現役メディカルスタッフが語る!!健康な身体と心を手に入れる極意

循環器専門病院に勤務するメディカルスタッフ(健康オタク)が、最強の身体と心を手に入れるための方法を伝授します!巷のうわさ話ではない、科学的根拠(Evidence)に基づいた健康法を医療専門家の視点から徹底的に語ります。

長寿遺伝子❝テロメア❞を守れ!! 老化やがんから身体を守るPART2~

若々しく健康な身体を手に入れるためのカギを握ると言われる、“テロメア”。

このテロメアを守るために、私たちに何が出来るのか・・・。

そして今、命の回数券といわれるテロメアを守り、さらにテロメアを伸ばす働きをするテロメラーゼを増やす研究が進んでいるのです。

 

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研究netより引用

 

テロメアを守るためのキーポイント

  1. 心理的ストレスの軽減
  2. 食生活の改善
  3. 十分な睡眠
  4. 禁煙
  5. 過度の飲酒を避ける

 

心理的ストレスの軽減

現代社会において、ストレスを皆無にする生活は難しいと考えられます。家庭、仕事、友達関係など、我々は日々さまざまなストレスにさらされているのです。では、このストレスとどの様に向き合っていけば良いのでしょうか?

 

ストレス軽減に瞑想(マインドフルネス)がオススメ!

カリフォルニア大学 ロサンゼルス校 ヘレン・ラブレツキー教授らの研究チーム行った実験です。
「呪文を唱えながら指先を動かし、頭の中に光がさし込むような光景を思い浮かべるヨガの瞑想(めいそう)」
これを40代以上の女性たちに、毎日12分、2か月間行ったところ、テロメラーゼは、平均で43%も増加しました。

ヨガ以外にも自宅で行う簡単な方法として、4秒間かけて息を吸い、4秒間かけてはき出す。この呼吸をしながら、花、ろうそく、夕日などを見つめます。1日10分から始めます。この方法でも瞑想(めいそう)の効果は期待できます。

 

 

瞑想(めいそう)と聞くと、「眉唾ものだな!」と感じられる方も少なくないと思いますが、実はこの瞑想は、科学の対象になっています。まだメカニズムは不明なのですが、めい想はストレス軽減など、健康に効果があるという報告が増えてきており、病院や一般企業などでも、めい想を取り入れるところが増えてきています。
今回おもしろいのは、その瞑想が細胞レベルでも効果があるということが分かってきたんじゃないかなということです。

 

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有酸素運動テロメアを守る!

運動は、筋トレよりもジョギングなど、軽めの有酸素運動を週3回程度続ける方が有効だそうです。

 

地中海式食事法の遵守が効果的

以前、このブログでもご紹介した『地中海式食』。この食事を遵守している人ほど、テロメアが長かったそうです。通常の食事と比較して、果物、野菜、卵、乳製品・ミルクを2倍摂取します。さらに魚介類はほぼ同等であり、肉は半分から三分の一、穀物と精製した糖類はそれぞれ70~80%に減量します。

 

media-naranja.hatenablog.com

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十分なの睡眠がテロメアを短縮させない!

7時間以上の睡眠がテロメア短縮化させないためには必要だと言われています。皆さん、ぜひ十分な睡眠をとるように心掛けてください。


愛情が大切

友人やパートナーとの良好な関係を保つことも大切です。友人やパートナーと対話を重ね、家族や地域の人間関係の大切さを再認識する。このように愛情に満ちた生活を送ることもテロメアを守るためには欠かせないそうです。

「愛情は大切です。孤独で気分が沈んでいる人はテロメアが短く、3倍以上も病気になりやすくて、早死にする傾向にあります。」

 と、提唱している科学者もいるほどです。

 

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瞑想+有酸素運動+野菜中心の食事+愛情の4つの要素を組み合わせると、テロメアが伸びるという研究結果が明らかに!

日常の生活習慣を変えることで、より大きな効果を上げられないか、試行錯誤を重ねてきた研究者がいます。ディーン・オーニッシュ博士です。


がん患者のグループにあるプログラムを実践してもらったところ、テロメアが実際に伸びたのです。
そのプログラムとは、めい想を含む4つの要素から構成されていました。

  1. 有酸素運動
    1日30分のウォーキングを週に6日間行なう。

  2. 野菜中心の食事
    オメガ3脂肪酸が豊富な野菜や豆類などの食材を中心とした

  3. 週に1度のカウンセリング(会話を用いた相談)
    被検者と対話を交え、家族や地域の人間関係の大切さを再認識してもらいます。

 

この生活習慣プログラムを5年にわたって継続したところ、参加者のテロメアは平均で10%も伸び、がんの進行も遅らせることができたそうです。

 

 

過剰にあっても問題となる、テロメラーゼ

 最近、テロメラーゼを増やすサプリメントが市販されています。このサプリメントエビデンスは存在してません。

テロメラーゼは心血管疾患や認知症などの病気のリスクは低下させますが、一方、テロメラーゼが過剰になると特定のがん(低悪性度漿液性卵巣がん肺腺がん神経芽細胞腫、膀胱がんなどの発症リスクを高めてしまうのです。

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画期的な発見である “テロメア” だが、シンプルな習慣こそが、テロメアを守る要因

 画期的な発見でしたが、ストレス軽減、野菜中心の食事、睡眠、運動、などシンプルな習慣の変化が、これほど大きな効果をあげるなんて、本当に驚きです。“細胞レベルで若返る時代”の始まりなんだと実感します。

そして、テロメアを守るために大切な習慣は『愛する』ということ。実は、21世紀のある報告によると、「孤独はタバコと同じくらい健康に悪い」いうのです。

 もう一つ皆さんにお伝えしたいのは、テロメアの長さでだけで、寿命が完全に決まるわけではないということです。今後、大規模調査が進んでいくと、例えば「テロメアが短いんだけれども、長生きの人」ていう事も判明してくると思います。
つまり、健康を決める要因というのは、100も200もあるわけでして、テロメアというのは、その指標のひとつでしかない、という事に注意して頂きたいと思います。

 世間は、テロメアが長寿の遺伝子と分かったら、「テロメラーゼを外から増やせばいい!!」と短絡的に考えがちです。しかし、テロメラーゼをマウスの背中に移植したところ、皮膚は若返りましたが、それと同時に“がん”がたくさん発生しました。

このように、テロメラーゼを増やすように、人工的に手を加えるという作業は「もろ刃の剣」なのでしょうね…。

 

まずは、普段の食生活を改善し、そして家族やパートナーとともに過ごし愛する・・・このようなシンプルな方法が長寿の秘訣なのかもしれませんね。