現役メディカルスタッフが語る!!健康な身体と心を手に入れる極意

循環器専門病院に勤務するメディカルスタッフ(健康オタク)が、最強の身体と心を手に入れるための方法を伝授します!巷のうわさ話ではない、科学的根拠(Evidence)に基づいた健康法を医療専門家の視点から徹底的に語ります。

本当は怖い、市販の風邪薬

今シーズンのインフルエンザは、日本だけでなく欧米でも猛威をふるっており、風邪も蔓延しているそうです。

読者の皆さんも、体調の変化にはくれぐれも、お気をつけ下さいね。

 

皆さんは、風邪を引いたら、病院に行く前にドラッグストアーで市販の風邪薬を購入するこはありませんか?

 

もしかしたらこの行動、狭心症心筋梗塞を発症する原因になっているかも、、、

しれません・・・。

 

 

鼻炎薬に含まれる、プソイドエフェドリン、フェニレフリンや、ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:エヌセイドと読む)は、多くの風邪薬に含まれていますが、高血圧ガイドイドラインでは、いずれも血圧を上昇させる可能性のある薬剤としてリストに掲載しています。

 

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鼻炎薬の特徴

鼻炎薬に含まれるプソイドエフェドリンやフェニレフリンといった成分には血管収縮作用があり、鼻粘膜の腫れを抑えて鼻づまりの症状を緩和します。

しかし高血圧や心疾患を有する人では、これらの作用で血管が収縮すると病状が悪化する可能性があるとも言われています。

 

ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

NSAIDsについては、健康な人でもリスクがある可能性が報告されています。

代表的な薬物

 

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NSAIDsを7日間服用すると、心筋梗塞を発症リスクが上昇

研究結果によると、7日間の服用で、心筋梗塞の発症リスクが発現し、高容量を30日間服用することで、心筋梗塞のリスクが最も高くなることが分かりました。

 

英国・オックスフォード大学のColin Baigent氏らのよる、Coxib and traditional NSAID Trialists’(CNT)共同研究グループによるメタ解析結果

すべての用量のNSAIDで、1週、1ヵ月、1ヵ月以上の投与のいずれにおいても、心筋梗塞のリスクが上昇しました。また、1~7日の投与による心筋梗塞リスクの増加の確率(心筋梗塞の補正オッズ比[OR]が>1.0となる可能性)は、セレコキシブが92%、イブプロフェンが97%、ジクロフェナク、ナプロキセン、rofecoxibは99%であり、補正ORはそれぞれ1.24(95%信用区間:0.91~1.82)、1.48(1.00~2.26)、1.50(1.06~2.04)、1.53(1.07~2.33)、1.58(1.07~2.17)であった。心筋梗塞のリスクは、NSAIDの用量が増加するに従って上昇しました。リスクは投与開始1週目には発現した。また、8~30日間の高用量毎日投与(セレコキシブ>200mg、イブプロフェン>1,200mg、ジクロフェナク>100g、ナプロキセン>750mg)のリスクが最も高く、30日以降のさらなるリスク上昇は明確ではなかった。

 

 

 高血圧ガイドラインによるアドバイス

  1. 鼻炎薬はできる限り短期間の使用とする
  2. 鼻洗浄用生理食塩水や抗ヒスタミン薬などの代替薬の使用
  3. 医師や薬剤師と相談なく、鼻炎薬を7日間服用しないこと
  4. 既に、重度の高血圧、心不全、心血管リスクのある患者さんは、出来る限りNSAIDsの使用は避けるようにした方がよい。
  5. NSAIDsの代用薬として、NSAIDsの外用薬やアセトアミノフェンの使用を推奨

 

本当は怖い、風邪薬


単に風邪やインフルエンザに罹るだけでも、心血管系に負担は掛かり、細菌やウイルスに身体が抵抗することで心拍が上がり、身体に炎症が生じます。

さらに、心不全や高血圧をお持ちの患者さんでは、NSAIDを使用すると尿中へのナトリウム排出量が減り、体液貯留が増加して血圧が上昇するなどの問題が生じる可能性があります。

実は、NSAIDの添付文書には、心筋梗塞脳卒中リスクの上昇に関する警告表示がなされているんですよ!

また、NSAIDsや風邪薬による合併症や副作用として、

などの報告もあります。

アナフィラキシーショックは、発疹や掻痒感(痒み)といった初期症状から始まり、重篤な例では、気道閉塞による呼吸困難、血圧低下による心原性ショックを引き起こしますので、身体のチョットした変化にも注意が必要です。

 

medicalnote.jp

 

市販薬の薬を数日間しようしても体調が回復しない場合は、病院を受診しましょう!

 

市販薬の風邪薬を服用すしてはダメ!と言っている訳ではありません。

現代社会では、どうしても病院を受診する事が難しい場合もあります。

しかも、ちょっとした風邪で病院を受診してしまうと、

レントゲン、心電図、採血、、、などなど、

余計に費用が掛かってしまう事もあります。

ちょっと喉が痛い、咳が出る、鼻水が出る、熱が出た・・・。

といった感冒症状が出た場合は、薬局の薬剤師さんと相談して市販薬のお薬で様子を見るのは問題ないと思います。

 

しかし、

  • 市販薬を数日間服用しても、全く症状が改善しない。
  • 元々腎障害の患者さん(慢性腎臓病、維持透析中)の患者さん
  • 心不全の既往のある患者さん

は、病院に行って、主治医の先生に相談した方が良いかもしません。

 

まだまだ、寒い日は続きます。

皆さん、寒さ対策は万全にして体調管理にはお気をつけ下さいね。

それと、、、スギ花粉の本格的な飛散が確認されたらしいです。

辛い、花粉症シーズンの始まりです。。。

今年は、スギ、ヒノキともに飛散量が例年よりも多いと報告されています。

風邪と思っていたら、実は花粉症だったーーーーー!!

なんて事も考えられますので、身体の変化にはご注意下さいね(^^)

 

それでは、また次回お会いしましょう~♩

 

 

原著論文はこちら

 

[2019年1月18日/American Heart Association] Copyright is owned or held by the American Heart Association, Inc., and all rights are reserved. Not all views expressed in this story reflect the official position of the American Heart Association. If you have questions or comments about this story, please email editor@heart.org.