現役メディカルスタッフが語る!!健康な身体と心を手に入れる極意

循環器専門病院に勤務するメディカルスタッフ(健康オタク)が、最強の身体と心を手に入れるための方法を伝授します!巷のうわさ話ではない、科学的根拠(Evidence)に基づいた健康法を医療専門家の視点から徹底的に語ります。

LDLコレステロールが高いのは体質なのか!? ~コレステロールの数値を何が何でも低くしたいマイケルの欲望~

はい、どうも~!

こんにちは~。

 

今回も前回に引き続き、❝コレステロール雑学 第三段❞ をお届けしたいと思います。

 

コレステロールの数値だけ気にするな!」

「食事から摂取するコレステロールの基準値が撤廃された!」

と聞いたところで、、、

 

やはり、コレステロールは悩みの種ですよね。。。

 

先日の検診で、

LDL値(悪玉コレステロール):179

そして、院長直筆の診断書に、『高LDL血症』と書かれたからです・・・。

 

style.nikkei.com

 

 

私は日々の食生活にはそれなりに気を使っています。そりゃ、そうですよ~!
皆さんご覧の、科学的に根拠のある健康ブログを書いてる訳ですから!!

食事は、DASH食を取り入れていて、山盛りの葉物野菜、ブルーベリー、手作りヨーグルトに手作り納豆を習慣的に食べていて、ソーセージやウインナー、カップラーメンやファストフード(ハンバーガー等)などの加工食品の摂取はなるべく控えています。

運動は、、、ジムに行ったりヨガに行ったりしていませんが、電車に乗るときは座らず立っているし、エレベーターを使わずに階段やウォーキングを心掛けています。

 

なのにですよ!!!

高LDL血症・・・。

 

居てもたってもいられず、院長に聞いたんですよ

 

マイケル:「LDLが上がるような食生活をしていないのに、どうして高LDLになるんですか?」

幡院長 :「LDLはね、食事に左右されないよ。体質なの。」

マイケル:「だったら、LDLが下がるような薬処方して下さいよ~」

幡院長 :「よくいるんだよ~、マイケルみたいな年代の女性で、中性脂肪、血糖値、HBA1cは正常なのに、LDLだけ高い人。特にアラフォーで美しい女性は、
LDLが高くなりやすいの(笑)」

マイケル:「でも、LDLが高いと動脈硬化心筋梗塞になる危険性も高くなるし…。怖いですよ。この先、動脈硬化になるんじゃないかってビクビクしながら生活するの…」

幡院長 :「LDLが高くて、実際に動脈硬化がある人にはスタチンとかの薬を処方するけど、LDLが高いだけで薬を処方したりしないよ。LDLが高いという自覚があるなら、動脈硬化があるかないかをチェックするのがまずは大切!

マイケル:「じゃあ、実際にどうやってチェックしたらいいんですか?」

 

 

動脈硬化が出来上がる仕組み

高血圧や糖尿病や感染などが刺激になって内皮細胞(動脈の血管)が傷害されると、血中の単球(白血球)が内皮細胞にくっつくようになります。さらにこの単球は内皮細胞の間から潜り込み、「マクロファージ」と呼ばれる状態に変身します。

血液中のコレステロールが多いと、この「マクロファージ」が“呼び寄せ役”になって、脂肪物質がどんどん取り込まれてたまり、内膜が厚くなってきます。時間の経過とともにこの“呼び寄せ役”自体も壊れて、「おかゆ状の粥腫、プラーク」になります。

ちょっと難しい話になりましたが、

“高血圧や糖尿病などが刺激になって内皮細胞が傷つけられると、その部分の血管壁の中に脂肪物質がたまって厚くなり、プラークが付着する”と覚えてい頂くと分かりやすいかもれません。

 

 

LDLコレステロールの数値に一喜一憂する必要はない

「LDLコレステロールの異常値」は動脈硬化の危険因子であることに間違いありませんが、それだけでお薬を内服する必要がない理由が分かった気がします。
LDLコレステロールが高値であれば、もちろん生活習慣の見直しは必要です。
しかし、生活習慣に問題なく、しかも冠動脈や頸動脈に動脈硬化がなないのであれば無理にお薬でLDLコレステロールを低下させる必要はないのです。

 海外では、動脈硬化がある患者さんの場合、LDLコレステロールが仮に正常であっても薬剤(スタチン)を処方します。

 一方で、動脈硬化がない場合には異常値でも治療は不要でスタチン。しかも、再評価は5年後でよいとされています。毎年毎年の健診結果でLDLコステロールの値に一喜一憂する必要はなさそうですよね。

  

動脈硬化を診断する方法

 動脈硬化、いわゆるプラーク(粥腫)が動脈壁へ付着する経過は、

頸動脈(首の動脈)→冠動脈(心臓を栄養する血管)→下肢動脈(足など)という順番で動脈硬化が進展することが多いようです。

つまり、冠動脈にプラークが付着しているかいないかで、どの程度動脈硬化が進んでいるかも判断できます。

また、頸動脈にプラークの付着が認められた場合は、冠動脈にもプラークが付着している可能性があります。心臓CT検査を行う事で冠動脈がプラークで細くなっているか、そしてそのプラークの性状も確認することが出来ます。狭心症心筋梗塞などが気になる場合、心臓CTで冠動脈がプラークで詰まっているかどうか、そしてそのプラークの性状もチェックすることが出来ます。

 

動脈硬化をチェックする診断方法

  1. 頸動脈のチェックには、超音波診断装置(エコー検査)が適しています。

  2. 冠動脈のチェックには、心臓CTで検査することでプラークの性状、石灰化の有無、内臓脂肪など多彩な測定も可能です。

    mjhospital.tokyo

 

LDLが高いというだけで、動脈硬化は進まない!

 先にも書いたように、LDLの値が高いだけでは必ずしも動脈硬化が進行するとは言えません。血管が傷いた状態(炎症、糖尿病、高血圧など)が放置されると、LDLがその傷に集合してプラークが作成されます。

 つまり、私のようにLDLコレステロールの数値の高い人は、糖尿病や高血圧を併発しないように気を付けること、そして定期的に動脈硬化のスクリーニングをすることが重要重要!という事ですね。

 

 

LDLが高くて、動脈硬化が認められた場合は!?

 このような患者さんに対しては、内服治療が選択されます。食生活や運動習慣の改善によってLDLコレステロールの数値がコントロール出来ず、スクリーニング検査によって動脈硬化が指摘された場合、コレステロールを下げるお薬(スタチンなど)を内服する必要があります。

 

 脂質異常症(高LDL血症)に加え、糖尿病や高血圧、肥満を合併している人、喫煙者、脂質異常症単独でも動脈硬化が認められた人、お薬(スタチンなど)によって強制的にコレステロールを下げる必要があります。

 このような人については、スタチンの内服により心血管イベントが予防されることが過去の臨床試験で証明されています。
 一方、LDLコレステロールが高値でも動脈硬化のない人については、スタチンを内服するメリットがあまりないのです。

 

ということで、マイケルゆみこは単細胞(笑)。

 LDLコレステロールが高値であった場合、私のように短絡的に「お薬出してくれ!」というのは、ゾウリムシ並みの頭の回転でした(笑)。

 

 

幡院長:

「実際の血液検査のLDL(悪玉コレステロール)の数値が高いからって、コレステロールの多い食事を食べてるって、断言できないんだよ。その証拠に、厚生労働省は日本人の食事摂取基準からコレステロールの上限値を撤廃したんだよ。LDLが高いからって、その患者さんの食生活が乱れているとは言えないんだよ。」

 

マイケル:

「確かに!!だって、幡先生、毎日クッキーとかチョコレートとか、お菓子ばかり食べているのに、コレステロールの値は正常ですもんね!」

 

幡院長:

「ま、まぁ、そうとも解釈できるね・・・。」