動物性たんぱく質を植物性タンパク質に置き換えると、長生きする!?
普段の食事中の動物性タンパク質を植物性タンパク質に置き換えると、全死亡リスクが低下する!?
今回の研究では、1995年から2011年にかけて、食事パターンと健康に関する長期的な調査に参加した米国人男性23万7,036人と女性17万9,068人のデータを分析しました。
対象者の食事中に含まれるタンパク質の割合は、平均で約15%であり、そのうち40%は植物性、60%は動物性という結果でした。
16年間の追跡調査の結果、男女ともに、植物性タンパク質の摂取が全死亡リスクの低下と関連する可能性が示されました。
- 1,000kcal当たりのタンパク質の摂取量を、動物性タンパク質から植物性タンパク質に10グラム置き換えるごとに、全死亡リスクが男性では12%、女性では14%低下した。
- 動物性タンパク質から摂取するエネルギーのうちの3%を植物性タンパク質に置き換えると、全死亡リスクが男女ともに10%低下し、心血管疾患による死亡リスクが、男性では11%、女性では12%低下することが明らかになった。
- 動物性タンパク質のうちでも、卵を植物性タンパク質に置き換えた場合に全死亡リスクが、男性で24%、女性で21%低下し、赤肉を植物性タンパク質に置き換えた場合には、それぞれ13%、15%低下した。
動物性タンパク質をどんな食材に置き換えるかが、長生きの秘訣!
卵や赤肉の動物性タンパク質を、全粒穀物などの植物性タンパク質に置き換えると、死亡リスクが低下することが分かりました。
一方で、動物性タンパク質を、加糖飲料などの他の食品に置き換えた場合に全死亡リスクの低下がもたらされるかは不明です。
要は、卵や赤肉の摂取を制限する際には、健康的な代替品に置き換える事が重要という事です。
今回の研究結果から、心血管疾患による死亡の予防には、植物ベースの食事が有用であると示唆されました。赤身肉や卵などは貴重なタンパク質源のひとつですが、動物性タンパク質には飽和脂肪酸やコレステロール、塩分などが多く含まれるとい懸念材料もあります。
一方、植物性タンパク質には、食物繊維やミネラル、ビタミンが豊富に含まれています。
また、また、今回の研究を行ったAlbanes氏らは、動物性タンパク質が体内で分解された後のアミノ酸は、動脈硬化や炎症を促している可能性を指摘しています。さらに、動物性タンパク質は、腸内細菌叢に影響を与える可能性があることも考えられるといいます。
Academy of Nutrition and Dietetics会長のConnie Diekman氏は、「植物性タンパク質の摂取が長生きにつながる理由にはさまざまなことが考えられる」と述べた上で、「肉のタンパク質には飽和脂肪やコレステロール、塩分などが多く含まれる一方で、植物性タンパク質には食物繊維や抗酸化物質、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれている」と指摘しています。
原著論文はこちら
Huang J, et al. JAMA Intern Med. 2020 Jul 13.
参照
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2020年7月13日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved
咳には風邪薬よりはちみつが効くって本当!?
そろそろ寒くなってきましたよね~。
この季節になると気になるのが、風邪などの症状に伴う喉の痛みや咳。
皆さん、喉が痛いとき、咳が出る時、どのような対処をしていますか?
のど飴やトローチ、しょうが湯、ハチミツ、咳止め薬など、、、人によってその治療法は様々だと思います。
その気になる、喉の痛みや咳といった風邪の症状を、ハチミツで改善できるかもしれない!という論文を見つけたのでご報告しますね。
今回取り上げる論文は、英オックスフォード大学医学部のHibatullah Abuelgasim氏らにより、「BMJ Evidence-Based Medicine」8月18日オンライン版から。
咳やのどの痛みには風邪薬よりもハチミツが効く!?
今のところ、風邪の根本的な治療法はありません。でも、喉の痛みや咳といった風邪の症状を蜂蜜で和らげられるかもしれない。そんな蜂蜜の有用性を裏付ける臨床試験データの分析結果が、英オックスフォード大学医学部のHibatullah Abuelgasim氏らにより、「BMJ Evidence-Based Medicine」8月18日オンライン版に報告されました。
市販の咳止めシロップや感冒薬および抗アレルギー薬、鎮痛薬などによる“通常のケア”を受けた成人や小児と比べて、蜂蜜を摂取した成人や小児の方が、咳の重症度や頻度が低かったというのです。
研究内容
2007年以降に実施された14件の臨床試験のデータを収集し分析。これらの試験のうち、小児のみを対象としたものは9件で、残りの5件には成人が対象に含まれていた。また、いずれの試験も、ハチミツの使用と感冒薬および咳止め薬またはプラセボの使用を比較検討したものだった。また、いずれの試験も、ハチミツの使用と感冒薬および咳止め薬またはプラセボの使用を比較検討したものだった。
研究結果
解析の結果、ハチミツは通常ケアと比べて、風邪による諸症状の改善、特に、咳の重症度と頻度の軽減と有意に関連することが明らかになった。プラセボとの比較に関しては、対象試験の数が限られていたため、説得力のあるエビデンスを得るには至らず、Abuelgasim氏らは、結論を導き出すためには、より質の高いプラセボ対照試験が必要だとしている。 また、わずかながら咳以外の症状について検討した試験もあった。例えば、成人を対象に喉の炎症に対する蜂蜜の効果を検討した試験が1件あり、この試験では、蜂蜜が喉の回復を早める可能性が示されていた。
今回の研究で対象としたほどんどが、咳症状に対するハチミツの効果について検討しています。ですから、『ハチミツが咳症状を和らげる』ことが、強力に裏付けされたと考えられます。
しかもハチミツは薬と違い、安全性の高い食べ物です。ハチミツに含まれるグルコン酸には殺菌作用があり、また強い殺菌力を持つ過酸化水素を作るグルコースオキシターゼという酵素も含まれています。このため、ダブルで殺菌効果を発揮するのです。喉の痛みや咳止め、口内炎などにも効果があるといわれています。
ただし、ハチミツは熱に弱いので、ハチミツの効能を直接身体や喉などの粘膜に届けるには、加熱せず(紅茶やお湯などに入れるのではなく)、ティースプーンなどでそのまま摂取するのをお勧めします。
どんなハチミツを選んだらいいのだろう?
市販されているハチミツには大きく分けて3種類あります。
①純粋ハチミツ:
天然成分100%の「純粋はちみつ」は、水分含有量23%以下、果糖・ぶどう糖の含有量が合計で60g/100g以上など、厳しい品質基準を満たしていることが特徴です。
ただし、中国産の一部などに見られる驚くほど安価な純粋はちみつは、成分に加工がされている可能性もあります。
②加糖ハチミツ:
あめ・果糖・ショ糖(砂糖)などを足した加工品が「加糖はちみつ」です。成分が水増しされているため、純粋はちみつと比較して栄養価が劣ります。手軽な値段で甘い香りや風味が楽しめる一方、はちみつ本来の殺菌作用や栄養効果は期待できません。
③精製ハチミツ:
はちみつに含まれるタンパク質やビタミン・ミネラル類を特殊な膜により除去したもの。精製ハチミツには、ハチミツ独特の色や香りがありません。
この3種類のハチミツのうち、ハチミツ本来の効能が期待できるのは、① の純粋ハチミツのみです。加糖ハチミツや精製ハチミツは食べやすい一方、料理やお菓子の調味料として使用されるのが本来の役割です。
まとめ
ハチミツが風邪症状にどうして有効なのか?は、今回の研究で解明されてはいませんが、ハチミツに抗菌作用や抗炎症作用があることは、これまでの研究で示されています。
風邪症状で病院に行くと、抗菌薬が処方されることもあるかもしれません。でもこの抗菌薬、細菌を殺す作用はあってもウィルスが原因の風邪には全く効きません(細菌が原因の疾患には効果は発揮します)。それどころか、抗菌薬には副作用もありますから注意が必要です。
それと、ハチミツを選ぶときは『純粋ハチミツ』を選びましょうね!!
ご注意
1歳未満のお子様には、ボツリヌス症を発症するリスクがあるため、蜂蜜を与えてはならないとされています。
参考
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2020年8月24日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.
健康になりたきゃ、良い人間関係を築きましょう!
愛があれば、何でもできる!
あっ、愛じゃなくて、
「元気があれば、何でもできる」by アントニオ猪木
元気があったら何でもできるのか!?という、本質的なことは後にして、、、
愛があったら、健康になれるのか・・・?
「愛なんて、どーでもいー。大切なのは金!」と言う声も聞こえてきそうですが、
しかし興味深いことに、精神や肉体を支えあう相手がいること、特に結婚が健康にとって有益であることはこれまで数々の研究で報告されてきたのは事実なんです。
安定した人間関係が幸福と健康をもたらす
2017年に「Journal of the American Heart Association」に発表された研究では、未婚の心疾患患者は既婚の心疾患患者に比べ、約4年後に心筋梗塞を起こすか、心血管疾患により死亡する率が52%高いことが示された。
国立健康統計センター(NCHS)によると、既婚者の死亡率は、結婚経験のない人、離婚した人、配偶者と死別した人に比べて低いという。そのほか、恋人の写真を見るだけで、気分や痛みの制御に関わる脳の領域が活性化することや、パートナーのことを考えることが血糖値にプラスの影響を及ぼし、活力の上昇をもたらすことを報告。
ハーバード成人発達研究は、1938年から2つのグループの男性を追跡している。この研究を率いるRobert Waldinger氏が、研究成果に関して行ったTED講演「What makes a good life?(人生を幸せにするものは何?)」は、数千万回以上再生されている。この研究で明らかになったことの中で特に興味深いのは、中年期の安定した人間関係は、30年後の健康と幸福を予測する因子としては、コレステロール値よりも強力である。
人間関係がよいと、なぜ健康でいられるのか?
このような研究結果において、『良好な人間関係が健康に有益である』というのは、まぎれもない事実のようです。しかし、なぜ人間関係の良し悪しが健康に有益性をもたらすのでしょうか?
ある報告にによると、良好な人間関係が、恐怖や怒りを感じたときに生じる闘争・逃走反応を和らげてくれるという仮説があります。嫌なことがあった日でも、家に帰ってその事を話せる相手がいれば、気持ちも楽になりますし、ストレスを抱えて悶々としなくてもよいという事なのでしょう…。
人間は生きていくうえで、そして集団生活をするうえで、様々なストレスを抱えてしまう生き物です。しかし、手を握ったり、ハグしたり、抱きしめたりする行為がストレスホルモンを低減させることが、研究で明らかにされているのだそうです。
支えとなるパートナーの存在はストレスを緩和してくれる以上の働きがある
米ブリガム・ヤング大学心理学・神経科学教授のJulianne Holt-Lunstad氏は、支えとなるパートナーがいることで、運動やより良い食生活を心がけ、必要なときは医者に行くといった具合に、健康的な生活が促されている可能性がある。
と指摘しています。また別の研究では、
結婚の効果はその質によって左右されることが分かりました。幸せな結婚生活を送っている人は、未婚者に比べ血圧が低かったが、結婚生活がうまくいっていない人は独身者よりも血圧が高いという結果が得られたからだ。
結婚であれ恋愛関係であれ、良好な人間関係を作るうえで大切な基礎は、信頼と安心で成り立っていると考えられます。それには、独りよがりではいけませんよね?両者が互いのニーズにこたえる必要もあります。
結婚という枠でなくても、つらい時、苦しい時に支えてくれる相手がいることが重要
自分を支えてくれる相手・・・。これは必ずしも結婚という概念に拘る必要はないのかもしれません。自分が困っている時、必要な時に支えて、手を差し伸べてくれる存在がいると自覚していることが重要だそうです。
結婚していても、言い争いや喧嘩がたえないパートナーの場合は信頼や安心感は得られないかもしれません。
いい健康を得る近道は、相思相愛のパートナーを見つける事が最も重要かも
規則正しい食事、定期的な運動、禁煙・・・。健康になりたいと願う多くの人は、まず生活習慣の改善に努めようとします。しかし、愛するパートナーの存在が身体の健康、特に心臓に大きな好影響をもたらすと理解する必要がありそうですね。
良好な人間関係を構築することは容易いものではありません。しかし、信頼でき安心できるパートナーの存在が、自分の人生をより良いものにしてくれるのは間違いないようです。
ここまで、パートナーの大切さを説いてきましたが、パートナーがいてもお互いの信頼関係や愛情が冷めていれば、ストレス軽減どころか、ストレスを溜め込むことに繋がり、健康の恩恵に預かることが出来なくなります。
んんん~~、パートナーシップって、難しい…。(マイケル心の叫び)
参照記事
2020年2月5日/American Heart Association] Copyright is owned or held by the American Heart Association, Inc., and all rights are reserved. If you have questions or comments about this story, please email editor@heart.org.
参考
ケアネット
菜食主義が健康になるとは限らない!? ~大切なのは摂取する菜食の質!!~
皆さま、こんにちは(^^)
秋も深まってまいりましたね~。
金木犀の香りに包まれながら、秋の気配を感じている今日この頃でございます。
ところで皆さん、健康になるためにお肉を食べないで、菜食主義者(ベジタリアン)に切り替えよう~!
なんて思っている方、いらっしゃいませんか??
この行動、実は健康にはマイナスかもしれません…。
今回ご紹介する論文は、『菜食生活に切り替えたとて、全てが健康になるとは限らないよ~』という内容で、ハロコピオ大学(ギリシャ)のMatina Kouvari氏らが、欧州心臓病学会(ESC)のバーチャルミーティング(ESC Congress 2020、8月29日~9月1日)で発表されました。
菜食主義がすべていいとは限らない!摂取する菜食の質が問題!!
Kouvari氏らは、ギリシャで行われている疫学研究「ATTICA研究」の参加者を対象に、植物性食品の量や質の違いと心疾患との関連を検討する追跡研究を行いました。
研究概要
ATTICA研究には、アテネ在住の心血管疾患やその他の慢性疾患のない一般成人が登録されており、その中から、肥満でありながら、血圧、血清脂質、血糖値が基準値内にある146人を無作為に抽出。調査前年の食習慣に関するアンケートを基に、ギリシャで一般的に摂取されている156種類の食品と飲料の種類と量を調査した。この調査に際しては、食品の写真リストを用いて正確性を確保した。
研究結果
約10年の追跡期間中に、参加者のほぼ半数が高血圧、脂質異常症、高血糖を発症しています。参加者の半数って、けっこう多いと思いませんか?
実はこれらの検査値異常の組み合わせは、心疾患ハイリスク状態と考えられます。
しかし、基準値内の検査値を維持している人にはある特徴的な植物製品を摂取している傾向があったのです。
その健康的な植物性食品とは、
全粒穀物、果物、野菜、ナッツ、オリーブオイル、コーヒーなど。そして、これらの植物性食品に一致して言えることは、未加工食品が多く含まれていた。ということです。
一方、検査値異常値の大半の人が食べていた植物性食品というのは、
果汁飲料、加糖飲料、精製穀物(白パンやパスタなど)、ジャガイモなど。また、あらゆるタイプのお菓子の摂取も検査値異常と関連していた。
また、性別で検討すると、男性よりも女性において、より明確な関連が認められた。
つまり、女性では特に、『どんな種類の菜食をとっているのか?』て、健康を左右すると考えられます。
これまでは、植物性食品をより多く摂取するほうが健康的だという食事研究が出ていましたが、大事なのは植物性食品よりも、その植物性食品の質、素材が健康を左右しているのではないでしょうか?
つまり、一口に「動物絵師食品は控えて、植物性食品を多くとる!」と言いっても、フルーツジュースやパン(精製穀物)、お米(精製穀物)、お菓子などばかり食べていては健康的な体を得ることはできないと結論付けられます。
精製された米、パン、パスタを多く摂取することは、心疾患リスクや糖尿病の発症リスクを高める可能性がある!
肉類を減らす、または避けることで、どうしても高度に加工された炭水化物(精製米、精製パン、パスタ)などの摂取量が増えることにつながります。
高度に加工された炭水化物を多く摂取すると、心血管疾患の発症リスクや糖尿病などの発症リスクを高めることで知られています。
今まで発表されている従来の研究では、野菜、果物、ナッツ、全粒穀物、精製穀物を一派ひとからげに「植物性食品ベースの食事スタイル」と定義していましたが、今回の研究結果では、全てを同質の植物性食品とみなすには幅がありすぎ、栄養の質の違いが浮き彫りになったと言えると思います。
マイケルのブログでも口酸っぱくいっておりますが、偏った食事は危険もあります。タンパク質を摂取する事も大切で、それは赤身肉でなく卵、豆乳、魚介類でも十分補うことが出来ます。
明日は友達と焼き肉食べに行くぞーーー!!
もちろん、野菜サラダやキムチ、ナムルも注文しますよ~♪
でも、、、白飯は控えておこうかな…(;'∀')
参照
HealthDay News
ケアネット[2020年8月27日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved
中年期女性必見!! 緑茶やコーヒーを飲むと、体脂肪Iが減少して血管年齢が若くなる!?
皆さん、こんにちは(^^)
ダイエット、、、幾つになっても興味ありますよね!
私なんて、年がら年中ダイエットしてますよ…。
ちっとも、痩せませんが。。。
お腹の脂肪減らしたい!
ビキニ着てビーチを駆け回りたい・・・!
そんな、野望丸出しの私から、中年期女性の皆さんに朗報です。
皆さんは、緑茶やコーヒーはお好きですか?
コーヒーは苦手と言う方でも、緑茶なら毎日飲んでいる!
という方も多いのではないかと思います。
今回取り上げる論文は、コーヒーや緑茶の摂取量によってBMIや体脂肪がどう変化するか?に着眼した内容で、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科茨城県地域産科婦人科学講座の寺内公一氏らが研究を行い、「Nutrients」5月11日オンライン版に掲載されました。
コーヒーや緑茶の摂取量が多い中年期の女性は、BMIや体脂肪が低い!?しかも、血管年齢も若くなる!!
コーヒーや緑茶の摂取量が多いと、心血管疾患のリスクが低くなるということは、既に報告されています。また巷では「カテキン成分が脂肪の蓄積を抑える」と言われており、CMや広告などでもこぞってアピールしていますよね?
でも、本当のところ、、、どうなんだろう…。
科学的根拠はあるのか??と疑問に思われた方も多いはず。
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科茨城県地域産科婦人科学講座の寺内公一氏らは、緑茶やコーヒー摂取量と、体脂肪、BMI、血管年齢は逆相関しているという事を科学的に証明したらしいのです。
研究背景・内容
- 対象者は:40~65歳の更年期症状のある女性232人(平均年齢51.6±5.0歳)。コーヒーや緑茶の摂取量はアンケートから把握し、全体を以下の4群に分類した。
- 対象群:コーヒーおよび緑茶の摂取量がいずれも1日1杯未満(16.8%)
- コーヒー群:コーヒーは1日1杯以上で緑茶は1杯未満(20.3%)
- 緑茶群:コーヒーは1日1杯未満で緑茶は1日1杯以上(32.8%)
- コーヒー+緑茶群:コーヒーと緑茶ともに1日1杯以上(30.2%)
- 動脈硬化の進行レベルは、血管の柔軟性の指標の一つである「CAVI」(数値が大きいほど血管柔軟性が低い)で評価した。
研究結果
- 年齢、月経の有無(閉経前/閉経期/閉経後)、喫煙・飲酒・運動習慣、エネルギー摂取量で調整の上、対照群を基準として各群のBMI25以上の割合を比較すると、コーヒー群はオッズ比(OR)0.14(95%信頼区間0.05~0.46)、コーヒー+緑茶群はOR0.15(0.05~0.50)であり、有意な負の相関が認められた。緑茶群はOR0.38(0.12~1.18)で、有意でなかった。
- 体脂肪率30%以上の割合は、コーヒー群はOR0.33(0.14~0.82)、緑茶群はOR0.36(0.14~0.96)、コーヒー+緑茶群はOR0.30(0.12~0.74)であり、いずれも有意な負の相関が認められた。
- CAVI8.0以上の割合は、同順にOR0.37(0.05~2.53)、0.11(0.01~2.27)、0.05(0.003~0.743)であり、コーヒー+緑茶群のみ有意な負の相関が認められた。
まとめ
今回の研究結果をまとめると、閉経前後の日本人女性では、毎日のコーヒーや緑茶の摂取量とBMIおよび体脂肪が逆相関していることが分かりました。
つまり、コーヒーや緑茶を多く飲む人ほど、BMIや体脂肪が低いというわけです。
さらに、コーヒーや緑茶の摂取は体型維持だけでなく、血管年齢も若くなるということが分かりました。女性の健康維持や動脈硬化予防にも役立つ可能性があるということを示唆しています。
ただしコーヒーも緑茶も飲みすぎには注意です!!
緑茶やコーヒーは、飲みすぎると健康被害を引き起こすことも知られています。
コーヒーの場合、カフェインの摂りすぎによる睡眠障害、クロロゲン(コーヒーポリフェノール)が胃粘膜を荒らすともいわれているんですよ。
また、緑茶の飲みすぎは、コーヒーと同様カフェインの摂取過多による睡眠障害、タンニン摂取過多による貧血、シュウ酸の摂取過多による腎結石・尿管結石の危険性もあると言われています。
健康に良いからといって、コーヒーや緑茶を1日20杯も飲むのはかえって、健康を害するリスクもあるので注意してくださいね。
1日に摂取する目安は、コーヒーなら1日3杯程度(コーヒーカップ)、緑茶なら一日10杯(湯呑)がいいそうですよ。
揚げ物の摂取頻度が高いと、死亡リスクが上がる!?
皆さん、こんにちは(^^)
油であげた天ぷら、唐揚げ、コロッケ、アジフライ、フライドポテト、、、
どれをとっても、おいしいですよね~!
油と塩の饗宴って、本当に美味!!!!!
なんですが、、、
やっぱり揚げ物って、身体によくないらしいんですよ。
そんな揚げ物が体に及ぼす影響について書かれた論文を見つけたので、ご紹介しますね。
揚げ物の頻回摂取は全死因死亡、および心血管死亡のリスクを高める
『揚げ物、とくにフライドチキン、豚カツ、魚介類のフライの摂取量が多くなると、全死因死亡、心血管死亡の危険性が高くなる』というデータが示されました。
北米成人の約25~36%が。毎日ファストフード店で揚げ物(ハンバーガー、フライドポテト、フライドチキン、フライドフィッシュなど)を食べているそうです。
実際、揚げ物が身体に悪い・・とは何となく以前から言われていた事ですが、死亡への影響については、科学的エビデンスが乏しく議論の的になっていた所でした。
研究背景・方法
米国・アイオア大学のYangbo Sun氏らの閉経後女性を対象とした大規模前向きコホート研究「omen's Health Initiative(WHI)研究」のデータ解析の結果示されました。
研究グループは、1993年9月~1998年9月に米国の40施設で行われたWHI研究に登録された、登録時50~79歳の閉経後女性、約10万7000人を、2017年2月まで追跡調査した。
自己記入式食事摂取頻度調査により、揚げ物の摂取頻度と1人前の分量について評価。揚げ物は、フライドチキン、魚介類(魚、エビ、カキ)のフライ、その他の揚げ物に分類した。
主要評価項目は、全死因死亡、心血管死亡、がん死亡とし、Cox比例ハザードモデルを用いて、揚げ物の摂取との関連を解析した。
研究結果
フライドチキンを1週間に1人前以上摂取している分は、非摂取群と比較して全死因死亡リスクは1.13倍、心血管死亡リスクは1.12倍であった。同様に魚介類のフライの摂取に関する危険率は全死因死亡 1.07倍、心血管死亡 1.13倍であった。
BMJ誌2019年1月23日号掲載
揚げ物の摂取量とガン死亡との関連性は認められなかった
今回の研究の結果から、揚げ物の総摂取量および、種類別摂取量とガン死亡との一般的な関連は認められなかった。
本研究の懸念点
この研究結果から、揚げ物の摂取量が与える影響は、全死因死亡リスクを高める、心血管死亡リスクを高める。ということが示されました。
一方、揚げ物の摂取量とガンによる死亡との関連性は認められなかったとしています。
ただ、この研究には若干の懸念点が挙げられま。
揚げ物の揚げ方や、調理用油に関する情報が限られているという点です。つまり、揚げるために使用する油を、キャノーラ油やサンフラワー油にするのか、それともオリーブオイルにするのか。といったような、揚げ油に関する情報はありません。
また、食物そのものの影響と、揚げることによる影響を分ける事が出来ない点が、この研究の限界であると考えられます。
アクリルアミドの発がん性について
食材の成分は、揚げる、焼く、焙るなど熱を加えることで化学変化が起こり、色や風味、食感などが良くなります。
しかし、穀類、芋類、野菜など炭水化物を多く含む原材料は加熱調理の過程で、化学物質であるアクリルアミドを産生します。
この、アクリルアミドの発がん性は、2002年スウェーデンの動物研究で報告され、ヒトについては、2007年のオランダのコホート研究でER陽性乳がんなどの発症リスク増加が報告されました。
しかし、否定的なデータもあり、米国国立がん研究所は、アクリルアミドについて、『発がん性は懸念されるが、ヒトに対する十分なエビデンスはない』としています。
また、本邦の農林水産省も、同様の見解を示しています。
揚げ物の3つの問題
- 揚げ物に使われる油のオメガ6
多くの調理用油で使用されるベジタブルオイルはオメガ6が多いため、食べれば食べるほど、体内の炎症が増えて老化が進んでしまうという状況を招きます。
揚げ物に使用して問題ない油として、ラード、ギー、バター、牛脂、ココナッツオイル、オリーブオイル等が挙げられます。 - 唐揚げやてんぷらの衣に使われる小麦
小麦に含まれるグルテンが問題視されています。これは、科学的エビデンスは証明されておりませんが、消化器系に悪い影響を与える可能性があるとも言われています。 - 高温の調理で生まれるAGEs
AGEsとは、終末糖化産物の略称で、高温による調理で生成される成分です。非常に強い毒性があり、老化や糖尿病を引き起こすといわれています。
***AGEsについては、近いうちに別の記事でご報告したいと思います***
揚げ物摂取のガイドラインを作るとすれば・・・
- 揚げ物は、月に1~2回くらいまで。
- 料理用油には、オリーブオイル、ギー、ラードを使う(キャノーラ油、サンフラワー油は厳禁)。
- 小麦粉の代用として、ポテトスターチやアーモンドパウダーを衣として使用してみるのも良い。
揚げ物を過度に怖がる必要はないと思いますが、気になる方は上記のような摂取方法を試してみても良いかと思います。ただやはり、毎日のように揚げ物を摂取するのは、身体に良くない、、、といった所が本音だと思います。
原著論文はこちら
Sun Y, et al. BMJ. 2019;364:k5420.
睡眠の質が悪いと、女性は太る!?
睡眠不足が不健康な食生活の引き金となる!
今回の報告は、米コロンビア大学のBrooke Aggarwal先生の研究結果です。*1。
研究内容
-
対象は20歳~76歳の女性、495人。睡眠習慣と食生活との関連を検討。
背景
- 平均年齢37±16歳、BMI25.9±5.7、睡眠時間6.76±1.24時間。
- 全体の39%は睡眠の質が悪いと判定された。
- 摂取エネルギー量は平均1,433±862kcalだった。
検討の結果、過去の研究と同様に、睡眠の質が悪い(ピッツバーグ睡眠指数が高い)人ほど、肥満や2型糖尿病リスクにつながる糖の摂取量が多く、また食事全体の量も多く、その割に不飽和脂肪酸の摂取量は少ないことが明らかになった。また、寝つくのに60分以上かかる人は15分以内に眠れる人に比べ、食事摂取量と摂取エネルギー量が多く、全粒穀物の摂取量は少なかった。さらに、不眠症症状の重症度が強いほど摂取エネルギー量が多く、不飽和脂肪酸の摂取量は少ないという関連が見られた。
ピッツバーグ睡眠指数って??
「睡眠の質」と言う言葉をよく聞くと思いますが、この‟質”をどのように計測すればよいか、その尺度と言うのは非常に個体差があり主観的です。
例えば、「今日は、睡眠中一度も起きなかった!」とか、「今日は全く夢を見なかった」とか、「ぐっすり眠れた気がする…」とか。
人によって睡眠の質の感じ方は様々です。
そこで、この睡眠の質を客観的に数値化したものが、ピッツバーグ睡眠指数です。合計数値が高いほど、睡眠の質が低いと言えます。皆さんも一度、tryしてみた下さい(^^)
睡眠にまつわるこんな記事もありますのでご参照下さい(^^)
とかく女性は、睡眠障害に陥りやすいそうです。その理由は、20代~40代は子供や家族の世話を行い、子供が育ち手が離れたころには閉経期のホルモン分泌の変化が起こるからだそうです。女性の人生は睡眠障害との戦いなんですよ!!
睡眠の質が悪いと不健康な食生活に傾きやすい原因のひとつに、
「睡眠の質が悪いと、空腹シグナルが刺激される一方で、満腹シグナルが抑制さるれ食物の過剰摂取につながる」と考えられます。
「睡眠の質が悪い女性は食べ過ぎていて、より不健康な食品を食べる傾向がある」と考察しています。同氏によると女性は、若いうちは子どもや家族の世話のため、その後の人生では閉経期のホルモン分泌の変動のために、睡眠障害になりやすいという。
さらに、過食により胃腸の不快感が引き起こされて、その後眠りにつくのに時間がかかったり、深い眠りが妨げられる可能性もります。
いずれにせよ、
不健康な食生活と過食は肥満につながります。従来の研究結果からも、肥満が心疾患のリスク因子であることは間違いないので、睡眠の質をいかに向上させるか。医療で介入できれば、肥満を防ぎ、引いては心疾患のリスクを減らすことも期待できます。
原著論文
Zuraikat FM, et al. J Am Heart Assoc. 2020 Feb 17
参照
ケアネット
提供元
HealthDay News
*1:「Journal of the American Heart Association」2月17日オンライン版