現役メディカルスタッフが語る!!健康な身体と心を手に入れる極意

循環器専門病院に勤務するメディカルスタッフ(健康オタク)が、最強の身体と心を手に入れるための方法を伝授します!巷のうわさ話ではない、科学的根拠(Evidence)に基づいた健康法を医療専門家の視点から徹底的に語ります。

ダークチョコレートを食べると認知機能がアップする!? ~皆さん小腹がすいたらチョコレート♡~

読者の皆様、新年あけましておめでとうございます!!

私の幼少の頃の記憶を遡ると、、、元日やおめでたいことがあると、

『おめでとうございます~!!』と言いながら傘回し芸をする伝統演芸コンビ、海老一 染之助・染太郎を思い出します・・・。懐かしいですね。。。

今回のお題は、伝統演芸とは全く関係ありません。皆さん、普段からチョコレートって、食べますか?巷では、高カカオのチョコレートは抗酸化作用であるポリフェノールが多く含まれているから、健康にいい!なんて話も聞こえてきます。スーパーやコンビニに行くと、最近やたらと「70%カカオ」とか「80%カカオ」という商品が目に飛び込んできますよね!

あれが、カカオ含有量が高い=高カカオチョコレート=ダークチョコレートです。

今回は、この高カカオチョコレートである、ダークチ、ョコレートの健康への有効性が証明された論文を発見したのでご報告しますね。

 

 

https://c-ippin.gnst.jp/photo/report/36/fa/5258/5258_report_1_2.jpg?1460443267

 

ダークチョコレートを食べると認知機能が上昇する!

ダークチョコレートを毎日食べると、神経成長因子(NGF)という蛋白質が増加し認知機能も向上するという研究結果が報告されました。しかもチョコレートの摂取を中止した後もしばらく認知機能が高い状態が維持されたそうです。ただし、ホワイトチョコレートにはこの効果はないそうです。*1 

 

この研究は、島根大学の健康な学生20人(20~31歳、男性14人)を対象に行われました。全体を無作為に2群に分け、1群にはカカオパウダーを含むダークチョコレート(24.0g/日)、別の1群にはカカオを含んでいないホワイトチョコレート(24.5g/日)を支給し、30日間毎日摂取。この間、カフェイン入り飲料は1日3杯までとし、支給したもの以外のチョコレートの摂取を禁止した。認知機能および血中NGF(神経成長因子)濃度は、連日摂取の介入前、介入終了時、そしてカカオ成分であるテオブロミンの血中濃度が通常レベルに戻ると考えられる介入終了から3週間経過した時点の計3回、計測した。 認知機能は以下の2つの方法で判定した。

  1. テスト1:赤、黄、青、緑という文字が4色の異なる色(赤、黄、青、緑)で印字されたもの(文字の色と文字の読みは無関係)を見て、文字の読みまたは色を瞬時に答えるというもの。
  2. テスト2:無作為に並んでいる0~9の数字の中から、指示された数字だけを時間内にできるだけ多くチェックするというもので、1分間の休憩を挟み3回繰り返した。

 

測定結果
  • 研究家移入前の認知機能、血中NGF濃度は両群で同等。
  • ダークチョコレート群では、実験介入後、NGF濃度が有意に上昇。
  • ダークチョコレート群では、実験介入後、テスト1の正当数が有意に増加
  • ダークチョコレート群では、実験介入後、テスト2において3回目のトライの成功率が有意に向上
  • 一方、ホワイトチョコレート群では実験介入前後において、いずれも有意な変化が認められなかった。

続いて、介入終了後から3週間後の結果は

  • ダークチョコレート群ではNGF濃度は介入前のレベルに戻っていた。
  • テスト1の文字の色読みの正答数は、ダークチョコレート群では介入前より有意に増加していた。

ダークチョコレートの摂取を中止すると、神経成長因子(NGF)濃度は摂取前の数値にもどってしまうようですが、認知機能は引き続き有意に高い状態が維持されるということなんですね。

また、同時に検討されたカカオ成分であるテオブロミン濃度は、ダークチョコレート群において介入期間中のみ有意に高かった。

その他、血中カフェイン濃度、脳由来神経栄養因子(BDNF)、前頭前野血流量は、両群ともに有意な変化は見られなかった。 

 


ダークチョコレートといっても、どんなチョコレートを選んだらいいの?

チョコレートはダーク、ミルク、ホワイトの3つに大きく分類されます。チョコレートの原材料には、カカオマスココアバター、(ココアパウダー)、砂糖、乳成分、乳化剤、香料があります。このうちの乳成分はミルクチョコレートとホワイトチョコレートのみに含まれるものになります。乳成分とは粉乳のことで、牛乳から水分のみを取り出し乾燥させパウダー状にした全脂粉乳や、乳脂肪分も取り除いた脱脂粉乳などがあります。ミルクチョコレートやホワイトチョコレートでは、この粉乳が含まれている分だけチョコレート全体に占めるカカオの割合は減少します。つまりダークチョコレートと比較すると必然的にカカオ分は低いものとなるのです。 

 

高カカオチョコレートとは、カカオ含有量が多いものを指します。つまり、チョコレートの成分表で【カカオ含有量】を見れば一目瞭然です。

一般的に、【カカオ成分70%以上】のチョコレートをダークチョコレートと言います。

ですから、コンビニやスーパーでチョコレートを買うなら、「カカオ70%」とか「カカオ80%」を選べばいい訳ですが、、、デメリットは、高カカオは値段が高い。高カカオは甘くない。といったところでしょうか…。

 

 

https://smashop.jp//img/p/special/99537bd5a421ee0c4311b85cbbad3da406f4f848881c366e2e68f32efa4dba25.jpg

 

ダークチョコレートの健康効果

  1. 高血圧が改善(血圧を下げる働きがある)
  2. 精神的・肉体的に活動的になる
  3. 善玉コレステロールの上昇と強力な抗酸化作用
    善玉コレステロールと言われるHDLを増加させるにもかかわらず、LDL(悪玉コレステロール)は増加させなかった。
  4. 認知能力の上昇

 

www.meiji.co.jp

 

実は、チョコレートやココアに含まれるカカオポリフェノールは、活性酸素を抑える働きがあることが知られ、生活習慣病に有効であるとの多くの報告が以前よりありました。コレステロール値の改善、血圧低下および血管内皮機能の改善、心疾患リスクの低減、インスリン抵抗性の改善といった多岐にわたる臨床試験結果が得られています。

 

今回の研究結果では、

「ダークチョコレートの連日摂取によって、血中NGFとテオブロミンのレベルが上昇し、認知機能の向上が認められた」という事が分かりました。

 

これから、ちょっと甘いものが欲しいな~・・・なんて時は、ミルクチョコレートでなくダークチョコレートに変えてみては如何ですか?ありがたいことに、ちょっとお値段は張りますが、品数も豊富で手に入りやすくなっています。

ダークチョコレートを食べて、記憶力、認知能力を挙げて、活動的な毎日にしていきましょう!!

 

原著論文はコチラ

Sumiyoshi E, et al. Nutrients. 2019; 11 pii: E2800.

 

参考

2019年12月9日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay. All rights reserved

*1:島根大学医学部環境生理学の住吉愛里氏らの研究「Nutrients」11月16日オンライン版