現役メディカルスタッフが語る!!健康な身体と心を手に入れる極意

循環器専門病院に勤務するメディカルスタッフ(健康オタク)が、最強の身体と心を手に入れるための方法を伝授します!巷のうわさ話ではない、科学的根拠(Evidence)に基づいた健康法を医療専門家の視点から徹底的に語ります。

サプリメントを摂取しても心血管疾患の予防にはならない!

皆さん、こんにちは(^^)
サプリメントを定期的に服用されてますか?
健康増進や若々しく保つために、マルチビタミンやミネラル、コエンザイムQ10などを摂取されている方も多いのはないでしょうか♪
 
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ドラッグストアに行けば、棚一面サプリメントが並んでいるし、販売員のきれいなお姉さんに勧められたし・・・。
兎にも角にも、現代はサプリメントは簡単に手に入る時代なんですよね。
 
けれど、心臓病予防のためにビタミンやミネラルのサプリメントを使用してもお金の無駄になるだけかもしれません!!
こんな記事を発見したので、ご報告しますね♩
 

サプリメントを服用しても心血管疾患の予防や全死亡は低下しない!!

2012年以降に発表された179件のランダム化比較試験のメタ解析から、マルチビタミンやカルシウムなどの人気のサプリメントは心血管疾患の予防や全死亡の抑制には役立たないことが示されました。ただし、葉酸サプリメントについては摂取による脳卒中リスクの低下が認められたそうです。*1 
トロント大学(カナダ)栄養科学のDavid Jenkins氏らは、心血管疾患の転帰および全死亡率とサプリメント摂取の関連性を評価するため、既存のデータから対象とするRCTを同定した。同氏らは2013年および2014年の米国予防医学専門委員会(USPSTF)のガイドラインを含む2012年1月~2017年10月に英語で発表されたシステマティックレビューやメタ解析、RCT論文を収集し、基準を満たした179件のRCTを対象にメタ解析を行った。

 この結果、米国で最も普及している4種類のサプリメントマルチビタミン、ビタミンCおよびD、βカロテン、カルシウム)による心筋梗塞脳卒中、その他の心血管疾患の予防効果や全死亡リスクの低下の効果は認められなかった。また、抗酸化物質のサプリメントの摂取者では全死亡リスクがわずかだが有意に上昇していたほか、ナイアシン(ビタミンB3)のサプリメントでも全死亡リスクの上昇が示された。

 その一方で、葉酸サプリメントによって脳卒中リスクが約20%低減することが示された。この結果には2015年に報告された中国のRCT(CSPPT試験)で認められた脳卒中リスクの低減効果が大きく影響していた。ただし、この点について、専門家の一人で米国心臓病学会(ACC)心血管疾患予防部門リーダーシップ委員会のAndrew Freeman氏は「CSPPT試験は穀物製品などの食品への葉酸添加が推進されていない状況かで行われた試験であり、食事から適量の葉酸を摂取できている人であれば、葉酸サプリメントの有用性は認められない可能性がある」との見方を示している。  足りない栄養素をサプリメントで補うのは、とても合理的な考えだと思います。しかし、その足りない栄養素は、サプリメントでは完全に補完する事が出来ないのです。
 最も重要なのは、食事から必要な栄養素を摂ることだと思います。
 
野菜や果物、豆類などの植物由来の食品をベースにした食事は、健康にとって有益でありますし、ベストな食事であると思います。今回の研究を指揮したトロント大学(カナダ)栄養科学のDavid Jenkins氏も、「植物由来の食品を豊富に含んだ健康的な食事を取れば、サプリメントを使用しなくても必要な全ての栄養素を十分に摂取できる可能性が高い」と指摘しています。
 
 

サプリメント大国の米国ではサプリメントの規制強化が始まった

 米食品医薬品局(FDA)は2019年2月11日、ビタミンやミネラル、ハーブなどのサプリメント製品の規制を強化する計画を発表しています。
 米国では、国民の4人中3人がなんらかのサプリメントを定期的に摂取しており、子どもでも3人中1人が摂取している。また、高齢者では5人中4人と摂取率が最も高い。
 米国のサプリメント業界の市場規模はかつての40億ドルから現在は400億ドルにまで拡大しています。製品数も約4,000点から5万点超にまで増え、現在、消費者が入手できる製品数は8万点以上ともみられているのです。サプリメントの普及に伴い、危険性がある製品や実証されていない健康効果を謳った製品、消費者の誤解を招く情報とともに販売される製品が増えたといいます。
 

サプリメントがダメなら、いったい全体、どんな食事を摂ったらいいの?

これは、以前のブログでもご紹介したように、地中海式食事法、DASH食が特におススメです。

 

media-naranja.hatenablog.com

 
 

 

簡単に、心血管疾患を予防するために良い食事をご紹介しますね!

  1. オリーブオイル
    研究データが豊富で、心血管疾患の予防効果は最強とも言われています。

  2. ブルーベリー
    ブルーベリーのアントシアニンに高い抗酸化効果があります。一酸化窒素を増やす作用があるので血管を広げる作用もあります。糖尿病のリスク低下にもなるそうです。週に225g以上を食べると効果的だそうです。

  3. 葉物野菜
    葉物野菜もブルーベリーと同じく抗炎症効果があります。ただ、2日を過ぎると効果が切れるので、毎日食べることをお勧めします。過去のデータによれば、「1日350gの野菜で心疾患リスクが24%減る」との報告もあります。

  4. ナッツ類
    アーモンド、クルミ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオ、ペカンなどは、すべてメタ分析で良い結果が出ています。ただ、‟カロリーが非常に高い”というのが、懸念材料です。

 

やはり、必要な栄養素は普段の食事から摂るのが一番です。野菜の栄養素を‟野菜ジュースなどで代用しよう”なんて、考えている読者さんもいるかもしれませんが、これも非常に健康の観点からするとリスクが高いです。果糖が添加されているようなフルーツジュースは、虫歯や肥満の原因にもなりますし、糖尿病のリスクを上げるともいわれています。また、ジュースを殺菌する段階で高温加熱する影響で野菜本来の水溶性ビタミン、不溶性食物繊維、酵素は失われてしまうのです。

一番の肝は、生野菜で摂取できるほどの栄養素を持ち合わせていないという事です。

ただし、水溶性食物繊維や、脂溶性ビタミン(ビタミンA、E、K、鉄分、カリウムマグネシウム)は摂取できるので、通常の果糖ジュースを飲むくらいなら、野菜ジュースの方が良いかもしれません。

 

健康的な身体と心は、健康的な食事から・・・。これが基本ではないかと思います。整った食生活に加えて、サプリメントを摂ることは良いかもしれませんが、不健康な食生活を補おうとサプリメントに頼りすぎるのは、身体にとってはプラスに働いてないのかもしれませんね!

 

原著論文はこちらです↓

 

 

 

*1:「Journal of the American College of Cardiology」6月5日号