現役メディカルスタッフが語る!!健康な身体と心を手に入れる極意

循環器専門病院に勤務するメディカルスタッフ(健康オタク)が、最強の身体と心を手に入れるための方法を伝授します!巷のうわさ話ではない、科学的根拠(Evidence)に基づいた健康法を医療専門家の視点から徹底的に語ります。

お酒は少量なら体にイイはウソだった!?

皆さん、お酒は好きですか?? 

私は酒癖が悪いので、普段から控えるように心しております(笑)

 

今日は、ワインのネタを一本!!

 

「私の血液はワインで出来てるの・・・♡」

このフレーズ、聞き覚えある方も多いはず!?

私 マイケルゆみこも、故・川島なお美さんに劣らないくらい美しさには定評があります(笑)

 

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NEWSポストセブン(2014年3月27日11時00分)

 

そんな冗談はさておき、、、

従来、「適量のアルコールは健康に良い」と思われていたのですが、2018年9月に世界五大医学雑誌のひとつである「LANCET」に少量のアルコール摂取でもが健康に悪影響を与えると報告されたのです。*1

 

適度のアルコールもやはりリスクなのか・・・。お酒好きの方ならそう思ってしまいますよね。

特に、お酒の分類の中でも赤ワインは低糖質であり、ポリフェノールの含有量が多いため健康に良い??を思われてきたのですが。。。

 

一体全体、アルコールは少量なら健康に良いのか?はたまた、少量でも体に悪いのか?この一貫しない説はどこからきているのでしょうか?

 

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「お酒は少量なら健康に良い」はウソだった??

 「アルコールが少量なら体に良い」という説は、実はフランス人の食生活からきていると考えられます。

通常、飽和脂肪酸(バター、脂身の多い肉、ハム、ソーセージなど)の多い食品を摂取すると、心血管疾患のリスクは高まります。

しかし、フランス人は日常的にバターや肉、脂肪の多い肉を摂取しているにも関わらず、心筋梗塞動脈硬化の発症が少ないと言われているのです。この理由が、「フランス人はワインを日常的に摂取しているから」という学説に行きついたそうなのです。これを、フレンチ・パラドックス(フランスの逆説)と言います。

 *2

 

また、2018年ランセットに掲載された他の研究結果からも、週100gまでのアルコール摂取は脳梗塞心筋梗塞のリスクを低下させると報告されています。

ただ、ここで注意が必要なのが、

『アルコールそのものが脳梗塞心筋梗塞のリスクを下げているのか(因果関係)のか、アルコールを飲んでいる人が脳梗塞心筋梗塞のリスクが低いだけなのか(相関関係)』は分からないという事です。

 

遺伝的要因によってアルコールが飲める人と飲めない人がいるし、アルコールを飲むと具合が悪くなる人というのは、もちろん飲酒量は少ない。もしアルコール耐性の遺伝子を持っている人ほど脳梗塞心筋梗塞のリスクが低いのであれば、それはアルコール自体に起因するものでなく、アルコール耐性の遺伝子が心筋梗塞脳梗塞のリスクを下げているとも考えられる。すなわち、アルコールを少量飲んでいる人ほどリスクが低くなるように見えてしまうことはありえることだと考えられます。

その一方で、アルコールはたとえ少量でもがん(特に乳がん)のリスクを上げる可能性は以前より報告されています。

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ワインを1週間に1本飲むと、乳がんの発症リスクが高まる

英国・サウサンプトン大学病院 NHS Foundation TrustのTheresa J. Hydes氏らが英国のデータを解析したところ、

  • ワインを1週間に1本飲む女性は、アルコール関連性がんのリスクが増加した(男性では1.0%、女性では1.4%増加)

  • このワイン摂取と関連性があるのは、乳がんであった。

 

 研究グループは、適度な飲酒に起因するがんの絶対リスク(1,000人当たりの症例数)の増加を推定するとともに、これらを低頻度の喫煙が関与するがんの絶対リスクと比較した。
 アルコール関連がんおよび喫煙関連がんの一般集団における生涯リスクから、アルコールおよび喫煙の寄与割合を差し引き、禁酒をしている非喫煙者のがんの生涯リスクを算出した。これにアルコールおよび喫煙の寄与として、消費レベルの増加も含み、1週間にアルコール10単位の飲酒またはタバコ10本の喫煙の相対リスクを乗じた。
 結果は以下のとおり↓↓↓
非喫煙者のがんの生涯絶対リスクは、1週間にワイン1本で男性では1.0%、女性では1.4%増加した。
・ワイン1本/週によるがんの生涯リスクの絶対増加は、タバコにすると男性で5本/週、女性で10本/週に相当した。
・飲酒による顕著な性差は、女性の非喫煙者乳がんの絶対リスクが0.8%増加することであった。

 

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まとめ

  • 心筋梗塞脳梗塞などは、少量のアルコール摂取でリスクを低下させる(男性では0.83杯/日、女性では0.92杯/日の飲酒している人で最もリスクが低かった)。ただし、大動脈瘤、解離性大動脈瘤などの発症リスクは低下しない。

  • 一方で、アルコールをある一定以上摂取すると、心筋梗塞脳梗塞などのリスクが高まる。

  • 女性では乳がん、男性では口腔がんが、少量のアルコール摂取でも発症リスクが高くなる。

  • 病気などの疾病リスクを低下させるのに最も信頼できる値は1日0杯であった。

※一杯とは、純アルコール換算で10gのことを指す。10gの純アルコールはグラス1杯のワインやビールに相当する。

 

アルコールは少量だったらいいのか?まったく飲まない方がいいのか?

この質問の答えとしては、「アルコールはまったく飲まない方が良い」という結論になるだろう。

しかし、糖尿病、脂質異常症、高血圧、家族歴(親族に心筋梗塞脳梗塞の方がいる)がない人は、1日1杯程度のアルコールであれば良いだろうと思う。

 

しかし、お酒が苦手な人は無理に呑む必要は全くない。

ご自身の病気のリスクと、自分の生活スタイルを照らし合わせて相対的に考えればよいと思います。

 

でもーーーーー

 呑んだら乗るな!!

 酒は呑んでも呑まれるな!!

 これ、基本です(笑)