こうした炭酸飲料の摂取量の多さと死亡リスク上昇の関連は、BMIや喫煙の有無などの因子を除外して分析しても認められたそうです。

 


なぜ炭酸飲料の摂取により死亡リスクが高まるのだろうか・・・。

この研究を指揮した専門家によると、炭酸飲料は体重増加や肥満を招くだけでなく、ホルモンの一つであるインスリンの働きにも影響を及ぼし、炎症を引き起こす可能性があると指摘しています。こうした事が作用して、さまざまな疾患の原因となり、寿命の短縮につながるのではないかとの考えを示しています。

ただ、人工的に甘くした炭酸飲料がいかにして死亡リスクを上昇させるのかを突きとめるには、さらなる研究が必要でしょう。

 


                                        buzz.media.netより

上の画像を見てお分かりになる通り、果糖飲料には砂糖に置き換えると、ペットボトル1本(約500ml)あたり、こんなにも白砂糖(糖質)が入っているんです。

この画像を見ると、ジュースを飲むのが怖くなりますね^^;

 

 

ジュースの甘み成分ブドウ糖の正体は、「果糖ブドウ糖液糖」

糖分には多糖類、二糖類、単糖類などがある。多糖類は多数の糖からできている高分子化合物。穀類や芋類に多く含まれるデンプンは多糖類で、糖分の中でも吸収は遅い。もっとも慣れ親しんでいる「砂糖」の多くは白く精製された白砂糖で、単糖類が2個結合した二糖類。一方、ブドウ糖や果糖(フルクトース)は1個の糖からできている単糖類で、糖分を構成している最小単位の物質。清涼飲料に多く使われている果糖は糖の中でも甘味が強く、すぐに吸収される。多量に摂取すると血糖値の上昇や中性脂肪の増加をまねくおそれがある。

 

 

勿論、「コカ・コーラ ゼロ」とか、「ファンタ ゼロ」、「キリンメッツ ワイルドチャージ」などは、人工甘味料を使用しており、カロリーゼロで且つ、糖質はゼロです。

糖尿病の方やや糖質を気にされている方にとっては、糖質・糖類ゼロは、血糖値を上昇させない作用があるので、大変重宝されると思います。

しかし、糖質ゼロ、カロリーゼロであっても、人工甘味料で甘さが調節された炭酸飲料は死亡リスクを高め、様々な病気に掛かるリスクを高めていると言えます。

 

本研究により、甘い炭酸飲料と死亡リスクの因果関係が証明されたわけではなありませんが、炭酸飲料を飲むよりは、ミネラルウォーターや緑茶、ウーロン茶などの方が、“健康” という観点からすると、良いのでしょうね。



原著論文はこちら

Mullee A, et al. JAMA Intern Med. 2019 Sep 3. [Epub ahead of print]

 

*1:JAMA Internal Medicine」9月3日オンライン版