権威ある学会(AHA)が提言~『心血管疾患リスクに食事性コレステロールは問題にならない!?』
皆さん、こんにちは(^^)
今回も前回に引き続き、コレステロールについてお話していきたいと思います。
「コレステロールが高い食材」と言ったら、何を思い出しますか?
「卵 たまご」「バター」「肉」「バター」などなど、
普段から気にしながら食べてたりしませんか?
そりゃ~、気になりますよね!?ふつう・・・
MYLOHAS net
一昔前は「卵を食べるとコレステロールが上がる!」なんて言われていましたが、今では「良質なたんぱく質の源は卵! 卵は一日何個食べても大丈夫!」なんて話、巷で耳にしませんか?
巷では、コレステロールたっぷりのバターをコーヒーに入れて飲む “バターコーヒー”も流行していますし…。
昔は「ダメ!」と言われていたものが、現在では「健康にいい!」と推奨されていたりしますからね~。訳わかんなくなりますよね。。。
今回は、読者の皆さんの、「ホントのところ、コレステロールってどうなの!?」
という疑問について、科学的根拠を元にしてお答えしていきたいと思いますfg。
米国心臓協会(AHA)が発表した、食事性コレステロールと心血管リスクに関する新たな科学的勧告によると、あまりにも多くのコレステロールの摂取は心血管にとって有害な可能性があるが、全体的に心臓の健康に良い食事の中でコレステロール含有食品を適量摂取することは構わない、とのことだそうです。
米国の著名な学会のひとつであるAHAの科学諮問委員会の議長であるJo Ann Carson氏は、「われわれは、変数を調整した観察研究やその他の研究について調査した。そして、それぞれの試験の結果は確かにさまざまであるものの、データをまとめて全体像を調べたところ、食事性コレステロールは問題とはならないことが判明した」と述べたそうです。
つまり、今までのデータをよくよく調整したり調査してみると、食事性コレステロールと心血管リスクの関係は見出さなかったとという解釈ができます。
議論が議論を呼ぶコレステロールの話題の問題点
歴史的な背景で考えると、従来の栄養ガイドラインでは心血管疾患リスクを低下させる最善の方法は、食事性コレステロールを制限することでした。
しかし、2013年のAHA/ACC Lifestyle Guidelines for Cardiovascular Risk Reduction(心血管リスクを低減させるためのライフスタイルのガイドライン)および複数の学会による2018年のCholesterol Management Guidelines(コレステロール管理のガイドライン)を含む、現代の新血管疾患リスク低下のためのガイドラインには、コレステロール摂取に関する特定の制限は含まれなかったのです。
そして2019年のACC/AHA Guideline on the Primary Prevention of Cardiovascular Disease(心血管疾患の一次予防ガイドライン)では、「コレステロールとナトリウムの摂取量を低下させることは、アテローム硬化性心血管疾患のリスク低下に有益である可能性がある」と述べられているものの、特定の数値の推奨はなかった。同様に、2015~2020年版のDGAにも、摂取できるコレステロール量に関する制限は含まれていない。
結局、このようなチグハグな「エビデンスベースの矛盾」が、医療関係者や患者さんを困惑させる原因となり、食事性コレステロールは 、“心血管疾患の予防および管理のための標的” なのかどうか?という、疑問が生じる結果となっているらしいです。
今回のブログで取り上げたコレステロール関連のブログや 、「1日に卵を6個も食べてもいいのか?」説などに関する調査結果(AHAの科学諮問委員会の評価・見解)を簡単にまとめた、マイケルゆみこの過去記事もあるので、ご覧ください♪
卵に関するエビデンス
今までに報告されたコレステロール関係の論文を調査し直したところ(他の共変量での調整後)、食事性コレステロールと血清コレステロールの間の正の相関関係が弱まったというのです。
つまり、コレステロールが高い食材を食べても、血液検査でのコレステロールの値がたかくなるかどうか、わからない。という事です。
食事性コレステロールvs.飽和脂肪酸
「食事性コレステロールを含めるとき、多くの飽和脂肪酸も含まれていることを心に留めておくことが重要」と多くの専門家がおっしゃっています。
コレステロールを多く含む食品の代表例は、卵、肉、バターなどが挙げられますよね。これらは、飽和脂肪酸の一種です。
一方、不飽和脂肪酸と言ったら何が思い当りますか?(私のブログの愛読者の方ならしっているはずwww)
そうそう!! イワシやサバなど魚の脂、アーモンドやクルミ、ピーカンなどのナッツの脂ですよね。これら不飽和脂肪酸はLDL(悪玉コレステロールの値)を下げると言われています。
同じ脂肪酸でも、体内に取り込まれたときの働きが異なるのです。
ただ、「心疾患の増加やLDLコレステロール上昇と関連する飽和脂肪酸の摂取量を減らしましょう!」とアナウンスすると、低脂肪の食事に傾きがちです。しかし、ここで勘違いしてはいけない事は、
低脂肪を推奨するものではなく、アーモンド、ピーカン、ウォールナッツ、アボカドなどの健康的な脂質を摂取すること、そしてサラダドレッシングにはコーン油や大豆油を使用することを、むしろ推奨しています。ご存知の通り、ナッツや植物性オイルはカロリーは高い食品です。
どんな食品を摂るのがよいか?
今回の調査の勧告では、野菜、果物、全粒粉、低脂肪乳製品、家禽肉、魚類、豆類、野菜油、ナッツ類の摂取を重視し、塩分、赤肉/加工肉、精製炭水化物と、砂糖の添加を制限する、地中海食やDASH食のような食事パターンに従うことが推奨されている。
(また出てきました、DASH食!!)
“心血管リスクを減らすためのライフスタイル” とは!?
- 食事性コレステロールの数値上の限度は記載されていないものの、卵黄の摂取量は「現在のレベル」に抑えるよう推奨。すなわち、健康な人は、1日に最大全卵1個またはそれに相当する量を含めることができる。
- エビ類やその他の甲殻類は、心臓の健康に良い食事パターンに組み込まれている場合(DASH食や地中海食を併用)において容認できる。
- ヴィーガンやベジタリアンは、適量の範囲内で乳製品および卵をもっと多く食事に含めてもよい。
- 脂質異常症患者とくに糖尿病や心不全リスクを有する場合は、コレステロールが豊富な食品の摂取には慎重になるべきである。
- コレステロール値が正常である高齢患者は、心臓の健康に良い食事パターンの中で、1日最大2個の卵を摂取してもよい。
食事性コレステロール摂取制限の古今東西
米国や日本のガイドラインでは、食事から摂取するコレステロールの制限は撤廃されました。しかしこれを、「コレステロールはいくらとっても大丈夫!」と解釈してはいけません。
「食事性コレステロールを制限するよう推奨する立場から、全体的な食事パターンを採用する立場へと移行した」という基本方針の転換なのです。
「心臓に良い食事=コレステロールの低い食品」という関連性が成り立つのではなく、DASH食や地中海食のような、野菜や魚、ナッツなどのバランスの良い食品を適量摂取するのが良いということです。
結局、食事も健康も、人間も、、、バランスが大事なのですね~。
皆さん、極端や食事制限より、バランス♩を大切にして下さいね(^^)
Carson, other authors of the AHA advisory, Tobias, and Cornier have disclosed no relevant financial relationships.
Circulation. Published online December 16, 2019. Advisory
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