現役メディカルスタッフが語る!!健康な身体と心を手に入れる極意

循環器専門病院に勤務するメディカルスタッフ(健康オタク)が、最強の身体と心を手に入れるための方法を伝授します!巷のうわさ話ではない、科学的根拠(Evidence)に基づいた健康法を医療専門家の視点から徹底的に語ります。

魚を摂取すると認知症リスクが低下する!

「さかな、さかな、さかなーーー、さかなーをー食べーるとーーー

 あたま、あたま、あたまーーー、あたまーがー良くーなるーーー」

 

一昔前(20年位前?)にこんな歌、はやったの覚えていませんか?

まぁ、魚だけとってりゃ、一流大学に行けるとは思いませんが…。

 

みなさんは、

お魚料理は好きですか?

魚派?? 肉派??

私は色んな意味で肉食、いやいや羊の皮をかぶった狼系ですが、

毎日、サバ缶を食べてますよ(^^)

 

タンパク質を摂るなら、お肉か魚か、どっちがイイ?

なんて話をしている人を見かけたこともありますが、

お魚にはタンパク質以上に、私たち人間の身体にとって非常に有益な効果を与えてくれるんです。

そのひとつに、これからお話しする「認知症予防効果」があるんですよ!

 

 
 

 魚の摂取で認知症リスクが低下する

 

魚類は、認知機能低下を予防する多くの栄養素を含んでいて、習慣的な魚類の摂取は、認知症発症リスクの低下に寄与する可能性が示唆されています。しかし、認知症発症と魚類の摂取を調査したプロスペクティブコホート研究は少なく、それらの調査結果は一貫していませんでした。

東北大学の靏蒔 望氏らは、魚類の摂取量と認知症発症リスクを評価するため、大崎コホート研究のデータを用いて検討をいました。*1 ベースライン時、65歳以上であった大崎市在住の住民を対象に、食物頻度アンケートを実施し、魚類やその他の食物摂取に関するデータを収集した。ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)の推定には、多変量調整Coxモデルを用いた。魚類の摂取量を四分位に分け、最も少ない群をQ1、最も多い群をQ4とし、Q1を基準に認知症発症リスクを検討した。

 研究結果を以下にまとめます。

  1. 対象者1万3,102例中、5.7年のフォローアップ期間後における認知症発症は1,118例(8.5%)であった。

  2. 魚摂取が最も少ない群(Q1)と比較した認知症発症HRは、でQ2で0.90(95%CI:0.74~1.11)、Q3で0.85(95%CI:0.73~0.99)、Q4で0.84(95%CI:0.71~0.997)であった(傾向性p値=0.029)。

  3. フォローアップ期間の最初の2年間で認知症と診断された人およびベースライン時に認知機能が低下していた人を除外した場合でも、同様の結果が得られた。

 

 

魚の栄養素をまとめてみました

  1. DHA(ドコサヘキサエン酸)血栓を出来にくくしたり、脳細胞を活性化させる働きもあります。
  2. EPA(エイコサペンタエン酸):不飽和脂肪酸の一種です。脳梗塞心筋梗塞などを予防する働きをもつと言われています。
  3. タウリン:血圧を正常に保ち、血栓心筋梗塞を予防する。LDL-Cを減少させ、HDL-Cを増加する働きもあります。また視力の衰えを防ぐとも言われています。
  4. タンパク質:お肉の方が魚よりタンパク質が多いと思われがちですが、、、体内で利用させれる特にマグロやサンマ、イワシ、サケは内々で利用されるたんぱく質が牛肉や豚肉より多いとされています。

 

marukuma.or.jp

 

 

魚には認知症予防だけでなく、健康な身体をつくる栄養素が豊富

今回の研究結果では、健康な高齢者において、魚類の摂取量が多いと認知症発症リスクが低いことが認められたました。習慣的な魚類の摂取が、認知症予防に有益であることを示唆していると、言えますね。

しかも、認知症予防だけでなく、動脈硬化予防にもつながり、心筋梗塞脳卒中などの心血管疾患のリスクから身体を守ってもくれます。

良いことづくめの魚♡

みなさんも、積極的にお魚をとってみてはどうですか?

 

 

原著論文はこちら
参照:鷹野 敦夫氏執筆

*1:The British Journal of Nutrition誌2019年9月3日号