現役メディカルスタッフが語る!!健康な身体と心を手に入れる極意

循環器専門病院に勤務するメディカルスタッフ(健康オタク)が、最強の身体と心を手に入れるための方法を伝授します!巷のうわさ話ではない、科学的根拠(Evidence)に基づいた健康法を医療専門家の視点から徹底的に語ります。

コレステロールの最新情報 ~実は、コレステロールって悪役じゃない!?~

みなさん、ご無沙汰しておりました。

こんにちは!

 

新型肺炎の現状を踏まえ、マイケルのブログもしばし自粛しておりました。

これからも、どんどん皆さんに有益な健康情報をお伝えしていきますので、

今後ともよろしくお願い致します。

 

今回のお題は、

コレステロールです。

このコレステロールに敏感になっているい方、非常に多いと思います。

 

悪玉コレステロールが高いと、動脈硬化心筋梗塞脳卒中になりやすい

 

なんて聞くと、「じぇじぇじぇーーーーー!!」って、ご自身の血液のデータが気になりますよね?

 

ではでは、、、

 「悪玉コレステロール(LDL-c)が多いと病気になると思っている人、

 手を挙げて~!」

 「おおおーーーー!? みんな、手を挙げている、、、」

 

 んんん~~ まぁ、間違っていないけど、、、正解でもない。

やっぱりみんな、誤解してるんだよね・・・Σ( ̄ロ ̄lll)

 

 

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血中コレステロール値の基準値、撤廃!

日本動脈学会や厚生労働省が出したこんな報告、ご存じですか?

 

 

  

実は

コレステロールを多く含む食品を食べようが食べまいが、血中コレステロール値には影響がない』

というデータが示唆されたのです。その理由のひとつに、

コレステロールを多く含む食品を摂取しても、血中コレステロールが高くなる”

という科学的根拠を示すことが出来なかったという点が挙げられます。

 

 卵(たまご)を例にお話ししたいと思います。

卵はコレステロールの含有量が多いのですが、卵を食事から毎日摂取しても、血液中のLDL(悪玉コレステロール)に影響を及ぼさなかったというデータもあるんですよ。media-naranja.hatenablog.com

 

コレステロールは食事以外にも体内で作ることのできる脂質の一種 

LDL(悪玉コレステロール)と聞くと、「親の仇ーーーーー!」といった形相で、敵視する人もいるかもしれませんが、実は、コレステロールは私たちの身体にとって欠かすことのできない必需品なのです。

コレステロールは食事として摂取する以外にも、私たちの体内(肝臓)で合成する事の出来る脂質の一種です。

食事から摂取されるコレステロールが20~30%なのに対して、体内で合成されるコレステロールは70~80%になります。

そして重要なのは、コレステロールを食事から多く摂取すると肝臓でのコレステロール合成は減少し、逆に食事から摂取する量が少ないとコレステロール合成が増加するという点です。

これは、体のすみずみまでコレステロールが一定に補給されるように、フィードバック機構が働くためです。

つまり、食事によるコレステロール摂取量が、そのまま血中総コレステロール値に反映されるわけではないのです。 

コレステロールは男性ホルモンや女性ホルモンやビタミンD(新しい骨を作る)の材料にもなります。

柔らかく、しっとりとした肌を作ったり、艶やかな髪をつくる女性ホルモン。筋肉質で逞しい身体をつくる男性ホルモン。その一つ一つをコレステロールが担っているのです。 

 

コレステロールの数値が低ければ、大丈夫ってのは幻想!?

コレステロールと、がん発症リスクの関係を研究した論文も、いくつか散見されます。

コレステロール値と心血管疾患リスクはある程度相関関係(コレステロール値が高いと心血管疾患を発症するリスクも高い)とされています。

一方、コレステロールとがん発症リスクの間には逆相関があるとも言われています。

つまり、コレステロール値が低いと、一部のがん発症リスク(部位別のがん発症)が高まると言われています。

例えば、コレステロールの値が低いと、男女ともに肝がん、男性では胃がんの発症リスクが高まるとのでーたもあります。ただし、この因果関係はまだはっきりしていません。 

 

epi.ncc.go.jp

 

  また、総コレステロール値、あるいはLDL値が高いと、総死亡率が低下するという驚きの報告もあります。

http://jsln.umin.jp/pdf/guideline/guideline-abstractPDF.pdf  

 

 

一人で考え込まず、まずは専門家に相談を・・・ 

コレステロール(LDL)と聞くと、害悪説を耳にする事が多いのですが、本当は私たちの身体に欠くことのできない脂質なのです。

また先にも述べたように、食事による摂取でコレステロールをコントロールすることは非常に困難です。

その理由は、先にも述べた通り70~80%を体内で合成しているからであり、食事による摂取が20~30%に過ぎないからです。

コレステロール値は体質や遺伝に影響するところが少なくありません。

健康診断や社内検診で「コレステロールの値が基準値を超えていた・・・」なんて思って、動物性たんぱく質を控えるとか、食事量そのものを控えると、かえって抵抗力が落ち、風邪を引きやすくなったり、体力が落ちたり、女性では月経不順になる要因となります。

 

自己診断で食事制限をするのは避けたほうが良いです。

そんな事いったって、

「LDLが高くて、どうしよう・・・? 動脈硬化は怖いし・・・」

「何に気を付けたらいいの?」

 

皆さんの不安はとてもよく分かります。血液検査でコレステロールが高かったら不安ですよね?

 

そんな時は、専門病院を受診してみるのをお勧めします。mjhospital.tokyo  

実は、マイケルゆみこだって、他人事じゃないんです!!

この前の検診で、LDL(悪玉コレステロール)の値が基準値以上で、当院のジョン・トラボルタ院長に『高LDL血症』って、記入されたんですから・・・。

毎日自炊を心がけて、牛肉は高くて手が出せないから鶏肉にして、山盛り野菜も食べているマイケルですら、『高LDL血症・・・』。

 

でもね! マイケルはアラフォーだけど、見た目は27歳☆彡(自己申告(笑))

きっと、コレステロールが女性ホルモンを大量に生成してくれて、私の肌や髪をうるうる、艶やかにしてくれているのでしょうね(*´▽`*)

なんて、冗談はそのくらいにして、、、

 

人によっては、生活習慣を見直すだけでなく、内服治療(お薬)が必要な場合もありますので、是非、専門家医師の意見を参考にして下さい。

ここまで、読んで下さった皆さんのなかには、

コレステロールが悪者じゃない事は分かったけど、じゃあ、どんなことに気を付けたらいいの!?」

「本当にコレステロールって悪者じゃないの!?」と、疑っている人も多いはず・・・。

 

次回は、

コレステロールの数値が高かったら、どうしたらいいの??

という疑問にお答えしていこうと思います。

 

それでは、また~(#^^#)