現役メディカルスタッフが語る!!健康な身体と心を手に入れる極意

循環器専門病院に勤務するメディカルスタッフ(健康オタク)が、最強の身体と心を手に入れるための方法を伝授します!巷のうわさ話ではない、科学的根拠(Evidence)に基づいた健康法を医療専門家の視点から徹底的に語ります。

座っている時間が長いと早死にする!?

だんだんと、過ごしやすくなってきましたね。

暑さも和らぎ、秋めいてきました…。

そうそう、季節は秋!!! さぁ~秋と言えば、、、

「食欲の秋」、「読書の秋」、、、

いえいえ、

「スポーツの秋」ですよーーー皆さん。 

 

子供の頃と比べると、明らかに少なくなったのは、

運動している時間、立っている時間。

小学生のころ、お昼休みになると男の子に交じってドッジボールしてました!

私、腕力があって男の子に負けないほどの怪力だったんです(笑)

 

そんな私の事はさておき、、、

皆さん、暇が合ったら座っているより運動した方が、

電車では座るより立っている方が、

長生きするらしいですよ~。

 

座っている時間が長いほど、死亡リスクが高まる…こんな怖い論文を見つけたのでご報告しますね。

 

中高年の死亡リスクは身体活動が低い人ほど低い

 

中高年の死亡のリスクは、強度を問わず身体活動度が高いほど低く、また、座位時間が短いほど低いことが、ノルウェー・Norwegian School of Sport SciencesのUlf Ekelund氏らによるシステマティック・レビューとメタ解析で明らかにされました。いずれも、中高年成人では、非線形の用量反応の関連パターンが認められたという。*1

 

身体活動度は、多くの慢性疾患や若年死亡と関連しており、座位時間が長いほどそのリスクが増す可能性を示すエビデンスが増えつつある。しかし、現行の身体活動ガイドラインは、妥当性に乏しい自己報告の試験に基づいているため、報告されている関連性の大きさは、過小評価されている可能性があり、また、用量反応の形状、特に軽強度身体活動は明らかになっていなかった。

 

研究方法はシステマティック・レビューのメタ解析
  • 研究グループは、医学・ライフサイエンスなどの文献(PubMed、PsycINFO、Embase、Web of Science、Sport Discus)をまとめ、2018年7月までに発表された試験について、システマティック・レビューとメタ解析を行った。

  • データベースを基に、対象は、身体活動度や座位時間について加速度測定法で評価し、全死因死亡率との関連を評価した前向きコホート試験で、ハザード比やオッズ比、相対リスクを95%信頼区間(CI)とともに求めたものとした。

  • 解析の手法は、システマティック・レビューとメタ解析に関するガイドラインや、PRISMAガイドラインにのっとった。執筆者2人がそれぞれタイトルと要約をスクリーニングし、1人が全文のレビューを、もう1人がデータを抽出した。バイアスリスクは2人がそれぞれ評価した。

  • 参加者個人レベルのデータを、複数の補正後モデルを用いた試験で集約・解析した。身体活動のデータは4つに分類し、全死因死亡率(主要評価項目)との関連についてCox比例ハザード回帰分析を用いて解析。ランダム効果メタ解析により試験に特異的な結果を要約した。

 

 

 

軽強の運動でも、死亡率は約0.4倍まで低下

検索により全文レビューとなった39試験のうち、包含基準を満たしたのは10試験だった。うち3試験はデータの集約が困難。さらに1件は非参加のため除外された。代わりに、死亡率未公表のデータを含む2試験を包含し、計8試験の個人データを解析した。

  • 被験者総数は3万6,383例、平均年齢62.6歳、女性は72.8%だった。追跡期間の中央値は5.8年(範囲:3.0~14.5)で、死亡は2,149例(5.9%)だった。
  • 身体活動はその強度にかかわらず死亡率の低下に関連しており、非線形用量反応が認められた。死亡に関するリスクは、身体活動が多くなるほど低くなった。
  • 同様に軽強度身体活動では、第1四分位群に比べ、第2四分位群0.60(95%CI:0.54~0.68)、第3四分位群0.44(0.38~0.51)、第4四分位群0.38(0.28~0.51)だった。中強度~高強度身体活動では、それぞれ0.64(0.55~0.74)、0.55(0.40~0.74)、0.52(0.43~0.61)だった。
  • 座位時間と死亡に関するリスクについてみると、座位時間が長くなるほど死亡リスクが上昇した。

 

 

これは、いわゆる “積極的な運動” じゃなくても、座っているより、立っている時間が長い方が死亡率が低下するという結果を表しています。

運動強度の高い運動(マラソンや水泳などの辛い運動)でなくても、例えば

  • 自宅で座っているより、立っている時間を増やす
  • ご近所への買い物なら車でなく歩いたり自転車で行く
  • エレベーターやエスカレータを使うより階段を使おう
  • 電車では座るより、立っていよう

という、ごくごく日常にありふれた生活習慣を見直しましょう!という事なのですよね。運動が苦手な人や運動嫌いなひとにとっては、ありがたい研究結果でしたね!

 

  

原著論文はこちら↓↓↓
参照
医療ジャーナリスト 當麻 あづさ氏

*1:BMJ誌2019年8月21日号掲載

加糖飲料の摂取でがんのリスクが増大する!

皆さん、こんにちは!暑い日が続ますが、いかがお過ごしですか?

暑い季節、冷た~いジュースをごくごくしたいもんですよね? コーラ、スポーツ飲料、フルーツジュース。火照った身体に染みますよね~!!

でもちょっとまった!!!

もしかしたらその行為、がんの発症リスクを上げているかもしれません(汗) 


今回は、ジュースと健康被害について、がんに焦点をあてて科学的根拠に基づいたお話していこうと思います。実は、砂糖入り飲料だけでなく、100%ジュースの健康被害も報告されているんですよ! 

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砂糖入り飲料の摂取は、“がん”および“乳がん”のリスクを増加させる

砂糖入り飲料の消費は、全がんおよび乳がんのリスクを増加させ、100%果物ジュースも全がんのリスクと関連することが、フランス・パリ第13大学のEloi Chazelas氏らのによって報告されました。*1 砂糖入り飲料の消費は最近10年で世界的に増加していおり、砂糖入り飲料と肥満リスクには明確な関連が認めらるそうです。さらにこの肥満は多くのがんの強力なリスク因子となるのです。
どのような研究によって、砂糖入り飲料とがん発症との関連が明らかになったのか、具体的にお話していきますね。


フランス人を対象とした大規模コホート研究
  • 研究に用いた飲料水は、100%果物ジュースを含む砂糖入り飲料および人工甘味料入り飲料。それらからサンプルをとってがんのリスクとの関連の評価を目的とする住民ベースの前向きコホート研究を行った。
  • 解析には、フランスで2009年にWebベースで登録が開始されたNutriNet-Santeコホートの2018年までのデータ(10万1,257例)を用いた。
  • 砂糖入り飲料および人工甘味料入り飲料の消費の評価には、3,300項目の食品および飲料に関して、参加者の日常的な消費状況が記録されるようデザインされた反復的24時間食事記録法を用いた。飲料のタイプごとに、男女別の消費量をそれぞれ4段階に分けて解析した。
  • 最終的には、飲料の消費と全がん、乳がん前立腺がん、大腸がんの関連性を評価して、競合リスクを考慮し、多変量で補正したFineとGrayのハザードモデルを用いて評価を行い、部分分布のハザード比(HR)を算出しました。

約5年間観察した結果
  • 10万1,257例、平均年齢42.2歳(年齢は14歳前後のばらつきあり)のうち、女性が7万9,724例(78.7%)を占め、男性は2万1,533例(21.3%)であった。
  • 飲料種類の割合は、砂糖入り飲料(100%果物ジュースを除く)が36%、100%果物ジュースが45%で、人工甘味料入り飲料は19%だった。
  • 追跡期間中央値5.1年(49万3,884人年)の間に、2,193例が初発のがんを発症。
  • がんの内訳は、乳がんが693例(閉経前283例、閉経後410例)、前立腺がんが291例、大腸がんは166例で、診断時の平均年齢は58.5±12.0歳だった。
  • 砂糖入り飲料の消費は、全がん(消費量100mL/日増加の部分分布HR:1.18、95%信頼区間[CI]:1.10~1.27、p<0.001)および乳がん(1.22、1.07~1.39、p=0.004)のリスクと有意な関連が認められた。乳がんは、閉経前(p=0.02)が閉経後(p=0.07)よりも関連性が明確であったが、砂糖入り飲料の消費量中央値は、閉経期(88.2mL/日)のほうが閉経前(43.2mL/日)に比べ多かった。
  • 砂糖入り飲料の消費は、前立腺がんおよび大腸がんとは関連がなかった。また、肺がんにも関連は認めなかったが(p=0.1)、統計学的検出力がきわめて低かった。

 

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砂糖入り飲料、100%果物飲料の摂取でがんの発症が高くなる

今回の研究結果から砂糖入り飲料や100%果物飲料の摂取が、がんの発症リスクを増加させるということが分かりました。一方で、人工甘味料入り飲料の摂取はがんとは関連性はなかったようです(全サンプルに占める消費の割合が相対的に低かったことから、統計学的検出力が不十分であった可能性もありうる)。

サブ解析では、100%果物ジュースの摂取は全がんの発症リスクと有意な関連性があることも明らかになりました。

砂糖入り飲料が、健康によろしくない・・・というのは何となく予想がつきましたが、まさか、健康のために飲んでいる100%果物ジュースにも、がんを発症させるリスクがあるというのは驚きの結果です!

 

実は100%果物飲料(濃縮還元100%フルーツジュース)、米国では『不健康な食品のひとつ』とされているそうです。

米国小児科学会では、乳幼児に対するフルーツジュース摂取の提言も発表しているのですよ。同学会員の医学博士の中には、「子供に100%フルーツジュースを飲ませるべきでない!」といっている専門家もいます。

 

forbesjapan.com

 

数年前でしたでしょうか・・・。“グレープフルーツジュースを飲むと痩せる”とか、“血圧を下げる” という内容が巷の話題をかっさらって、グレープフルーツジュースがスーパーからなくなった!なんて話もありましたよね。それが科学的に根拠があるかどうか、否めませんが…。

少なくとも、高血圧の薬(血圧を下げる薬)を飲んでいる患者さんは、かんきつ系のジュース(グレープフルーツジュース、オレンジジュース等)を飲むのは避けて下さいね!薬とジュースとの相互作用で、必要以上に血圧が下がってしまう原因になることもありますから。

 

水分補給するなら、ジュース(砂糖入り飲料、100%果物飲料)より、ミネラルウォーターやウーロン茶、緑茶の方が、少なくともがん発生リスクとは、関連してなさそうですね!ただ、ウーロン茶や緑茶にはカフェインが入っているので、睡眠前の摂取は避けた方が、イイ睡眠をとることが出来ると思いますよ!

 

 

原著論文

Chazelas E, et al. BMJ. 2019;366:l2408.

https://www.carenet.com/news/journal/carenet/48378

*1:BMJ誌2019年7月10日号

糖尿病患者さんに警笛!~摂取する脂肪の質が死亡リスクを左右する!?~

皆さん、こんにちは(^^)梅雨が明けたと思ったら、、、毎日毎日、ホント、暑い日が続きますよね~ おてんと様も罪つくりなお方・・・。
 
この暑さに対抗すべく、夏バテ予防にお肉でも食べるぞーーーーーー?
糖質制限にもなるし一石二鳥!焼肉でも食べに行くかーーー!
なんて思ってるあなた、ちょっと待ったーーーーーー!!
こんな論文を発見しましたよ!
 

糖尿病患者における脂肪の質が死亡のリスクと関連

ちょっと衝撃的な事実。何故かと言うと、古今東西、2型糖尿病(略:糖尿病)発症の原因は炭水化物(糖質)の摂取が主な原因で、巷では「糖質制限食ブーム」だからです。
糖質制限食」といったら、白米やパン、麺類、お菓子(砂糖や小麦粉を使ったお菓子)などの摂取は控え、一方で脂肪の摂取に関しては制限を設けないという方法でした。だから、焼肉やステーキ、チーズなどの摂取は、糖質制限では「たくさん摂りましょ~」と、好んで用いられていたのですよね。
 
でも、この糖質制限の理屈を根底から覆すかもしれない研究が、中国・浙江大学のJingjing Jiao氏らが、米国のNurses' Health StudyおよびHealth Professionals Follow-up Studyのデータを解析して明らかになったのです。
 
2型糖尿病患者さんにおいて、多価不飽和脂肪酸の摂取量増加は炭水化物または飽和脂肪酸の摂取と比較して、全死亡および心血管死の低下と関連していることが認められた。著者らは、「結果は、2型糖尿病患者の心血管死および全死亡の予防に、食事中の脂肪の質が重要な役割を果たすことを強調するものである」とコメントもしています。
つまり、2型糖尿病患者さんの死亡原因に、摂取する脂肪の質が関連しているといことなのです。
 
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脂肪酸について
脂肪酸って、大きく分けると飽和脂肪酸不飽和脂肪酸の2つに分類されます。
 
不飽和脂肪酸は、科学的構造の違いから、3つのオメガ系列に分けられています。
市場で多く流通している、オメガ3系(α-リノレン酸)、オメガ6系(リノール酸)、オメガ9系(オレイン酸)がこのオメガ系列に属します。
多価不飽和脂肪酸はオメガ3系(α-リノレン酸)、オメガ6系(リノール酸)、
一価不飽和脂肪酸はオメガ9系(オレイン酸)となります。
もちろん、他の不飽和脂肪酸もそれぞれの系列に含まれますが、大きくこの3つの系列とこれらの脂肪酸を覚えておくと、これからの油選びに役立つと思います。
 
 
 

https://amani.karadanocare-forum.net/wp-content/themes/amani-nippn.jp/images/under/lino_about_img02.jpg


研究方法・結果
米国の2つの大規模コホートから2型糖尿病患者約1万1千例を解析
  • 研究グループの目的は、2型糖尿病患者における食事中の脂肪と心血管死および全死亡との関連を評価すること。

  • 米国のNurses' Health Study(1980~2014年)およびHealth Professionals Follow-up Study(1986~2014年)の2型糖尿病患者1万1,264例について解析した。 

  • 参加者は、食事中の脂肪の摂取について、食事摂取頻度調査票(Food Frequency Questionnaire:FFQ)を用いた2~4年ごとの調査を受けていた。 

  • 主要評価項目は、追跡期間中の全死亡と心血管死。

  • Cox比例ハザードモデルを用い、食事中の脂肪の摂取量と主要評価項目との関連について解析した。

研究結果
  • 多価不飽和脂肪酸、オメガ3系(α-リノレン酸)、オメガ6系(リノール酸)の高摂取は低摂取より心血管死が2~3割低下。追跡期間中、死亡は2,502例(うち心血管死646例)が確認された。
  • 多変量解析の結果、多価不飽和脂肪酸の摂取は全炭水化物と比較し心血管死のリスク低下と関連していた。
  • 摂取量の第1四分位と比較した第4四分位のハザード比(HR)は、多価不飽和脂肪酸で0.76倍、海産物由来のオメガ3系(EPA, DHA)で0.69倍、オメガ3系(α-リノレン酸)で1.13倍、オメガ6系(リノール酸)で0.75倍であった。
  • 全死亡についても、多価不飽和脂肪酸、オメガ3系(α-リノレン酸)、オメガ6系(リノール酸)で同様の関連が確認されたが、植物性ではなく動物性の一価不飽和脂肪酸は全死亡のリスク増加と関連していた。 
  • 飽和脂肪酸(バター、肉の脂肪)からのエネルギーの2%を、多価不飽和脂肪酸またはリノール酸からの同等のカロリーに置き換えると、多価不飽和脂肪酸が13%、オメガ6系(リノール酸)5%(HR:0.85、95%CI:0.73~0.99)、それぞれ心血管死のリスクが低下した。
  • 飽和脂肪酸(バター、肉の脂肪)からのエネルギーの2%を多価不飽和脂肪酸に置き換えると、全死亡のリスクが12%低下した。

 

なお著者は、血糖コントロールや糖尿病の重症度は評価されていないこと、食事や生活習慣の要因が自己報告であること、残余交絡の可能性などを研究の限界として挙げている。 

 

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この結果から分かったことは、2型糖尿病患者さんにおける、お肉(脂肪分)やバターの摂りすぎは、死亡率や心血管疾患の発症リスクが高くなる。という事なのですよ…。糖質制限で口酸っぱく言われている内容(糖質を控えるぶん、お肉などの脂肪はどれだけとってもいいですよ~)とは、若干異なりますよね(汗)

また、赤身のお肉や、油で炒めた食品などは、糖尿病の発症リスクも高めるといわれています。

ダイエット目的で糖質制限をする。糖質制限をしてるから、お肉はどれだけ食べてもOK~! という考えでお肉を食べすぎていると、逆に心血管疾患や糖尿病を発症する危険性があるかもしれない・・・。という事なのですよね。

飽和脂肪酸は体に良くない」とお話ししましたが、飽和脂肪酸の中でも、ヨーグルトや低脂肪牛乳は糖尿病の発症リスクを低下させるという研究データもあります。ですから、ヨーグルトの摂取を控える必要はないかもしれませんね。

 

糖尿病患者さんの食事ガイドラインでは、良好な健康を維持するためにトランス脂肪の摂取を減らし、飽和脂肪を不飽和脂肪に置き換えることを推奨しています(BMJ誌2019年7月2日号掲載の報告)。

 

大切なのは、バランスよく食べること。「単品ダイエット」とか、「糖質制限食」で糖質を極端に下げる一方で、赤身肉はどれだけ食べてもOK。なんてのは、ナンセンスという事ですね。

ここで忘れてほしくないのは、「良質な油を摂取する大切」という事。オリーブオイルや魚の油(DHAEPA)には動脈硬化心筋梗塞を予防すると言われています。しかし、トランス脂肪酸(マーガリン、お菓子、総菜パン)などの摂取は控えたほうが、健康のためであるのは間違いないことだと思いますよ。

 

 

原著論文はこちらJiao J, et al. BMJ. 2019;366:l4009.

 

 

たった一日の睡眠不足で糖尿病、肥満リスクが上昇

みなさん、こんにちは(^^)

今朝の目覚めはどうでしたか?よく眠れました? 気持ちよく目覚めれましたか?

どうしてこんなことを聞くかって???

それは、睡眠の質が病気の発症と深く関連しているからなんです。

生活習慣病にならないために、運動をしたり、食事療法をした、、、色々試みているかたも多いはず!

でも、健康になる近道はもっと簡単なところにあるかもしれませんよ!!

 

日本人は慢性的な睡眠不足

平均睡眠時間の国際比較によると、日本人の平均睡眠時間は7.4時間とOECD諸国の中でも一番短い。また、日本人の5人に1人は「日中、眠気を感じた」「睡眠時間が足りなかった」「夜間、睡眠途中に目が覚めて困った」など睡眠の問題を抱えている人が非常に多いのが現状です。

 

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たった一日の睡眠不足で、糖尿病リスクが上昇

たった一晩の睡眠不足でも血糖やインスリンの制御に関わる肝臓の機能が変化し、2型糖尿病の発症リスクが上昇する可能性があることを、東邦大学糖尿病・代謝・内分泌学准教授の熊代尚記氏らの研究グループがマウスを用いた実験で突き止めました。*1

 

今回の実験ではマウスを2つのグループに分け、一方のグループは夜行性のマウスが眠る日中の時間帯に優しく揺すって6時間覚醒させ続け、もう一方のグループは自由に睡眠を取らせる対照群とした。実験を始める前の2週間は、食生活が乱れた人と同じような食環境とするために、いずれのグループのマウスにも高脂肪食と砂糖水を制限なく与えた。また、実験中にはいずれの群のマウスも小さな固定器の中で動けない環境に置き、活動量を制限した。

今回の研究結果のまとめ
  1. 6時間の睡眠障害の直後にマウスの血糖値と肝臓の脂肪量を測定したところ、自由に睡眠を取った対照群に比べて、睡眠時間を制限した群では血糖値が有意に高く、肝臓中の中性脂肪含有量が有意に増加していることが分かった。
  2. 睡眠時間を制限した群ではな血糖値の上昇が認められ、脂肪肝によるインスリン抵抗性が引き起こされていることが示唆された。
  3. メタボローム解析を用いて肝臓内の代謝物を網羅的に調べた結果、睡眠時間を制限した群では対照群に比べてアシルカルニチンやアセチルCoA、ケトン体などが増加しており、肝臓での脂肪燃焼は亢進していることが明らかになった。
  4. 一方、マイクロアレイを用いて肝臓の遺伝子発現を網羅的に調べた結果、肝臓での脂肪合成を促進する遺伝子の発現が増加しており、睡眠障害により過食や体重増加を伴わずに肝臓の脂肪蓄積が増加するメカニズムとして、睡眠不足による肝臓での脂肪合成の促進が示唆された。

 

‟肝臓での脂肪燃焼が亢進”というのは、‟肝臓で脂肪合成が進んで脂肪が蓄積する”という事であり(脂肪肝につながる、)体内での脂肪燃焼が進むという事ではないのでご注意を!!

 

以上の結果を踏まえると、たった1日睡眠不足になるだけで、肝臓で脂肪合成が亢進して脂肪蓄積が増加する。そして、脂肪肝が肝臓のインスリン抵抗性を引き起こして耐糖能を悪化させる可能性がある(=2型糖尿病を発症、あるいは悪化させるということ)と推測されます。

 

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たった一晩の睡眠不足で肥満リスクがが上昇

健康な男性が一晩徹夜するだけでも、骨格筋は分解されて、脂肪が体に貯め込まれることが遺伝子レベルの解析で示唆されたそうです。*2

 これまでの研究で、不眠や夜勤などで睡眠不足になると肥満や2型糖尿病などの発症リスクが高まることが報告されているのですが、このことに関する分子レベルでのメカニズムはほとんど分かっておらず、これらの代謝性疾患リスクが上昇するのは睡眠不足が直接的な原因なのかどうかは解明されていなかったのです。

ノースウェスタン大学のJonathan Cedernaes氏らが行った研究では、たった一晩でも睡眠不足になると肥満につながるメカニズムの一端を解明したのです。

研究内容

平均年齢22.3歳の健康な男性15人に研究室に2泊してもらい、一晩徹夜すると遺伝的または生理学的に代謝がどのように変化するのかを調べる実験を行いました。

まず参加者には、

1日目の晩には、8.5時間の睡眠を取ってもらう。

2日目の晩には、一晩中眠らずに徹夜してもらう群と8.5時間の睡眠を取る群に分けて比較。
実験3日目の朝には、皮下脂肪と骨格筋の組織のサンプルを採取して遺伝子や蛋白質の発現量を調べました。

 

研究結果

一晩徹夜すると皮下脂肪組織では、代謝に関与するDNAのメチル化が広範に起こっていた。一方、骨格筋組織ではこうした変化はみられなかったものの、概日リズムに関与する遺伝子の発現量が増えたほか、増減した蛋白質それぞれの役割からみると筋肉を分解し、脂肪の蓄積を促すような変化が起こっていると考えられたという。

今回の結果は、一晩でも徹夜すると危険であると強調するものではなく、Cedernaes氏は「習慣的な睡眠不足で何が起こるのかという課題を提起するもので、睡眠不足が代謝にどのような影響を与えるのかを掘り起こしたものだ」と説明しています。

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 今回の研究から、睡眠不足の影響で骨格筋組織が減少し、脂肪の貯留が促される新たな機序が解明されたと示唆されます。睡眠不足が慢性的に続くと、肥満につながるとも考えられます。一方で、この結果は実験室での人工的な環境で得られたものに過ぎず、「習慣的な睡眠不足に陥っている場合でも、それぞれの組織で今回と同様の変化がみられるかどうかは分からない」という懸念材料はあります。

必要な睡眠時間は人によって異なりますが、一般には成人で1日7~9時間の睡眠を取ることが推奨されてます。また、夜勤などで睡眠時間が不規則な人は健康的な食生活を心掛け、定期的に運動するなど良好な生活習慣を保つべきだと助言している専門家もいます。

 

ダイエットの大敵は睡眠不足!

睡眠不足になると、満腹ホルモンであるレプチンが減少するとともに、摂食ホルモンであるグレリンが増えて、太りやすい環境下に陥ります。

また睡眠不足になると、脂っこい食べ物、ポテトチップスやチョコレートなどのお菓子、パスタやパンなどの炭水化物を好んで食べるようになると言います。

つまり、睡眠不足そのものが太りやすい生活環境を作り出すという事になるのですね!

健康的な体を手に入れたい! 糖尿病になになりたくない! ダイエットしたい!

と思ったら、食事や運動よりも、まず睡眠の質について考えてみる必要がありそうですね!

*1:「American Journal of Physiology-Endocrinology and Metabolism」7月10日オンライン版に掲載

*2:Cedernaes J, et al. Sci Adv. 2018 Aug 22.

歯周病が全身病の原因! ~歯周病を改善する方法とは!?~

皆さん、“歯周病”ってご存知ですか?最近、テレビコマーシャルでも「歯周病予防」という言葉をよく耳にすると思います。 “歯周病”とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性の病気です。歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し(歯垢の蓄積)歯肉の辺縁が「炎症」を帯びて赤くなったり、腫れたりします。痛みはほとんどないそうです。そして、進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて歯が動くようになり、最後は抜歯をしなければいけなくなってしまいます。 朝起きたとき、口の中がネバネバする。 

 

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  • 歯磨き中に出血する。
  • 口臭が気になる。
  • 歯肉がむずがゆい、痛い。
  • 歯肉が赤く腫れている。(健康的な歯肉はピンク色で引き締まっている)
  • かたい物が噛みにくい。
  • 歯が長くなったような気がする。
  • 前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間がでてきた。食物が挟まる

 上記の項目が3つ以上当てはまる方は、歯周病の疑いがあります。 

 

www.daiichisankyo-hc.co.jp

 

歯周病認知症、心血管疾患など全身病と深く関連!

この “歯周病”、厚生労働省が定期的に発表している近年の「歯科疾患実態調査」によれば、35歳以上の大人の約8割が歯周病を抱えています。
歯周病のコワさは、歯を失うことだけではなく、全身の病気の原因になることが、国内外の研究で明らかになってきたのです。糖尿病をはじめ、脳血管障害、心臓病・動脈硬化、肺炎、メタボリック症候群……。歯周病は全身の病気と深く関係しているのですまた、アルツハイマーの発症と歯周病とが関連があるとも言われています。*1

 

さぁ、今回は、歯周病にならないように、または悪化させないようにするにはどうしたらいいのか!?科学的根拠を元にした情報をお伝えしますね!

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歯磨き・歯科検診に続く予防策「バクテリアセラピー」

 

 歯周病の治療を専門とする若林 健史氏(日本歯周病学会理事・専門医・指導医/日本大学 客員教授は、『口腔内に生息する細菌が全身の健康に影響する、歯周病もむし歯も子供の頃からの感染予防が重要である』と言っています。

歯周病の予防策は

  1. 歯磨き
    歯磨きにはコツがあるそうです。食事後に歯磨きを行うのが理想的だそうですね。しかし一番重要なのは、就寝前に10分から20分かけてブラッシングを行う事だそうです。さらに歯ブラシだけでなく、フロスなどを使用して歯間もお掃除したほうが良いですね!詳しい歯磨き方法は下記のリンクからどうぞ♪

    歯ブラシでのみがき方基本|歯と口の健康研究室|ライオン歯科衛生研究所

  2. 歯医者さんでの定期健診
    3か月から6か月に1度は受診して、プラークコントロールを行った方が良いです。やはり、プロの手を勝るものはないのでしょうか?

  3. バクテリアセラピー
    バクテリアセラピーとは、“口の中にいる善玉菌を増やし、むし歯菌・歯周病菌を減らす”もので、抗菌薬による薬物治療と比較した場合、① 効果が持続する、② 耐性がない、③ 安全である、という優位な点があります。

 

 

 

バクテリアセラピーのひとつ、「ロイテリ菌」が注目!!

 

 坂本 紗有見氏(銀座並木通りさゆみ矯正歯科デンタルクリニック81 院長)は、「バクテリアセラピーにはロイテリ菌が有用である」と提唱されています。ロイテリ菌は、バクテリアセラピー研究で有名なスウェーデンカロリンスカ研究所医科大学と特許を持つBio Gaia社が、提携して研究を進めていて、ペルー人の母乳から発見されたものだそうです。日本人は7人に1人が保有するが、そのほかの先進国のヒトから検出されることは少なく、米国人はまったく保有していないとのこと。

世界100以上の国と地域で使用実績があり、200以上の臨床研究が発表される一方、副作用の報告は1件もないのだそうです。

 

ロイテリ菌は体内で「ロイテリン」という有害な菌を抑える物質を生成し、歯周病菌の増殖を抑制する効果が期待できる。歯周病患者を対象とした二重盲検ランダム化比較試験において、ロイテリ菌とプラセボをそれぞれ30日間摂取した群を比較したところ、ロイテリ菌摂取群は、プラーク有りの患者数、歯茎の出血有りの患者数などが減少し、プラセボ摂取群に対し有意差が認められた*2

 

ohayo-bio-reuteri.com

 

 

 ロイテリ菌は市販されている、ヨーグルトに含まれているそうです。ロイテリ菌の良いところは、副作用がまったくないというところです。気軽にロイテリ菌摂取、初めてみてはいかがですか?

 

 

本当のところ、卵は何個食べても大丈夫なの??

皆さん、卵は一週間で何個食べますか?

Sサイズを毎日?

それとも、Lサイズを毎日??

以前、卵を食べると、悪玉コレステロール(LDL)が上がる~。なんてい言われていましたが、一方で、卵はいくらとっても問題ない。タンパク質を接種するには卵が一番。卵は最強!と、巷では言われていて、筋肉自慢のボディービルダーは、1日3個食べる!なんて方もいらっしゃるのですよ・・・。

 

でも、卵って、本当にいくら食べても大丈夫なの?

実際のところ、卵って健康にいいの?

なんて、思った事ありませんか?

 

その『卵、何個食べたらOK?』論争に決着をつけるかもしれない論文を見つけました。その論文は“JAMA”という、世界五大医学雑誌のひとつで、国際的に非常に影響力が強く信頼性も高い学術誌のひとつです。この論文に掲載されたという事実は、この研究の信憑性の高さが伺えます。

 

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米国成人において、食事性コレステロールまたは卵の摂取量増加は、用量反応的に心血管疾患(CVD)発症および全死因死亡リスクの上昇と有意に関連していることが確認された。米国・ノースウェスタン大学のVictor W. Zhong氏らが、Lifetime Risk Pooling Projectの6つのコホートデータを用いた解析結果を報告した。コレステロールは、ヒトの食事における一般的な栄養素で、卵は食事性コレステロールの重要な源であるが、食事性コレステロール/卵の摂取量がCVDおよび死亡と関連しているかどうかについては、なお議論が続いている。著者は今回の結果について、「食事ガイドラインの作成・改訂の際に考慮されるべきである」とまとめている。JAMA誌2019年3月19日号掲載の報告。

6コホート2万9,615例、食事性コレステロール/卵の摂取量とCVD発症/死亡リスクの関連を評価

 研究グループは、1985年3月25日~2016年8月31日の期間に収集された、米国の6つの前向きコホート研究における参加者個々のデータを統合した。自己報告の食事摂取に関するデータは、標準的プロトコルを用いて調整し、食事性コレステロール(mg/日)または卵の摂取量(個/日)を算出した。

 主要評価項目は、人口統計学的、社会経済的および行動的要因を調整した、CVD発症(致死的/非致死的冠動脈心疾患・脳卒中心不全・他のCVD死亡の複合)と全死因死亡に関する全追跡調査期間にわたるハザード比(HR)および絶対リスク差(ARD)で、コホートで層別化した原因別ハザードモデルおよび標準比例ハザードモデルを用いて解析した。

摂取量の300mg増加で、CVD発症と全死因死亡リスクが上昇

 本解析には合計2万9,615例が組み込まれ、平均[±SD]年齢はベースライン時51.6±13.5歳、1万3,299例(44.9%)が男性で、9,204例(31.1%)が黒人であった。

 追跡期間中央値17.5年(四分位範囲:13.0~21.7、最大31.1)において、心血管疾患イベント発症が5,400例、全死因死亡が6,132例認められた。

  • 1日当たりの食事性コレステロール摂取量が300mg増加した場合、心血管疾患発症リスクは3.2%上昇し、全死因死亡は4.4%上昇するという有意な関連が認められた。
  • 1日当たりの卵の摂取量が半分(2分の1個、卵1個を3~4回/週または3~4個/週)増加した場合でも、心血管疾患発症リスク、および全死因死亡有意な関連が認められた。
  • 食事性コレステロール摂取量を補正後は、卵の摂取量と心血管疾患発症リスク、および全死因死亡との間に、有意な関連は確認されなかった。

 

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血中の悪玉コレステロール値が高いと、心血管疾患(冠動脈疾患、心筋梗塞脳卒中など)のリスクが高いという事実は、専門家の間でも概ね一致した見解です。

だったら、どうして“卵はいくら食べても大丈夫!!”という、風潮が沸き起こったのでしょうか?

これは、アメリカ心臓病学会/アメリカ心臓協会(ACC/AHA)が、『コレステロール摂取量を減らして血中コレステロール値が低下するかどうか判定する証拠が数字として出せない』として、「コレステロールの摂取制限を設けない」と見解が出されました。時を同じくして、日本人の食事摂取基準(2015年版)では、健常者における食事中コレステロールからの摂取量と血中コレステロール値の相関を示すエビデンスが十分ではないことから、コレステロール制限値を設けなかった。これらのことから、日本人はコレステロールをいくら摂取しても良いという錯覚に陥ってしまったと考えられます。

 

この混乱を受け、2015年5月1、日本動脈硬化学会はコレステロール摂取量に関する声明を発表しています。

「肥満、メタボリックシンドローム2型糖尿病、高トリグリセライド(中性脂肪)血症の方は、摂取エネルギー(カロリー)を制限する必要があるが、高LDLコレステロール血症の方は、より飽和脂肪酸コレステロールの摂取量に注意する必要があるということである。食材の選び方や献立の工夫については、日本動脈硬化学会の脂質異常症治療ガイド2013年版を参照していただきたい[6]。動脈硬化を防ぐには、高LDLコレステロール血症だけでなく、血圧や血糖値のコントロール、禁煙や運動など包括的な生活習慣の改善を介した予防が大切である。」

 

www.j-athero.org

 

 


簡単にまとめると、コレステロールの摂取量と血中のコレステロール値がそれほど相関しないことなんです。だから、一般市民の間では、コレステロールの多い卵をたくさん摂取してもコレステロール値が上がらないから大丈夫~!という結果に至ってしまったみたいです。でも、本研究の結果から、血中コレステロール値を悪化させなくても、コレステロールの多い卵の摂取は心疾患リスクだという事です。採血した血液データで“コレステロールが高くないから大丈夫!”とは、言えないという事になります。

また、今回ご紹介した論文で記述されている卵は1個50g。これは、日本でいうMサイズになります。しかし、流通量が多く我々日本人が普段摂取している卵は1個60gのⅬサイズ。コレステロールの摂取量に関する研究データでは、実際よりも過小評価されている可能性があるかもしれません。(中くらいの卵1個には、200~250mgのコレステロールが含まれています)

 

  1. 卵を摂取すればするほど、容量依存的に心血管疾患リスク、全死亡のリスクが増える。
  2. 「卵を1日何個までだったら食べても大丈夫…」という結論ではなく、食べれば食べた分だけ疾病のリスクが増えるということ。
  3. 卵の摂取量が増えたからと言って、またコレステロールの多い食事を摂取したからといって、血中コレステロール値が上昇するとは限らない。
  4. 本研究は、白人、黒人を中心とした研究であり、日本人に当てはまるかどうかは未解決。

 

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結局、「じゃあ、卵を食べるな!って事かよ~!!」と思われるかもしれませんが、そうではありません。「食品から摂取するコレステロールは身体的悪影響はない」という、昨今の風潮に風穴をあけた研究であると思います。

でも、皆さんも心のどこかで疑問に思っていたはずです。

“世間では、卵は何個食べても大丈夫!って言ってるけど、本当なの???”

その通りです!

食品をバランスよく食べるのが一番であり、無茶な偏った食生活は控えたほうが良いです。そんな警笛を鳴らしてくれた、論文ですね。

 

私の尊敬する、「美しすぎる管理栄養士☆」さんからも、卵の摂取におけるアドバイスを頂いたので、ご報告しますね!

『 食品からのコレステロールが血中コレステロールにさほど影響は無いとしながらも、卵を食べても1日にせいぜい1~2個程度までに留めています。それは、スポーツ栄養に特化していたり、ボディメイキングにだけ特化して考え、ササミや卵だけ食べているような方であればいいのかも知れませんが、病気の方、一般の方はたいてい卵以外にもタンパク質を食べているのが普通で、かつ卵が高栄養のため1日に何個も食べてしまうと脂質量だけでなく微量元素等も日本人の食事摂取基準で定められた上限量を越えてしまう』

と、仰ってます。納得させられますね~☆彡

 

 

尿失禁悩む女性、必見!!!

私の友達が、最近尿漏れで悩んでいるんです…。とても健康的で美しく、仕事もバリバリの女性です。そんな彼女が、「最近、咳をしたりランニングすると尿漏れが激しくて、、、しかもどばっと・・・。」
普段私は、心臓や全心血管の検査や治療に携わっていますから、心血管系にや強いんです。けれど、尿漏れは・・・(´;ω;`)ウゥゥでも、尿漏れの悩みから救出すべく、私も色々な文献を調べてみました。

 

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尿漏れとは・・・

尿もれは、自分の意思に関係なく尿が漏れてしまう病気のことを言います。咳やくしゃみ、笑った時、運動した時などに尿が漏れてしまったり、またトイレに行くまでに我慢出来ず漏れてしまう場合も、尿漏れに分類されます。

とても一般的な病気で、成人女性の3~4人に1人が経験すると言われています。多くの女性は「年のせいだから」とか、「どこに相談してよいかわからない」などの理由で治療を諦めてしまっているようです。

 

尿漏れのタイプはふたつ
  1. 切迫性尿失禁:急にトイレに行きたくなって間に合わないという方は、この『切迫性尿失禁』が当てはまります。これはおしっこをためる袋である膀胱が過敏になり、過剰な働きをすることにより起こる尿もれです。そこで切迫性尿失禁の治療には、過剰な働きを抑える抗コリン薬というお薬を使います。お薬による治療は症状によって薬の種類や量を調整することが必要となりますので、専門の医師とよく相談することをお勧めします。また薬による治療では改善しない切迫性尿失禁もあります。今まではこのような尿もれを治療するのは難しかったのですが、今ではいくつかの専門的な治療が可能になっています。是非、ウロギネコロジーセンターにご相談ください。

  2. 腹圧性尿失禁:女性に最も多い、咳やくしゃみ、立ち上がったときに起こる尿もれ『腹圧性尿失禁』です。この腹圧性尿失禁は、出産や加齢などによる骨盤底筋の緩みにより起こります。残念ながら緩んだ骨盤底筋を強くするお薬はありませんので、腹圧性尿失禁に対してお薬はあまり効きません。治療としては、緩くなった骨盤底筋を強くする必要があります。

 

www.urol.or.jp

 

尿漏れは薬物療法よりも運動療法の方が改善効果がある

尿漏れに悩む女性にとって、薬物療法よりも行動療法の方が症状改善に有効なことが、米ニューメキシコ大学女性泌尿器科のPeter Jeppson氏らが実施した研究から明らかになりました。*1

 

今回んご紹介する研究はランダム化比較試験(RCA)を対象にしたメタ解析ですので、とても信頼でいるデータであると思います(対象者は妊娠・出産経験のない女性)。

 

この研究の結果、女性のほぼ半数は、生涯に一度は尿漏れを経験する。発症頻度は女性の方が高く、特に妊娠中や出産後、閉経後に発症することが多い。

また、全般的な尿失禁の軽減効果は、運動療法薬物療法を上回ることが分かった。また、運動療法を受けた女性では、未治療の女性と比べて5倍以上の症状改善率を示すことも明らかになった。一方、薬物療法を受けた女性でも症状は改善したが、運動療法ほどの効果は認められず、未治療の女性と比べても改善率は2倍だった。

尿失禁が見られる女性には治療を促すべきだ。治療法の選択肢はたくさんありますが、そのほぼ全てについて言えるのは、何もしないよりは治療した方が良いということだと思います。

尿漏れを改善する方法

  1. 利尿作用のあるカフェインやアルコールなどの摂取を控える食習慣の是正
  2. 骨盤底筋を鍛えるトレーニングを行う。
  3. 減量によって膀胱にかかる圧力が軽減され尿失禁が改善することがある

尿漏れのタイプは、突然の尿意により我慢が出来ず漏れてしまう『切迫性尿失禁』と、咳やくしゃみをした時など腹圧がかかった時に生じる『腹圧性尿失禁』の二つがありますが、骨盤底筋を鍛えるトレーニングは、どちらのタイプにも効果はありますが、特に腹圧性尿失禁に有効です。

 

骨盤底筋を鍛えるトレーニングのご紹介

5分程度で気軽にできるので、皆さんもトライしてみてはいかがでしょうか?


<医師監修 >尿もれ対策に!骨盤底筋トレーニング【チャームナップ】(5分49秒)



 

ただ、やはりこの運動療法は、患者さん本人が主体的に関わる必要があり、決して簡単な方法ではないと思います。皆さんも経験ある事だと思いますが、三日坊主で終わってしまう事も少なくないと思います。

尿失禁の治療には、過活動膀胱の治療薬であるオキシブチニン、トルテロジンなどが使用されます。今回の研究からは、これらの薬物療法は、未治療の場合と比べれば尿失禁の改善に役立つが、切迫性尿失禁の軽減には運動療法の方が有効であることが示されました。また、行動変容や薬物療法が効かない場合には、膀胱をコントロールする神経に電気刺激を与えるニューロモデュレーションという治療法も、未治療の場合に比べて症状改善効果が約4倍に上ったという。

 尿漏れの治療には幅広い選択肢があり、その多くは患者さんの身体に直接的な害を及ぼさない非侵襲的なものです。

女性の皆さん、尿失禁に苦しみ続ける必要はありません!!

まず、医師の適切な診断を受けてから、簡単な骨盤底筋を鍛えるトレーニングを試してみることをお勧めします!

早速、友達にも教えてあげよ~~~!(^^)!

 

 

*1:Annals of Internal Medicine」3月18日オンライン版