現役メディカルスタッフが語る!!健康な身体と心を手に入れる極意

循環器専門病院に勤務するメディカルスタッフ(健康オタク)が、最強の身体と心を手に入れるための方法を伝授します!巷のうわさ話ではない、科学的根拠(Evidence)に基づいた健康法を医療専門家の視点から徹底的に語ります。

超加工食品、摂ればとるほど危険がいっぱい!!

皆さん、こんにちは!

ちょうかこうしょくひん、

超かっこいい食品、、、

「違う違う、、、最近どうやら頭の回転が鈍ってます(笑)」

 

 

身体に悪いと分かっていても、ついつい食べてしまうもの、ありませんか??

ポテトチップス、クッキー、惣菜パン、ソフトドリンクなどなど・・・。ついつい手が伸びてしまいますよね!

 

でも、この論文を読んだら、スナック菓子や加工食品をとるのが恐ろしくなるかもしれませんよ!

 

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超加工食品の摂取量の多い人ほど、死亡リスクが増加

超加工食品の摂取量が多い人における死亡リスク増加を示唆する研究が、JAMA Internal Medicine誌2月11日号オンライン版に掲載されました。

「フランスの大規模コホートである前向き研究から得られた結果は、食事における超加工食品の割合の増加が全死亡リスクの増加と関連する」ことを、初めて示唆した研究です。

 

超加工食品とは

超加工食品とは、“糖分や塩分、脂肪を多く含む加工済みの食品。保存料などを添加し、常温で保存できたり、日持ちを良くしてある食品” のことです。

果糖や人工油脂などをたっぷり使った菓子パンや、スナック菓子、カップ麺、ピザ・ホットドック、ケーキ・クッキー・パイ、ドーナツ、マフィン、高カロリーの清涼飲料、ミートボール・チキンナゲット、ウインナー、ハム、などなど…。数え上げたら、きりがないですよね!

 超加工食品の多くは、栄養価のバランスを著しく欠いており、高カロリー、高脂肪、高塩分でるが、必要な栄養素であるビタミンやミネラル、食物繊維などはあまり含まれていない『エンプティーカロリー』と称される食品です。

この超加工食品には、発がん性物質などを含む、健康を害する可能性がある食品添加物や汚染物質が含まれているといわれています。

 

 

超加工食品は、価格が安く、準備が容易で腐敗しにくいことから、保存食として重宝します。また超加工食品は多く流通しており、スーパーマーケットなどの量販店で、目立つように陳列されているので、健康に悪いと分かっていながら、ついつい超加工食品を選択してしまうのです。

 

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利便性の裏に隠れた代償

実は今までに、超加工食品と脂質異常症、肥満、高血圧、がんを含む慢性疾患のリスクの増加を関連付ける科学的根拠(エビデンス)が蓄積されているのです。しかし、その関連が死亡リスク増加につながるかどうかについての研究は、過去に実施されていませんでした。しかし、今回の報告は、超加工食品と病気の疾病リスク、全死亡との関連生を導き出した極めて興味深い研究なのです。

 

研究背景・内容

今回、全国的な栄養学的ウェブベース試験であるFrench NutriNet-Sante Study(2009年5月に開始し、現在も進行中)を用いて観察研究を実施しました(45歳以上の成人4万4,551人を対象とし、追跡期間は2017年12月15日。参加者のうち73.1%が女性、平均年齢は57歳であった)。

研究者らは、連続した3回のウェブベースの24時間思い出し法による質問表を用いて、6ヵ月ごとに回答された食品摂取に関する情報を収集。質問票では、朝食、昼食、夕食、間食時に通常摂取する食品について質問。また質問票には、参加者らが1回分の分量を自己申告する際の証拠となる写真も提供された。

参加者は、摂取食品の総重量のうち14.4%(平均値)を超加工食品が占めていると回答した。言い換えると、超加工食品は1日の総摂取カロリーの29.1%を占めていた。

 

研究結果

7年間の試験期間中に、602人の参加者が死亡した(試験集団の1.4%)。

超加工食品の食事に占める割合が10%増加するごとに、全死因死亡リスクは14%増加した(10%増加ごとのハザード比[HR]:1.14、95%信頼区間[CI]:1.04~1.27、p=0.008)。

 

注目すべき点として、本解析は結果に影響しうる多くの潜在的交絡因子(性別、年齢、月収、教育レベル、婚姻状況、居住地[都会または地方]、身体活動レベル、喫煙状況、アルコール摂取量、エネルギー摂取量、第一度近親者のがん/心血管疾患既往歴、24時間思い出し法回答数、質問票に回答した季節、食事の全体的な栄養品質を含む)で調整されていることが挙げられる。

 

 

超加工食品の何が、そんなに悪いのか!?

超加工食品の特徴として、

  • 食品添加物(香料、乳化剤、着色料)が多い
  • 塩分量、糖分量が極めて高い
  • 添加糖(パスタソース、ドレッシング、パン、調理済みのスープ、ソーセージ)など、甘いと感じない糖の使用量が多い
  • 食物繊維が圧倒的に少ない

なとが挙げられます。これらは、多くの病気の発症リスクを上昇させると言われています。

 

摂る過ぎると糖尿病や肥満の原因に

 超過工食品の特徴のひとつに糖分量の多さでありますが、糖質の過度の摂取は、高血糖や高血圧、中性脂肪の増加、LDL(悪玉)コレステロールの上昇、HDL(善玉)コレステロールの減少、インスリン抵抗性などを引き起こす可能性があります。

米国では2型糖尿病が増えており、糖尿病の有病率は9.4%に上る(10人に一人が糖尿病)と言われており、糖尿病予備群の数も8,410万人と非常に多いのです。

 

 

脳は『糖質+脂質』を含む食品が大好き 

そもそも脳は、糖質と脂質の組み合わせを本能的に好むように出来ています。脂質と糖質の両方を多く含む「超加工食品」が好まれるのは、脳の働きも影響しているのです。米国のイェール大学の研究によると、糖質と脂質のいずれかを含む食品よりも、両方を含んだ食品を食べたときの方が、脳内の報酬系のシグナル伝達が強くなるという報告があります。

 

超加工食品を見ると脳の報酬系が活性化する

研究チームは56人のボランティアに、

①キャンディーなどの糖質を含む食品

②ミートボールやチーズなどの脂質を含む食品

③クッキーやケーキなどの糖質と脂質の両方を含む食品

これらのいずれかの写真を参加者らに見せ、オークションで競り落とせば自分が好きなものを食べることができると説明した。

 

その結果、ボランティアは「糖質+脂質」を含む食品にもっとも高い値を付けた。MRIによる脳画像検査を行ったところ、「糖質+脂質」を含む食品の写真を見たときに、報酬系を司る脳領域の神経回路が活性化することが分かった。

 

超加工食品は『がんリスク』を上昇 

「超加工食品」を多く食べる人は、がんのリスクが高いことが、フランスの研究で明らかになっています。フランス国立保健医学研究所(INSERM)の研究チームは、フランス在住の10万4,980人(年齢の中央値は42.8歳)を対象に、超加工食品の摂取量と、その後5年間のがん(あらゆるがん、乳がん前立腺がん、大腸がん)の発症状況を調べました。

その結果、「超加工食品」の摂取は、がん全体のリスク上昇に影響することが分かりました。

 

 

加工度の少ない食品は安全性が高い

ガンを発症するリスクを下げると考えられている食品
  • 果物類
  • 野菜類
  • 豆類
  • 卵類
  • 肉類
  • 魚類
  • 牛乳
がんを発症するリスクと関連性がない食品
  • 缶詰野菜
  • チーズ
  • 包装されていない新鮮なパン

 

 

 

食品の栄養成分表示を見る習慣を

「超加工食品」は現代人の生活のすみずみに入り込んでいますが、食べ過ぎにはくれぐれも注意した方が良いと思います。

 米国糖尿病学会(ADA)は、加工食品を利用するときは、栄養成分と原材料の表示をよく見て確かめることを勧めています。これが、加工食品に何が含まれているかを知るための最良の手段です。そうしたうえで、ナトリウム(塩分)、糖分、脂肪の少ない食品を選択すると安全です。

 

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超加工食品は健康を脅かす

  1. 超加工食品と添加糖の摂り過ぎが、糖尿病や肥満の増加に拍車をかけている可能性があると考えられます。

  2. ドーナツ、フライドポテト、チョコレートバー、ポテトチップスなどの加工食品の多くは糖質と脂質の両方を含んでいますが、そうした食品は母乳を除けば自然界には存在しません。

  3. 脳内の報酬系のシグナル伝達を強める高カロリーの食品ばかりを選んで食べていると、肥満や2型糖尿病、心血管疾患が引き起こす可能性があるので摂り過ぎには注意が必要です。

  4. 超加工食品は、糖分や塩分、飽和脂肪酸を多く含み、食物繊維とビタミンの含有量は少ない。さらに、加熱により発がん性物質が生成される成分が含まれている可能性があるので注意が必要です。

 

世界的に、超加工食品の摂取量は過去数十年間で大幅に増加しており、非感染性疾患(がん、心血管疾患など)による死亡という負荷を増加させている可能性があると言われています。

 超加工食品は、値段もお手ごろで、長期保存に便利なため重宝される食品です。一方で、この現代社会において、加工食品を使用しない食生活に切り替えようと試みても、多大なコストと手間が掛かります。

加工食品を完全に省くのは非常に難しい社会ではありますが、今回取り上げた『超加工食品の有害事象』について、少しでも頭の片隅に入れておくと、量販店で食品を選択する際の手助けとなったり、ファストフード店に行く回数を控えよう・・・という心がけに繋がるかもしれませんね!

「なるべく、自然界に存在する果物や野菜、豆類などを積極的にとるのが一番である」と研究者たちは締めくくっています。

 

 

参考論文

Americans Eating Too Much Ultra-Processed Food(米国糖尿病学会 2016年7月)
Fructose and Cardiometabolic Health : What the Evidence From Sugar-Sweetened Beverages Tells Us(Journal of the American College of Cardiology 2015年10月6日)
'Ultra-processed' foods make up more than half of all calories in US diet(BMJ 2016年3月9日)
Ultra-processed foods and added sugars in the US diet: evidence from a nationally representative cross-sectional study(BMJ Open 2016年3月9日)
Fat and carb combo creates stronger food craving(イェール大学 2018年6月14日)
Supra-Additive Effects of Combining Fat and Carbohydrate on Food Reward(Cell Metabolism 2018年6月14日)
Study suggests possible link between highly processed foods and cancer(BMJ 2018年2月14日)
Consumption of ultra-processed foods and cancer risk: results from NutriNet-Santé prospective cohort(BMJ 2018年2月14日)