尿失禁悩む女性、必見!!!
私の友達が、最近尿漏れで悩んでいるんです…。とても健康的で美しく、仕事もバリバリの女性です。そんな彼女が、「最近、咳をしたりランニングすると尿漏れが激しくて、、、しかもどばっと・・・。」
普段私は、心臓や全心血管の検査や治療に携わっていますから、心血管系にや強いんです。けれど、尿漏れは・・・(´;ω;`)ウゥゥでも、尿漏れの悩みから救出すべく、私も色々な文献を調べてみました。
尿漏れとは・・・
尿もれは、自分の意思に関係なく尿が漏れてしまう病気のことを言います。咳やくしゃみ、笑った時、運動した時などに尿が漏れてしまったり、またトイレに行くまでに我慢出来ず漏れてしまう場合も、尿漏れに分類されます。
とても一般的な病気で、成人女性の3~4人に1人が経験すると言われています。多くの女性は「年のせいだから」とか、「どこに相談してよいかわからない」などの理由で治療を諦めてしまっているようです。
尿漏れのタイプはふたつ
- 切迫性尿失禁:急にトイレに行きたくなって間に合わないという方は、この『切迫性尿失禁』が当てはまります。これはおしっこをためる袋である膀胱が過敏になり、過剰な働きをすることにより起こる尿もれです。そこで切迫性尿失禁の治療には、過剰な働きを抑える抗コリン薬というお薬を使います。お薬による治療は症状によって薬の種類や量を調整することが必要となりますので、専門の医師とよく相談することをお勧めします。また薬による治療では改善しない切迫性尿失禁もあります。今まではこのような尿もれを治療するのは難しかったのですが、今ではいくつかの専門的な治療が可能になっています。是非、ウロギネコロジーセンターにご相談ください。
- 腹圧性尿失禁:女性に最も多い、咳やくしゃみ、立ち上がったときに起こる尿もれ『腹圧性尿失禁』です。この腹圧性尿失禁は、出産や加齢などによる骨盤底筋の緩みにより起こります。残念ながら緩んだ骨盤底筋を強くするお薬はありませんので、腹圧性尿失禁に対してお薬はあまり効きません。治療としては、緩くなった骨盤底筋を強くする必要があります。
尿漏れは薬物療法よりも運動療法の方が改善効果がある
尿漏れに悩む女性にとって、薬物療法よりも行動療法の方が症状改善に有効なことが、米ニューメキシコ大学女性泌尿器科のPeter Jeppson氏らが実施した研究から明らかになりました。*1
今回んご紹介する研究はランダム化比較試験(RCA)を対象にしたメタ解析ですので、とても信頼でいるデータであると思います(対象者は妊娠・出産経験のない女性)。
この研究の結果、女性のほぼ半数は、生涯に一度は尿漏れを経験する。発症頻度は女性の方が高く、特に妊娠中や出産後、閉経後に発症することが多い。
また、全般的な尿失禁の軽減効果は、運動療法が薬物療法を上回ることが分かった。また、運動療法を受けた女性では、未治療の女性と比べて5倍以上の症状改善率を示すことも明らかになった。一方、薬物療法を受けた女性でも症状は改善したが、運動療法ほどの効果は認められず、未治療の女性と比べても改善率は2倍だった。
尿失禁が見られる女性には治療を促すべきだ。治療法の選択肢はたくさんありますが、そのほぼ全てについて言えるのは、何もしないよりは治療した方が良いということだと思います。
尿漏れを改善する方法
- 利尿作用のあるカフェインやアルコールなどの摂取を控える食習慣の是正
- 骨盤底筋を鍛えるトレーニングを行う。
- 減量によって膀胱にかかる圧力が軽減され尿失禁が改善することがある
尿漏れのタイプは、突然の尿意により我慢が出来ず漏れてしまう『切迫性尿失禁』と、咳やくしゃみをした時など腹圧がかかった時に生じる『腹圧性尿失禁』の二つがありますが、骨盤底筋を鍛えるトレーニングは、どちらのタイプにも効果はありますが、特に腹圧性尿失禁に有効です。
骨盤底筋を鍛えるトレーニングのご紹介
5分程度で気軽にできるので、皆さんもトライしてみてはいかがでしょうか?
<医師監修 >尿もれ対策に!骨盤底筋トレーニング【チャームナップ】(5分49秒)
ただ、やはりこの運動療法は、患者さん本人が主体的に関わる必要があり、決して簡単な方法ではないと思います。皆さんも経験ある事だと思いますが、三日坊主で終わってしまう事も少なくないと思います。
尿失禁の治療には、過活動膀胱の治療薬であるオキシブチニン、トルテロジンなどが使用されます。今回の研究からは、これらの薬物療法は、未治療の場合と比べれば尿失禁の改善に役立つが、切迫性尿失禁の軽減には運動療法の方が有効であることが示されました。また、行動変容や薬物療法が効かない場合には、膀胱をコントロールする神経に電気刺激を与えるニューロモデュレーションという治療法も、未治療の場合に比べて症状改善効果が約4倍に上ったという。
尿漏れの治療には幅広い選択肢があり、その多くは患者さんの身体に直接的な害を及ぼさない非侵襲的なものです。
女性の皆さん、尿失禁に苦しみ続ける必要はありません!!
まず、医師の適切な診断を受けてから、簡単な骨盤底筋を鍛えるトレーニングを試してみることをお勧めします!
早速、友達にも教えてあげよ~~~!(^^)!
*1:Annals of Internal Medicine」3月18日オンライン版
人生、笑ったもん勝ち!!
‟笑う門には福来る”「笑いが絶えない、明るい家庭には幸運がやってくる」という意味になります。怪訝な顔や苦言の表情よりも、笑っていた方が福はやってきますということわざですね。でもこの『笑い』、家庭の幸運だけでなく、人間の健康にとっても幸せを運んできてくれるかもしれません・・・。
精神的状況が死亡率を左右する!?
日本人の一般集団では、日常生活の中で笑う頻度が高いほど全死亡率や心血管疾患の発症率が低い可能性があることが、山形大学医学部看護学科教授の櫻田香氏らの検討で分かりました。心筋梗塞や脳卒中を減らし、早期死亡リスクを低減するためには、日常生活でもっと笑う機会を持つことが鍵となる可能性があるそうです。*1
これまでの研究で、ポジティブな心理的要因は長寿と関連するのに対し、抑うつや不安、心理的苦痛といったネガティブな要因は心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患の発症につながる可能性が示唆されています。
今回ご報告する研究は、心理的要因のうち「笑い」に着目。山形県の一般住民を対象に、毎日の生活の中で笑う頻度と死亡率および心血管疾患の発症率との関連について前向き研究を実施した。 対象は、山形県の一般住民を対象とした山形県コホート研究(Yamagata Study)に参加し、健康診断を受けた40歳以上の男女1万7,152人(男性40.8%)。参加者には、毎日どのくらい笑う機会があるかを尋ね、その頻度で3つの群「週1回以上」「週1回未満~月1回以上」「月1回未満」に分けて比較検討した。 中央値で5.4年の追跡期間中に、257人(1.5%)が死亡し、138人(0.8%)が心血管疾患を発症した。解析の結果、日ごろほとんど笑わない人では、全死亡率と心血管疾患の発症率が有意に高いことが分かった(log-rank P<0.01)。 また、年齢や性、高血圧、喫煙や飲酒の習慣で調整したCox比例ハザードモデル分析の結果、週1回以上笑う人と比べて、笑う頻度が月1回未満の人では死亡リスクが約2倍に高まることが分かった(ハザード比1.95、95%信頼区間1.16~3.09)。同様に、週1回以上笑う人と比べて、その頻度が週1回未満~月1回以上の人では心血管疾患の発症リスクは約1.6倍であった(同1.62、1.07~2.40)。
笑うと、寿命が長くなる!
- 日頃ほとんど笑わない人では、全死亡率や心血管疾患(心筋梗塞、狭心症、脳卒中) の発症率が有意に高い。
- 週一回以上笑う人と比べて、笑う頻度が月一回未満の人では、死亡リスクが訳2倍上昇する。
- 週一回以上笑う人と比べて、笑う頻度が週一回未満~月一回以上の人では、心血管リスクの発症リスクは、約1.6倍で上昇する。
今回の研究を検討してみたところ、特に男性や飲酒の習慣がある人、糖尿病患者、運動不足の人、配偶者がいない人で笑う頻度が低かったそうです。
今回の結果をふまえ、「日本人の一般集団では、“笑い”は全死亡や心血管疾患発症の独立したリスク因子である可能性が示された。心血管疾患を減らし、長寿を目指すには、日常生活でもっと笑う機会を持つ工夫が必要かもしれない」と述べています。
原著論文はこちら
Sakurada K, et al. J Epidemiol. 2019 Apr 6.
*1:Journal of Epidemiology4月6日オンライン版
「食品添加物」表示で心疾患や糖尿病が大幅減の可能性
この報告では、米国成人の添加糖分の摂取量は1日当たりの総カロリー摂取量の15%以上を占め、推奨レベルの10%未満を上回るとされている。FDAが改正した栄養成分表示では、「総炭水化物」の欄に食品そのものに含まれる糖分に加えて、加工の過程で添加される糖分を明示することとされました。新たな表示では、消費者に分かりやすいように、さまざまな糖類の添加糖分の合計グラム数と平均的な1日の総カロリー摂取量に占める比率が記載されています。
『添加糖分』表記で心疾患、糖尿病の予防につながる!
- 心疾患疾患の予防(今後20年間で35万4,400件の予防につながる)
- 2型糖尿病の予防(今後20年間で59万9,300件の予防につながる)
- 医療費の削減(米国では医療費が310億ドル(約3兆4000億円))
- 生産性やその他の社会的コストの削減(619億ドル(約6兆9000億円)の削減)
さらに食品に添加する砂糖の量を削減すると、どうなるか!?
先行研究では、栄養成分表示を見直すと、消費者が賢く食品を選ぶようになることが報告されている。例えば、トランス脂肪酸の成分表示が義務付けられた後には、トランス脂肪酸を多く含む食品の売り上げは減少し、食品業界も使用を控えるようになったといいます。
トランス脂肪酸とは
*1:Circulation4月15日オンライン版
朝食を抜くと、脳梗塞や心血管疾患の死亡率が高まる!!
皆さん、こんにちは(^^)ところで、今日の朝食は何でしたか?
パンですか? 牛丼定食? それともTMG(たまごかけごはん)ですか?
私はというと…食べてません。ここ10年ほど朝食は一切とっていないんです。
そんな、私と同じ朝食抜きの皆さん、「ちょっと、待ったーーーーーー!!」
もしかしたらこの食習慣、脳卒中や心臓病になる可能性があるかもしれませんよ!
朝食をとらないと、脳卒中や心血管疾患の死亡率が高まる!?
朝食を取る習慣が全くない人は、毎日取る人と比べて心血管疾患による死亡リスクが高い可能性があるということが、米アイオワ大学のWei Bao氏らの研究で明らかになりました。6,000人を超える健康な米国成人を約20年間追跡して分析したこの研究では、朝食を全く取らない人では、毎日取る人と比べて、特に脳卒中による死亡リスクが3倍以上に高まることが分かった。*1
米国ではこの50年間で朝食を取らない人が増えており、若年者の23.8%は朝食を食べないという調査結果も報告されているそうです。そこで、今回の研究を主導したBao氏らは、米国成人を長期にわたり追跡し、朝食を抜くことが健康にどのように影響を及ぼすかについて調査しました。
- この研究は、1988~1994年の米国国民健康栄養調査(NHANES)に参加した
40 ~75歳の成人6,550人(平均年齢53.2歳、男性が48%)を対象にしており、
17~23年間の長期間にわたって追跡しています。 - 参加者のうち、朝食を「全く」取らないのは5.1%、「ほとんど」取らないのは
10.9%、「毎日取る」のは59%と回答しました。
年齢や性、人種などで調整して解析した結果、朝食を全く取らない人では、毎日取る人と比べて全死亡リスクは19%高く、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患により死亡するリスクは87%高いことが分かりました。
なぜ、朝食を抜くと死亡率が高くなるのか!?
- 朝食をとる習慣がある人は、そもそも生活習慣が整っている。
- 朝食を抜くと、空腹感が強まって昼食を食べすぎたり、間食したりすることで肥満につながる。
- 起床後から絶食状態が長く続くと、糖尿病の発症につながるインスリン感受性の低下、他のホルモンへの影響による血圧上昇のほか、コレステロール値が悪化する可能性が示されているという。
ということが考えられます。今回の研究の欠点は、“朝食を食べないから死亡率が高くなるのか?”、それとも、“心疾患疾患にならない人が朝食を食べているのか?” という、因果関係が証明されているものではないという点です。
朝食は健康な身体つくりにとって重要なファクター!
これまでの研究でも、朝食を食べないと肥満リスクが高まる可能性を示した報告は散見されています。
多くの人は減量のために朝食を抜こうとしますがこれは逆効果で、結果的に暴飲暴食につながることも多い可能性が高いと感じます。
例えば(私もそうですが…)昼食で「ご飯を抜いたから、お菓子食べても大丈夫だよね!」なんてタカをくくって、“スナック菓子やチョコレートを食べる” なんて行動、したことないですか?
そもそも、「こういう食習慣が問題である!」と警笛を鳴らしている研究結果であると感じます。
また、今回の研究責任者が言うには、朝食に何を食べるのかも重要で、「一食分に20gもの砂糖を含む菓子パンやシリアルは避け、全粒粉のシリアルや果物、ナッツ類、良質なたんぱく質を中心とした栄養価の高い朝食を取ることが大切だ」と助言しています。
皆さん、生活のちょっとした工夫で健康は手に入るのですよ!
明日からでも遅くありません。明日の朝食は、“玄米ご飯に納豆とわかめと豆腐入りのお味噌汁” なんてのも、いいんじゃないですか?
原著論文はこちら
Rong S, et al. J Am Coll Cardiol. 2019 Apr 22. [Epub ahead of print]
*1:Journal of the American College of Cardiology」4月22日オンライン版
一日一万歩も必要ない! 一日4400歩で長生きできる!!
読者の方の中にも、ウォーキングを習慣としている方も少なくないと思います。
ランニングと比べると、足腰に負担がかからず、有酸素運動を維持できる利点があります。ウォーキングの目安として、「一日一万歩」なんて話をよく聞きますが、、、これって、本当に科学的根拠があるのでしょうか?
米国のとある論文に、“歩行と健康の関連性” について書かれた論文を見つけましたので、ご紹介しますね!
高齢女性において一日4,400歩でも死亡率が少ないことが判明
結論から言いますと、‟高齢女性において、約4,400歩/日という少ない歩数でも約2,700歩/日に比べ、全死亡率が41%低いことが示された” というのです。
また、‟1日当たりの歩数の増加につれて全死亡率は減少するが、約7,500歩/日を超えると平坦化した。歩行強度については、1日の総歩数を考慮すると全死亡率低下との明らかな関連は認められなかった” という事なのです。*1
本研究は、米国のWomen's Health Studyにおいて、2011~15年に7日間、覚醒時間中に加速度計(歩数を計算する装置、万歩計のようなもの)を装着することに同意した1万8,289人の米国人女性が参加。1万7,708人が装着してデバイスを返却した(1万7,466デバイスからデータが正常にダウンロード)。そのうち、1日10時間以上、4日間以上装着していた1万6,741人のデータを用いて、1日当たり歩数および歩行強度の尺度(と全死亡率の関連を調べた。
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研究対象となった女性の平均年齢は72.0歳。
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平均歩数は一日 5,499歩
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歩行強度別の割合は、1分間あたり0歩が51.4%、1~39歩が45.5%、40歩以上(意図的歩行)が3.1%であった。
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解析結果では、一日あたりの平均歩数が増えるにつれて心拍数は減少したが、約
7,500歩/日以降は頭打ちとなった。 - 歩行強度に関して言えば、歩行強度が強いほど全死亡率は低下したが(一分間あたりの歩数が多い人)、1日当たりの歩数を調整後は全ての関連が減衰し、有意ではなくなった。
歩行強度とは
運動強度の指標として、心拍数や主観的運動強度(RPE)、代謝等量(METs)などが使用されています。しかし、これらの指標をウォーキングに代用するのは無理があります。そこで、歩行強度を測定するための方法として、“歩行率(一分間に歩ける歩数)” が指標とされています。
高齢女性において1日4,400歩ウォーキングできる人が健康なのか?
本研究結果をまとめると、「1日1万歩」を目標にしなくても、その半分の『1日4,400歩』で十分、死亡率が低下するという研究結果だったのですよね。
また、歩行強度と死亡率についても関連性は低く、友達やご主人さまとおしゃべりしながらのお散歩で十分、健康の恩恵が受けられるというありがたい報告です!
ただここで、注意しておきたいのは、
1日4,400歩、ウォーキングしたから死亡率が低いのか、あるいは、1日4,400歩ウォーキング出来るような体力のある高齢者だから(運動耐容能が高い)死亡率が低いのか、、、その因果関係は、はっきりしていません。
少なくとも、ウォーキングは健康のバロメーターになります。
例えば、「4,400歩も歩けないな・・・」と思われたら、運動耐容能が低く、体力がない可能性もあります。
また、「いつもは4,400歩 ウォーキング出来るのに、最近出来なくなった・・・」というのであれば、身体のどこかしこの調子が悪いのかもしれません。
少なくとも、毎日4,400歩ウォーキングをすることは、健康への近道であるのは間違いありません。
隙間時間にウォーキング♩♩♩は、いかがですか?
*1:JAMA Internal Medicine誌オンライン版2019年5月29日号
心拍数75以上は早期死亡リスクが高まる!?
皆さん、こんにちは(^^)
今日も滑らない、ノンストップ健康談義に花を咲かせていきましょう!
さぁ、皆さん、これから一分間、ご自分の心拍数を計ってみましょう~
「準備はイイですか?」
「スターーーート!」
「チク、チク、チク、、、、、」
「はい、終わりーーーー!!」
どうでしょう。ご自身の心拍数、何回でしたか?(1分間に何回?)
心拍数が75を超えている男性、、、
要注意ですよーーー!!!
安静時心拍数が75回を超える中年男性は、早期死亡リスクが高い!
中年期の安静時心拍数が、正常範囲内(50~100回/分)でも1分間当たり75回を超える男性では、55回未満の人と比べて早期死亡リスクが約2倍に高まる可能性があることが、ヨーテボリ大学(スウェーデン)サールグレンスカ・アカデミーのSalim Bary Barywani氏らの研究で明らかになりました。
この研究では、50~60歳の間に心拍数が経時的に増加した男性では、死亡リスクや心血管疾患の発症リスクが高まることも分かったそうです。*1
研究概要
この研究では、ヨーテボリで1943年に生まれた男性1,450人をランダムに抽出し、このうち1993年の生活習慣などに関する質問紙調査に回答した798人を対象に、2014年まで21年間追跡した。対象者には、1993年、2003年、2013年の計3回、安静時心拍数を含む検査を施行。
研究結果
- 50歳の時点(1993年時点)で安静時心拍数が75回/分を超えていた男性では、55回/分未満だった男性と比べて、その後の全死亡リスク、および冠動脈疾患の発症リスクがいずれも2倍高い。
- 50歳から60歳(1993年から2003年時点)の間に、安静時心拍数が1分間当たり5回以上増加した男性と比べて、心拍数の変化が4回未満と安定して推移した人では心血管疾患リスクが44%低いことも明らかになった。
- 50歳以降の心拍数が毎分1回増えるごとに全死亡リスクは3%、心血管疾患リスクは1%、冠動脈疾患リスクは2%高まった。
ただし、Barywani氏らは、今回は観察研究であるため、これらの因果関係を証明するものではないと断っている。
心拍数は心臓疾患のリスク因子になるのか!?
今回の研究血管に対して、有識者は色々な見解を述べています。
- “心拍数が徐々に上昇している患者では、心臓の健康に問題が生じている可能性がある。しかし、安静時心拍数を死亡や心疾患の独立したリスク因子としてみなすのは時期尚早である。”との指摘もあります。(米イリノイ州ネイパービルにある医療機関アドヴォケイト・ヘルスケア(Advocate Health Care)のVincent Bufalino氏)
- 安静時心拍数は心臓のリスク因子になりうるとする今回の研究結果を支持するものの、50歳以上の患者の安静時心拍数が75回/分を超えていたら、必ずしもそれをリスク因子としてみなすつもりはない。その他のリスク因子をより慎重に観察するだろう。と述べている専門家もいます(米ニューヨーク市のマウントサイナイ病院で心臓病を専門とするPrashant Vaishnava氏)
一般のみなさんが注意した方がいいこと
心拍数は高すぎても低すぎても健康に良くはありません。40歳代で心拍数が低下している人では、全身に血液を送る心臓のポンプとしての働きが弱まっている可能性や、心臓の電気信号の働きを担う機関が弱っている可能性も考えられます。
一方で、安静時の心拍数が100を超えている場合にも、心臓の病気や、“不整脈”という病気が考えられますので、病院の受診をお勧めします。
普段、心拍数を計っている方で、急激な心拍数の上昇がみられたら、高血圧や脂質異常症などのリスク因子の管理について、循環器専門の医師に相談したほうが良いですよ!
そうそう、大事なことを言い忘れていました(^^;)
心拍数を計って、①40回未満、②100回以上、③脈がときどき飛ぶ!
という現象を発見された方、早く循環器専門の医師がいる病院を受診してくださいね!!
面白ネタ
心拍数は体の大きさや、体重に比例するんですよ!
たとえば、ハツカネズミは600回/分、一方ゾウは30回/分だそうです。
また、哺乳類の心拍数は動物の種類によらず一定で、一生のうちで20~25憶回だそうです。確かに、ゾウの寿命は80~100年、一方ハツカネズミは2~3年ですもんね! 人間も哺乳類だから、心拍数と寿命に何らかの関係があるのかも!?
また、オリンピックに出場するようなスポーツ選手は心拍数が50未満である方が多いそうです。スピードスケート選手の小平奈緒さんや、マラソンランナーの高橋尚子さんは、安静時心拍数が30台だそうですよ。
スポーツ選手は激しい運動に適応するため、心臓が大きくなって、脈拍が少なくなっているのですよね。
でも、気を付けてください!!
一般の方が、心拍数30台だったら、ペースメーカーを植え込まなければならないレベルです💦さらに、心臓が大きくなっていたら、心不全の可能性があります。
このような場合は、早めに循環器専門の医師のいる病院を受診して下さいね。
情報元
2019年4月16日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay. All rights reserved.
*1:Open Heart4月15日オンライン版
心血管疾患リスクを低下させるためには、週60分の筋トレで十分!!
皆さん、こんにちは(^^)何だか、だんだん暖かくなってきましたよね!お花見には行きましたか? 私は毎年のことながら、、、行っておりません。だって、私は “花より男子” あれ・・・?違う、ちがう、、、“花より団子”
暖かくなると、外での運動もしやすくなりますよね?
週60分未満の筋トレで心血管リスクが低下する
登山やサイクリング、ウォーキングも行いやすい時期になってくると思います。
今回お届けする内容は、「運動療法と健康」についてです。
筋力トレーニングで心血管疾患リスクが低下する筋力トレーニングなどのレジスタンス運動を週に60分まで行うと、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクが有意に低下する可能性があることが、米アイオワ州立大学准教授のDuck-chul Lee氏らの研究で示されました。一方で、レジスタンス運動を週に60分以上行っても、これらの心血管疾患(CVD)リスクのさらなる低下はみられないことも分かりました。*1
レジスタンス運動とは
レジスタンス運動にはダンベルやマシンなどの器具を用いて行う方法と、スクワットや腕立て伏せのように自体重を利用して行う方法があります。自分の体重を用いて行う方法は手軽に行えることから、筋力向上の指導プログラムに広く活用することができます。しかし負荷の大きさを調節しにくいという欠点もあります。例えばスクワットならしゃがみ込む深さを調節する、机などに手をついて行う、何かを持って行うなどの工夫で負荷の調節をすると良いでしょう。
米アイオワ州立大学准教授のDuck-chul Lee氏らの研究
Lee氏が率いる研究グループは、既にレジスタンス運動を週に60分まで行うと脂質異常症やメタボリック症候群になるリスクが低下することを報告している。そこで今回、同氏らはレジスタンス運動の心血管系への影響を調べるため、1987~2006年に2回以上診察を受けた男女1万2,591人(平均年齢47歳)を対象に、平均で5.4年および10.5年間の追跡調査を実施した。
その結果、週に1~3回または60分未満のレジスタンス運動を行った人では、全く行わなかった人と比べて、CVDイベントの発生リスクが40~70%低いことが分かった。レジスタンス運動によるこれらのベネフィットは、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動とは独立していた。一方、レジスタンス運動をより頻回(週に4回以上)あるいは週に60分以上行ってもCVDリスクはこれ以上低下しなかった。
レジスタンス運動の頻度または実施時間に基づく各分類群を対象に、レジスタンス運動の実施が「心血管イベント」、「心血管疾患による死亡」、「総死亡」に及ぼす影響を検討しました。結果に影響を与える可能性のある要因(有酸素運動実施の有無も含む)を考慮して分析したところ、統計学的に意味のあるリスク減少が見られたのは、「週に1~2回程度、計60分未満(1~59分)のレジスタンス運動」でした(表1)。各評価項目で、35~70%のリスク減少が認められました。
(Liu Y, et al. Med Sci Sports Exerc. 2018 Oct 29.)
以前から、有酸素運動(軽度のランニングや、ウォーキング等)が心血管系に良い影響を与えることは知られていました。
しかし、今回の研究結果によって、筋力トレーニングにも有酸素運動と同様に心血管系へ良い影響を与えるという効果があると分かりました。
週4回以上、60分以上の筋トレをしても、心血管イベントや心血管死亡のリスクは低下しない
ガイドラインが推奨しているレベルの有酸素運動を実施している人々とそうでない人々を分けて検討しましたが、「心血管イベント」と「心血管疾患による死亡」のリスク低下は、有酸素運動の実施の有無にかかわらず認められました。
一方で、「総死亡」については、ガイドラインが指示するレベルの有酸素運動と並行してレジスタンス運動を行っている人についてのみ、リスク減少が認められました。
またこの研究からは、筋トレを週4回以上、60分以上行っても、心血管リスクの低下には繋がらなかった。という驚きの結果なんですよね。
運動の効果を体重の減量効果と置き換えて考えてはダメ
筋力トレーニングと聞くと、「スポーツ選手やボディービルダーが行うもの!」と思われている方も少なくないと思います。筋力トレーニングには見た目を良くするだけでなく、健康への効果があるのは明らかで心血管の状態に直接いい影響を与えているようです。
また、驚くべきポイントがあります! レジスタンス運動の心臓への効果はBMIが変わらなくても認められたという事です。今まで、運動の健康効果は減量に伴うものだと考えられてきましたが、そうではない事が示されたのです。
つまり、『週60分運動しても、体重が減らないから健康的でない』とは言えない!という事です。
ご自身の健康のバロメーターを体重で考える必要はありません。
昨今、筋トレブーム、マラソンブームの甲斐あって、運動を習慣化する方が増えていると思います。ジムなどに通われている方も多いのではないですか?ジム通いも、“週60分”という目安が出来れば、簡単に習慣化できるのではないでしょうか?
そんな私には、運動習慣がありません・・・。
しかし、11月に開催される横浜マラソンにエントリーしました!!!!!!!!!!
しかも、フルマラソン。考えただけで地獄です・・・。抽選から外れていてくれればいいと内心思っています。
私もそろそろ、ランニングの練習に取り掛からないと・・・。
明日から、本気出す!!!
それでは、皆さんのご健康と、ハッピーなライフスタイルを心より祈っております。
[2018年12月18日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights reserved.
*1:Medicine & Science in Sports & Exercise