現役メディカルスタッフが語る!!健康な身体と心を手に入れる極意

循環器専門病院に勤務するメディカルスタッフ(健康オタク)が、最強の身体と心を手に入れるための方法を伝授します!巷のうわさ話ではない、科学的根拠(Evidence)に基づいた健康法を医療専門家の視点から徹底的に語ります。

コーヒー摂取で健康な身体を手に入れる!?

皆さん、こんにちは(^^)
コーヒーは好きですか?
 
コーヒーはカフェインを多く含んでいるので、健康に悪いと思いきや、、、
“癌や心疾患を予防してくれる” とか、“運動前の摂取で代謝が上がる” なんて事も言われているんです。でも、本当にコーヒーって身体にいいの??
今日は、そんな疑問にお答えしましょう!!
 
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1日5杯未満のコーヒーで死亡リスクが低下する!

これまでのコホート研究で、コ―ヒー摂取によるがん、心疾患、呼吸器疾患などへの良い影響が示されてきました。
今回、国立がん研究センターによる「科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究」で、コーヒー摂取による日本人の全死因および死因別死亡リスクへの影響について、日本の8つのコホート研究(Japan cohort consortium)のプール解析を行った。その結果、コーヒー1日5杯未満の摂取で全死因死亡や主な死因による死亡リスクが低下する可能性が示唆されました。
 

コホート研究とは

ある特性(生活習慣や検診の受診歴など)をもった集団(これを「コホート」という)に対して疾患の罹患や死亡などを追跡することによって、その特性と疾患のリスクとの関連を明らかにする研究。例えば、自発的にがん検診を受診した群と受診しなかった群とで、その後の当該がん死亡率を比較する。無作為化比較対照試験の各群をコホートと表現することもあるが、一般的にがん検診のコホート研究は、受診率の高い集団と低い集団との比較、あるいは、単一コホートの中で受診群と未受診群の死亡率を比較評価するものを指す。

 
本解析には、日本の8つのコホート研究(JPHC-IとJPHC-IIの多目的コホート研究、JACC研究、宮城県コホート研究、大崎国保コホート研究、三府県宮城コホート研究、三府県愛知コホート研究、三府県大阪コホート研究)における男性14万4,750人、女性16万8,631人のデータを用いました。17年間の平均追跡期間中に5万2,943人が死亡し、うち、がん1万9,495人、心疾患7,321人、脳血管疾患6,387人、呼吸器疾患3,490人、傷害・事故3,382人であった。ランダム効果モデルを用いて、統合ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を算出を行った。
 
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コーヒーの効果と効能

  • 男女共に、コーヒー5杯/日未満の摂取が全死因死亡率を低下させた。しかし、コーヒー摂取量が5杯/日以上ではその効果が低くなった。

  • 男性では、がん以外の主な死因による死亡で予防効果を発揮した。

  • 女性では、1~2杯/日のコーヒー摂取によって心臓病による死亡リスクが減少したが、5杯/日以上のコーヒー摂取では逆に心疾患リスクが増加した。

  • 男女共に、がんの発症率はコーヒー摂取とは関連が認められなかった。

  • 男女とも、コーヒ摂取によって大腸がんリスクは低下しなかった。

  • 女性では、1日3杯以上のコーヒー摂取で、結腸がんのリスクを低下させた。*2 
  • コーヒーやお茶の摂取で糖尿病発症リスクを抑制することが出来る。
  • 55歳未満のアジア人において、緑茶の摂取は空腹時血糖(FBG)を低下させる可能性がある。*3
  • 烏龍茶、紅茶、コーヒーには空腹時低血糖を低下させる働きは認めなかった。
  • カフェインには脂肪燃焼効果があるため、運動前にカフェインと摂取すると運動効果がアップする
 

これだけは気を付けて!! コーヒは睡眠障害を招く!

“病気を防ぐ”という観点からは非常に効果の高いコーヒーですが、コーヒー摂取に関して注意を払いたい局面もあります。

「コーヒー を飲むと眠れなくなる」というのは本当です。

 コーヒーに含まれるカフェインは、神経系に強い影響を与える刺激物です。

「仕事を終えた帰り道にマグカップ1杯のコーヒーを飲むと、睡眠に悪影響が生まれ、その影響力は寝る前にカフェインを摂取する場合と同等と思われる」という報告もあります。

ある実験では、複数の被験者に異なるタイミング(寝る間際、寝る3時間前、寝る6時間前)でカフェインを摂取ところ、全員の睡眠が大幅に阻害されたことがはっきりと数値に表れたそうです。要するに、寝る直前はおろか、寝る6時間前であっても、カフェインを含むコーヒーやお茶を飲めば睡眠が阻害されることが明らかなのです。

 

しかも、カフェインを摂取すると身体も心も上向きにさせます。つまり中毒性があるのです。

カフェインの半減期(一定時間(例:12時間)が過ぎた後でも、まだその半分の量が体内で活動しているという意味)は、8時間だと言います。ですから、寝る6時間前に摂取したカフェインでも、半分以上は体内に残っているという事になります。

カフェインの多量摂取や、就寝前のカフェイン摂取によって、睡眠妨害を招いているのは、まぎれもない事実なのです。

 

 

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コーヒーと上手に付き合う方法

コーヒーは、心血管疾患や糖尿病のリスクを低下させますし、元気の源として働いてくれます。その恩恵を最大限発揮するには、どんな方法があるでしょう?

  1. 体内に残留しない頻度で摂取するよう身体を慣らす必要がある。
  2. 午前中にコーヒーを摂取して、身体のリズムを整えましょう。
  3. コーヒーは午後2時以降は摂取しないようにしましょう。

 

コーヒーは、カフェインだけでなく、抗酸化成分の一種であるクロロゲン酸を含んでいます。この抗酸化作用がアンチエイジングに効果がある、美肌作用やシミの予防にもなると言われています。

また、フランス料理のコースの一番最後にでてくる、あれ、、、思い出してみてください・・・。コースの最後にエスプレッソが出てきますよね?

実はコーヒーには、消化液の分泌を促し、消化を促進してくれる作用もあるのです。

また、カフェインが睡眠中枢に働きかけるのは、摂取してから20〜30分後です。なので、昼寝の直前にコーヒーを飲むとちょうどいいタイミングで脳を覚醒させてくれ、スッキリ目覚めることができるんです。

ですから、昼食の最後にコーヒーを摂取するのはおススメできます。

「昼寝をしたいけれど、眠るとなかなか起きられない…」という方でも、安心ですね。

 

コーヒーと上手に付き合えば、コーヒーの効能や効果を最大限発揮する事ができるんです。けれど、くれぐれも深夜、就寝前に飲むのは避けましょうね♩

 

お酒は少量なら体にイイはウソだった!?

皆さん、お酒は好きですか?? 

私は酒癖が悪いので、普段から控えるように心しております(笑)

 

今日は、ワインのネタを一本!!

 

「私の血液はワインで出来てるの・・・♡」

このフレーズ、聞き覚えある方も多いはず!?

私 マイケルゆみこも、故・川島なお美さんに劣らないくらい美しさには定評があります(笑)

 

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NEWSポストセブン(2014年3月27日11時00分)

 

そんな冗談はさておき、、、

従来、「適量のアルコールは健康に良い」と思われていたのですが、2018年9月に世界五大医学雑誌のひとつである「LANCET」に少量のアルコール摂取でもが健康に悪影響を与えると報告されたのです。*1

 

適度のアルコールもやはりリスクなのか・・・。お酒好きの方ならそう思ってしまいますよね。

特に、お酒の分類の中でも赤ワインは低糖質であり、ポリフェノールの含有量が多いため健康に良い??を思われてきたのですが。。。

 

一体全体、アルコールは少量なら健康に良いのか?はたまた、少量でも体に悪いのか?この一貫しない説はどこからきているのでしょうか?

 

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「お酒は少量なら健康に良い」はウソだった??

 「アルコールが少量なら体に良い」という説は、実はフランス人の食生活からきていると考えられます。

通常、飽和脂肪酸(バター、脂身の多い肉、ハム、ソーセージなど)の多い食品を摂取すると、心血管疾患のリスクは高まります。

しかし、フランス人は日常的にバターや肉、脂肪の多い肉を摂取しているにも関わらず、心筋梗塞動脈硬化の発症が少ないと言われているのです。この理由が、「フランス人はワインを日常的に摂取しているから」という学説に行きついたそうなのです。これを、フレンチ・パラドックス(フランスの逆説)と言います。

 *2

 

また、2018年ランセットに掲載された他の研究結果からも、週100gまでのアルコール摂取は脳梗塞心筋梗塞のリスクを低下させると報告されています。

ただ、ここで注意が必要なのが、

『アルコールそのものが脳梗塞心筋梗塞のリスクを下げているのか(因果関係)のか、アルコールを飲んでいる人が脳梗塞心筋梗塞のリスクが低いだけなのか(相関関係)』は分からないという事です。

 

遺伝的要因によってアルコールが飲める人と飲めない人がいるし、アルコールを飲むと具合が悪くなる人というのは、もちろん飲酒量は少ない。もしアルコール耐性の遺伝子を持っている人ほど脳梗塞心筋梗塞のリスクが低いのであれば、それはアルコール自体に起因するものでなく、アルコール耐性の遺伝子が心筋梗塞脳梗塞のリスクを下げているとも考えられる。すなわち、アルコールを少量飲んでいる人ほどリスクが低くなるように見えてしまうことはありえることだと考えられます。

その一方で、アルコールはたとえ少量でもがん(特に乳がん)のリスクを上げる可能性は以前より報告されています。

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ワインを1週間に1本飲むと、乳がんの発症リスクが高まる

英国・サウサンプトン大学病院 NHS Foundation TrustのTheresa J. Hydes氏らが英国のデータを解析したところ、

  • ワインを1週間に1本飲む女性は、アルコール関連性がんのリスクが増加した(男性では1.0%、女性では1.4%増加)

  • このワイン摂取と関連性があるのは、乳がんであった。

 

 研究グループは、適度な飲酒に起因するがんの絶対リスク(1,000人当たりの症例数)の増加を推定するとともに、これらを低頻度の喫煙が関与するがんの絶対リスクと比較した。
 アルコール関連がんおよび喫煙関連がんの一般集団における生涯リスクから、アルコールおよび喫煙の寄与割合を差し引き、禁酒をしている非喫煙者のがんの生涯リスクを算出した。これにアルコールおよび喫煙の寄与として、消費レベルの増加も含み、1週間にアルコール10単位の飲酒またはタバコ10本の喫煙の相対リスクを乗じた。
 結果は以下のとおり↓↓↓
非喫煙者のがんの生涯絶対リスクは、1週間にワイン1本で男性では1.0%、女性では1.4%増加した。
・ワイン1本/週によるがんの生涯リスクの絶対増加は、タバコにすると男性で5本/週、女性で10本/週に相当した。
・飲酒による顕著な性差は、女性の非喫煙者乳がんの絶対リスクが0.8%増加することであった。

 

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まとめ

  • 心筋梗塞脳梗塞などは、少量のアルコール摂取でリスクを低下させる(男性では0.83杯/日、女性では0.92杯/日の飲酒している人で最もリスクが低かった)。ただし、大動脈瘤、解離性大動脈瘤などの発症リスクは低下しない。

  • 一方で、アルコールをある一定以上摂取すると、心筋梗塞脳梗塞などのリスクが高まる。

  • 女性では乳がん、男性では口腔がんが、少量のアルコール摂取でも発症リスクが高くなる。

  • 病気などの疾病リスクを低下させるのに最も信頼できる値は1日0杯であった。

※一杯とは、純アルコール換算で10gのことを指す。10gの純アルコールはグラス1杯のワインやビールに相当する。

 

アルコールは少量だったらいいのか?まったく飲まない方がいいのか?

この質問の答えとしては、「アルコールはまったく飲まない方が良い」という結論になるだろう。

しかし、糖尿病、脂質異常症、高血圧、家族歴(親族に心筋梗塞脳梗塞の方がいる)がない人は、1日1杯程度のアルコールであれば良いだろうと思う。

 

しかし、お酒が苦手な人は無理に呑む必要は全くない。

ご自身の病気のリスクと、自分の生活スタイルを照らし合わせて相対的に考えればよいと思います。

 

でもーーーーー

 呑んだら乗るな!!

 酒は呑んでも呑まれるな!!

 これ、基本です(笑)

サプリメントを飲んでも長生きしない!?

以前、このブログでも『サプリメントに心血管疾患を予防する効果は期待できない』という、サプリメントにnegativeな研究論文をご紹介しました。

が、、、今回はサプリメントに関する、もっと衝撃的な論文をご紹介します。

 


media-naranja.hatenablog.com

 

長生きすることを期待してサプリメント(栄養補助食品)を摂取する人も多いと思いますが、その効果はそれほど期待できないかもしれません・・・。

こんな研究結果を、米タフツ大学准教授のFang Fang Zhang氏らが発表しました。*1

 この研究は、米国国民健康栄養調査(NHANES)から1999~2010年のデータと死亡記録(National Death Index)データを関連づけて分析したもの。過去30日間のサプリメントの使用状況と普段の食事内容に関するアンケートに回答した20歳以上の米国成人3万899人を対象に、食品およびサプリメントからの栄養素の摂取量と死亡率との関連を前向きに調べました。

 その結果、研究対象者の特徴として

  • 半数以上が1種類以上のサプリメントを摂取

  • 3分の1以上はマルチビタミンを摂取

  • サプリメントの摂取は、特に女性や白人、教育レベルが高い人、高収入の人で多く見られ、健康的な食生活を送り、活動的な人が多い傾向が見られた。

  • サプリメントの中ではビタミンCの摂取頻度が最も高く、ビタミンE、カルシウム、ビタミンDが続いた。

 

サプリメントの摂取と長寿との関連性はない!

約6.1年追跡した結果、全般的なサプリメントの常用と死亡率との間には関連は見られなかった。

栄養素別に考えると、ビタミンA、ビタミンK、マグネシウム亜鉛、銅を適度に摂取すると、全死亡率または心疾患や脳卒中などの心血管疾患による死亡率は低下することが示された。しかし、これらのリスク低減効果は、栄養素を食品から摂取した場合に限られることも分かった。
 さらに、カルシウムの過剰摂取は、がんによる死亡リスクの増加と関連することも示された。こうした死亡リスクの増加は、食品からではなく、サプリメントからの摂取(1,000mg/日以上)によるものである可能性も示唆されたという。

 また、カルシウムサプリメントの過剰摂取は心筋梗塞の発症を増加させるとの研究結果も出ています。*2 *3

 

サプリメントから栄養素は摂れない!?

驚愕の結果ですよね・・・!?

サプリメントからビタミンA、ビタミンK、マグネシウム亜鉛、銅をの摂取しても、死亡率や心血管疾患による死亡率は低下しないという驚きの結果。

結局、栄養素は食品から摂取しなければ、健康を維持することが出来ないと解釈することもできます。

骨粗鬆症予防目的で、カルシウムのサプリメントを常用されている方も多いと思います。しかし、カルシウムサプリメントの過剰摂取(1日1,000mg 以上摂取)が、がんによる死亡リスクを上昇するというという恐ろしい結果が示されました。

 

サプリメントは栄養を補給する食事の代替え品にはなれない!!

一般にサプリメントは健康の増進や維持に有益と考えられていますが、今回の結果からは、健康な人ではサプリメントによるベネフィットは得られないことは明らかです。

サプリメントは栄養バランスに富んだ食事の代わりにはならない”という事ですね。

 また、栄養素を食品から摂取した場合とサプリメントから摂取した場合で有益性に差が出た理由は明らかになっていないませんが、この点について、米タフツ大学准教授のFang Fang Zhang氏は、「食品から摂取した場合には、身体が栄養素の吸収を調整したり、制限したりできるのに対し、サプリメントでは、こうしたコントロールができないためではないか」と説明しています。

 

サプリメントを摂るのは全部やめた方がいいの!?

ニューヨーク大学(NYU)ランゴン・ヘルスの管理栄養士であるSamantha Heller氏は「一種類の栄養素を摂取したからといって健康上の問題が解決するわけではないが、状況によっては栄養素の補充が必要なこともある」と指摘しています。

その一例として、完全採食主義者(いわゆるヴィーガン)では、たまごを含む動物性蛋白質を一切摂らないので、ビタミンB12ビタミンD、オメガ3脂肪酸など特定の栄養素が不足しがちです。

また、ビタミンD欠乏症の増加は世界的にも問題となっているが、その必要摂取量については専門家の合致した意見はまだ出ていないそうです。

 

病気を予防したい! 健康になりたい! 長生きしたい!

と誰しも強く思います。基本的な食生活がカオスになっている状態で、「お金をかけてサプリメントに頼る」、あるいは「サプリメントで補おう」と考えるのは短絡的すぎるかもしれません。

 

当院の院長「幡芳樹先生」だって、毎日の外来と心臓カテーテルをこなすための強靭な肉体と精神力を養う目的で、毎日暗い夜道をランニングしているんですよ!

皆さま、夜遅く、荒い呼吸で後ろから誰かが近づいてくる~~!!なんて思ったら、幡院長かもしれません(笑)

 

 

お菓子が止められない!!そんなアナタ、もしかしたら‟幸福物質”が足りていないからかも・・・

『お菓子が止められない!』

そうおっしゃる患者さんは、いっぱいいらっしゃいます。

 

 

かくゆう、当院の院長も暇があればお菓子を頬張っています(笑)

クッキーやお煎餅を食べながら、院内をウロウロうろついています・・・。

 

 

そうなんです!!

どんな偉い人だって、優秀な人だって、イケメンだって、美人だって、

お菓子は止められないんです・・・。

 

お菓子を食べるのはダメな事なの??

お菓子の主成分である糖質の摂りすぎが、糖尿病、動脈硬化、心血管疾患、肥満など、、、様々な病気の原因であるという事が多くの研究から証明されています。

  • 糖質の過剰摂取
    糖質(炭水化物)は、動脈硬化、糖尿病、心血管疾患、肥満など、様々な病気を引き起こす原因となっていることは多くの研究結果から証明されています。

  • AGEを増やす食品

    AGEとは、老化の真犯人とも言われる悪性物質で、高温調理によって食品に増えることがわかっています。
    ポテトチップスには「アクリルアミド」という発がん性の高い物質が大量に含まれています。アクリルアミドはAGEの1つです。もともとアクリルアミドは工業用に広く使われていた物質で、がんや繁殖障害を起こすことが知られていました。そのため、あくまで「公害問題」として実態を調査していたスウェーデンで、食品中にもアクリルアミドが存在することが偶然にわかったのです。
    とくに、120度くらいの高温で加熱した炭水化物(イモ類や小麦粉、米粉など)に大量に「アクリルアミド」含まれることがわかりました。つまり、ポテトチップスやドーナツ、油で揚げたスナック菓子などには、アクリルアミドがいっぱい入っているということです。

  • 変性した脂質
    変性した脂質は、古くなった油、つまり調理して時間が経った食べ物に多く見られます。脂質は変性することで毒性が強くなっていきます。その典型が酸化した「過酸化脂質」です。発がん物質と考えられており、酸化LDLを使い、動脈硬化の原因となります。過酸化脂質は、私たちの体内でもつくられますし、食品にも含まれています。とくに、油で調理して時間が経過した食べ物に大量に含まれます。スーパーやコンビニで売られている揚げ物は、調理後ずいぶん時間が経っています。揚げ物を食べたい時は、とんかつ屋さんなどで ‟揚げたて” を食べるようにしましょう。 酸化した質の悪い油を摂取していれば、消化器に直接の症状が現れるだけでなく、長期的には細胞1個1個を覆う細胞膜をも変質させます。

 

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炭水化物の多いお菓子とは!?

さて問題です!!!

この中で、もっとも炭水化物が多いお菓子は何でしょ~?

 

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まぁ、だいたい予想は付きそうな選手権ですが・・・。

カロリーではく、炭水化物の量ですから、そこはお間違いのないように♩

 

 

じゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃーーーーーーーーーーーん!!

 

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よく考えてみると、

せんべいを6枚食べたら、大福の炭水化物量を超えてしまうんですよね?

大福1個と、せんべい6枚、クッキー9枚、ドーナツ2個、

皆さんだったら、どれを選びますか?

‟食べこたえがある”という観点で考えると、どれでしょう?

 

ただ、ショートケーキやクッキー、カステラには、炭水化物のほかに、

トランス脂肪酸”という、悪魔のような不飽和脂肪酸が含まれていて、

これは、体に害を及ぼすという事が報告されているので、なるべく控えるようにした方が良いと思います。

 

スナック菓子が止められない・・・

これは、患者さんだけでなく老若男女問わず抱いている悩みでしょう・・・。

いったん、ポテトチップスの袋を開けたら、もう、、、

『止められない、止まれない~!! 〇〇ビー、かっ〇えびせ〇!!』

 

ポテトチップスをはじめとしたスナック菓子は、“油脂” 、“塩” 、“炭水化物”が主成分です。この3つがタッグを組むと、‟最強の食材”となります。

何が最強か、って???

それは、中毒症状を引き起こす最強タッグなのです。

食べだしたら止まらない。ダメだと分かっていても止められない。

この最強タッグは、ニコチンやアルコール、麻薬と同じように一種の中毒症状を引き起こすのです。

なので、『悪いと分かっていても止められない』のです。

 

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「止められない、止まらない♩」、この時、脳内では何が起こっているのか!?

普通、人間や動物は、カロリーが足りたところで自然に食欲が収まって、食べるのをやめます。ところが、濃縮された油や砂糖を与えると、食欲にブレーキがかからず、ぐんぐん食べてしまうのです。

このとき脳内で何が起こっているかというと、、、『報酬系』という神経回路が働いているのです。

報酬系は、中脳の「腹側被蓋野(ふくそくひがいや)」という部位から前脳の「側坐核(そくざかく)」へ伸びるドーパミン神経系の働きで、もっと欲しいという感覚を作り出す脳内回路のことです。

油や砂糖は、こういった嗜好品や薬物と同類の強烈な切望感を、脳内に生み出しているのです。これに連動して、神経伝達物質の一つである“ベータエンドルフィン”の分泌も幸福感・満足感をもたらすのですよ。

 

スナック菓子やお菓子の量を少しずつ減らして、代替えするのがよい

突然、「お菓子を止めなさい!」と言われても、止められません。

だって、中毒になっているからです。

 

なので、少しずつ減らしていきましょう。

  1. 包装されたお菓子は、食べる分量だけお皿に盛って食べる。
  2. 小腹が空いたら、スナック菓子でなく、果物やナッツへの代替えする。
  3. そもそも、お菓子を買わない。家にお菓子を常備しない。

 

皆さん、少しずつでよいのでお菓子の摂取を控えていきましょう!

私も頑張ります!! 

幡院長も頑張ります!!

 

幸福物質 “エンドルフィン”を出すなら、スナック菓子からではなく、

友達との交流のひと時、運動をしている時の楽しみ、恋人と一緒にいる時の幸福感からエンドルフィンを出しましょう~ ♩

よく、「恋をすると、食事が喉を通らない!」なんて言いません? それはきっと、心が幸福度や満足感で満ちているからです。スナック菓子によるエンドルフィンに頼らなくていいからですよね? でも、失恋をしたり、仕事でうまくいかない事があるとストレスが溜まってドカ食い・・・なんてこと、ありませんか?

それはきっと、食べることに集中してイやな事を忘れるため、そしてお菓子のエンドルフィンによって心を満足させるからなのでしょうね・・・。

 

さぁ~~!!

これからは、スナック菓子のエンドルフィンに頼らず、自ら幸福度、満足度を上げるように活動していきましょう!!

 

あっ (^^;)

もしかしたら、幡院長も幸せではないのかも・・・(笑)

何故?????

 

果糖中毒 19億人が太り過ぎの世界はどのように生まれたのか?

果糖中毒 19億人が太り過ぎの世界はどのように生まれたのか?

 

 

 

ペットを飼うと病気になりやすい!?

皆さん、ペットは飼ってますか?

私の実家には、大型犬と小型犬の2匹の犬を飼っています。

最近、ペットブームですからね~。

特に、ねこブームらしいです。にゃん(*´▽`*)

 

ペットと病気の関連性について、考えた事ありますか?

ペットを飼っていたほうが、認知症になりにくいと言われている一方、こんな論文を発見したので、ご報告しますね!

 

 

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ネコを飼っている女性は、肺がんになるリスクが高い!!

日本ではペットを飼っている人は多く、ここ数年はネコがイヌを上回っているそうです。今回、米国ジョージアサザン大学のAtin Adhikari氏らは、米国の全国コホートにおける18年間の追跡調査で、ネコを飼っている女性は飼っていない女性に比べ、肺がん死亡率が2.85倍と有意に高かったという事を報告しました。

ペットによるこの影響は、喫煙やアトピー性疾患の交絡によって説明されないといので、ペットしてネコを飼っているという、単独の因子で肺がんの疾病率が高くなるというので、驚きです!!*1


この研究の対象は、1988~94年の米国国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey:NHANES)IIIにおいて、ペット所有に関する質問に回答した19歳以上の1万3,725人で、2010年12月31日まで追跡調査を行ったそうです。


結果は以下の通りです↓

  • 対象者の約43%がペットを飼っており、20.4%がネコ、4.6%が鳥を飼っていた。

  • 18万3,094人の追跡期間中に肺がんで213人が死亡し、肺がん特異的死亡率は1,000人年当たり1.00であった。

  • 喫煙・飲酒・身体活動BMIアトピー性疾患歴・血清中コチニンについて調整後、女性では、ペット所有者は非所有者に比べて、肺がん死亡率が2倍以上であった(ハザード比[HR]:2.31、95%信頼区間:1.41~3.79)。

  • ペット別の肺がん発症率は、ネコが2.85倍(1.62~5.01)、鳥が2.67倍(0.68~10.5)、イヌが1.01倍(0.57~1.77)で、ネコおよび鳥の所有がこの関連に大きく起因していた。

  • 男性では、ペットの有無やペットの種類にかかわらず、有意な関連はみられなかった。

 

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こんな、愛くるしい表情をされたら、たまりませんよね~(*´▽`*)

きゃわいい~!!!

 

ペットとのキスでピロリ菌に感染する!?

胃がんを引きおこす原因とされている、「ヘリコバクター・ハイルマニイ」(以下、ハイルマニイ)と呼ばれる細菌、ご存知ですか?

この細菌は、胃がんの原因として知られるピロリ菌の亜種にあたり、胃MALTリンパ腫という胃がんの一種を発症させると考えられているのです。

この、ハイルマニイは主に犬やネコ、豚など、ペットや家畜として飼われている身近な動物から感染すると考えられており、「ペットを飼っていることは、現状分かっている唯一の危険因子だ」と指摘する専門家もいます。

 

以前からペットを飼うことで感染の危険があることは言われてきた。'94年のドイツ人研究者らの論文によると、ハイルマニイ陽性患者125人のうち、7割が動物との接触歴があったというそうです。しかも厄介なことにこの細菌は感染力や毒性も強いのだそうです。

 

では、ペット愛好家を脅かすハイルマニイは、どんな時に人に感染してしまうのか。

まず、最も危険性が高いのが口の周りをペットに舐められる行為だ。もちろん、ペットとのキスも危ない。感染している犬やネコを見た目で見分けることができればいいが、それも難しい。

「細菌を持っているペットとの濃厚な接触、つまり口の周りを舐められたり、口移しで食べ物を与えたりといった行為で感染することがあります。特に粘膜と粘膜とが触れるほどの濃厚な接触は、感染の確率が高くなります」*2

ただ、ペットに顔を舐められないように気をつけていれば安心かというと、それだけでは完全に防ぐことはできない。直接的な接触ではなくとも、間接的に感染することもあるという事ですから、完全に感染を防御するのは難しそうですね・・・。

  

どうしてネコを飼っている、肺がんになり易いのか・・・。この疑問は完全に払拭されていませんが、やはり、キスをするなら、人間同士が一番ですよね~♩

ペットに愛情を注ぐのも大切ですが、近くにいる家族や恋人に愛情をたっぷり注いであげて下さいね♡

 

原著論文はこちら

Adhikari A, et al. Environ Res. 2019;173:379-386. [Epub ahead of print]

*1:Environmental Research誌2019年2月25日号

*2:麻布大学獣医学部教授の宇根有美氏

サプリメントを摂取しても心血管疾患の予防にはならない!

皆さん、こんにちは(^^)
サプリメントを定期的に服用されてますか?
健康増進や若々しく保つために、マルチビタミンやミネラル、コエンザイムQ10などを摂取されている方も多いのはないでしょうか♪
 
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ドラッグストアに行けば、棚一面サプリメントが並んでいるし、販売員のきれいなお姉さんに勧められたし・・・。
兎にも角にも、現代はサプリメントは簡単に手に入る時代なんですよね。
 
けれど、心臓病予防のためにビタミンやミネラルのサプリメントを使用してもお金の無駄になるだけかもしれません!!
こんな記事を発見したので、ご報告しますね♩
 

サプリメントを服用しても心血管疾患の予防や全死亡は低下しない!!

2012年以降に発表された179件のランダム化比較試験のメタ解析から、マルチビタミンやカルシウムなどの人気のサプリメントは心血管疾患の予防や全死亡の抑制には役立たないことが示されました。ただし、葉酸サプリメントについては摂取による脳卒中リスクの低下が認められたそうです。*1 
トロント大学(カナダ)栄養科学のDavid Jenkins氏らは、心血管疾患の転帰および全死亡率とサプリメント摂取の関連性を評価するため、既存のデータから対象とするRCTを同定した。同氏らは2013年および2014年の米国予防医学専門委員会(USPSTF)のガイドラインを含む2012年1月~2017年10月に英語で発表されたシステマティックレビューやメタ解析、RCT論文を収集し、基準を満たした179件のRCTを対象にメタ解析を行った。

 この結果、米国で最も普及している4種類のサプリメントマルチビタミン、ビタミンCおよびD、βカロテン、カルシウム)による心筋梗塞脳卒中、その他の心血管疾患の予防効果や全死亡リスクの低下の効果は認められなかった。また、抗酸化物質のサプリメントの摂取者では全死亡リスクがわずかだが有意に上昇していたほか、ナイアシン(ビタミンB3)のサプリメントでも全死亡リスクの上昇が示された。

 その一方で、葉酸サプリメントによって脳卒中リスクが約20%低減することが示された。この結果には2015年に報告された中国のRCT(CSPPT試験)で認められた脳卒中リスクの低減効果が大きく影響していた。ただし、この点について、専門家の一人で米国心臓病学会(ACC)心血管疾患予防部門リーダーシップ委員会のAndrew Freeman氏は「CSPPT試験は穀物製品などの食品への葉酸添加が推進されていない状況かで行われた試験であり、食事から適量の葉酸を摂取できている人であれば、葉酸サプリメントの有用性は認められない可能性がある」との見方を示している。  足りない栄養素をサプリメントで補うのは、とても合理的な考えだと思います。しかし、その足りない栄養素は、サプリメントでは完全に補完する事が出来ないのです。
 最も重要なのは、食事から必要な栄養素を摂ることだと思います。
 
野菜や果物、豆類などの植物由来の食品をベースにした食事は、健康にとって有益でありますし、ベストな食事であると思います。今回の研究を指揮したトロント大学(カナダ)栄養科学のDavid Jenkins氏も、「植物由来の食品を豊富に含んだ健康的な食事を取れば、サプリメントを使用しなくても必要な全ての栄養素を十分に摂取できる可能性が高い」と指摘しています。
 
 

サプリメント大国の米国ではサプリメントの規制強化が始まった

 米食品医薬品局(FDA)は2019年2月11日、ビタミンやミネラル、ハーブなどのサプリメント製品の規制を強化する計画を発表しています。
 米国では、国民の4人中3人がなんらかのサプリメントを定期的に摂取しており、子どもでも3人中1人が摂取している。また、高齢者では5人中4人と摂取率が最も高い。
 米国のサプリメント業界の市場規模はかつての40億ドルから現在は400億ドルにまで拡大しています。製品数も約4,000点から5万点超にまで増え、現在、消費者が入手できる製品数は8万点以上ともみられているのです。サプリメントの普及に伴い、危険性がある製品や実証されていない健康効果を謳った製品、消費者の誤解を招く情報とともに販売される製品が増えたといいます。
 

サプリメントがダメなら、いったい全体、どんな食事を摂ったらいいの?

これは、以前のブログでもご紹介したように、地中海式食事法、DASH食が特におススメです。

 

media-naranja.hatenablog.com

 
 

 

簡単に、心血管疾患を予防するために良い食事をご紹介しますね!

  1. オリーブオイル
    研究データが豊富で、心血管疾患の予防効果は最強とも言われています。

  2. ブルーベリー
    ブルーベリーのアントシアニンに高い抗酸化効果があります。一酸化窒素を増やす作用があるので血管を広げる作用もあります。糖尿病のリスク低下にもなるそうです。週に225g以上を食べると効果的だそうです。

  3. 葉物野菜
    葉物野菜もブルーベリーと同じく抗炎症効果があります。ただ、2日を過ぎると効果が切れるので、毎日食べることをお勧めします。過去のデータによれば、「1日350gの野菜で心疾患リスクが24%減る」との報告もあります。

  4. ナッツ類
    アーモンド、クルミ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオ、ペカンなどは、すべてメタ分析で良い結果が出ています。ただ、‟カロリーが非常に高い”というのが、懸念材料です。

 

やはり、必要な栄養素は普段の食事から摂るのが一番です。野菜の栄養素を‟野菜ジュースなどで代用しよう”なんて、考えている読者さんもいるかもしれませんが、これも非常に健康の観点からするとリスクが高いです。果糖が添加されているようなフルーツジュースは、虫歯や肥満の原因にもなりますし、糖尿病のリスクを上げるともいわれています。また、ジュースを殺菌する段階で高温加熱する影響で野菜本来の水溶性ビタミン、不溶性食物繊維、酵素は失われてしまうのです。

一番の肝は、生野菜で摂取できるほどの栄養素を持ち合わせていないという事です。

ただし、水溶性食物繊維や、脂溶性ビタミン(ビタミンA、E、K、鉄分、カリウムマグネシウム)は摂取できるので、通常の果糖ジュースを飲むくらいなら、野菜ジュースの方が良いかもしれません。

 

健康的な身体と心は、健康的な食事から・・・。これが基本ではないかと思います。整った食生活に加えて、サプリメントを摂ることは良いかもしれませんが、不健康な食生活を補おうとサプリメントに頼りすぎるのは、身体にとってはプラスに働いてないのかもしれませんね!

 

原著論文はこちらです↓

 

 

 

*1:「Journal of the American College of Cardiology」6月5日号

数滴の血液で超早期のがんを診断できる時代がやってきた!

“日々健康的でありたい!” “病気にはなりたくない!”

そんな願いは、誰でも抱くはずです。

 

今回は、『悪性腫瘍=がん』の早期発見に焦点をあててお話を進めていきたいと思います。

 

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わずか数滴の血液で超早期のがんを発見できる時代がやってきた!

血液中に含まれるマイクロRNA(miRNA)をマーカーとして、13種類のがんを同時診断する検査システムの開発が進み、実用化が近づいています。

2019年3月1日、都内で「1滴の血液や尿で、がんが分かる時代へ」と題したメディアセミナーが開催されました(共催:日本臨床検査薬協会、米国医療機器・IVD工業会)。落谷 孝広先生(国立がん研究センター研究所分子細胞治療研究分野)が、ご自身が開発のプロジェクトリーダーを務めるmiRNAによるリキッドバイオプシーの精度や、実用化に向けた動きなどについて解説して下さいました。

マイクロRNAとは

血液や唾液、尿などの体液に含まれる22塩基程度の小さなRNA(リボ核酸)のこと。近年の研究で、がん等の疾患にともなって患者の血液中でその種類や量が変動することが明らかになっています。さらに、こうした血液中のマイクロRNA量は、抗がん剤の感受性の変化や転移、がんの消失等の病態の変化に相関するため、全く新しい診断マーカーとして期待されています。

米国を中心に開発の進んでいる血中循環主要DNA(ctDNA)などの従来の腫瘍マーカーと異なり、mRNAは癌細胞の発生初期から血液中を循環するため、より早期の診断が可能という事です。

 

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13種のがんについて、高い感度で診断可能なことを確認

 日本人に多い13種類のがん(胃がん、大腸がん、食道がん膵臓がん、肝がん、胆道がん、肺がん、乳がん卵巣がん前立腺がん、膀胱がん、神経膠腫、肉腫)をターゲットとして、対照群を含めて約5万3,000検体(2019年2月現在)が解析された。その結果、たとえば乳がんの場合、5つのmiRNAの組み合わせによって、感度97%/特異度92%で診断できることが確認された1)。「感度97%というのは、乳がんと診断した100人のうち3人間違えるということ」と落谷氏。「100%でない限り、もちろん過剰診断には留意しなければならない。しかし非侵襲的であることも含め、次の検査につなげる早期のスクリーニングツールとしては、非常に有力だといえる」と話した。
 その他、卵巣がん(感度99%/特異度100%)2)、膵がん(98%/94%)、大腸がん(99%/89%)、膀胱がん(97%/99%)3)、前立腺がん(96%/93%)など、いずれも高い感度が確認されている。

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日本人に多いとされる、胃がん、大腸がん、食道がん、肝臓がん、肝がん、胆道がん、肺がん、乳がん卵巣がん、前立線がん、膀胱がん、神経膠腫、肉腫などを、早期にいずれも高い感度で診断できることが確認できているそうです。

 

現在、がん検診で行われている、肺がんのエックス線検査や乳がんマンモグラフィー検査などは、がんがある程度大きくならないと発見することが難しいとされます。

また、血液検査の「腫瘍(しゅよう)マーカー」は早期発見には適してはいません。がん患者さんの経過観察や治療効果を判定する際に利用されているものであり、細胞のがん化に伴って出てくる物質を調べるため、がんの初期では陰性と判定されることも多いのです。

 

マイクロRNA認知症脳卒中の診断にも有用

本プロジェクトではすでに、認知症脳卒中で有望な結果がでているそうです。認知症では、アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体認知症を高感度で判別。また、症例数が少ないデータではありますが、軽度認知機能障害32例で、半年後の認知症への進行の有無が100%の確率で予測されているそうです、

さらに、これまで有力なマーカーが確認されていない脳卒中のリスクマーカーとしても有用であることが確認され、近く発表が予定されているそうです。

 

国家が主体となりマイクロRNAによる検査システムに取り組んでいる

マイクロRNAによる、がんの超早期発見は、死亡率の改善どころか、患者さんの生活の質の改善、さらに本邦における医療費の削減にも繋がると考えられています。

実は、この検査用キットを開発する事業に、東レ東芝なども参加しており、産官学の国家的な事業として位置づけられているのです。

 

「血液や尿検査によって、極めて早期のがんを発見する事が出来る」そんな時代が近いうちにやってくるかもしれませんね!

 

 

■参考
1)Shimomura A, et al. Cancer Sci. 2016; 107: 326-334.
2)Yokoi A, et al. Nat Commun. 2018; 9:4319.
3)Usuba W, et al. Cancer Sci. 2019; 110: 408-419.
4)国立長寿医療研究センタープレスリリース