現役メディカルスタッフが語る!!健康な身体と心を手に入れる極意

循環器専門病院に勤務するメディカルスタッフ(健康オタク)が、最強の身体と心を手に入れるための方法を伝授します!巷のうわさ話ではない、科学的根拠(Evidence)に基づいた健康法を医療専門家の視点から徹底的に語ります。

動物性たんぱく質を植物性タンパク質に置き換えると、長生きする!?

だんだんと寒さが厳しくなってきました。
読者の皆さんは、体調など崩されていませんか?
こういう時こそ、栄養価の高い食材を摂取して抵抗力をつけましょうね!
 
ところで、タンパク質はお肉や卵などの動物性食品から摂りますか?
それとも、お豆腐や納豆などの植物性食品から摂りますか?
もしくは、両方からバランスよく摂りますか?
 
どちらも、頑丈な体を作るには欠かせないタンパク減ですが、
お肉や卵、牛乳といった動物性タンパク質と、お豆腐や納豆、豆乳といった植物性タンパク質、いったいどんな割合でどれくらいの量を摂ったら健康的なのか?
疑問に思ったこといないでしょうか?
 
そんな、動物性たんぱく質と植物性タンパク質の摂取量に関する食事パターンが、人間の健康にどのような影響を及ぼすか?という内容についての論文を見つけたので、ご報告しますね。
 
今回ご紹介する論文は、米国立がん研究所(NCI)のJiaqi Huang氏らが「JAMA Internal Medicine」7月13日オンライン版に掲載されました。
 
原著論文はコチラ
 
 

普段の食事中の動物性タンパク質を植物性タンパク質に置き換えると、全死亡リスクが低下する!?


今回の研究では、1995年から2011年にかけて、食事パターンと健康に関する長期的な調査に参加した米国人男性23万7,036人と女性17万9,068人のデータを分析しました。

対象者の食事中に含まれるタンパク質の割合は、平均で約15%であり、そのうち40%は植物性、60%は動物性という結果でした。

 

 16年間の追跡調査の結果、男女ともに、植物性タンパク質の摂取が全死亡リスクの低下と関連する可能性が示されました。

  1. 1,000kcal当たりのタンパク質の摂取量を、動物性タンパク質から植物性タンパク質に10グラム置き換えるごとに、全死亡リスクが男性では12%、女性では14%低下した。

  2. 動物性タンパク質から摂取するエネルギーのうちの3%を植物性タンパク質に置き換えると、全死亡リスクが男女ともに10%低下し、心血管疾患による死亡リスクが、男性では11%、女性では12%低下することが明らかになった。

  3. 動物性タンパク質のうちでも、卵を植物性タンパク質に置き換えた場合に全死亡リスクが、男性で24%、女性で21%低下し、赤肉を植物性タンパク質に置き換えた場合には、それぞれ13%、15%低下した。


 動物性タンパク質をどんな食材に置き換えるかが、長生きの秘訣!

卵や赤肉の動物性タンパク質を、全粒穀物などの植物性タンパク質に置き換えると、死亡リスクが低下することが分かりました。

一方で、動物性タンパク質を、加糖飲料などの他の食品に置き換えた場合に全死亡リスクの低下がもたらされるかは不明です。

要は、卵や赤肉の摂取を制限する際には、健康的な代替品に置き換える事が重要という事です。

 

今回の研究結果から、心血管疾患による死亡の予防には、植物ベースの食事が有用であると示唆されました。赤身肉や卵などは貴重なタンパク質源のひとつですが、動物性タンパク質には飽和脂肪酸コレステロール、塩分などが多く含まれるとい懸念材料もあります。

一方、植物性タンパク質には、食物繊維やミネラル、ビタミンが豊富に含まれています。

また、また、今回の研究を行ったAlbanes氏らは、動物性タンパク質が体内で分解された後のアミノ酸は、動脈硬化や炎症を促している可能性を指摘しています。さらに、動物性タンパク質は、腸内細菌叢に影響を与える可能性があることも考えられるといいます。
Academy of Nutrition and Dietetics会長のConnie Diekman氏は、「植物性タンパク質の摂取が長生きにつながる理由にはさまざまなことが考えられる」と述べた上で、「肉のタンパク質には飽和脂肪やコレステロール、塩分などが多く含まれる一方で、植物性タンパク質には食物繊維や抗酸化物質、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれている」と指摘しています。

 

原著論文はこちら

Huang J, et al. JAMA Intern Med. 2020 Jul 13. 

参照

ケアネット

2020年7月13日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved