現役メディカルスタッフが語る!!健康な身体と心を手に入れる極意

循環器専門病院に勤務するメディカルスタッフ(健康オタク)が、最強の身体と心を手に入れるための方法を伝授します!巷のうわさ話ではない、科学的根拠(Evidence)に基づいた健康法を医療専門家の視点から徹底的に語ります。

中年期女性必見!! 緑茶やコーヒーを飲むと、体脂肪Iが減少して血管年齢が若くなる!?

皆さん、こんにちは(^^)

ダイエット、、、幾つになっても興味ありますよね!

私なんて、年がら年中ダイエットしてますよ…。

ちっとも、痩せませんが。。。

 

お腹の脂肪減らしたい!

ビキニ着てビーチを駆け回りたい・・・!

そんな、野望丸出しの私から、中年期女性の皆さんに朗報です。

 

皆さんは、緑茶やコーヒーはお好きですか?

コーヒーは苦手と言う方でも、緑茶なら毎日飲んでいる!

という方も多いのではないかと思います。

今回取り上げる論文は、コーヒーや緑茶の摂取量によってBMIや体脂肪がどう変化するか?に着眼した内容で、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科茨城県地域産科婦人科学講座の寺内公一氏らが研究を行い、「Nutrients」5月11日オンライン版に掲載されました。

 

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コーヒーや緑茶の摂取量が多い中年期の女性は、BMIや体脂肪が低い!?しかも、血管年齢も若くなる!!

コーヒーや緑茶の摂取量が多いと、心血管疾患のリスクが低くなるということは、既に報告されています。また巷では「カテキン成分が脂肪の蓄積を抑える」と言われており、CMや広告などでもこぞってアピールしていますよね?

 

でも、本当のところ、、、どうなんだろう…。

科学的根拠はあるのか??と疑問に思われた方も多いはず。

 

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科茨城県地域産科婦人科学講座の寺内公一氏らは、緑茶やコーヒー摂取量と、体脂肪、BMI、血管年齢は逆相関しているという事を科学的に証明したらしいのです。


研究背景・内容
  • 対象者は:40~65歳の更年期症状のある女性232人(平均年齢51.6±5.0歳)。コーヒーや緑茶の摂取量はアンケートから把握し、全体を以下の4群に分類した。
  • 対象群:コーヒーおよび緑茶の摂取量がいずれも1日1杯未満(16.8%)
  • コーヒー群:コーヒーは1日1杯以上で緑茶は1杯未満(20.3%)
  • 緑茶群:コーヒーは1日1杯未満で緑茶は1日1杯以上(32.8%)
  • コーヒー+緑茶群:コーヒーと緑茶ともに1日1杯以上(30.2%)
  • 動脈硬化の進行レベルは、血管の柔軟性の指標の一つである「CAVI」(数値が大きいほど血管柔軟性が低い)で評価した。

 

研究結果
  • 年齢、月経の有無(閉経前/閉経期/閉経後)、喫煙・飲酒・運動習慣、エネルギー摂取量で調整の上、対照群を基準として各群のBMI25以上の割合を比較すると、コーヒー群はオッズ比(OR)0.14(95%信頼区間0.05~0.46)、コーヒー+緑茶群はOR0.15(0.05~0.50)であり、有意な負の相関が認められた。緑茶群はOR0.38(0.12~1.18)で、有意でなかった。
  • 体脂肪率30%以上の割合は、コーヒー群はOR0.33(0.14~0.82)、緑茶群はOR0.36(0.14~0.96)、コーヒー+緑茶群はOR0.30(0.12~0.74)であり、いずれも有意な負の相関が認められた。
  • CAVI8.0以上の割合は、同順にOR0.37(0.05~2.53)、0.11(0.01~2.27)、0.05(0.003~0.743)であり、コーヒー+緑茶群のみ有意な負の相関が認められた。


緑茶の効能と効果とは?副作用はあるのだろうか? | たべるご

 

まとめ

今回の研究結果をまとめると、閉経前後の日本人女性では、毎日のコーヒーや緑茶の摂取量とBMIおよび体脂肪が逆相関していることが分かりました。

つまり、コーヒーや緑茶を多く飲む人ほど、BMIや体脂肪が低いというわけです。

さらに、コーヒーや緑茶の摂取は体型維持だけでなく、血管年齢も若くなるということが分かりました。女性の健康維持や動脈硬化予防にも役立つ可能性があるということを示唆しています。

 

ただしコーヒーも緑茶も飲みすぎには注意です!!

緑茶やコーヒーは、飲みすぎると健康被害を引き起こすことも知られています。

コーヒーの場合、カフェインの摂りすぎによる睡眠障害、クロロゲン(コーヒーポリフェノール)が胃粘膜を荒らすともいわれているんですよ。

また、緑茶の飲みすぎは、コーヒーと同様カフェインの摂取過多による睡眠障害、タンニン摂取過多による貧血、シュウ酸の摂取過多による腎結石・尿管結石の危険性もあると言われています。

健康に良いからといって、コーヒーや緑茶を1日20杯も飲むのはかえって、健康を害するリスクもあるので注意してくださいね。

1日に摂取する目安は、コーヒーなら1日3杯程度(コーヒーカップ)、緑茶なら一日10杯(湯呑)がいいそうですよ。

 

 

原著論文はこちら

Yonekura Y, et al.Nutrients. 2020 May 11. [Epub ahead of print]

参照

ケアネット

揚げ物の摂取頻度が高いと、死亡リスクが上がる!?

皆さん、こんにちは(^^)

油であげた天ぷら、唐揚げ、コロッケ、アジフライ、フライドポテト、、、

どれをとっても、おいしいですよね~!

油と塩の饗宴って、本当に美味!!!!!

 

なんですが、、、

やっぱり揚げ物って、身体によくないらしいんですよ。

そんな揚げ物が体に及ぼす影響について書かれた論文を見つけたので、ご紹介しますね。

揚げ物の頻回摂取は全死因死亡、および心血管死亡のリスクを高める

『揚げ物、とくにフライドチキン、豚カツ、魚介類のフライの摂取量が多くなると、全死因死亡、心血管死亡の危険性が高くなる』というデータが示されました。

北米成人の約25~36%が。毎日ファストフード店で揚げ物(ハンバーガー、フライドポテト、フライドチキン、フライドフィッシュなど)を食べているそうです。

実際、揚げ物が身体に悪い・・とは何となく以前から言われていた事ですが、死亡への影響については、科学的エビデンスが乏しく議論の的になっていた所でした。

 

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研究背景・方法

米国・アイオア大学のYangbo Sun氏らの閉経後女性を対象とした大規模前向きコホート研究「omen's Health Initiative(WHI)研究」のデータ解析の結果示されました。

研究グループは、1993年9月~1998年9月に米国の40施設で行われたWHI研究に登録された、登録時50~79歳の閉経後女性、約10万7000人を、2017年2月まで追跡調査した。

自己記入式食事摂取頻度調査により、揚げ物の摂取頻度と1人前の分量について評価。揚げ物は、フライドチキン、魚介類(魚、エビ、カキ)のフライ、その他の揚げ物に分類した。

主要評価項目は、全死因死亡、心血管死亡、がん死亡とし、Cox比例ハザードモデルを用いて、揚げ物の摂取との関連を解析した。

 

研究結果

フライドチキンを1週間に1人前以上摂取している分は、非摂取群と比較して全死因死亡リスクは1.13倍、心血管死亡リスクは1.12倍であった。同様に魚介類のフライの摂取に関する危険率は全死因死亡 1.07倍、心血管死亡 1.13倍であった。

BMJ誌2019年1月23日号掲載

 

 揚げ物の摂取量とガン死亡との関連性は認められなかった

今回の研究の結果から、揚げ物の総摂取量および、種類別摂取量とガン死亡との一般的な関連は認められなかった。

 

 

本研究の懸念点

この研究結果から、揚げ物の摂取量が与える影響は、全死因死亡リスクを高める、心血管死亡リスクを高める。ということが示されました。

一方、揚げ物の摂取量とガンによる死亡との関連性は認められなかったとしています。

 

ただ、この研究には若干の懸念点が挙げられま。

揚げ物の揚げ方や、調理用油に関する情報が限られているという点です。つまり、揚げるために使用する油を、キャノーラ油やサンフラワー油にするのか、それともオリーブオイルにするのか。といったような、揚げ油に関する情報はありません。

また、食物そのものの影響と、揚げることによる影響を分ける事が出来ない点が、この研究の限界であると考えられます。

 

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アクリルアミドの発がん性について

食材の成分は、揚げる、焼く、焙るなど熱を加えることで化学変化が起こり、色や風味、食感などが良くなります。

しかし、穀類、芋類、野菜など炭水化物を多く含む原材料は加熱調理の過程で、化学物質であるアクリルアミドを産生します。

この、アクリルアミドの発がん性は、2002年スウェーデンの動物研究で報告され、ヒトについては、2007年のオランダのコホート研究でER陽性乳がんなどの発症リスク増加が報告されました。

しかし、否定的なデータもあり、米国国立がん研究所は、アクリルアミドについて、『発がん性は懸念されるが、ヒトに対する十分なエビデンスはない』としています。

また、本邦の農林水産省も、同様の見解を示しています。

 

 

揚げ物の3つの問題

  1. 揚げ物に使われる油のオメガ6
    多くの調理用油で使用されるベジタブルオイルはオメガ6が多いため、食べれば食べるほど、体内の炎症が増えて老化が進んでしまうという状況を招きます。

    揚げ物に使用して問題ない油として、ラード、ギー、バター、牛脂、ココナッツオイル、オリーブオイル等が挙げられます。

  2. 唐揚げやてんぷらの衣に使われる小麦
    小麦に含まれるグルテンが問題視されています。これは、科学的エビデンスは証明されておりませんが、消化器系に悪い影響を与える可能性があるとも言われています。

  3. 高温の調理で生まれるAGEs
    AGEsとは、終末糖化産物の略称で、高温による調理で生成される成分です。非常に強い毒性があり、老化や糖尿病を引き起こすといわれています。

             ***AGEsについては、近いうちに別の記事でご報告したいと思います***

 

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揚げ物摂取のガイドラインを作るとすれば・・・

  1. 揚げ物は、月に1~2回くらいまで。

  2. 料理用油には、オリーブオイル、ギー、ラードを使う(キャノーラ油、サンフラワー油は厳禁)。

  3. 小麦粉の代用として、ポテトスターチやアーモンドパウダーを衣として使用してみるのも良い。

 

揚げ物を過度に怖がる必要はないと思いますが、気になる方は上記のような摂取方法を試してみても良いかと思います。ただやはり、毎日のように揚げ物を摂取するのは、身体に良くない、、、といった所が本音だと思います。

 

原著論文はこちら

 

 

睡眠の質が悪いと、女性は太る!?

皆さん、こんにちは(^^)
今回は、特に女性の方々に聞いて欲しい!!!情報を共有したいと思います。
 
「最近、太ってきた~」とか、「ダイエットしても、ちっとも痩せないんだけど…」
なんて思っているアナタ!!!
その原因は、睡眠不足かもしれませんよ~。
 
 

睡眠不足が不健康な食生活の引き金となる!

食生活が悪いから太る、、、とかって、よく言われるじゃないですか。そもそもその食生活が乱れる原因が、‟寝不足”にあり、睡眠不足と不規則な食生活の2つが女性の肥満を引き起こすとの事なのです。
 

今回の報告は、米コロンビア大学のBrooke Aggarwal先生の研究結果です。*1

研究内容 
  • 対象は20歳~76歳の女性、495人。睡眠習慣と食生活との関連を検討。

背景
  • 平均年齢37±16歳、BMI25.9±5.7、睡眠時間6.76±1.24時間。
  • 全体の39%は睡眠の質が悪いと判定された。
  • 摂取エネルギー量は平均1,433±862kcalだった。


 検討の結果、過去の研究と同様に、睡眠の質が悪い(ピッツバーグ睡眠指数が高い)人ほど、肥満や2型糖尿病リスクにつながる糖の摂取量が多く、また食事全体の量も多く、その割に不飽和脂肪酸の摂取量は少ないことが明らかになった。また、寝つくのに60分以上かかる人は15分以内に眠れる人に比べ、食事摂取量と摂取エネルギー量が多く、全粒穀物の摂取量は少なかった。さらに、不眠症症状の重症度が強いほど摂取エネルギー量が多く、不飽和脂肪酸の摂取量は少ないという関連が見られた。

 

ピッツバーグ睡眠指数って??

「睡眠の質」と言う言葉をよく聞くと思いますが、この‟質”をどのように計測すればよいか、その尺度と言うのは非常に個体差があり主観的です。

例えば、「今日は、睡眠中一度も起きなかった!」とか、「今日は全く夢を見なかった」とか、「ぐっすり眠れた気がする…」とか。

人によって睡眠の質の感じ方は様々です。

 

そこで、この睡眠の質を客観的に数値化したものが、ピッツバーグ睡眠指数です。合計数値が高いほど、睡眠の質が低いと言えます。皆さんも一度、tryしてみた下さい(^^)

 

www.sleepmed.jp

 

 睡眠にまつわるこんな記事もありますのでご参照下さい(^^)

 

media-naranja.hatenablog.com

 

とかく女性は、睡眠障害に陥りやすいそうです。その理由は、20代~40代は子供や家族の世話を行い、子供が育ち手が離れたころには閉経期のホルモン分泌の変化が起こるからだそうです。女性の人生は睡眠障害との戦いなんですよ!!

睡眠の質が悪いと不健康な食生活に傾きやすい原因のひとつに、

「睡眠の質が悪いと、空腹シグナルが刺激される一方で、満腹シグナルが抑制さるれ食物の過剰摂取につながる」と考えられます。

 

「睡眠の質が悪い女性は食べ過ぎていて、より不健康な食品を食べる傾向がある」と考察しています。同氏によると女性は、若いうちは子どもや家族の世話のため、その後の人生では閉経期のホルモン分泌の変動のために、睡眠障害になりやすいという。

さらに、過食により胃腸の不快感が引き起こされて、その後眠りにつくのに時間がかかったり、深い眠りが妨げられる可能性もります。

 

いずれにせよ、

不健康な食生活と過食は肥満につながります。従来の研究結果からも、肥満が心疾患のリスク因子であることは間違いないので、睡眠の質をいかに向上させるか。医療で介入できれば、肥満を防ぎ、引いては心疾患のリスクを減らすことも期待できます。

 

原著論文

Zuraikat FM, et al. J Am Heart Assoc. 2020 Feb 17

参照
 ケアネット

提供元

 HealthDay News

 

*1:「Journal of the American Heart Association」2月17日オンライン版

魚油サプリメント(フィッシュオイル)の摂取で死亡率や心血管死亡リスクが低下する!?

読者の皆さん、こんにちは(^^)
 
健康の為に何か習慣にしていますか?
運動? 
規則正しい食事?
脂肪や炭水化物を摂らない?
などなど、人によって拘りがあると思うのですが、
 
けっこう、手っ取り早い方法として、
サプリメントを摂っている」という方、多いと思います。
まぁ、サプリメントと言っても、マルチビタミン、カルシウム、DHA、グルコサミン、コラーゲン、、、と様々ありますが・・・
 
何と!!!
魚油サプリを摂っている方には朗報です。
 
魚油サプリの摂取によって、全死因死亡率と心血管疾患死リスクを低下させるということが判明したらしいのです。
 
 
 

今回取り上げる論文はコチラです。

この論文は中国・南方医科大学のZhi-Hao Li氏らが、大規模前向きコホート研究の結果から報告されました。*1
 
 

「魚油 サプリ」の画像検索結果 

魚油の代表はDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)

ちょっとその前に、、、魚油の油ついてお勉強をしましょう。

魚の油は脂肪酸の一種です。脂肪を構成している要素である脂肪酸は、分子の構造的な違いから飽和脂肪酸不飽和脂肪酸に分類されます。

飽和脂肪酸は肉や乳製品に含まれる脂であり、動脈硬化や心血管疾患の発症リスクを高めると言われています。一方、不飽和脂肪酸とは植物油や魚の油などに含まれていて、身体にとって有益な作用がある脂肪酸であると言われています。

 

 

media-naranja.hatenablog.com

 

 

media-naranja.hatenablog.com

 

魚の油には、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)が含まれており、オメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)に分類されます。これらは動脈硬化血栓を防ぎ、血圧を下げるほか、LDLコレステロールを減らすなど、さまざまな作用を持っています。

ただし、熱や光、空気で酸化しやすく、過酸化脂質になるので注意が必要です。

高温で調理すると大気中の酸素と反応し過酸化脂質となるので、食物として摂る場合、揚げ物や炒め物よりドレッシングなどに向いています。

 

DHAEPAは血液中の中性脂肪を減らすとも言われていますが、血液中にオメガ3脂肪酸が多い人は心血管疾患を発症しにくいという論文がいくつか出ています。しかし、不思議な話ですよね、、、DHAEPAを摂取しただけで血液中の脂肪が減って、その脂肪はどこに行くのだろう…。明確なメカニズムは明らかになっていませんが、オメガ3脂肪酸には血管をしなやかにして拡張させる働きがあると分かっています。

 

魚油サプリの摂取によって、全死因死亡率と心血管疾患死リスクを低下させる

従来の研究結果からは、魚の油に何らかの治療効果があるといっても全ての効果が解明されてはいませんでした。また、EPADHAを多く含む海産物を摂ることで心臓の健康に良いと示唆する根拠はありますが、魚油サプリメントが心疾患を予防するという確固たる根拠は得られませんでした。しかし、今回の研究結果によって、魚油サプリメントの摂取は全死因死亡および心血管疾患、死亡のリスク低下と関連し、一般集団において心血管イベントに対して最低限の有益性をもたらす可能性があることが示されたのです。
 
研究内容
  • 2006~10年にUK Biobankに登録された参加者のうち、心血管疾患、悪性腫瘍(がん)を有していない40~69歳の男女42万7,678例
  • 2018年末まで追跡調査を行い、全参加者は、魚油を含むサプリメントの常用に関する質問票に回答した。
  • 主要評価項目は全死因死亡、心血管疾患死亡、心血管疾患イベントとし、Cox比例ハザードモデルを用いて解析した。

研究結果
  1. ベースラインで42万7,678例中13万3,438例(31.2%)が魚油サプリメントを常用していた。
  2. 非常用者に対する常用者の多変量補正ハザード比(HR)は、全死因死亡が0.87(95%信頼区間[CI]:0.83~0.90)、心血管疾患死亡が0.84(95%CI:0.78~0.91)、心血管イベントが0.93(95%CI:0.90~0.96)であった。
  3. 心血管イベントに関しては、高血圧症を有する参加者においてこの関連性はより強い傾向があった(交互作用p=0.005)。

 

魚油サプリメントの摂取によって、全死因脂肪・心血管死亡が低下する

 

実は、私はサプリメントは推奨していない立場だったんですよね…。サプリメントを摂るくらいなら、食事からしっかり栄養を摂ろう。というスタンスだったのです。
実際、2012年に2つの研究者グループが、心疾患リスクに与えるEPAおよびDHAサプリメントの効果について調査・解析をしました。一つのグループは、心疾患の既往のある人についての調査だけを解析し、もう一つのグループは心疾患の既往のある人とない人両方についての調査を解析しました。その結果、サプリメントが心疾患を予防するという確固とした根拠は得られませんでした。

しかし、今回の研究では魚油サプリメントの摂取によって、全死亡、心血管死亡が低下するという結果が証明されたのです。

ただ、注意しなければいけない問題点も、この研究結果にはあります。

この研究では、魚油サプリメントの容量、服用回数、形状、服用期間などが明らかになっていません。この点はもう少し考察を踏まえる必要がありそうです。

 

読者の皆さんで、動脈硬化狭心症心筋梗塞の既往、脳卒中などの心血管疾患を罹患している方は、魚油サプリメントを服用する前に、病院の主治医の先生に摂取していいかどうか一度お伺いしてくださいね!

 

 
参照
ケアネット
原著論文はこちら→Li ZH, et al. BMJ. 2020;368:m456.

*1:BMJ誌2020年3月4日号掲載の報告

心筋梗塞の再発リスクの原因はお腹周りの脂肪!?第二弾 ~重要なのは内臓脂肪型か皮下脂肪型かを判別すること~

病院の先生や看護師さんが口を揃えていう事、、、

「腹部肥満を減らすには運動と食生活改善が一番!」

 

まぁ、分かりますよ。言われなくても知っています。

でも、続かないんです、、、そう簡単に重い腰はあがりません。

 

わざわざジムに行って大金を払っても、続きませんよね。

かといって、自宅で筋トレしようと思っても筋トレの仕方が分からない。

有酸素運動って、どっからが有酸素なんだ!!!

皆さんの小言が聞こえてきます。

 

でも、そんな方たちにこそ聞いてほしい!

 

腹部脂肪が内臓脂肪なのか?皮下脂肪なのかを特定するのが重要

肥満は皮下脂肪型と内臓脂肪型に分けられます。

内臓脂肪型肥満は、腹腔内の腸間膜などに脂肪が過剰に蓄積しているタイプの肥満で、下半身よりもウェストまわりが大きくなるその体型から「リンゴ型肥満」とも呼ばれます。男性に多く見られるのも特徴です。またBMIが25未満で、肥満ではないものの内臓脂肪が蓄積している場合もあり、俗に「隠れ肥満症」と呼ばれることがあります。

 

www.lionshop.jp

 

 

 

 

皆さん、ちょっと考えてみてください。 

例えば、身長160cm、体重77kgだと、BMI30.08で、肥満と分類されますが、

もし、体重77kgのうちの筋肉量が40kgだったら、肥満だと思いますか?

逆に、体重77kgのうちの脂肪量が50kgだったら、肥満だと思いますか?

 

ポイントはそこなんです!!

 

体重だけで肥満とは推察できないし、内臓脂肪が多いともいえないのです。

一方で、痩せている人(痩せていると思っている人)、BMIが標準以下の人であっても、体脂肪率や内臓脂肪が多いと健康的とは言えない。

という事になるのです。

 

重要視すべきは、BMIでも皮下脂肪でもない。内臓脂肪である!

腹部肥満は、喫煙、糖尿病、高血圧、コレステロールBMIといった他のリスク因子とかかわりなく、心筋梗塞脳卒中と独立して関連することが明らかになった。

 

内臓脂肪も皮下脂肪も腹部肥満に属します。お腹の脂肪が内蔵脂肪か、または皮下脂肪かを調べるには、お腹の輪切りにして撮影する検査法を用いるのが一番です。

 

皆さんも、耳にしたことがあるかもしれませんが、いわゆるCT検査がこれにあたります。多くの医療機関では、CT装置が設置されており動脈硬化を疑うような症状や疾患があれば保険範囲内でCT検査ができます。

また、動脈硬化を疑うような基礎疾患がない場合は、専門病院で心臓ドックを受けることも可能です。

CTとは、Computed Tomographyの略で、X線を使って身体の断層像を撮影する検査装置のことをいいます。体の周囲を360度方向から連続的に エックス線を当てるようにし身体を "輪切り"にした断面像を構成します。脳、大動脈、心臓、気管支、肺、肝臓、腎臓など、様々な臓器の描出に優れています

 

www.mrso.jp

 

脂肪ってなんだろう??


 ‟脂肪”って、ただ身体の容積を大きくして肥満に繋がる物質。という観点以上に、最近では硬化を引き起こすそもそもの根源であるとも言われているんです。

 

脂肪と腹部脂肪について、「みなみ野循環医病院 診療放射線技師の望月純二先生」はこのように説明されています。

動脈硬化は、血管壁における慢性炎症が病態の背景にあるとされ、近年その慢性炎症に関与しているのが脂肪であることが注目されている。脂肪は余剰エネルギーを中性脂肪として貯蔵する代謝臓器であるだけでなく
、ホルモン(アディポサイトカイン)を生産し分泌する内分泌臓器としての機能も有する。そのため、脂肪の過剰な蓄積により、アディポサイトカインの生産異常が生じ耐糖能異常、脂質異常、高血圧に関与し動脈硬化を引き起こすことが考えられる。つまり、脂肪量を計測することが動脈硬化の評価に重要であると考えられる。


腹部脂肪について

 虚血性心疾患の増加には肥満の関与が指摘されている。腹部脂肪において特に重要となるのが内臓脂肪である。内臓脂肪が過剰に蓄積されると脂肪組織に炎症を引き起こし、その影響は脂肪組織内に留まらず、遠隔臓
器にも及ぶことが示唆されている。これにより全身の動脈硬化が進行すると考えられている。腹部肥満は男性の場合ウエストサイズ85cm以上、女性で90cm以上とされているが、これはあくまで内臓脂肪の過剰な蓄積を疑う指標に過ぎない。特に女性においては皮下脂肪が多く、ウエスト径だけで内臓脂肪量を推測することは困難である。よって、正確な状態を知るためにはCTによる評価が必要になる。
 日本肥満学会では内臓脂肪型肥満を、BMI25以上を必要条件とし、臍断面で内臓脂肪が100㎠以上の場合と定義されており、みなみ野循環器病院では内臓脂肪100㎠以上を虚血性心疾患の高リスク群と評価している。撮影は臍の部分1cm程度しか行わないため、被ばくも最小限で検査することが可能である。

 

 簡単にまとめると、

  1.  BMI≧25で肥満に分類される。
  2. 腹部肥満は男性の場合ウエストサイズ85cm以上、女性で90cm以上で腹部肥満と定義される。

ここまでの計測なら、自宅で測定可能ですよね?

重要なのは、ここから。。。

腹部肥満の原因が内臓脂肪型であるかどうかを判定する検査が必要となります。この内臓脂肪の描出・計測に優れているのがCT装置であり、簡便で精度の高い検査を行う事が可能なのです。

BMI25以上で、且つCT検査によって内臓脂肪が100㎠以上の場合、心血管疾患のリスクが高いと判定されます。

内臓脂肪が100㎠以上あると、動脈硬化心筋梗塞狭心症脳卒中などを発症する危険性が高いということですね。

 

病気にならないために食事を気を付けるとか、運動習慣を身につけるとか、色々手段はあると思いますが、私たちが健康維持のためにまずやるべきことは、お腹の脂肪が皮下脂肪型か内臓脂肪型かを特定することです。

CTスキャンは短時間で簡単に検査することが出来ます(閉所恐怖症の人は大変かも…)。基礎疾患や症状によって保険が適応されるか決まりますが、一度心臓ドックを受けてみるのが、ご自身の健康状態を客観的にチェックする良い方法だと思います。

 

ただ、CT撮影は”被爆”というリスクもあるので、専門病院の先生と相談して検査を受けられることをお勧めいたします。

 

 

 

 

心筋梗塞の再発リスクの原因はお腹周りの脂肪!?

みなさん、こんにちは(^^)

お腹の脂肪、気になりませんか?

つまんでみてください。

 

やだ、、、私つまめる。。。そろそろ、筋トレしなきゃいけないかな・・・。

コロナの自粛規制が続いたし、、、しょうがないよね。

 

あーーー、でも運動って面倒くさい。この年になると食事制限だけで何とかしよう!と思っても、無理ですね。

やっぱり、運動か・・・。

鏡に映る自分の身体を見るのが、お化けより恐ろしいと感じる、今日この頃です。

 

今回は、お腹の脂肪と心筋梗塞の発症(再発)の関係についてお話していこうと思います。

今回取り上げる論文は「European Journal of Preventive Cardiology」という雑誌から。

この論文には、『一度心筋梗塞を発症した患者は、腹部の脂肪が多いと、再度心筋梗塞を起こしやすい』という研究結果が報告されているんです。

 

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お腹周りの脂肪が多いと、心筋梗塞を起こしやすい!?


 これまでの研究結果では、腹部肥満により初回の心筋梗塞リスクが上昇することはこれまでの研究で明らかにされていました。しかし、今回の研究では、腹部肥満が人生で2度目の心筋梗塞発症リスクも高まることが示されたのです。

研究論文の著者であるカロリンスカ大学病院(スウェーデン)のHanieh Mohammadi氏は、お薬をちゃんと飲んでいても、あるいは血液検査の結果が正常範囲内であったとしても、大切なのは、

心筋梗塞脳卒中の予防のためには、標準的な腹囲を維持することが重要

だと述べているんです。

 

標準ってことは、、、

細すぎてもいけないってことか・・・!?

 

研究背景・研究内容
  • 研究対象としたのは、初回の心筋梗塞を起こしたスウェーデンの患者2万2,882人(男性1万6,950人、女性5,932人)
  • 追跡調査内容は、腹部肥満と心血管イベント再発との関連(追跡期間の中央値は3.8年)。
  • 心血管イベントとは、致死的・非致死的な心筋梗塞脳卒中など動脈血栓により引き起こされたものとし、また、腹部肥満は、腹囲が男性では94cm以上、女性では80cm以上と定義した
  • 対象者の大半(男性の78%、女性の88%)は、腹部肥満であった。

 

研究結果
  1. 腹部肥満は、喫煙、糖尿病、高血圧、コレステロールBMIといった他のリスク因子と関わりなく、致死的・非致死的な心筋梗塞脳卒中と独立して関連することが明らかであった。
  2. 心筋梗塞の再発リスクは、女性よりも男性で高かった。

 

心筋梗塞の再発リスクは、腹部肥満の男性ほど高い!

この研究結果では、女性の参加人数が少なかったので確実な事は言えないのですが、

女性の方が心筋梗塞の再発が低い理由として、

女性の腹部肥満は皮下脂肪である可能性が高く、男性の場合の腹部肥満は内臓脂肪であるという可能性が高い

という事が考えられます。

また、この研究で興味深いことは、心筋梗塞の再発リスクは、腹部肥満自体が独立した因子”という点です。つまり、腹部肥満であるかそうでないかで心筋梗塞の再発リスクの可能性が想定できるという事なのです。

もちろん、腹部肥満が危険であるのは、高血圧、高血糖、糖尿病、コレステロール値の上昇などが動脈血栓を促進させる症状に関連するためだと考えられますが、腹部肥満自体が心筋梗塞の再発と関連しているという事は、非常に面白い研究結果です。

 

この研究を指示したMohammadi氏は、「腹部肥満にはまだ知られていない有害なメカニズムが存在する可能性があるということだ」と指摘しています。


心筋梗塞の発症リスクである、腹部肥満を撃退して標準的な腹囲を維持するには!?

腹部肥満への対処法は

  1. 健康的でバランスのとれた食事
  2. 定期的な運動
  3. 病院など臨床現場での腹囲の測定
  4. 皮下脂肪か内臓脂肪かの特定

です。

 

が、皆さんの心の声が私には聞こえます・・・

 

運動が大切なのは十も承知だ!!そんなの、分かってる、今更言われたくない! 

「運動しろ!運動しろ!」って言われてるけど、

でも、続かないんだから仕方ない。

そりゃ、そうですよね、、、私も続きません。

 

っということで、次回は、

① 意思に頼らないで運動する方法と、腹囲肥満解消するトレーニング内容

② 腹囲肥満が内臓脂肪なのか、皮下脂肪なのか?という脂肪の質を特定する方法

 

をご紹介しますね!

また、マイケルゆみこのブログでお会いしましょう!(^^)!

 

 

 

 

LDLコレステロールが高いのは体質なのか!? ~コレステロールの数値を何が何でも低くしたいマイケルの欲望~

はい、どうも~!

こんにちは~。

 

今回も前回に引き続き、❝コレステロール雑学 第三段❞ をお届けしたいと思います。

 

コレステロールの数値だけ気にするな!」

「食事から摂取するコレステロールの基準値が撤廃された!」

と聞いたところで、、、

 

やはり、コレステロールは悩みの種ですよね。。。

 

先日の検診で、

LDL値(悪玉コレステロール):179

そして、院長直筆の診断書に、『高LDL血症』と書かれたからです・・・。

 

style.nikkei.com

 

 

私は日々の食生活にはそれなりに気を使っています。そりゃ、そうですよ~!
皆さんご覧の、科学的に根拠のある健康ブログを書いてる訳ですから!!

食事は、DASH食を取り入れていて、山盛りの葉物野菜、ブルーベリー、手作りヨーグルトに手作り納豆を習慣的に食べていて、ソーセージやウインナー、カップラーメンやファストフード(ハンバーガー等)などの加工食品の摂取はなるべく控えています。

運動は、、、ジムに行ったりヨガに行ったりしていませんが、電車に乗るときは座らず立っているし、エレベーターを使わずに階段やウォーキングを心掛けています。

 

なのにですよ!!!

高LDL血症・・・。

 

居てもたってもいられず、院長に聞いたんですよ

 

マイケル:「LDLが上がるような食生活をしていないのに、どうして高LDLになるんですか?」

幡院長 :「LDLはね、食事に左右されないよ。体質なの。」

マイケル:「だったら、LDLが下がるような薬処方して下さいよ~」

幡院長 :「よくいるんだよ~、マイケルみたいな年代の女性で、中性脂肪、血糖値、HBA1cは正常なのに、LDLだけ高い人。特にアラフォーで美しい女性は、
LDLが高くなりやすいの(笑)」

マイケル:「でも、LDLが高いと動脈硬化心筋梗塞になる危険性も高くなるし…。怖いですよ。この先、動脈硬化になるんじゃないかってビクビクしながら生活するの…」

幡院長 :「LDLが高くて、実際に動脈硬化がある人にはスタチンとかの薬を処方するけど、LDLが高いだけで薬を処方したりしないよ。LDLが高いという自覚があるなら、動脈硬化があるかないかをチェックするのがまずは大切!

マイケル:「じゃあ、実際にどうやってチェックしたらいいんですか?」

 

 

動脈硬化が出来上がる仕組み

高血圧や糖尿病や感染などが刺激になって内皮細胞(動脈の血管)が傷害されると、血中の単球(白血球)が内皮細胞にくっつくようになります。さらにこの単球は内皮細胞の間から潜り込み、「マクロファージ」と呼ばれる状態に変身します。

血液中のコレステロールが多いと、この「マクロファージ」が“呼び寄せ役”になって、脂肪物質がどんどん取り込まれてたまり、内膜が厚くなってきます。時間の経過とともにこの“呼び寄せ役”自体も壊れて、「おかゆ状の粥腫、プラーク」になります。

ちょっと難しい話になりましたが、

“高血圧や糖尿病などが刺激になって内皮細胞が傷つけられると、その部分の血管壁の中に脂肪物質がたまって厚くなり、プラークが付着する”と覚えてい頂くと分かりやすいかもれません。

 

 

LDLコレステロールの数値に一喜一憂する必要はない

「LDLコレステロールの異常値」は動脈硬化の危険因子であることに間違いありませんが、それだけでお薬を内服する必要がない理由が分かった気がします。
LDLコレステロールが高値であれば、もちろん生活習慣の見直しは必要です。
しかし、生活習慣に問題なく、しかも冠動脈や頸動脈に動脈硬化がなないのであれば無理にお薬でLDLコレステロールを低下させる必要はないのです。

 海外では、動脈硬化がある患者さんの場合、LDLコレステロールが仮に正常であっても薬剤(スタチン)を処方します。

 一方で、動脈硬化がない場合には異常値でも治療は不要でスタチン。しかも、再評価は5年後でよいとされています。毎年毎年の健診結果でLDLコステロールの値に一喜一憂する必要はなさそうですよね。

  

動脈硬化を診断する方法

 動脈硬化、いわゆるプラーク(粥腫)が動脈壁へ付着する経過は、

頸動脈(首の動脈)→冠動脈(心臓を栄養する血管)→下肢動脈(足など)という順番で動脈硬化が進展することが多いようです。

つまり、冠動脈にプラークが付着しているかいないかで、どの程度動脈硬化が進んでいるかも判断できます。

また、頸動脈にプラークの付着が認められた場合は、冠動脈にもプラークが付着している可能性があります。心臓CT検査を行う事で冠動脈がプラークで細くなっているか、そしてそのプラークの性状も確認することが出来ます。狭心症心筋梗塞などが気になる場合、心臓CTで冠動脈がプラークで詰まっているかどうか、そしてそのプラークの性状もチェックすることが出来ます。

 

動脈硬化をチェックする診断方法

  1. 頸動脈のチェックには、超音波診断装置(エコー検査)が適しています。

  2. 冠動脈のチェックには、心臓CTで検査することでプラークの性状、石灰化の有無、内臓脂肪など多彩な測定も可能です。

    mjhospital.tokyo

 

LDLが高いというだけで、動脈硬化は進まない!

 先にも書いたように、LDLの値が高いだけでは必ずしも動脈硬化が進行するとは言えません。血管が傷いた状態(炎症、糖尿病、高血圧など)が放置されると、LDLがその傷に集合してプラークが作成されます。

 つまり、私のようにLDLコレステロールの数値の高い人は、糖尿病や高血圧を併発しないように気を付けること、そして定期的に動脈硬化のスクリーニングをすることが重要重要!という事ですね。

 

 

LDLが高くて、動脈硬化が認められた場合は!?

 このような患者さんに対しては、内服治療が選択されます。食生活や運動習慣の改善によってLDLコレステロールの数値がコントロール出来ず、スクリーニング検査によって動脈硬化が指摘された場合、コレステロールを下げるお薬(スタチンなど)を内服する必要があります。

 

 脂質異常症(高LDL血症)に加え、糖尿病や高血圧、肥満を合併している人、喫煙者、脂質異常症単独でも動脈硬化が認められた人、お薬(スタチンなど)によって強制的にコレステロールを下げる必要があります。

 このような人については、スタチンの内服により心血管イベントが予防されることが過去の臨床試験で証明されています。
 一方、LDLコレステロールが高値でも動脈硬化のない人については、スタチンを内服するメリットがあまりないのです。

 

ということで、マイケルゆみこは単細胞(笑)。

 LDLコレステロールが高値であった場合、私のように短絡的に「お薬出してくれ!」というのは、ゾウリムシ並みの頭の回転でした(笑)。

 

 

幡院長:

「実際の血液検査のLDL(悪玉コレステロール)の数値が高いからって、コレステロールの多い食事を食べてるって、断言できないんだよ。その証拠に、厚生労働省は日本人の食事摂取基準からコレステロールの上限値を撤廃したんだよ。LDLが高いからって、その患者さんの食生活が乱れているとは言えないんだよ。」

 

マイケル:

「確かに!!だって、幡先生、毎日クッキーとかチョコレートとか、お菓子ばかり食べているのに、コレステロールの値は正常ですもんね!」

 

幡院長:

「ま、まぁ、そうとも解釈できるね・・・。」