ココナッツオイルは本当に身体にイイのか問題! ~第二弾~
はい皆さん、こんにちは~。
やって参りました、マイケルゆみこがお届けする科学的根拠のあるマニアックな医療ネタ。皆さん、楽しんで頂けていますか?
今回お届けする内容は、前回に引き続き『ココナッツオイルを飲んだら健康になるのか問題!?』
前回のココナッツオイルの内容をまとめ
- ココナッツオイルは飽和脂肪酸の一種。一方でオリーブオイル、亜麻仁油、魚の油は不飽和脂肪酸である。
- 不飽和脂肪酸には、ココナッツオイル以外にバター、肉の脂、ラードなどはなどがある。
- しかし、ココナッツオイルの主成分は中鎖脂肪酸。中鎖脂肪酸は消化吸収、代謝が速く、直ちにエネルギーに変換されるため、脂肪として蓄えにくいと言われている。一方、バターや肉の脂などは長鎖脂肪酸が主で、身体の臓器や血管をまんべんなく巡るため、脂肪として蓄積しやすい。
ココナッツオイルが『身体にイイ!』と言われているのは、このような理由からだと考えられます。
『ココナッツオイルは身体にイイ』説が覆えされつつある!!
シンガポール国立大学の疫学分野教授・教務部副部長のvan Dam氏らが、ココナッツオイルについて発表された16件の研究結果を統合して、ココナッツオイルの摂取が心血管疾患リスクと関連しているかの調査を行ったところ、、、
ココナッツオイルには、心血管疾患リスクを増加させる可能性がある低比重リポ蛋白(LDL)コレステロールおよび総コレステロールの上昇と関連することを見いだした。
という事らしいのです。
統合した調査結果をまとめると・・・
- オリーブオイル、大豆油、キャノーラ油などと比較すると、ココナッツオイルの摂取量増加によってLDLコレステロール値は大幅に上昇。
- 1日に大さじ3~4杯のココナッツオイルの摂取は、推定10mg/dL(約9%)のLDL値上昇と関連。
要するに、ヒトでの学術研究において、ココナッツオイル摂取が肥満、炎症、血糖、心臓など身体の健康に有益な効果を与える可能性は低い。という事です。
このように、ココナッツオイルを摂取することによる有益な科学的根拠はないので、健康向上を目的にココナッツオイルを積極的に摂取するのは、おススメは出来ない。という解釈が出来ます。
ココナッツオイルは中鎖脂肪酸だから健康にイイ!というのは間違い!?
ココナッツオイルの健康上の有益性を主張する支持者は、ココナッツオイルの中鎖脂肪酸に目を付けています。つまり、肝臓に貯蔵されず、素早くエネルギー源となるため脂肪として蓄積しにくいという点。問題はそこなのです!
いくらココナッツオイルの5割を占めるのがラウリン酸(中鎖脂肪酸)であったとしても、ココナッツオイルの約4分の1は長鎖脂肪酸であるパルミチン酸やミリスチン酸です。長鎖脂肪酸を全く含んでいないという訳ではないのです。そう考えると、今回の研究結果も合点がいきます。
研究の信憑性を高めるために 、さらに多くのメタ解析を行ってみると・・・
ココナッツオイルに関してより決定的な回答を得るため、van Dam氏や筆頭著者のNithya Neelakantan氏らは、関連する可能性のある873本の論文を確認する調査を実施しました(解析には16本の論文が含められ、それは参加者730人の計17試験に関するものであった)。
ココナッツオイルに基づく結果を簡単にまとめると
熱帯オイル(ココナッツオイル)非熱帯オイル(亜麻仁油、大豆油)の比較では、
- 非熱帯オイルであるオリーブオイルや亜麻仁油と比較し、ココナッツオイルは総コレステロール値を14.69mg/dL有意に上昇させた。
- ココナッツオイルはLDLコレステロール値を10.47mg/dL上昇させ、また高比重リポ蛋白(HDL)コレステロールを4.00mg/dL上昇させた。
- ココナッツオイルは、非熱帯オイルと比較し、トリグリセライド値(中性脂肪値)を有意に変化させなかった。
※非熱帯オイルの亜麻仁油や大豆油は不飽和脂肪酸に当たります。
ココナッツオイルとパーム油(飽和脂肪酸を約50%含む)が比較では、
- ココナッツオイルとパーム油の試験では、ココナッツオイルは総コレステロール値を25.57mg/dL、LDLコレステロール値を20.50mg/dL、HDLコレステロール値を2.83mg/dL有意に上昇させた。
- トリグリセライド値には有意な変化は認められなかった。
まとめ
ココナッツ油は非熱帯性の植物油(不飽和脂肪酸)と比較し、体重、腹囲、体脂肪率、C反応性蛋白値(炎症を表す数値)、空腹時血糖値に対し有意な影響を与えなかったらしい。
このメタ解析の結果から考えられることは、「健康向上のためにココナッツオイルを摂取する根拠は存在せず、対してココナッツの摂取量が多くなると、血中LDLコレステロール値が上昇し、心疾患リスクが増加する可能性がある」という事。
心疾患予防の為に、『ココナッツオイルを摂取してね!』とは中々言いにくくなりましたね。それよりは、植物オイルだったら、オリーブオイル、亜麻仁油、大豆油などの非熱帯性のオイルを摂取する方がいいようです。
けれども、ココナッツオイルは何と言っても、あの香りがイイですよね!
食事の風味付けや食感のために控えめに使用する程度だったら問題ないと思います。
ココナッツオイル摂取と心血管発生リスクの関連性を調査した研究ではないので、ココナッツオイルを摂っているから心筋梗塞になる!動脈硬化が起こる!とまでは言い切れませんが、ココナッツオイルが心血管疾患の発症リスクを下げる。とは言えないようです。
という事で、2回にわたってお届けした『ココナッツオイル問題』如何でしたでしょうか?食事も生活もバランスが大事。とはよく聞きますが・・・。
と言いながら、わたくし、マイケルゆみこは、かなりエキセントリックな人間です(笑)
参照・参考
Van Dam and Sacks have disclosed no relevant financial relationships.
Circulation. Published online January 13, 2020. Abstract, Editorial
Medscape Medical News © 2020
ココナッツオイル、本当に身体にイイのか問題! ~第一弾~
皆さん、こんにちは(^^)
まだまだ、寒いですね~、風邪ひいてませんか?
くれぐれも、体調には気を付けてくださいね。
読者の方々の中には、「健康の為に、ココナッツオイルを摂取している!」という方もいると思うのですが・・・
ココナッツオイルが好きだから、風味付けのために使用しているなら良いのですが、今回取り上げたいのは、
『健康のために、ココナッツオイルを摂取している!』というヒトたちへの警笛を鳴らそうと思います。
マイケルゆみこのブログにも何度か、飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸の話題が出てきています。飽和脂肪酸は動脈硬化や心血管疾患、脳卒中の発症リスクなどを上昇させるので、過剰摂取は避けたほうがいいよ~。といった内容の話です。
飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸
- 飽和脂肪酸:バター、パーム油、動物性の油脂など。常温で固まり、酸化しにくいのが特徴です。一方で、飽和脂肪酸の過剰摂取は、心血管疾患の発症リスクを上昇させるなど、マイナス面もあります。
- 不飽和脂肪酸は:植物や魚の脂に多く含まれます(オリーブオイル、魚の脂、亜麻仁油など)。常温では固まりにくく酸化しやすいのが特徴です。
不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分類され、一価不飽和脂肪酸の代表格はオレイン酸(オリーブオイルなど)で、血液中のLDL値を下げる働きがあるとも言われています。多価不飽和脂肪酸に代表とされるのは、n-3系(α-リノレン酸、DHA、IPA)とn-6系(リノール酸)です。α-リノレン酸は体内でIPA、DHAへと変化します。また、リノール酸は体内でアラキドン酸を作り出します。α-リノレン酸、リノレン酸、アラキドン酸は体内で合成されないため、必須脂肪酸と呼ばれていて体外から食物として摂取する必要があります。
で、ココナッツオイルってどうなのよ・・・?
ここまでの内容を読むと、飽和脂肪酸は身体に悪くて、不飽和脂肪酸は身体に良い。と単純には何となく理解できると思います。
では、ココナッツオイルって、飽和脂肪酸?それとも不飽和脂肪酸??
健康にイイ!って言われているから、不飽和脂肪酸だと思いきや、、、
ココナッツオイルは、、、飽和脂肪酸です。
植物性の油ではありますが、常温で固まりますよね?
ではなぜ、ココナッツオイルが健康に良い!と思われるようになってのでしょう?
それは、ココナッツオイルの5割を占める脂肪酸が、ラウリル酸であるという説です。
下表をご覧になってお分かりになるように、ココナッツオイル(ヤシ油)は、肉の脂やバターなど他の飽和脂肪酸と比較して、ララウリル酸が多く、パルミチン酸が少ないのが特徴です。
この、ラウリル酸とパルミチン酸、ステアリン酸の占める割合が、ココナッツオイルが身体にイイと思われている理由のひとつです。
ラウリル酸は中鎖脂肪酸の一種です。中鎖脂肪酸は一般的に、「体内でコレステロール生成に使用されるのではなく」、門脈を通って吸収されると指摘されています。
一方、パルミチン酸やステアリン酸などの長鎖脂肪酸は、摂取すると全身(静脈や門脈、リンパ管)を通って吸収されます。そして一旦、肝臓や筋肉、脂肪組織に貯蔵され必要に応じて分解されます。
このように、ココナッツオイルの主成分である中鎖脂肪酸は、一般の油脂と比べると速やかに消化・吸収されるため、効率のよいエネルギー源となり、脂肪として蓄積されにくいといった傾向があります。これが、ココナッツオイルがヒトの身体によいと考えられている所以であります。
しかし本当にそうなのかしら???
ココナッツオイルを摂っても太らないの?健康にいいの??
次回は『ココナッツオイルは本当に健康に良いのか!?』の続きを具体的に、科学的根拠を元にして解説していきたいと思います。
皆さん、それまでグッバーーーーーーイ♡
緑茶を飲むと長生きする!?
緑茶を良く飲む人は健康で長生きでいる!?
緑茶を良く飲む人は、あまり飲まない人に比べて健康で長生きできる可能性が高いことを示唆する研究結果が報告されました。
この研究では、緑茶を週3回以上飲んでいた人では、飲む習慣がない人に比べて心筋梗塞や脳卒中になる確率が低く、50歳の時点での余命も約1年長いことが明らかになったのです。
で、その研究内容がどういうものかというと・・・
研究内容
- 対象は中国の成人、10万902人
- 研究開始時に心血管疾患やがんを発症していない人
- 質問票を用いて、対象者の緑茶を飲む習慣のほか、生活習慣や病歴などに関する情報を収集。
- 体重、血圧、コレステロール値を測定し、緑茶の摂取量と心血管疾患および全死亡のリスクとの関連性を調べた。
研究結果
- 追跡期間中(中央値7.3年)に、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患イベントが3683件生じた。
- 緑茶を週3回以上飲む人は、全く飲まない人や飲む回数が週に3回未満の人に比べ、心疾患や脳卒中の発症リスクが20%低い。
- 緑茶を週3回以上飲む人は、全く飲まない人や飲む回数が週に3回未満の人に比べ、致死的な心疾患や脳卒中による死亡リスクが22%低い。
- 緑茶を週3回以上飲む人は、全く飲まない人や飲む回数が週に3回未満の人に比べ、全死亡率が15%低い。
- 緑茶を週3回以上飲む人は、50歳の時点で冠動脈疾患や脳卒中を発症するまでの期間が1.41年長く、余命も1.26年長かった。
こうしてみると、緑茶の効果って凄いですよね!!
緑茶を週3回以上飲むだけで、心筋梗塞、脳卒中、死亡する確率が低く、長生きする可能性が高いという事です。
これまでの研究でも、緑茶はコレステロール値の改善や体重、心疾患および一部のがんのリスク低減との関連性も示されてきました。
ただ、この研究は観察研究であり、緑茶自体に効果があるのか?ということを証明するものではありません。
しかし、緑茶の健康効果は様々な国々で報告されていて、臨床試験によるエビデンスもいくつか存在しています。
イラン人女性を対象にした最近の研究で、緑茶を1日に3杯飲んだ群では、8週間にわたり体重、血圧、血糖値、コレステロール値の改善が認められたというデータもあるのですよ。
緑茶とは? 煎茶、抹茶、ほうじ茶も緑茶のひとつです。
緑茶(りょくちゃ)は、チャノキの葉から作った茶のうち、摘み取った茶葉を加熱処理して発効を妨げたもの。もしくはそれに湯を注ぎ、成分を抽出した飲料のこと。
中国は全世界の緑茶の約75パーセントを供給する主要生産国です。中国国内で生産される茶類のうち60パーセント以上を緑茶類が占め、多くの人々が緑茶を常飲しているそうです。中国って烏龍茶のイメージがあったのですがねぇ…。
また、日本茶(煎茶、抹茶、ほうじ茶など)はその多くが緑茶であり、緑茶は日本でもっとも良く飲まれている茶です。
でもね、緑茶を飲んでりゃ、健康になるわけではないですよ!
こういう報告をすると、「緑茶飲んでるから、何食べたって、運動しなくたって長生きできる~!」なんて言う人が、1%くらいいるのですが・・・。
緑茶を週3回飲んだからといって、病気にならない。長生きする。と拡大解釈してはいけません。
一般的な食習慣にプラス、週3回緑茶を飲むと健康的な生活を送れる確率が増すという事です。しかも、緑茶のイイところは、手間もいらず週に3回飲むという習慣を付ける。ただそれだけなのです。今からできます!緑茶って、何処でも売っていますしね。
加糖たっぷりのジュースを飲むなら、緑茶を飲んだ方が身体にはイイのは間違いないです!
しかし、気を付けなければいけない事も・・・
緑茶にはカフェインが含まれているので、相互作用を引き起こすお薬と飲んでいる人や、不眠症の人は注意が必要です。また、おトイレも近くなります(笑)。
新型コロナウィルス ~今、私たちがすべき対策と対応とは!?~
皆さん、こんにちは(^^)
今回は、今、世間を賑わしている新型コロナウィルスに関して、現時点で分かっている確実な情報を簡単にお伝えしたいと思います。
2019年12月中国湖北省・武漢で発症した新型コロナウィルスについては、様々な情報があり憶測を呼んでいます。1月28日、日本政府は新型コロナウイルス感染症を「指定感染症」と定めました。
コロナウィルスとは
コロナウィルスは、実は1960年ごろに既に知られており、ヒトに蔓延している風邪のウイルス4種類と、動物から感染する重症肺炎ウイルス2種類が知られています。それらの中には、中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)などの重症化傾向のある疾患の原因ウイルスも含まれています。それ以外の4種類のウイルスは、一般の風邪の10~15%(流行期は35%)の原因となるものです。
要するに、コロナウィルスは60年程前よりその存在は認知されており、多くの感染者は軽症(風邪症状)ですが、高熱を引き起こすこともあります。
2002年に中国中国広東省で発生したSARS(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス:SARS-CoV)は、SARS患者(疑い例を含む)は8,069人、うち775人が重症の肺炎で死亡した。致死率は9.6%にも及ぶ(2003年12月時点のWHOの報告)。当初、この病気の感染源はキクガシラコウモリが自然宿主であると考えられている。雲南省での調査では、SARS-CoVとよく似たウイルスが、今でもキクガシラコウモリに感染していることが確認されている。ヒトからヒトへの伝播は市中において咳や飛沫を介して起こり、感染者の中には一人から十数人に感染を広げる「スーパースプレッダー」が見られた。また、医療従事者への感染も頻繁に見られた。死亡した人の多くは高齢者や、心臓病、糖尿病等の基礎疾患を前もって患っていた人であった。子どもには殆ど感染せず、感染した例では軽症の呼吸器症状を示すのみであったそうです。
新型コロナウィルスの潜伏期間
潜伏期間は現在不明ですが、他のコロナウイルスの状況などから、最大14日程度と考えられています。
なお、世界保健機関(WHO)の報告によれば、現時点の潜伏期間は2-10日とされています。
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/situation-reports
新型コロナウィルスはどのように感染するのか?
新型コロナウイルス感染症がどのように感染するのかについては、現時点では、飛沫感染(ひまつかんせん)と接触感染の2つが考えられます。
- 飛沫感染
感染者のくしゃみや咳、つばなどの飛沫と一緒にウイルスが放出され、別の人がそのウイルスを口や鼻から吸い込み感染します。
※主な感染場所:学校や劇場、満員電車などの人が多く集まる場所 - 接触感染
感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れてウイルスが付き、別の人がその物に触ってウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触って粘膜から感染します。
※主な感染場所:電車やバスのつり革、ドアノブ、スイッチなど
感染を予防するために注意すべきことは?
まず、一般的な衛生対策として、石けんやアルコール消毒液などによる手洗いが重要です。咳などの症状がある方は、咳やくしゃみを手でおさえると、その手で触ったドアノブなど周囲のものにウイルスが付着し、ドアノブなどを介して他の人に病気をうつす可能性がありますので、咳エチケット必要です(咳・くしゃみをする際に、マスクやティッシュ・ハンカチ、袖、肘の内側などを使って、口や鼻をおさえること。)特に電車や職場、学校など人が集まるところで実践することが重要です。
また、糖尿病、心血管疾患、慢性腎臓病、COPD等の持病をお持ちの方などは、上記に加えて、公共交通機関や人混みの多い場所を避けるなど、より一層の注意が必要となりますので、人が集まるような場所への移動は、必要な場合を除く極力避けたほうが良いと考えられます。
新型コロナウィルスの診断方法
診断方法としては、核酸増幅法(PCR法など)があります。実際に検査を検討する場合は、「疑似症定点」の医療機関から疑似症として保健所に届出後、地方衛生研究所または国立感染症研究所で検査することになります。
新型コロナウィルスの治療方法は!?
診断方法としては、核酸増幅法(PCR法など)がありますが、実際に検査を検討する場合は、「疑似症定点」の医療機関から疑似症として保健所に届出後、地方衛生研究所または国立感染症研究所で検査することになります。
新型コロナウィルスの治療法は!?
現時点でこのウィルスに特に有効な抗ウィルス薬はなく、対症療法(疾患の根本的治癒ではなく、患者の症状に対応して処置をする治療法。)を行います。
どのような場合に重症化するのか!?
現時点で、どのような患者さんが重症化する。という明確な根拠はありません。しかし、通常の肺炎等と同様に、高齢者や基礎疾患を有する方において、リスクが高くなる可能性は考えられます。新型コロナウイルスに罹った肺炎患者を調査したところは、1/3―1/2の方が糖尿病や高血圧等の基礎疾患を有していたとする報告もあります。
高齢の方や、基礎疾患を有する方は、一般的な衛生対策に加えて、公共交通機関や人混みの多い場所を避けるなど、より一層の注意をするよう、厚生労働省は注意を促しています。
今、新型コロナウィルス対策として、何をしたらいいのか?
新型コロナウィルスはインフルエンザと同等の感染力であるという研究が、世界から報告されていますが、これらも確かではありません。
今、私たちが出来ることは、巷の根拠のない噂に騙されず、確実な情報を入手する事だと思います。
そして、私たちが今すべきことは、『咳エチケット』、『手洗い・手指消毒の遵守』です。
もし、発熱(37.5℃以上)かつ咳などの呼吸器症状がある、発症から2週間以内に以下の曝露歴のいずれかがある(武漢市を訪問した、「武漢市への渡航歴があり、発熱かつ呼吸器症状を有する人」と接触した)という方は、厚生労働省の新型コロナウィルス相談窓口か、お住いの都道府県にある保健所に電話して下さい。
低脂肪vs.低炭水化物ダイエット ~本当に効果のあるダイエット法はどっち!?~
皆さん、こんにちは(^^)
2020年、オリンピックイヤーをかざる年始の目標に『今年こそは痩せる!!』
と意気込んでいる方も多いはず!
そんな方は必見です!!
科学的根拠のあるダイエット法が明らかになりました~。
ついに、低脂肪ダイエットvs.低炭水化物ダイエットどちらの食事療法に減量効果があるのか!?この議論に決着がついたようです。
「デブの原因は脂肪だ~!」とか、「いやいや、糖質が本当の悪なんだー!」なんて論争が日々続いていますが・・・。実際、日本や海外の医学会でも両者のどちらを推奨しているかは、その道の専門家でも各々見解が異なっているんです。
低脂肪グループvs.低糖質食グループ
この研究は、米国のスタンフォード大学などの研究チームによるもので、2013年1月29日~2015年4月14日にかけて、12か月間実施。2018年2月20日号のJAMA誌(米国医師会雑誌)に掲載発表されました。
- 平均BMI値28~33のやや肥満傾向の男女(女性57%)
- 非糖尿病の18~50歳、609例を対象
- 無作為化試験「DIETFITS」(The Diet Intervention Examining The Factors Interacting with Treatment Success)を実施
被験者を2群に分けて、
- 低脂肪グループ:最初の2カ月は脂肪は1日20gまで。その後、少しずつ量を増やしていき、平均で1日42gまでにする。
- 低糖質グループ:最初の2カ月は糖質は1日20gまで。その後、少しずつ量を増やしていき、平均で1日96.6gまでにする。
さらに、共通する指示として、
- 1日の摂取カロリーに制限はなし(気にしなくてOK)
- タンパク質の量はどちらのグループとも1日90gぐらい
- できるだけ加工食品を減らして野菜を増やす(小麦や砂糖、トランス脂肪酸の量はできるだけ減らす)
参加者の遺伝子型やインスリン感受性に関しても調査
この研究が興味深いのは、食事制限の指導のみでなく、個々の遺伝子型も調べて調査を行った所です。
- 生まれつき脂質の代謝が苦手な人(=低脂肪が効きやすいと推測される)
生まれ持った体質によって、ダイエットの効果に違いが出るのか?という問題です。
低脂肪食と低糖質食、どちらに軍配があがるのか!?
この結果、遺伝子体型やインスリン感受性を考慮にいれても、低脂肪食と低糖質食の減量効果同程度。結果、引き分けということです。
- 1年間の期間の終了時に、低糖質食を続けた人は、平均して1日に132グラムの炭水化物を摂取しており、試験前の247グラムの半分近くまで減らした。
- 同様に、低脂肪食を続けた人は、平均して1日に57グラムの脂肪を摂取していた。試験が始まる前には平均87グラムを摂取しており、3分の1を減らした。
- 試験開始から1年後には、低糖質ダイエット群では平均で6.0キログラム、低脂肪ダイエット群では5.3キログラム減量し、減量効果は両群間で同程度であることが分かった。
- 安静時の血圧とインスリンの改善も両群間に差はなし。
- 悪玉コレステロールの減少は低脂肪食が優勢(ただし僅かな差)
- 善玉コレステロールの増加は低糖質食が優勢(ただし僅かな差)
- 8件の有害事象が認められたが、発生の割合は両群で同程度だった。
実は、研究チームは参加者に、どちらの食事スタイルに振り分けられたにせよ、
「新鮮な野菜を食べる」
「精製された加工食品をなるべく控える」
「極端に空腹になるのを避ける」
「食後に運動をし、血糖値が上昇するのを防ぐ」
など、一般的な食事のアドバイスをしています。
とくに注意したのは、特定の食事スタイルを長期間続けられるよう調整することで、「今回の研究が終わっても、自分の選んだ健康的な食事スタイルを、ずっと続けられるようになることを目指した」といいます。
〇〇制限食とかでなく、摂取しているカロリーの質が重要
低脂肪ダイエットと低糖質ダイエットのどちらも、無条件に健康に良いわけではありません。たとえば、炭酸飲料や清涼飲料水などは低脂肪ですが健康的ではなく、ラードは低糖質ですが、アボカドの方がより健康的です。
体重を減らすために基本となることは、食事で必要な栄養素を十分に摂り、カロリー摂取量が消費カロリーを上回らないようにコントロールすること。in outのバランスが重要です。
体重を効果的に減らすことを目指しているという点で、低脂肪ダイエットと低糖質ダイエットは戦略は似ています。極端にストイックな食事制限は長続きしましん。
ダイエットや健康に求められているのは、食べることを我慢することではなく、もっと効率のよい食べ方に変えていく方法を探ることです。
体重を減らすために有効なのは、低脂肪食なのか、低炭水化物食なのか…、多くの臨床研究が行われ、いまだ意見の一致は得られてません。しかし、総エネルギー摂取量は各群ともに平均で2,200kcalから1,700kcalまで減少させることができており、低脂肪食であっても低炭水化物食であっても、食品の組成や遺伝因子、インスリン分泌能に関係なく減量が可能であるというこの試験の結果は、痩せることに最も重要なのは、エネルギーの総摂取量を減らすことであるというきわめてシンプルなことを科学的に示しています。
さらに重要なことは、カロリーの質の高い食事を取ること。同じ500kcalでもポテトチップスを食べるのか、焼き魚定食を食べるのかでは、まったく栄養素が異なるのは明白です。
次回は、ダイエットや健康にも関連した食事療法であるDASH食についてお話ししようと思っています。このDASH食は高血圧予防のための食事療法アプローチなのですが、実は高血圧予防効果だけでなく、糖尿病予防効果、高尿酸血症予防効果、体重減少効果など、非常に有益な食事療法であり、U.S.ニューズ・アンド・ワールドリポート誌(U.S. News & World Report)の2018年食事ランキングでは、「DASH食(高血圧予防のための食事療法アプローチ)」が総合第1位にランク付けされているのです。非常に興味深いですよね!!
次回は、このDASH食についての記事でお会いしましょう~!(^^)!
原著論文はこちら
Tay J, et al. Diabetes Care. 2014 Jul 28.
1日3杯のコーヒーで健康を手に入れる!~コーヒーの不思議~
1日5杯未満のコーヒーで死亡リスクが低下する!
コホート研究とは
ある特性(生活習慣や検診の受診歴など)をもった集団(これを「コホート」という)に対して疾患の罹患や死亡などを追跡することによって、その特性と疾患のリスクとの関連を明らかにする研究。例えば、自発的にがん検診を受診した群と受診しなかった群とで、その後の当該がん死亡率を比較する。無作為化比較対照試験の各群をコホートと表現することもあるが、一般的にがん検診のコホート研究は、受診率の高い集団と低い集団との比較、あるいは、単一コホートの中で受診群と未受診群の死亡率を比較評価するものを指す。
コーヒーの効果と効能
-
男女共に、コーヒー5杯/日未満の摂取が全死因死亡率を低下させた。しかし、コーヒー摂取量が5杯/日以上ではその効果が低くなった。
-
男性では、がん以外の主な死因による死亡で予防効果を発揮した。
-
女性では、1~2杯/日のコーヒー摂取によって心臓病による死亡リスクが減少したが、5杯/日以上のコーヒー摂取では逆に心疾患リスクが増加した。
-
男女共に、がんの発症率はコーヒー摂取とは関連が認められなかった。
-
男女とも、コーヒ摂取によって大腸がんリスクは低下しなかった。
- 女性では、1日3杯以上のコーヒー摂取で、結腸がんのリスクを低下させた。*2
- コーヒーやお茶の摂取で糖尿病発症リスクを抑制することが出来る。
- 55歳未満のアジア人において、緑茶の摂取は空腹時血糖(FBG)を低下させる可能性がある。*3
- 烏龍茶、紅茶、コーヒーには空腹時低血糖を低下させる働きは認めなかった。
- カフェインには脂肪燃焼効果があるため、運動前にカフェインと摂取すると運動効果がアップする
これだけは気を付けて!! コーヒは睡眠障害を招く!
“病気を防ぐ”という観点からは非常に効果の高いコーヒーですが、コーヒー摂取に関して注意を払いたい局面もあります。
コーヒーに含まれるカフェインは、神経系に強い影響を与える刺激物です。
「仕事を終えた帰り道にマグカップ1杯のコーヒーを飲むと、睡眠に悪影響が生まれ、その影響力は寝る前にカフェインを摂取する場合と同等と思われる」という報告もあります。
ある実験では、複数の被験者に異なるタイミング(寝る間際、寝る3時間前、寝る6時間前)でカフェインを摂取ところ、全員の睡眠が大幅に阻害されたことがはっきりと数値に表れたそうです。要するに、寝る直前はおろか、寝る6時間前であっても、カフェインを含むコーヒーやお茶を飲めば睡眠が阻害されることが明らかなのです。
しかも、カフェインを摂取すると身体も心も上向きにさせます。つまり中毒性があるのです。
カフェインの半減期(一定時間(例:12時間)が過ぎた後でも、まだその半分の量が体内で活動しているという意味)は、8時間だと言います。ですから、寝る6時間前に摂取したカフェインでも、半分以上は体内に残っているという事になります。
カフェインの多量摂取や、就寝前のカフェイン摂取によって、睡眠妨害を招いているのは、まぎれもない事実なのです。
コーヒーと上手に付き合う方法
コーヒーは、心血管疾患や糖尿病のリスクを低下させますし、元気の源として働いてくれます。その恩恵を最大限発揮するには、どんな方法があるでしょう?
- 体内に残留しない頻度で摂取するよう身体を慣らす必要がある。
- 午前中にコーヒーを摂取して、身体のリズムを整えましょう。
- コーヒーは午後2時以降は摂取しないようにしましょう。
コーヒーは、カフェインだけでなく、抗酸化成分の一種であるクロロゲン酸を含んでいます。この抗酸化作用がアンチエイジングに効果がある、美肌作用やシミの予防にもなると言われています。
また、フランス料理のコースの一番最後にでてくる、あれ、、、思い出してみてください・・・。コースの最後にエスプレッソが出てきますよね?
実はコーヒーには、消化液の分泌を促し、消化を促進してくれる作用もあるのです。
また、カフェインが睡眠中枢に働きかけるのは、摂取してから20〜30分後です。なので、昼寝の直前にコーヒーを飲むとちょうどいいタイミングで脳を覚醒させてくれ、スッキリ目覚めることができるんです。
ですから、昼食の最後にコーヒーを摂取するのはおススメできます。
「昼寝をしたいけれど、眠るとなかなか起きられない…」という方でも、安心ですね。
コーヒーと上手に付き合えば、コーヒーの効能や効果を最大限発揮する事ができるんです。けれど、くれぐれも深夜、就寝前に飲むのは避けましょうね♩
ダークチョコレートを食べると認知機能がアップする!? ~皆さん小腹がすいたらチョコレート♡~
読者の皆様、新年あけましておめでとうございます!!
私の幼少の頃の記憶を遡ると、、、元日やおめでたいことがあると、
『おめでとうございます~!!』と言いながら傘回し芸をする伝統演芸コンビ、海老一 染之助・染太郎を思い出します・・・。懐かしいですね。。。
今回のお題は、伝統演芸とは全く関係ありません。皆さん、普段からチョコレートって、食べますか?巷では、高カカオのチョコレートは抗酸化作用であるポリフェノールが多く含まれているから、健康にいい!なんて話も聞こえてきます。スーパーやコンビニに行くと、最近やたらと「70%カカオ」とか「80%カカオ」という商品が目に飛び込んできますよね!
あれが、カカオ含有量が高い=高カカオチョコレート=ダークチョコレートです。
今回は、この高カカオチョコレートである、ダークチ、ョコレートの健康への有効性が証明された論文を発見したのでご報告しますね。
ダークチョコレートを食べると認知機能が上昇する!
ダークチョコレートを毎日食べると、神経成長因子(NGF)という蛋白質が増加し認知機能も向上するという研究結果が報告されました。しかもチョコレートの摂取を中止した後もしばらく認知機能が高い状態が維持されたそうです。ただし、ホワイトチョコレートにはこの効果はないそうです。*1
この研究は、島根大学の健康な学生20人(20~31歳、男性14人)を対象に行われました。全体を無作為に2群に分け、1群にはカカオパウダーを含むダークチョコレート(24.0g/日)、別の1群にはカカオを含んでいないホワイトチョコレート(24.5g/日)を支給し、30日間毎日摂取。この間、カフェイン入り飲料は1日3杯までとし、支給したもの以外のチョコレートの摂取を禁止した。認知機能および血中NGF(神経成長因子)濃度は、連日摂取の介入前、介入終了時、そしてカカオ成分であるテオブロミンの血中濃度が通常レベルに戻ると考えられる介入終了から3週間経過した時点の計3回、計測した。 認知機能は以下の2つの方法で判定した。
- テスト1:赤、黄、青、緑という文字が4色の異なる色(赤、黄、青、緑)で印字されたもの(文字の色と文字の読みは無関係)を見て、文字の読みまたは色を瞬時に答えるというもの。
- テスト2:無作為に並んでいる0~9の数字の中から、指示された数字だけを時間内にできるだけ多くチェックするというもので、1分間の休憩を挟み3回繰り返した。
測定結果
- 研究家移入前の認知機能、血中NGF濃度は両群で同等。
- ダークチョコレート群では、実験介入後、NGF濃度が有意に上昇。
- ダークチョコレート群では、実験介入後、テスト1の正当数が有意に増加
- ダークチョコレート群では、実験介入後、テスト2において3回目のトライの成功率が有意に向上
- 一方、ホワイトチョコレート群では実験介入前後において、いずれも有意な変化が認められなかった。
続いて、介入終了後から3週間後の結果は
- ダークチョコレート群ではNGF濃度は介入前のレベルに戻っていた。
- テスト1の文字の色読みの正答数は、ダークチョコレート群では介入前より有意に増加していた。
ダークチョコレートの摂取を中止すると、神経成長因子(NGF)濃度は摂取前の数値にもどってしまうようですが、認知機能は引き続き有意に高い状態が維持されるということなんですね。
また、同時に検討されたカカオ成分であるテオブロミン濃度は、ダークチョコレート群において介入期間中のみ有意に高かった。
その他、血中カフェイン濃度、脳由来神経栄養因子(BDNF)、前頭前野血流量は、両群ともに有意な変化は見られなかった。
ダークチョコレートといっても、どんなチョコレートを選んだらいいの?
チョコレートはダーク、ミルク、ホワイトの3つに大きく分類されます。チョコレートの原材料には、カカオマスやココアバター、(ココアパウダー)、砂糖、乳成分、乳化剤、香料があります。このうちの乳成分はミルクチョコレートとホワイトチョコレートのみに含まれるものになります。乳成分とは粉乳のことで、牛乳から水分のみを取り出し乾燥させパウダー状にした全脂粉乳や、乳脂肪分も取り除いた脱脂粉乳などがあります。ミルクチョコレートやホワイトチョコレートでは、この粉乳が含まれている分だけチョコレート全体に占めるカカオの割合は減少します。つまりダークチョコレートと比較すると必然的にカカオ分は低いものとなるのです。
高カカオチョコレートとは、カカオ含有量が多いものを指します。つまり、チョコレートの成分表で【カカオ含有量】を見れば一目瞭然です。
一般的に、【カカオ成分70%以上】のチョコレートをダークチョコレートと言います。
ですから、コンビニやスーパーでチョコレートを買うなら、「カカオ70%」とか「カカオ80%」を選べばいい訳ですが、、、デメリットは、高カカオは値段が高い。高カカオは甘くない。といったところでしょうか…。
ダークチョコレートの健康効果
- 高血圧が改善(血圧を下げる働きがある)
- 精神的・肉体的に活動的になる
- 善玉コレステロールの上昇と強力な抗酸化作用
善玉コレステロールと言われるHDLを増加させるにもかかわらず、LDL(悪玉コレステロール)は増加させなかった。 - 認知能力の上昇
実は、チョコレートやココアに含まれるカカオポリフェノールは、活性酸素を抑える働きがあることが知られ、生活習慣病に有効であるとの多くの報告が以前よりありました。コレステロール値の改善、血圧低下および血管内皮機能の改善、心疾患リスクの低減、インスリン抵抗性の改善といった多岐にわたる臨床試験結果が得られています。
今回の研究結果では、
「ダークチョコレートの連日摂取によって、血中NGFとテオブロミンのレベルが上昇し、認知機能の向上が認められた」という事が分かりました。
これから、ちょっと甘いものが欲しいな~・・・なんて時は、ミルクチョコレートでなくダークチョコレートに変えてみては如何ですか?ありがたいことに、ちょっとお値段は張りますが、品数も豊富で手に入りやすくなっています。
ダークチョコレートを食べて、記憶力、認知能力を挙げて、活動的な毎日にしていきましょう!!
原著論文はコチラ
Sumiyoshi E, et al. Nutrients. 2019; 11 pii: E2800.
参考
2019年12月9日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay. All rights reserved