現役メディカルスタッフが語る!!健康な身体と心を手に入れる極意

循環器専門病院に勤務するメディカルスタッフ(健康オタク)が、最強の身体と心を手に入れるための方法を伝授します!巷のうわさ話ではない、科学的根拠(Evidence)に基づいた健康法を医療専門家の視点から徹底的に語ります。

心筋梗塞の再発リスクの原因はお腹周りの脂肪!?第二弾 ~重要なのは内臓脂肪型か皮下脂肪型かを判別すること~

病院の先生や看護師さんが口を揃えていう事、、、

「腹部肥満を減らすには運動と食生活改善が一番!」

 

まぁ、分かりますよ。言われなくても知っています。

でも、続かないんです、、、そう簡単に重い腰はあがりません。

 

わざわざジムに行って大金を払っても、続きませんよね。

かといって、自宅で筋トレしようと思っても筋トレの仕方が分からない。

有酸素運動って、どっからが有酸素なんだ!!!

皆さんの小言が聞こえてきます。

 

でも、そんな方たちにこそ聞いてほしい!

 

腹部脂肪が内臓脂肪なのか?皮下脂肪なのかを特定するのが重要

肥満は皮下脂肪型と内臓脂肪型に分けられます。

内臓脂肪型肥満は、腹腔内の腸間膜などに脂肪が過剰に蓄積しているタイプの肥満で、下半身よりもウェストまわりが大きくなるその体型から「リンゴ型肥満」とも呼ばれます。男性に多く見られるのも特徴です。またBMIが25未満で、肥満ではないものの内臓脂肪が蓄積している場合もあり、俗に「隠れ肥満症」と呼ばれることがあります。

 

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皆さん、ちょっと考えてみてください。 

例えば、身長160cm、体重77kgだと、BMI30.08で、肥満と分類されますが、

もし、体重77kgのうちの筋肉量が40kgだったら、肥満だと思いますか?

逆に、体重77kgのうちの脂肪量が50kgだったら、肥満だと思いますか?

 

ポイントはそこなんです!!

 

体重だけで肥満とは推察できないし、内臓脂肪が多いともいえないのです。

一方で、痩せている人(痩せていると思っている人)、BMIが標準以下の人であっても、体脂肪率や内臓脂肪が多いと健康的とは言えない。

という事になるのです。

 

重要視すべきは、BMIでも皮下脂肪でもない。内臓脂肪である!

腹部肥満は、喫煙、糖尿病、高血圧、コレステロールBMIといった他のリスク因子とかかわりなく、心筋梗塞脳卒中と独立して関連することが明らかになった。

 

内臓脂肪も皮下脂肪も腹部肥満に属します。お腹の脂肪が内蔵脂肪か、または皮下脂肪かを調べるには、お腹の輪切りにして撮影する検査法を用いるのが一番です。

 

皆さんも、耳にしたことがあるかもしれませんが、いわゆるCT検査がこれにあたります。多くの医療機関では、CT装置が設置されており動脈硬化を疑うような症状や疾患があれば保険範囲内でCT検査ができます。

また、動脈硬化を疑うような基礎疾患がない場合は、専門病院で心臓ドックを受けることも可能です。

CTとは、Computed Tomographyの略で、X線を使って身体の断層像を撮影する検査装置のことをいいます。体の周囲を360度方向から連続的に エックス線を当てるようにし身体を "輪切り"にした断面像を構成します。脳、大動脈、心臓、気管支、肺、肝臓、腎臓など、様々な臓器の描出に優れています

 

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脂肪ってなんだろう??


 ‟脂肪”って、ただ身体の容積を大きくして肥満に繋がる物質。という観点以上に、最近では硬化を引き起こすそもそもの根源であるとも言われているんです。

 

脂肪と腹部脂肪について、「みなみ野循環医病院 診療放射線技師の望月純二先生」はこのように説明されています。

動脈硬化は、血管壁における慢性炎症が病態の背景にあるとされ、近年その慢性炎症に関与しているのが脂肪であることが注目されている。脂肪は余剰エネルギーを中性脂肪として貯蔵する代謝臓器であるだけでなく
、ホルモン(アディポサイトカイン)を生産し分泌する内分泌臓器としての機能も有する。そのため、脂肪の過剰な蓄積により、アディポサイトカインの生産異常が生じ耐糖能異常、脂質異常、高血圧に関与し動脈硬化を引き起こすことが考えられる。つまり、脂肪量を計測することが動脈硬化の評価に重要であると考えられる。


腹部脂肪について

 虚血性心疾患の増加には肥満の関与が指摘されている。腹部脂肪において特に重要となるのが内臓脂肪である。内臓脂肪が過剰に蓄積されると脂肪組織に炎症を引き起こし、その影響は脂肪組織内に留まらず、遠隔臓
器にも及ぶことが示唆されている。これにより全身の動脈硬化が進行すると考えられている。腹部肥満は男性の場合ウエストサイズ85cm以上、女性で90cm以上とされているが、これはあくまで内臓脂肪の過剰な蓄積を疑う指標に過ぎない。特に女性においては皮下脂肪が多く、ウエスト径だけで内臓脂肪量を推測することは困難である。よって、正確な状態を知るためにはCTによる評価が必要になる。
 日本肥満学会では内臓脂肪型肥満を、BMI25以上を必要条件とし、臍断面で内臓脂肪が100㎠以上の場合と定義されており、みなみ野循環器病院では内臓脂肪100㎠以上を虚血性心疾患の高リスク群と評価している。撮影は臍の部分1cm程度しか行わないため、被ばくも最小限で検査することが可能である。

 

 簡単にまとめると、

  1.  BMI≧25で肥満に分類される。
  2. 腹部肥満は男性の場合ウエストサイズ85cm以上、女性で90cm以上で腹部肥満と定義される。

ここまでの計測なら、自宅で測定可能ですよね?

重要なのは、ここから。。。

腹部肥満の原因が内臓脂肪型であるかどうかを判定する検査が必要となります。この内臓脂肪の描出・計測に優れているのがCT装置であり、簡便で精度の高い検査を行う事が可能なのです。

BMI25以上で、且つCT検査によって内臓脂肪が100㎠以上の場合、心血管疾患のリスクが高いと判定されます。

内臓脂肪が100㎠以上あると、動脈硬化心筋梗塞狭心症脳卒中などを発症する危険性が高いということですね。

 

病気にならないために食事を気を付けるとか、運動習慣を身につけるとか、色々手段はあると思いますが、私たちが健康維持のためにまずやるべきことは、お腹の脂肪が皮下脂肪型か内臓脂肪型かを特定することです。

CTスキャンは短時間で簡単に検査することが出来ます(閉所恐怖症の人は大変かも…)。基礎疾患や症状によって保険が適応されるか決まりますが、一度心臓ドックを受けてみるのが、ご自身の健康状態を客観的にチェックする良い方法だと思います。

 

ただ、CT撮影は”被爆”というリスクもあるので、専門病院の先生と相談して検査を受けられることをお勧めいたします。