現役メディカルスタッフが語る!!健康な身体と心を手に入れる極意

循環器専門病院に勤務するメディカルスタッフ(健康オタク)が、最強の身体と心を手に入れるための方法を伝授します!巷のうわさ話ではない、科学的根拠(Evidence)に基づいた健康法を医療専門家の視点から徹底的に語ります。

果物の摂取量が多いほど、小児の喘息や鼻炎などのアレルギー症状を予防できる!?

皆さん、こんにちは(^^)

マイケルゆみこです。

わたくし、実家に犬を2匹(ボーダーコリーとポメラニアン)買っています。なのに、動物アレルギー・・・(;'∀')
犬とじゃれ合うと目がかゆくなったり、くしゃみも出て辛いんですよ~。

私が動物アレルギーを発症したのは、中学生のころ。
友達のご自宅で真っ白で大きなスピッツと遊んでいたとき、突然目が痒くなり、くしゃみの応酬…。あまりの症状に悪戦苦闘した時間が忘れられません。。。

 

読者の皆さんの中にもアレルギーで苦しんでいる方、もしくは、お子様が重度のアレルギー症状で悩まれている方も多いのではないでしょうか?

そんなお子様のアレルギー症状を“薬”でなく、普段の生活の中に存在する“ある食材”で軽減することが出来る!なんて聞いたら、ありがたいですよね。

 

今回ご紹介したい論文はコチラ

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

フルーツの摂取量が多いほど、呼吸器アレルギー症状を予防できる!?

この研究は、日本の小学生を対象とした研究で、フルーツの摂取量が多いほど、呼吸器アレルギー症状を予防できる可能性があるということを、滋賀県立小児保健医療センターの楠 隆氏らによる研究が明らかにしました(Pediatric allergy and immunology誌オンライン版2017年10月11日号の報告)。

以前より、食事パターンがアレルギー予防と関連するという報告がありました。それを受け、著者らは、滋賀県近江八幡市のすべての小学校において、前向きコホート研究を実施しました。

 

研究対象・方法 

対象は、7歳児(2011年時点)の759人。2011~14年までの4年連続で、アレルギー症状および食事に関するアンケートを両親に配布し、記入を依頼した。10歳時に、吸入アレルゲンに対する特異的免疫グロブリンEを測定した。調査期間中、参加者は4つの食品群(フルーツ、野菜、魚、豆)の低摂取群、中摂取群、高摂取群に分類された。オッズ比および95%信頼区間を推定するためにロジスティック回帰分析を行った。

研究結果
  • 両親が4年連続でアンケートに回答した合計520人の子供(68.5%)が分析対象となった。
  • 10歳時の喘息、鼻炎、その他アレルギー症状の有病率は、フルーツ摂取量の増加に伴って有意に減少した。
  • さらに、調査期間中のアレルギー症状の発症は、フルーツ摂取量の増加に伴い、有意に減少した(低摂取群33.3%、中摂取群28.3%、高摂取群14.3%、p for trend=0.01)。
  • 10歳時のブタクサに対する感作率は、フルーツ摂取量の増加に伴って有意に減少した(p for trend=0.046)。
  • 魚摂取と喘息の新規発症との関連を除き、他の3つの食品群に有意な影響は観察されなかった。

 

「食べ物でアトピーやアレルギーを予防できないか?」という疑問は、お子様をお持ちのご家族の方でしたら、日々悩みながら試行錯誤を続けているのではないでしょうか?

“食材でアレルギーを予防する”という手段は、いくつかの論文で散見されます。
今までにレビューされたものには、乳酸菌摂取によるアトピー性皮膚炎の治療や予防に効果があるとの報告がされています。

 

シンバイオティクスの摂取はアトピー性皮膚炎の治療に効果がある

プロバイオティクスとプレバイオティクスを同時に摂取するのがシンバイオティクス。この研究では“シンバイオティクスはアトピー性皮膚炎の治療に効果がある”と示唆されており、シンバイオティクス投与によるリスク(合併症や副作用)も少ないとされている。しかし、臨床の場では標準治療にはなっていないのが現状です。

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

プロバイオティクスはアトピー性皮膚炎を予防する

小児・若年者のアトピー性皮膚炎の予防にプロバイオティクスが効果があるというシステマティックレビュー。
ビフィズス菌(B.longum)CECT 7347、乳酸菌(Lactobacillus casei)CECT 9104を計109 CFU含むカプセル製剤(キャリアとしてマルトデキストリン使用)、またはプラセボ(マルトデキストリン)を毎日、12週間経口投与したところ、局所ステロイドの使用が有意に減少したそうです。

これは、プロバイオティクスのサプリメント(カプセル)での研究であり、単剤の乳酸菌より複数細菌株を摂取したほうが効果があるそうです。ただ、人種により結果に相違があるかもしれないとの見解もでています。

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

  

身近な食材でアレルギー症状を改善できる!

7歳時点までのフルーツの摂取が多いほど、10歳時点で発症する呼吸器系アレルギーの発症を予防できる可能性が示唆されました。どうやら果物のポリフェノールと関連しているそうです。

しかし、果物(桃、リンゴ、キュウイ、メロンなど)に、アレルギー反応を示される方もいるので注意が必要です。
私はリンゴが好きで、毎朝リンゴをミキサーで絞って新鮮野菜ジュースにして愛飲していましたが、、、免疫検査をしたところ、リンゴアレルギーと発覚・・・(;'∀')
リンゴが大好きで今でも時々食べていますが、特段アレルギー症状は出ていません。喉もイガイガしませんし、目が痒くなったり、くしゃみが出ることもありません。症状には個人差がありますから、呼吸器症状などが出る場合は生命の危険性もありますから、リスクを避けるためにもそアレルゲンとなっている食材は絶った方がよいでしょう。

お子様がアトピー症状をお持ちで頭を抱えている方には、プロバイオティクスやシンバイオティクスの摂取に効果があるかもしれません。この最大のメリットは副作用がないという所につきます。試しやすい!tryしやすい!ということになりますね。

 

フルーツとプロバイオティクス、シンバイオティクスを摂取することで腸内環境改善にも繋がります。
んんん~!? もしかしたら、腸内環境・腸内フローラが “アレルギー発症の肝” なのかもしれませんね。

 

 

原著論文
Kusunoki T, et al. Pediatr Allergy Immunol. 2017 Oct 11. 
参考
ケアネット